集英社マンガの感想・レビュー4973件<<192193194195196>>マンガ的感動に涙するプレイボール2 コージィ城倉 ちばあきお影絵が趣味コージィ城倉がおそろしく優れた漫画家および漫画原作者であり、その両端の活動を、誰もがその早すぎる自死を惜しんでやまない天才漫画家の大名作を継ぐという史上もっとも美しい形で引き受けたことへの敬意をまず述べておきたいのですが、この際そんなことはどうでもよくて(ぜんぜんよくない! ほんとうにありがとう! コージィ城倉)、じつに38年の時を超えて、谷口が、丸井が、五十嵐が、ほかにも愛おしいすべてのキャラクターたちが、コマのなかでバットを振り、白球を投げる、もうそれだけで涙がはらはらと頬をつたって止まらないのです。 これが映画だったらどうか、小説だったらどうか、あるいは、大友克洋の出現以降おそろしいまでの発展を遂げた現代のマンガだったどうか。どれをとってもこの感動は生まれないと思うのです。白と黒の線とコマで描かれた「記号」の集積物としてのマンガ、このもっとも基本的であり、もっとも美しくもあるマンガ本来のスタイル、これだからこそ為しえた奇跡だと思うのです。手塚治虫いらい編み出され共有されてきたマンガ的記号、この幾ばくかの記号のうち、ちばあきおが好んで使用したものをコージィ城倉が受け借りてここに再現する、これをマンガ的感動と言わないで何と言えばいいのでしょうか。ちばあきおの名作『プレイボール』の続編をコージィ城倉が描くプレイボール2 コージィ城倉 ちばあきお名無しちばあきおの代表作『プレイボール』の続編。『プレイボール』は作者の体調不良により最後の夏大会を前にして完結。その後、急逝により物語はそこで終わってしまっていた。それをコージィ城倉がちばあきおの画風と作風を再現しながら続きを描いている。 1話目には導入もなく、『プレイボール』の最終話からそのまま読める。この構成から、「新作」ではなく「続編」であるという、コージィ城倉の意気込みが伝わってくる。 谷口のスパルタも、丸井の谷口への深い愛も、田所さんの面倒見の良さも健在。好きだった『プレイボール』が復活したようで嬉しい。ちばあきおが描ききれなかった谷口たちの最後の大会の行く末を見守りたい。9月号の別冊マーガレットに新作掲載決定!!岸辺露伴は動かない 荒木飛呂彦片桐安十郎ジョジョの奇妙な冒険のスピンオフ。岸辺露伴は動かないがなんと別冊マーガレットに掲載されることが決定しました。 気になるその内容は精子バンクを舞台にした話だそうで、そんな話やっていいの?と思いながら楽しみにしてます。長崎尚志と猿渡哲也のタッグで新連載ZIG ジグ 猿渡哲也 長崎尚志地獄の田中『MASTERキートン』の長崎尚志と『TOUGH』の猿渡哲也がタッグを組んでグランドジャンプで新連載が始まった。テーマはテロリストとの戦いだと思うが結構大きい話になっていきそう。楽しみ グランドジャンプ×ワンピースコラボONE PIECE カラー版 尾田栄一郎名無しグランドジャンプの2017年18号がワンピースとコラボをしている。 『プレイボール2』のコージィ城倉が表紙で、『ワンピース』が表紙になっているジャンプを持っているイラスト。 コラボピンナップとして『イノサン』の坂本眞一、『EX-ARM』の古味慎也が描いている。 プレゼントキャンペーンもあるしかなり『ワンピース』に染まっているグランドジャンプ。転生したらヤムチャだった件DRAGON BALL外伝 転生したらヤムチャだった件 鳥山明 ドラゴン画廊・リー名無し転生したらヤムチャだった件 すごいな。原作がちゃんと鳥山明ってとこも。。 http://plus.shonenjump.com/rensai_detail.html?item_cd=SHSA_JP02PLUS00005918_57麻生周一のデビュー作ぼくのわたしの勇者学 麻生周一名無し麻生周一のデビュー作。