KADOKAWAマンガの感想・レビュー2697件<<3637383940>>王道を詰め込んだ青春書道部ストーリー #1巻応援あすにひとふで! 矢神うた 葛原昏兎来栄寿近年「甲州和紙」として新たにブランド化されてきている、山梨県市川三郷町とその隣の身延町の伝統産業である市川和紙と西嶋和紙。身延といえば『ゆるキャン△』で非常に有名になった町ですね。 近い将来この『あすにひとふで!』の力で市川三郷町も有名になるかもしれない、いえ、なって欲しい! と感じる書道部マンガです。実在の大門碑林公園なども登場(コスプレ好きの方にはお馴染みの場所かもしれません)し、『ゆるキャン△』との聖地巡礼ハシゴも楽しそうです。 本作はとにかく、王道で正統派。少しだけ特徴的なのは、主人公がアメリカ人の女の子サラ・エイミスであるということでしょうか。 ワインの仕事を営む父親が山梨県担当になったことでアメリカから日本に転校してきたサラの原体験は、書道家のヒナギクこと明日見雛菊の書に出逢って一瞬で恋に落ちたこと。 しかし、サラが意気揚々と入ろうとした書道部は廃部寸前。イケメンで女子にモテモテな部長の上浦ここのと、ここのにそそのかされた書道初心者である副部長の大門寺ふみの2年生のふたりのみ。部員は少なくとも、憧れの書の道を真っ直ぐな熱意で進んでいく物語となっています。 書道部マンガといえば、金字塔的な存在として『 とめはねっ! 鈴里高校書道部』がありますが、本作の清由(すみよし)高校書道部では書道パフォーマンスが活動の中心となっていることが特徴です。身長より大きく重い筆を一生懸命に振り回すサラの姿は、応援したくなります。 「書道なんか大嫌い」 と言い放つ訳あり顔なクラスメイトの牡丹ちゃんなど、王道オブ王道な構成ですがそれがいい。 既に、私の頭の中ではアニメーションとして声と色と動きが付いてサラたちが動いている様子が展開されています。ぜひ、このまま続けてアニメ化して人気を博して欲しいです。 書道に興味がある方、美少女部活ものが好きな方、山梨県民の方にお薦めです。恋愛経験ほぼ皆無。今はコレぐらいほんとにあるかもしれないわたしは壁になりたい 白野ほなみさいろくあらすじの説明がパーフェクトゥ! アセクシャルな彼女はもちろん、隠れゲイな彼も恋愛耐性・経験がなすぎて、そんな2人が世間体のため(という体で)結婚するのだけど、どんな性自認だったとしてもニンゲンとしての付き合い・ニンゲンとして寄り添い接することに礼を欠かずにトライできる大人であるため、「女性」とか「異性」とかいう大枠で相手を見ずに個人として見るようになっていく。 そりゃーそうなんだよ、人は1人ずつ違うんだもの。 当たり前なんだけど、それの大切さがしっかり描かれていて、徐々に学んでいく2人を見守る。幸せになりたい二人の哀しい女の子 #1巻応援ラストサマー・バケーション 東洋トタン兎来栄寿BRIDGEはこういう作品が出てくるので良いなぁと思います。第1話には『マイ・ブロークン・マリコ』以来の衝撃をBRIDGE作品の中では受けました。 作者の東洋トタンさんも、新人賞を獲りたてで当時の平庫ワカさんと同じく初連載という状況であることや、女性二人の哀切な物語であるところも想起させる要因となっています。 重みと凄絶さ、そしてそれらを生み出す絵柄の美しさと迫力。描く方にも覚悟が要り精神を削りながら筆を握っているであろう、読む方の魂に深々と爪を立ててくるような作品を私は愛します。 1話で言うと、プールのシーンでの1ページ丸々使った音無さんの表情などは最高ですね。 そして、表紙も本当に素晴らしい。彼女たちの持つ言葉では言い表し難い複雑な感情が、笑っているようにも泣いているようにも見える絶妙な表情で一枚の絵として描き表されています。 敢えて作品の内容には深く触れないので、とりあえず読んでみて欲しいです。 余談ですが、一昨日紹介した『Mint Love ミントラブ ‐薄荷之夏‐』とは、同じ思春期の女の子の夏の物語でもこうも違うかと思ってしまいます。 東洋トタンさん、今後も注目して推していきたい新星です。