竹書房マンガの感想・レビュー356件<<1011121314>>ラーメン愛に溢れた作品ラーメン大好き小泉さん 鳴見なる六文銭ラーメンと動物は数字がとれるとTV業界にいる某が言っていたが、 グルメと美少女は部数がとれると私は思っている。 (当然、異論は認めます。) それを単純に組合わせた作品がこの「ラーメン大好き小泉さん」だと思っていた・・・そんな時期が私にもありました 実際は、そんな安易なものではなかったです。 それ以上のものがあります。 ひとえにラーメンに対する愛情とリスペクトです。 グルメ漫画ってともすると情報量が多いんですよ。 うんちくだったり、Wikipediaかよと言いたくなるくらいのマメ知識的情報をコマいっぱいに描かれたりする。 ラーメンとか、特にそうです。 やれ、ダシはなんだ、タレは、麺は、加水率は、うんぬんかんぬん。 でも、個人的にはそんなのいいんですよね。 ただ、美味しければ。 理論的にまとめなくても、美味しそうに食べてくれれば。 全国津々浦々、色んな種類のラーメンを紹介し、行きたくなるくらいの情熱をもっていれば。 それだけでいいんです。 この小泉さんは、決して否定しません。 どのラーメンリスペクトし、美味しそうに食べる。 どっちが優れているとかではない、どれも美味しいのです。 すぐバトルしたがるグルメ漫画がおおいですが、たまには、こんなのがあってもいいんじゃないか? そんな風に思いました。 ラーメンは最高のエンタテイメントだと思います。会話って最高の酒の肴のみじょし 迂闊名無しお酒の飲み方・楽しみ方は千差万別にして人それぞれ。 社交的に集団で飲むもよし、 高倉健さん風に一人酒も良し。 最近はコロナ問題等で飲み屋は閑古鳥が鳴き捲っている様子ですが、 では自宅で一人酒ばかりになっているのかというと、 「オンライン飲み会」なんてのも登場しているそうで。 つまるところ酒を飲むなら楽しく会話しながら飲みたい、 という思いは根強いということなのでしょうか。 「のみじょし」は主人公の「みっちゃん・29歳・OL」と、 友人で同い年の「ゆき・専業主婦・子持ち」と 「みその・独身・書店員」の 三人の飲み会での飲兵衛トークが中心。 アラサーにしてそれぞれ微妙にスタンスが異なる三人が 好き勝手にしゃべっているようで、わりとちゃんと 相手を気遣いながら酒と肴を楽しみます。 そのへんの、本音や気遣いや達観を適度に混ぜながら 酒と会話を堪能している酒席トークが凄くいい感じです。 愛は自由だ勇者と魔王のラブコメ ホリエリュウ異世界スキーよくある「勇者と魔王がどうして!?」的なコメディかと思っていたのですが、読み進めるととても奥深い作品だと思いました。 魔王のことが好きすぎて最強になった勇者の振る舞いが最初は単純にアホっぽくて笑えるのですが、そのブレなさ、思いの強さに触れ、いつの間にか姿勢を正して読み始めていることでしょう。さながら作中で勇者を邪険に扱っていた魔王が次第に心を揺れ動かされていくように…。 かつての仲間の魔法使い(※勇者にベタ惚れ)をはじめ、他の登場人物も一途でいじらしいキャラばかり。それぞれが誰かを思う気持ちを大切に持っていて、それゆえに悩み苦しんでいます。 だからこそ世論や社会通念、魔王の父親(※強烈な親バカ)といったさまざまな障害を、魔王への思い一本で片付けていく勇者の姿はみなに勇気を与えます。 勇者は自らの行動を持って「誰かを愛することは自由だ」と肯定しているのです。 絵柄のかわいらしさやテンション高めのギャグに押されて一見わかりづらいですが、真摯で真面目な愛の形を描く素敵なラブコメだと思います。ハマの大魔神の漫画ササキ様に願いを みずしな孝之名無し横浜ベイスターズ時代の佐々木主浩投手をおもしろおかしく描いた4コマ漫画。 