たしか僕が高校生くらいの頃にジャンプで連載をしていましたね。現在連載中の『斉木楠雄のΨ難』は高い構成力で達者なギャグマンガという印象を私は受けますが、勇者学は若さの迸りとでもいうのか、無茶苦茶なギャグが当時の私を虜にしました。 偉大なる悪の伝道師(校長)のホリ高クエスト回は電車で爆笑した覚えがあります。 出オチかと思いきや最後まで面白い1巻てんちょう、ダメ、絶対 柴なつみmampuku 表紙とタイトルのてんちょうがとにかく可愛いのだが、主人公やまわりの脇役もいいキャラしてるので、思ってたより出オチ感はなく楽しく読める。 俺物語のポジションを狙っているのかも?二番煎じにならないように舵取りするのが難しいだろうなぁとも(笑)いろんなパロネタが似合うのはてんちょうのアドバンテージですかね1巻から読んでみてこちら葛飾区亀有公園前派出所 秋本治ヨモギ団子連載終了したこともあり、1巻から読んでみました。2巻くらいまでは、キャラが成立していなくて、読むのが苦しかったです。やたらみんな暴力的で、あと、意外と警察の仕事をしています。戸塚もよく出ています。 50巻をすぎたあたりから100巻あたりまでは全盛期と言っていいでしょう。毎回面白いです。小さい時見ていたアニメの漫画版みたいな感じで面白いです。120巻あたりから、寿司屋の話がやたら多くなってきますが、秋本先生は家庭を持った両さんを描きたかったみたいですが、私はアホなことをして、部長に「両津のバカはどこだ!!」で終わる話が一番好きでした。恋が関係性を壊してしまう恐怖が見事に描かれている青のフラッグ KAITO夏ロス『クロス・マネジ』などのKAITOがジャンプ+で連載している恋愛漫画。以前から心理描写が巧みだと思っていたが、スポーツを抜きで正面から描いている本作は、KAITOの魅力が詰まっているといえるだろう。 学校の人気者トーマ・トーマのことが好きな双葉、双葉の親友真澄、そして、トーマにコンプレックスを感じる主人公の太一。彼らの恋心は全てすれ違い交わることがない。そしてトーマと真澄が隠している秘密を太一たちが知ったとき、彼らの関係性がどうなるか考えるだけで不安になる。 青春の暗黒面、このバッテリー大丈夫か?!群青にサイレン 桃栗みかん地獄の田中「いちご100%」←世代 「初恋限定」←好きだった の河下水希あらため、桃栗みかんが新しく漫画描いてるとは聞いていたが、パンツはないし、女の子はほとんど出てこない、鬱野球漫画を描いてるとは思わなかった素晴らしいエンタメレイチェル・ダイアル 皿池篤志mampuku ひと昔前のOVAを思い出すような雰囲気で、レトロフューチャーっていうのかな、最近は油臭そうなSF漫画も少ないのでこういうのは嬉しいです。 機械と人の共生とかメカメカしいアクションとかSFの美味しいところはしっかり押さえつつ、レイチェルと二人のアンドロイド(マックスとアレックス)とのアメドラや映画みたいな掛け合いが馬鹿馬鹿しくて面白い。こういう奔放なお嬢様ってなんか憎めなくて、話をぐいぐい引っ張ってくれるから見ていて楽しいですね。しかも毎回ホロリとさせられるので全2巻と短いですが満足度はかなり高いです。 まぁしかし2巻と言わずもっと読みたかったという思いは正直あります。目次を見るとわかるように話数を重ねるごとに少しずつ年月も積み重なっていくので、変わっていき成長していく人々や世界を、このままずっと見続けていたいと思ってしまいます。それくらい魅力的な世界を持った作品でした。復活連載するらしいいちご100% カラー版 河下水希地獄の田中ジャンプギガで復活連載するらしい。EAST SIDEってことは東城編かな? とてもいい終わり方をする打ち切りマンガSWORD BREAKER 梅澤春人小松菜290円ジャンプで連載していたが、2巻で完結してしまった。