Twitterでは他にも百合短編なども公開されているので、本作を読んで気になった方はチェックしてみてください。SF現代ファンタジーと要素てんこ盛りプランダラ 水無月すうstarstarstarstarstar宮っしぃもりもりの要素入ってるが、それを上手くまとめていて読んでいて飽きない良作 カウントという、数字の積み重ね方が人それぞれ違い、そのカウント数を奪い合ったりと、カウント数で全てが決まる世界、と斬新な設定でカウントの貯め方が悲壮感ありそうな設定だったりと伏線の様な物もたっぷり 現代の日本やファンタジーな世界観の中でバトル・ラブコメ要素がたっぷり入っているので、かなり刺さる内容だった 水無月先生っぽさもしっかりあって、個人的には先生作品の中でもトップクラスに楽しかった作品 食品工場あるある食品工場の中の人たち 各務葉月名無し以前、仕事で食品関係の工場の方々と関ったことがあります。 異物混入やら働いている人の属性やら制服やら、むちゃくちゃリアルに描かれています。 どうやらこの作者さんは、食品工場での勤務経験があるようです。 どーりで詳しいわけですね。 漫画の内容は、食品工場の日常を描いています。ほのぼのしていて良いですよ。 食品工場の中の人たちの感想 #推しを3行で推す食品工場の中の人たち 各務葉月マンガトリツカレ男・読んだ直後に思ったこと ※一番大事!※ 昔同人誌かなんかであったのは知っていたが単行本になっていたのを知ったので読んだが、いままで読んできた食品工場の漫画とちがい余計な暗さがなく面白く読めた。 ・特に好きなところは? 特にすごいイベントが発生したりするわけでもなく、食品工場での出来事が淡々とかかれているところ。なぜそうなってるのかなどの説明がちゃんと書かれているのもいい ・作品の応援や未読の方へオススメする一言! 興味深く面白く読めたので続きがあるならぜひ読みたい 中国発のピュア少女マンガ #1巻応援Mint Love ミントラブ ‐薄荷之夏‐ 火禾兎来栄寿中国では2021年にドラマとして放映された、『薄荷之夏』のコミック版です。全編フルカラーで右開きとなっています。 タイトルや表紙からも、淡くてキラキラしていて爽やかな印象が伝わってくるかと思います。実際に中を読んでみると少し想像と違った要素も混じりながらも、概ねファーストインプレッション通りの物語が展開されていきます。 空気感としては90年代〜00年代前半頃の少女マンガを思い出すようです。主人公・童夕(トンシー)と最初は険悪な感じで関係が始まるツンデレイケメン・林南一(リンナンイー)の存在がそうさせるのでしょうか。あの頃私たちは羽山秋人や道明寺司といったツンデレを日常的に浴びながら育ってきましたからね。 あるいは絵柄は現代風なのに「燃えろ小宇宙!」などの古き良きネタが飛び出すところがそう感じさせるのかもしれません。中国でも星矢は大人気と聞き及んでいますが、その影響が令和になってもこういうところに出てくるのだなと。 ともあれ、このラブコメに漂う懐かしい香りを嗅ぎ分けてしまうのはオールドなマンガファンだけで、今の子が読んだら新鮮に純粋な青春ラブストーリーとして楽しめるのかもしれないとも思います。10代の子がこの作品を読んだ際の感想など逆に聞いてみたいですね。 海外マンガに興味がある方、キュンキュンするラブコメを読みたい方にお薦めです。 世界って広い女の子がいる場所は やまじえびねstarstarstarstarstar_borderNano小学生みたいな感想が第一に出てきたけど、本当にそう思う。世界の色んな所で色んな女の子が色んな事情を抱えながらも生きているのが分かる。 女だから結婚しなきゃいけない、本を読む楽しさや勉強の機会を奪われる、女は学歴も稼ぐ脳もない。こうして文字にすると凄まじい…けれど現実で起こっている。 日本の女の子の話もあって、ああこういうことを言う人って無意識なんだ…と引いたし自分も年を取るにつれて無意識に人を傷つけるようなことを言ってしまったら嫌だなと思った。