野球好きならかなり楽しく読める作品だと思います。 私は野球漫画をいろいろと読んできましたが、ベイスターズファンということもあって、この漫画に関しては特に思い出に残っています。 ただ、ギャグ漫画っぽく描いているので、現実の佐々木投手を詳しく知っている人にとっては、必ずしも一致しない面もあると思いますが。 床屋の順番待ちのときに読んでた漫画フリテンくん 植田まさし名無し子どものころ、床屋に置いてあって順番待ちのときに読んでいたのがフリテンくんだった。大人のサラリーマンの日常生活が淡々と描いてあって、子供ながら大人たちの世界を垣間見た気分でいた。もちろん、子どもにとって意味がわからない話も多かったのだけれど、なにを皮肉っているのかは、子どもでもなんとなくわかるものだった。 きっと昭和のサラリーマンのたしなみの一つとして、この漫画が読まれていた時代があったのだろう。 ちなみに、この本のあらすじ紹介には、 > 植田まさしの4コマを知るならまずはコレ!!これ基本です。読んでおきましょう!! と書いてあるが個人的には「子どもにはコボちゃんを読ませましょう」と付け加えてあげたい。 癒し系マンガぼのぼの いがらしみきお名無しのんびりした空気感、キャラのかわいさにひたすら癒される漫画です。子どもの頃から大好きです。ほのぼのしてるかと思いきや、シュールな面白さで笑わせてくれます。子どもはもちろん、大人も十分に楽しめる漫画だと思います。ついつい何度も読み返してしまいます。これも『まんが道』です藤子スタジオ アシスタント日記 まいっちんぐマンガ道 えびはら武司名無しまいっちんぐマチコ先生の作者えびはら武司さんは高校卒業後に2年間藤子プロでアシスタントをしていた!その時の思い出を描いたエッセイマンガです。 ちなみに今のところシリーズ全3巻となっており、①「藤子スタジオ アシスタント日記 まいっちんぐマンガ道」→②「藤子スタジオアシスタント日記 まいっちんぐマンガ道 名作秘話編」→③「藤子スタジオアシスタント日記 まいっちんぐマンガ道 ドラえもん達との思い出編」が刊行順のようです。でもどこから読んでも楽しめる内容でもあります。 えびはらさんは特にF先生作品のファンだったようで、アシスタントになってからはF先生が人見知りするタイプだったこともあり、ほぼマンツーマンで作業していたようですね。ドラえもん開始時は読者からの人気もなく不遇な時代だったそうですが、絶対に連載をやめないで!と言い続けたのはえびはらさんだったとか。ふたりの間柄が師弟というより親子みたいなのも読んでいてほのぼのします。 近くにいたから知っているF先生とA先生の創作秘話も描いてあるので、藤子ファンのみならず漫画を描いてる方が読んでも楽しいと思いますよ。 また会いたい #1巻応援さよなら、レバ刺し~禁止までの438日間 谷口菜津子野愛もう会えないと思うと会いたくなるし、忘れていてもふと思い出してさみしくなる。 レバ刺しのない世界線にすっかり慣れてしまったけど、この漫画を読んでしまったがためにまた食べたくなってしまった…。 創作物だと別れることが決まっていても、最後にまた巡り会えたりとか新しい出会いがあったりとか何かしらの希望が描かれたりすることが多いけど、もうレバ刺しは無いというラストシーンがわかっているので余計辛い。 馬刺しもうまいしレバテキもうまいしレバ刺し風のアレンジ料理もうまいけど、やっぱりレバ刺しうまかったよねまた食べたいよね…と喪失感に襲われています。 レバ刺し食べたい気分のときはマグロとかカツオのお刺身をうすく切ってごま油と塩で食べるとちょっとそれっぽくて美味しいです。