蛇足ですが野仲さんの通勤経路とその周辺情報をちょっとだけ解説しておきますか…
※内容に触れているので読後に読んでいただければ嬉しいです※
作中には阪急宝塚本線と阪急今津線という大きく2種類の路線が登場します。ざっくりこういう位置関係。
宝塚線宝塚駅(終点)←←←宝塚線山本駅…自宅
↓
↓
↓
今津線西宮北口駅(終点)…野仲さん職場
どちらの路線も宝塚駅を出発地として大阪方面へ向かえる路線です。
そして幼い頃のサトウさんのトラウマを作り出してしまったのが西宮北口駅。神戸と大阪をつなぐ神戸本線のちょうど真ん中らへんに位置します。
乗り換えるには今津線の階段を上がって右側…までは合っていたのですが、神戸方面ではなく反対方向の大阪(梅田)行きのホームに降りてしまったんですね…。
一方向の電車しか来ないホームなので、階段を降りてしまった時点で子どもだったら分からないまま乗っちゃうのは起きうる…というか自分も慣れない頃にやったことがあります。
これは現地に親しい人ほど納得のすごい質感だと思いました。
神戸に行けると思って大阪にたどり着くの、確かに異世界転生したかのような戸惑いがあったな…。
最後のひとネタとして作中で野仲さんが電車の窓を開けて桜の花を招き入れたのは今津線の仁川駅あたり。
桜の名所として知られるエリアで、すぐそばの阪神競馬場ではその名もズバリ桜花賞が毎年4月に開催されています。桜がきれいな仁川の河川敷を歩いていくと武庫川に合流するわけですが、甲子園の試合でよく見かける武庫川女子大の武庫川です。武庫川を宝塚方面へ歩いていくと見えてくるのが作中でも登場する宝塚大橋。たもとには手塚治虫記念館もあったりして、そこからちょっと歩くと宝塚大劇場があって…。
という塩梅で、ちょっとだけと言いながら何の話だかわからなくなってきましたが、阪急にずぶずぶ浸かっている方が読めば情報がどんどん繋がっていき、記憶野が刺激されるのがわかっていただけたはず。そうでない方も『阪急タイムマシン』を通して阪急電車のことがちょっと気になってきたのではないでしょうか。
本作と阪急電車のこと、読んだ方が両方とも好きになっていただけたら嬉しいな〜。