言う方も悪意があって言っているわけじゃなくて、自分のいた環境や経験から出る言葉が出てしまった場合もあるんだろうけど。気を付けたい。幸せか不幸なのかは自分自身が決める、めちゃくちゃ大事な言葉。「対岸のメル 幽冥探偵調査ファイル」感想 対岸のメル 幽冥探偵調査ファイル 福島聡ニーナ虫や動植物や幽霊と対話が出来る不思議な力を持つ少女メル。ひょんなことから頭脳明晰な少年ワキヤと出会い、その力を活かしながら謎を解いて死者の魂を救っていく話。ホラー要素はあるものの、どこか懐かしさや温かさを感じる。特にメルの父親のエピソードが良かった。壁になりたいって、どんな気持ちなのだろう。わたしは壁になりたい 白野ほなみstarstarstarstarstar_borderPom この漫画を見続けたら壁になりたいってタイトルの意味が分かってくるのかも知れない。 アセクシャルの女性と、ゲイの男性の偽装結婚のお話です。 想像以上に深く作り込まれてて読み入ってしまいました。 お互いを知っているからこそ、何でも話せる相手ってとても貴重で大事な存在なのだと思う。 相手にかける言葉の大切さや、(2人のやり取りがグッとくる)人間関係を構築してく上で大事なことを教えてくれるお話だと思います。 将棋×ミステリー×ヒューマンドラマのコミカライズ #1巻応援盤上の向日葵 雨群 柚月裕子兎来栄寿2018年に本屋大賞で2位となり、NHKで連続ドラマ化もされた名作のコミカライズです。 作画を手がけるのは雨群さん……って『麻衣の虫ぐらし』などの雨がっぱ少女群さんじゃあないですか!! 『ぼくたちの離婚』に引き続いての原作付き作品コミカライズですが、これだけ描き分けられるのが凄いです。あとがきマンガによると『麻衣の虫ぐらし』の方をかなり無理して描いていたそうで、しかも本当は前作で漫画家を引退する予定でありながらも本作を諸事情で最終作にする予定だとか。 これで終わりになるのがあまりにも勿体ないと思うくらいに、このコミカライズが素晴らしい出来栄えです。主人公たちはもちろんのこと、敏腕刑事の石破であったり端役の老人たちであったり、歳を重ねた人をしっかり魅力的に描き分けています。 ピンポイントですが、特に仙台の佐々木喜平商店の奥さんの表情の絶妙さはあまりにも素晴らしいので見て欲しいです。表情でこれだけ魅せられる人はなかなかいません。 本作は将棋がストーリーに密接に関わり、大きな謎が軸としてありながら、もうひとつヒューマンドラマとしての側面があります。雨群さんの絵の説得力が、作品の持つ世界観とも絶妙にシナジーを生み出しているのです。原作の評価もあり物語の面白さは保証済みですが、そのコミカライズとして本当に最適な人選であり担当編集さんは良い仕事をしたなと感じます。 将棋、ミステリー、ヒューマンドラマ。ひとつでも興味があれば読んでみることをお薦めします。 仲良しの2人に存分に癒される。クマとたぬき 帆starstarstarstarstar_borderPom これは、ただただ癒しの漫画です。 クマとタヌキが里山で過ごしている日常を四コマで描いた作品。 クマしかり動物を絵に書いたりするとこんなに可愛いのは何故だろう。あぁ、可愛い。 そして、クマの冬眠など、生態についても知ることが出来て、まだまだ世の中知らないことだらけだなと感じる。(そうなんだ。と何回頷いたことか。) そして改めて日本の四季って風情と情緒あって良いものだなと感じ、四季の色々を楽しんで生きたいなとも思う。全男子必見生理ちゃん 小山健名無し恐らく、全男子は読んだ方が良いと思う。 僕も幼少期は、マラソン大会ズル休みできて、プールの授業サボれて、なんか眠かったら保健室で休めると言う女性だけの特権で、何が男尊女卑だ。 そんな言葉は存在しない。と思っていました。 でも違うんですよね。 アンタッチャブルな部分がすごく理解できる作品です。 これを読んで女の子と接すれば、きっとモテると思うよ。 序盤からドキドキハラハラ白物語 石倉稔紀 Nakamu WhiteTailsゆうちゃん・まだ始まったばかりだけど、すごく続きが気になる! ・躍動感のある絵もいい!