ピュアなワクワクがある異世界グルメ異世界ちゃんこ 横綱目前に召喚されたんだが 林ふみの異世界スキー「相撲取りが異世界に来たらどうなる?」 そう。 ちゃんこを作ります。 まず本作の魅力は転生時に与えられる「ちゃんこ横綱」というナゾの缶。これが最高のアイテムなんです。念じるだけで味噌とかバターとか望んだ調味料を毎回出してくれるんですよ。 自分はこれを見て『ハリー・ポッター』シリーズを読んでた時の「こんな世界でこんなことしたいなぁ」っていう素直なワクワク感がフッと蘇りました。まさか「ちゃんこ横綱」でそんな気分になれるとは。 主人公のタカラヤマも爽やかな快男児で、好感度高し。さすが力士だ。 4巻出てるのも納得の出来だと感じます。あとタイトルの完成度がかなり高いと思いました。マジで他に言うことがないので。 タカラヤマの次のちゃんこも見たい!レバ刺しを溺愛し過ぎた者の記録さよなら、レバ刺し~禁止までの438日間 谷口菜津子nyaeこの本の発売当時、とにかく表紙のインパクトが凄かったのを覚えています。 レバ刺しを食べたことがないのに何か惹かれるものがあったのと、ユッケ食中毒事件のせいでせっかくの連載が打ち切り危機に晒されるという運命のいたずら。 それでもなんとか一冊の本として成立してますので、電子化を機に読まねばと思った次第です。 生肉の提供規制に振り回されて、最終的にはゲテモノを食べに行く流れになってしまってますが、常に食に対して正直に美味いものは美味い、不味いものは不味いで貫く姿勢は読んでて好印象です。 牛のレバ刺し、食べられるなら食べてみたいですが、著者は独特の臭みと苦味が美味しいと言ってるのでなんとなく苦手な気がする。笑 サプライズ満点のディストピア海洋ファンタジー #1巻応援ナギサマリンライフ あまおうsogor25海面上昇で陸地が海に沈み、人類が人工地盤の上で生活する世界。旧時代の遺物が遺る海底遺跡へとダイブして探索を行う"アトラダイバー"の物語。新人のナギサは実技の成績はいいけどその他はまるでポンコツ、実際の遺跡へのダイブでもドジばかり。でも優秀な先輩のハルカとバディを組むことになり、持ち前の明るさと切り替えの早さで"アトラダイバー"として成長しながら未知の世界へと足を踏み入れていく―。 という物語なんだけど、物語が進むにつれて徐々に作品の様相が変わっていく。元々海底遺跡へのダイブは危険が伴うという描写が描かれているけど、ナギサが学校で学んできたものとは明らかに違う"危険"が物語の端々で映るようになり、そして1巻の最後でそれは正体不明のままナギサの目にもはっきりと見える形で顕現する。 公式のあらすじにも「ナギサの未知との出会いが始まる」とあるが、果たしてナギサの出会う"未知"とは何なのか。1話からは想像できないような物語が今後も広がっていきそう。 「がっこうぐらし!」を例に挙げると極端かもしれないけど、この作品も実際に手にとってもらった人に最高の形でストーリーのサプライズ感を楽しんでほしい意図があって表紙や帯・あらすじをデザインしてると思う。だけど、逆にそのために本来のターゲットに届いてないとすれば勿体なさすぎる作品。ぜい、騙されたと思って1巻を読んでみてほしい。 1巻まで読了読めば飲みたくなるのみじょし 迂闊六文銭アラサー女性3人がひたらすら飲みまくるマンガ。 お酒はあまり飲まない・強くない人でも、ワイワイしている飲み会の雰囲気が好き、飲むとなんともいえない幸福感を味わえる人は、本作に共感できる内容だと思います。 テンション高めに楽しそうに飲む姿は、見ていて楽しいものです。 飲み方のうんちくとか、つまみに合うのどーとか、そんな堅苦しい話は一切ない。 