打ち切りだろう。ソードブレイカーという伝説の盾を使い、邪悪な魔法使いアバルを倒した勇者ルルドが主人公。姿は10歳なのだが、それは異世界で赤子として転生してしまったから(アバル復活に際して戻ってきた) ベタなファンタジー展開だが、主人公の設定が少し読取りづらかったり、冗長な展開も災いしたのか、2巻で終了してしまった。だが最終回、ルルドが敵の親玉を倒すシーンは必見。駆け足な幕引きながら、補って余りある感動的なラスト。2巻で完結するし、多くの人に読んでもらいたいラスト。『転生起―HAKUSAI―』 藤村どら 週刊少年ジャンプ 今号のジャンプ情報 No.36・37 合併特大号転生起―HAKUSAI― 藤村どら地獄の田中死後、来世で何に転生するか選ぶ話。主人公のハクは白菜への転生を目指して筆記試験や面接を頑張るストーリー。 最初は白菜に転生したいというハクを見て、ギャグかなと思ったら大真面目だったので面食らった。だが、白菜に転生するための試験が就活(しかも圧迫気味)そのもので、ハクが白菜になりたい理由もしっかりしている(これも就活チック)で、ただの一発狙いではないのは読んでいてわかった。 ファーストインプレッションの斬新さをその後のストーリーで膨らませつつ、ヒューマンドラマ的な感動を最後のオチに持ってきたのは上手だった。さすが手塚賞準入選。途中からエクストリーム化する格闘学園漫画天上天下 カラー版 大暮維人名無し腕っ節が強い奴が学園の支配者となる統道学園で最強を目指す凪宗一郎とボブ牧原の話。 当初はそんな学校あるか!と思う程度で、格闘シーンは現実の範疇にギリギリ収まる程度だったが、生徒会執行部と凪たちが所属する柔剣部の因縁、そして凪一族の宿命などが折り重なって話がどんどん壮大になっていき、それに伴いチャクラの解放や魔術的な技、最新兵器などがどんどん投入された結果、終盤はもはや格闘漫画という枠では語りきれないほどの激しさ。 戦闘の派手さ・激しさ・魅せは大暮維人の持ち味だし、そういう大暮維人が好きなので天上天下は結構好き。 4巻で第一部完結!うらたろう 中山敦支名無し旅に出たばかりの頃はどうなるんだろうって思っていたんだけど、最近はうらたろうの態度もかなり軟化して、4巻ではどんどん人らしい感情が出てきて、さらにはちよも元気になって、さぁクライマックスだ!というところでまさかのどんでん返し。 こんなに早く完結するわけはないとは思ったけど、意外すぎる第一部の終わり方に言葉もないほど驚いた。 アクションは相変わらず派手でテンポも良く、程よくダークな感じはあるけど胸糞悪くはならないので、ちょうど区切りもいいし一気に読みたい人は4巻はいいタイミングかも。実写映画化したのもあって銀魂 モノクロ版 空知英秋冷やし葱そば銀魂って学生時代にジャンプを買っていたときになんとなく読んでいて、まあまあ面白いなって認識でコミックでは読んだことなかったんですが、実写映画化したのもあって、コミックスで読んでみると、コミックスで読んだほうがおもしろかったです。 当時と違って、歴史もある程度理解していて、この登場人物は誰を元にしているとか、知識も増えているので、パロディも理解できるようになっていて、今読んだほうが面白さを理解できます。少年ジャンプで連載されていますが、大人が読んだほうが面白く感じます。 セリフとか長いし、巻数も多いので敬遠しがりですが、是非今読んでほしい漫画です。距離感が掴めない阿波連さんとのハイスクールコメディ阿波連さんははかれない 水あさと小松菜290円『デンキ街の本屋さん』などの水あさとがジャンプ+で連載しているマンガ。ラブコメかと思いきやラブ成分は控えめで阿波連さんとライドウくんの姿が面白かわいいハイスクールギャグの方がしっくりくる。 