「四十九日のお終いに 田沼朝作品集」感想四十九日のお終いに 田沼朝作品集 田沼朝ニーナ「いやはや熱海くん」と同時刊行された田沼朝作品集。熱海くんにどハマりしたので、こちらも買ってみた。やはりこの方が描く空気感が好きだな、と再確認できた(笑)。個人的には表題作と「桃と道行き」「虫(と武器)よ、さらば」がお気に入り!水無月先生初期作品私の救世主さま 水無月すうstarstarstarstarstar宮っしぃ初期作品なので、そらおととかを読んだ後だと絵の上手さ等に違和感感じるかもしれない。 まあ初期の初期だからしょうがないんだけど... 完全にファンタジー作品で、救世主となった主人公が異世界で世界を救う事になり、仲間たちと旅をしたり敵と戦ったりとシンプルなファンタジー作品だが、敵のボスが親友だったり、その仲間と仲良くなって葛藤したりと、重めな内容も含まれている 人の生き死にが当たり前にある世界と現代の安全な日本とのギャップに葛藤する主人公の心情や、仲間たちとの恋愛模様などなど、ファンタジーの中にしっかり水無月先生らしさが入っていて楽しめる 水無月先生ファンなら必読作品の1つ 大正時代の日本にたった1人やってきた小さな魔女の物語 #1巻応援大正忌憚魔女 うさみみきsogor25主人公の少女・世迷(よまい)は大正時代に西洋から日本にやってきた初めての魔女でした。 彼女の目的は異なる土地の材料でも魔術が再現できるか研究すること。 しかし、日本人には魔女という存在に対する馴染みがなく、不思議な魔術を操る世迷は偏見の目に晒されることとなってしまいます。 そんな彼女が出会ったのが、魔術に興味があるという女学生・雅鳳鱗(がほう りん)でした。 ずっと白い目で見られ続けていた世迷を初めて受け入れてくれた鱗。 彼女との出会いで勇気づけられた世迷は、日本人の魔術に対する誤解を解き、人々の役に立つ魔女になると決心します。 この作品は、無知ゆえに生まれた魔女への偏見を変えるために立ち向かう、そんな世迷の姿が心を揺さぶる大正浪漫ファンタジーです! 1巻まで読了創作で最も大事なのは◯◯と◯◯だ! #1巻応援ニャリウッド! 杉谷庄吾(プロダクション・グッドブック)兎来栄寿映画化され、その映画がテレビ放映もされて『映画大好きポンポさん』の素晴らしさを知る人がますます増えていることが非常に嬉しい今日この頃。 「ポンポさんの新作が来ったぞー!」 というわけで、本当に今度こそ新作を出すつもりはなかったそうなのですが諸般の事情により描かれたという新作にして新シリーズ『ニャリウッド!』が発売されました。巻数表記もあり、今後も続いていきそうなのは非常に嬉しいです。 読む順番に関しては、作者の杉谷さんが直々に解説されているのでシリーズ初読の方は参考にしてください。 https://twitter.com/pompothecinema/status/1630703345680920576?s=46&t=o8eGKefj56WcuC_a_1RGww 『ニャリウッド!』1巻のサブタイトルは「映画大好きマズルカちゃん」ということで、前作(『映画大好きポンポさん』3巻)の最後で「映画撮るのって楽しすぎる……」と、自分でカメラも撮れる映画監督になりたいと志したマズルカを主軸にした物語となっています。 『ポンポさん』シリーズは常に最高で大好きなのですが、やはりセリフが良いです。そして、それがそのままキャラの魅力にも直結しています。 ″自分に自信が無い奴は心に余裕が無いから 失敗する事が何よりも怖い 他人にカッコ悪い姿を見られるのが何より怖い だから何も行動を起こさない 何もしなけりゃ何も失敗しねえからな そういう奴から見れば夢に向かって 突き進もうとするオメーの姿は 我が事だという自覚の有る無しにかかわらず 臆病で守りに入った自分の生き方を 真正面から糾弾されているようで腹が立つ… というより怖いんだな だから自分の不安を打ち消すために 上からの立場でオメーの夢を全否定するんだ 無意識のうちに脊髄反射でオートマチックに 人の夢をバカにするようなつまんねえ連中は 全ての責任は何もかも絶対他人の中にあると思い込まないと 自分の人生が格好悪い失敗作だと 自分で気付いちまうからな″ といった本質を突いたものや、 ″他者の介在しない世界で 自らが定めた目標に向けて自らを研鑽する それこそが「本物の自由」よ 本能のままに生きる事が出来ない動物と違って 人間は…人間だけが自由に…自らの意志によって 自らの命の価値を高めることができるのよ″ という魂を熱く燃やしてくれる名言が本作でもガンガン出てきて心に響き渡ります。読者に響くセリフは、当然作品の中のキャラクターたちにも響いて気持ちよく駆動してくれます。 マズルカが初めて取り組む脚本執筆という作業に悪戦苦闘し、もがき苦しみながらも少しずつ前へ進んでいく姿、ビビが真っ直ぐな気持ちで愚直に努力して成長していく王道感も熱いです。そして、遂に到る「創作で最も大事なのは◯◯と◯◯だ」という境地。そこで行われるのは物語を□□ということ。痺れました。その詳しい内容は、ぜひ読んで確かめてみてください。 作中でさまざまな創作論が出てくるのも健在。下手な創作論の本を読むよりも、『ポンポさん』シリーズを読破する方がよほど勉強になりモチベーションも湧く気がします。私も今温めている脚本を気合いを入れて書き上げたくなりました。 そして、書き上げた暁にはウインナー入りチーズグラタンを食べたいと思います。女に怒られる理由が分からない、と言う男に女がイライラする理由 #1巻応援下北沢バックヤードストーリー 西尾雄太あうしぃ@カワイイマンガ『アフターアワーズ』『水野と茶山』と百合マンガを描いてこられた西尾雄太先生が、今なぜ男性主人公を?と思われるかもしれませんが、読めば納得の内容でした。 本作の主人公は古着屋の店主にして、大の服マニア。 古着屋稼業・店舗経営の裏側を見せ、古着への拘りを開陳しながら、主人公が出ていった彼女とヨリを戻すヒントを得るために、昔の彼女たちに会う物語が展開します……さあ、ダメな感じがしてまいりました笑 よく、人柄は悪くなさそうな男性が、パートナー女性にものすごい怒りを買っていて不思議に思う経験、ありませんか?本作の主人公も一見まともなので、「趣味に夢中になりすぎると愛想尽かされるのかなぁ」と、同じ趣味人としては不安になりかけますが、次第に彼の「本当に悪いところ」が見えてきます。なかなかに胸が痛い内容。 男性から女性へのDV、モラハラ、マンスプレイニングやマイクロアグレッションなどには、実はかなり根が深く、複雑で言語化しにくい「悪さ」があります。 そういった「悪さ」が作品のあちこちに描かれて(時にそれは従業員にも向く)2巻末までにその一部はかなりはっきりと言語化され、ハッとさせられます。 服のストーリーと目上の人の言葉は聞けるのにher storyに耳を傾ける気のない主人公と彼にうんざりしている彼女の物語は、恐らくあらゆる男性と女性に普遍的な物語。今後も自分ごととして、丁寧に読みたいと思います。 (1、2巻同時発売ですので1巻応援とします) 「いやはや熱海くん」感想いやはや熱海くん 田沼朝ニーナコレはかなり好きだな。登場人物いいキャラ揃いだし、全体的にゆる~い空気感でありながら、実は繊細な心理描写もサラッと描かれていたりする。このやり過ぎない絶妙な感じがクセになる。とりあえず熱海くんの恋の行方はめっちゃ気になるわ(笑)いい作品!!異世界のんびり農家 エンターブレイン 剣康之 内藤騎之介 やすもstarstarstar_borderstar_borderstar_borderこめつぶ転生ものはなかなかいい作品に出会うことが少ないですが、私の中ではヒットです。 万能農具を使ってる時は誰も勝てないくらい最強ですが、基本的には戦ったりなんだりしないのでチートさは薄いです。集まった村人達がそれぞれの役割を果たしていて優秀なので、なるべくしてなった成長の村という感じ。農業をして暮らしたいという最初の望みからブレることなく6巻まできているので安心して読めます。 