そういう意味でグルメ漫画とも少し違うかもしれません。 美味しいものと美味しいお酒、気心知れた友人で飲みまくる。 これで十分楽しいんだと、気づかされます。 日頃のストレスとか、頭空っぽにして読んで欲しいです。これは良いラブコメ #1巻応援コイビトは鬼の姫 佐保sogor25女性に触れると自分の意志とは関係なくいわゆる"ラッキースケベ"を引き起こす呪いを受けた高校生・颯斗と、彼と子供の頃に成り行きで結婚の約束をした"鬼"の女の子・サクラとのドタバタラブコメディ。 公式の煽り文句が【エチエチすぎて…悶絶!!】みたいな感じなんだけど、実際読んでみるとそこまでエッチじゃない、むしろ週刊誌のラブコメ枠のような丁度いい温度感のラブコメに仕上がってる。 主人公・颯斗の、思春期男子の好奇心も残しつつ呪いのために女子に近づかないようにしている誠実な感じには好感が持てるし、ヒロインのサクラだけでなく登場する"鬼"たちはみんなキャラが立ってて、何も考えず読んでも楽しい作品。そして地味に"鬼の少女・サクラとは何者なのか"や"颯斗の呪いの正体"など、1話で張った伏線を丁寧に回収して物語が進んでいくので、ストーリーを追っていても面白く読める。 竹書房の月刊キスカというあまりメジャーとは言えない雑誌の連載作ですが、ハイテンションなラブコメ好きなら是非読んでみてほしい作品。 1巻まで読了 麻雀で娘を食わす!!鉄鳴きの麒麟児 塚脇永久 渋川難波名無し最近麻雀で勝てないから、ここは漫画で勉強だ!!と思って読んでみたんだけど、背負ってるものと覚悟が違い過ぎた役満と殺人は相性がよろしい九蓮宝燈殺人事件 青山広美名無し役満に関する殺人をアルバイト刑事の女の子が解決していく話。トリックもけっこうちゃんとしてて面白かった。緑一色も見たかったなトリックは相変わらず面白いバード 雀界天使VS天才魔術師 山根和俊 青山広美名無しバード新装版の二作目、かな? とりあえず強い敵は変態にすればいいと言わんばかりの作品。そういう意味でも無闇矢鱈に人を犯すだけの不破は、変態度でも蛇には勝てなかったな。でも才能がないゆえに編み出した、エニグマのシステムは面白かった。 てか結局あの娘たちはなんだったんだ。 ハッタリ感とキャラがキレキレの麻雀漫画バード 最凶雀士VS天才魔術師 山根和俊 青山広美名無し昔読んだときに面白かった印象があり再読。 全自動卓天鳳ってハッタリ感の時点で面白いけどなによりも蛇のキャラが強烈すぎる。あの執念はまさに蛇、というにふさわしい。このシリーズはその後も続くがやはりこれがいいなあ。映画公開前にアニメ一期を観たメイドインアビス つくしあきひとさいろく漫画のメイドインアビスは線であったり淡い色使いだったりが特徴的で、改めて読み手の想像力が要るなーと思った。間々を埋める想像力、エグい描写や彼らの心理描写なんかがテンポが良すぎるぐらいなので読み取りきれない(ゆっくりじっくり読めばいいのだが!) アニメではその辺の補完がしっかりされててアニメも素晴らしく良作だった。 一期ではナナチの話のとこ(4巻の頭らへん)までだったけど、漫画の良さも損なわず続きを漫画で読もうという気を起こさせるにもとてもよかった。 劇場版も原作に沿ってるみたいなので楽しみだけど、洞窟内や夜の暗いシーンの描写は漫画の方も是非読んでみてもらいたいなと思った。 今更だけど感想でした。神話の永遠、貴女と生きる。麻衣の虫ぐらし 来夏と美津羽の特別編【電子書籍限定版】 雨がっぱ少女群あうしぃ@カワイイマンガ『麻衣の虫暮らし』に登場する二人の女性、来夏と美津羽の物語。本編でも出てくる、不思議な力(虫を集めたり等、自然に介入できる)を持つ美津羽と、自然を愛する来夏の出会いと未来について、不思議な神話が語られる。 