身長も声も小さい阿波連さんと隣の席になったライドウくんが彼女に声をかけてみたところすごく仲良くなれたんだけど、次の日になったらよそよそしくなっていて…という話の始まり方。 不器用で距離感の加減が出来ない阿波連さんと、物静かでたまに何考えてるかわからない阿波連さんの真意を探りながらどんなことがあっても全力で(楽しみながら?)受け止めるライドウくんのやりとりがとても微笑ましく楽しい。 『移ろう時の中で』比良賀みん也 週刊少年ジャンプ2017年35号移ろう時の中で 比良賀みん也名無し手塚賞準入選の作品。バンドで成功することを夢見た25歳の男が、挫折して地元に戻って来たら山の神と出会い…というお話。 昔の祭りにもう一度活気を取り戻すため奔走するという爽やかさなファンタジー感あふれる漫画だった。 心理描写が丁寧で、ジャンプでは珍しいタイプの作品。『日ペンの美子ちゃん』服部昇大 ヤングジャンプ2017年36・37合併号日ペンの美子ちゃん 服部昇大名無し 日ペンのイメージキャラクター美子ちゃんが主人公のマンガ。「魔法の料理かおすキッチン」や「今日のテラフォーマーズはお休みです。」の服部昇大が18年ぶりに美子ちゃんを復活させたことで話題になっていた。 https://twitter.com/nippen_mikochan 今回の読み切りは、日ペンの美子ちゃん誕生当時(78年)や美子ちゃんが少年ジャンプで広告を出していた時のネタなどの、かなりコアなネタを放り込んでいくスタイルで面白かった。封神演義が再度アニメ化!封神演義 藤崎竜名無しヤンジャンで封神演義のアニメ化が発表された。前作はあまり良い評判ではないのだけれど、少なくともヤンジャンで発表されているイラストは藤崎竜テイストが色濃く反映されていて好感が持てる。 http://natalie.mu/comic/news/243322 呪いを抱えた少年が呪術の学校に入学呪術廻戦 0 東京都立呪術高等専門学校 芥見下々地獄の田中※ネタバレを含むクチコミです。天才プロ棋士の兄を越えるためにプロを目指す、ジャンプGIGA新連載モミジの棋節 里庄真芳地獄の田中ジャンプGIGA新連載の将棋マンガ。天才プロ棋士として有名な兄を持つが主人公の紅葉は中学でもちょっと強いくらいの実力。ある日、女性初のプロ棋士の銀杏に強制的に弟子入りさせられて奨励会(プロ棋士養成所)を目指すことになる話。 奨励会をじっくりと描いている珍しい将棋マンガかなぁと思うのもあるけど、将棋っていうちょっとかたい雰囲気になりそうなテーマながら軽いテンポ感と少年誌らしい盛り上がりを持ってて面白い。<<192193194195196>>
コージィ城倉がおそろしく優れた漫画家および漫画原作者であり、その両端の活動を、誰もがその早すぎる自死を惜しんでやまない天才漫画家の大名作を継ぐという史上もっとも美しい形で引き受けたことへの敬意をまず述べておきたいのですが、この際そんなことはどうでもよくて(ぜんぜんよくない! ほんとうにありがとう! コージィ城倉)、じつに38年の時を超えて、谷口が、丸井が、五十嵐が、ほかにも愛おしいすべてのキャラクターたちが、コマのなかでバットを振り、白球を投げる、もうそれだけで涙がはらはらと頬をつたって止まらないのです。 これが映画だったらどうか、小説だったらどうか、あるいは、大友克洋の出現以降おそろしいまでの発展を遂げた現代のマンガだったどうか。どれをとってもこの感動は生まれないと思うのです。白と黒の線とコマで描かれた「記号」の集積物としてのマンガ、このもっとも基本的であり、もっとも美しくもあるマンガ本来のスタイル、これだからこそ為しえた奇跡だと思うのです。手塚治虫いらい編み出され共有されてきたマンガ的記号、この幾ばくかの記号のうち、ちばあきおが好んで使用したものをコージィ城倉が受け借りてここに再現する、これをマンガ的感動と言わないで何と言えばいいのでしょうか。