文字が多いので、小説など読むのが苦手ならお試しを読んでから雰囲気を確認してからの購入を勧めます!!最後こわい・・・ママ友がこわい 野原広子starstarstarstar_borderstar_borderこめつぶこの経験をするかもしれないのはまだもう少し先な気がするのでそこまでピンと来ませんでしたが、学生時代の仲間外れに似てるなーと思いました。これを読むとママ友をつくるのが恐ろしくなります(笑) 相手のママたちもやることが子どもっぽいけど、その分別もつかないくらい日々のストレスが溜まってるんだろうなと感じた。ママ友との適度な距離感は大切ですね。 良い水無月先生節JUDAS 水無月すうstarstarstarstarstar宮っしぃ私の救世主様から始まり、この辺りから水無月先生の良い味が出てきてる エロと可愛いとアホとおっさんの絶妙なマッチはやっぱり水無月先生らしくて好き キリストのユダを題材にした物語で、現代に終末をもたらそうとする敵と戦って行くのだが、実は遥か昔のキリストの弟子たちが... と5巻と短いながらも壮大な物語が描かれていて、まだこの辺りは真面目→アホの振り幅は少なめ それでも水無月先生らしさがあって、かっこいいカワイイは健在 少し古い作品だが、先生のファンなら読んでおいた方が良い作品の1つただのハーレム物とは違う異世界迷宮でハーレムを 氷樹一世 蘇我捨恥 四季童子starstarstarstarstar_border宮っしぃちゃんと設定もしっかりしてるし、男キャラが可愛い子いっぱいとイチャつく、もしくはエロイ事するだけとは違う 奴隷設定ではあるが、女の子を尊重しつつも順当に仲が良くなっていき、相思相愛の過程があってハーレムになっていくので、読んでいても不快感は無い エロ要素は高いが、それもゲームの様な設定(主人公のスキル)の合間にある好意を確かめる行いの1つになってるのは、良くあるハーレム物とは異なる点 でも女の子は可愛いし、エロ要素も画力も相まってエロイんですけどね... 冒険する過程や設定もしっかりと説明や演出もあるので、読んでいて飽きないのも良い所 他の異世界物とは一線を画す作品の1つだと思う<<3637383940>>
近年「甲州和紙」として新たにブランド化されてきている、山梨県市川三郷町とその隣の身延町の伝統産業である市川和紙と西嶋和紙。身延といえば『ゆるキャン△』で非常に有名になった町ですね。 近い将来この『あすにひとふで!』の力で市川三郷町も有名になるかもしれない、いえ、なって欲しい! と感じる書道部マンガです。実在の大門碑林公園なども登場(コスプレ好きの方にはお馴染みの場所かもしれません)し、『ゆるキャン△』との聖地巡礼ハシゴも楽しそうです。 本作はとにかく、王道で正統派。少しだけ特徴的なのは、主人公がアメリカ人の女の子サラ・エイミスであるということでしょうか。 ワインの仕事を営む父親が山梨県担当になったことでアメリカから日本に転校してきたサラの原体験は、書道家のヒナギクこと明日見雛菊の書に出逢って一瞬で恋に落ちたこと。 しかし、サラが意気揚々と入ろうとした書道部は廃部寸前。イケメンで女子にモテモテな部長の上浦ここのと、ここのにそそのかされた書道初心者である副部長の大門寺ふみの2年生のふたりのみ。部員は少なくとも、憧れの書の道を真っ直ぐな熱意で進んでいく物語となっています。 書道部マンガといえば、金字塔的な存在として『 とめはねっ! 鈴里高校書道部』がありますが、本作の清由(すみよし)高校書道部では書道パフォーマンスが活動の中心となっていることが特徴です。身長より大きく重い筆を一生懸命に振り回すサラの姿は、応援したくなります。 「書道なんか大嫌い」 と言い放つ訳あり顔なクラスメイトの牡丹ちゃんなど、王道オブ王道な構成ですがそれがいい。 既に、私の頭の中ではアニメーションとして声と色と動きが付いてサラたちが動いている様子が展開されています。ぜひ、このまま続けてアニメ化して人気を博して欲しいです。 書道に興味がある方、美少女部活ものが好きな方、山梨県民の方にお薦めです。