三つの掌編が語られる。 初編では、やはり虫好きとして本編にも登場した、スナック店員の香織から、来夏とその周囲に起こったある事件が証言される。 それから、ナミウズムシの生態から来夏の体質が暗示される中編。続いて美津羽の誕生についての歴史と、来夏との出会い、そして互いの存在を支え合うようになる出来事が、終編で物語られる。 神話の時を生きてきた美津羽と、共に神話の時を生きようとする来夏。これは究極に尊い「神話百合」の物語である。 虫が誘なう、夢現麻衣の虫ぐらし 未収録作品集【電子書籍限定版】 雨がっぱ少女群あうしぃ@カワイイマンガ『麻衣の虫ぐらし』本編に未収録の、4話の短編集だか、テーマがなんとなく一貫している。本当に小さな、すこしふしぎ(SF)である。虫がたかる気味の悪さ、夢の世界、プチ時間跳躍など、虚実ないまぜな物語が語られる。 人間の他人の考えも、ましてや虫の考えなんて、分かるはずがない。そういうものに、対話無しで(たとえ嘘でも)触れるには、夢で出会ったり、空想に遊んだりしなければならない。 この作品集は、『麻衣の虫ぐらし』の大筋とは関わらないが、空想や夢から、ヒトや虫の内面に、たまたま触れてしまう物語を集めている。本編よりもちょっと不思議な面白さと切なさに、ぼんやりと浸っていたい掌編集だ。虫愛づる姫君に寄り添う日々麻衣の虫ぐらし 雨がっぱ少女群あうしぃ@カワイイマンガ死にゆく祖父を世話しながら祖父の有機農園を守る菜々子と、彼女を手伝いながら寄り添う無職の麻衣。昆虫の挿話に託して語られる、自然と人為、そして不思議な「虫愛づる姫君」達との縁の物語。 —— 菜々子は両親に裏切られ、祖父との絆を唯一の拠り所にして生きている。農業についても、自分の意思で始めたことではない。それ故か、いつも自信がなく、失うことに怯えている。 菜々子の麻衣に対する感情は、友情を飛び越えた強力なもの。依存や崇拝といった、ちょっと危なっかしい感情にも近い。 祖父が亡くなれば、身寄りがなくなる菜々子。祖父に菜々子を託された麻衣だが、距離感に悩み、挙句、菜々子を孤独にしてしまう。そして麻衣の選ぶ、菜々子との関係は……。 —— この作品は、二人の女性の関係性の物語と並行して、二つの「自然と人為」が描かれる。 一つは「有機農業」、もう一つは「自然保護」。 有機農業は、農薬等をなるべく使わない「自然への優しさ」を謳うが、その分労力は大きい。益虫を操り、害虫を殺す日々の営み故に、菜々子は益虫にものすごく優しい一方、害虫に対してはまさに「虫を殺す目」を向ける。菜々子は「益虫を愛づる姫君」である。 一方、麻衣が偶然知り合った来夏は、ヒメギフチョウや湿原を、ボランティアで保護する女性。彼女は自然を愛し、虫という虫に満遍なく愛を注ぐ「全ての虫を愛づる姫君」。また、来夏といつも共にいる美津羽は、簡単に昆虫を呼び寄せる特技を持つ「虫を愛で、共にある姫君」。 さらに、麻衣が出会う、スナックで働く香織は、虫と「食」(人間が食べる、虫が虫を食べる等)を嗜好する「虫食を愛づる姫君」。 様々な「虫愛」の形が提示され、彼女たちから語られる虫の性質と、人間の営みがリンクし、生きることについて考えさせられる。スローライフを描きながらも、「生の実感」の生々しさが常に残る作品である。 日々の営みの繰り返しから、ゆっくりと育てた大きな感情に、いつの間にか心動かされている。麻衣と菜々子が育む、じんわりとした優しさに浸っていたい。カラスヤサトシの上京物語おのぼり物語 カラスヤサトシstarstarstarstarstarひさぴよカラスヤサトシ先生が、まだ駆け出しの漫画家だった頃のお話。 時期的には『COMICアレ!』や『アフタヌーンシーズン増刊』に投稿していた2000年あたりの頃でしょうか。 30歳手前で一大決心をし、会社を辞めて上京。漫画家として独り立ちすべく、右往左往しながら奮闘する日々を描いています。 カラスヤ作品お得意の、プライベートで起きたしょうもないことを面白おかしく紹介しながら、どんな大変な状況でもネタにして笑い飛ばすスタイルは、上京の苦労も吹き飛ばすほど明るいです。 ただ、父親が病に倒れてからは、とても切ない展開でした。 さすがに笑いにはせず、珍しく?真面目に正直な気持ちを込めたシーンだったと思います。 カラスヤ先生の人生そのものを応援したくなるような、素敵な一冊です。 トーキョーゲームは麻雀ではなく生き様トーキョーゲーム 青山広美starstarstarstarstarマンガトリツカレ男1999年に直下型大地震により東京が壊滅した後に、不老不死を実現するドラッグ「ハレルヤ」を巡る麻雀漫画と言う内容なんだが、いろんな見所がありすぎる。 旧都庁こと「ゴルゴダタワー」に主人公 通称:青い星が登場したところから始まりゴルゴダタワーの各階にフロアマスターに麻雀で勝負していくが各フロアマスターはどれも個性が強いが特に好きなのは「サムライ」戦だな 全体的に面白いが特にここからの流れはマジでかっこよかった。 「もし136枚の牌を手牌も山もすべての場所を知りうるものがいたらその人間が最強だわ 絶対に負けっこないはず」 「そこが最低レベルだ」 ここからの論理的ではない説得力はすごい ちっちゃいハリネズミがずっと刺さってる笑ゆづちゃんはハリネズミがささってる 雪本愁二starstarstarstarstarひさぴよ主人公に飼ってほしいがために、自ら刺さりにくるハリネズミがかわいい! けっこう痛そうだけど、見た目のかわいらしさで許せちゃいます。 なんだかこのフォルムに懐かしさを感じるのはオナモミ(ひっつき虫)に似てるからですかね。子どものころ、ひたすら洋服にくっつけて遊んでいたのを思い出しました。 マンガの雰囲気もほのぼの日常系かな〜と思いきや、無表情系主人公・ゆづちゃんの身体能力が異常に高かったり、台車で通学する友達が登場したりと、なかなかアクティブなギャグシーンが意外と多いです。 言葉によるツッコミもあり、それはそれで面白いのですが、やっぱり動きのあるギャグの方が生き生きとして好きですね。 ゆるそうに見えてけっこうクセのある漫画です。 <<1011121314>>
ラーメンと動物は数字がとれるとTV業界にいる某が言っていたが、 グルメと美少女は部数がとれると私は思っている。 (当然、異論は認めます。) それを単純に組合わせた作品がこの「ラーメン大好き小泉さん」だと思っていた・・・そんな時期が私にもありました 実際は、そんな安易なものではなかったです。 それ以上のものがあります。 ひとえにラーメンに対する愛情とリスペクトです。 グルメ漫画ってともすると情報量が多いんですよ。 うんちくだったり、Wikipediaかよと言いたくなるくらいのマメ知識的情報をコマいっぱいに描かれたりする。 ラーメンとか、特にそうです。 やれ、ダシはなんだ、タレは、麺は、加水率は、うんぬんかんぬん。 でも、個人的にはそんなのいいんですよね。 ただ、美味しければ。 理論的にまとめなくても、美味しそうに食べてくれれば。 全国津々浦々、色んな種類のラーメンを紹介し、行きたくなるくらいの情熱をもっていれば。 それだけでいいんです。 この小泉さんは、決して否定しません。 どのラーメンリスペクトし、美味しそうに食べる。 どっちが優れているとかではない、どれも美味しいのです。 すぐバトルしたがるグルメ漫画がおおいですが、たまには、こんなのがあってもいいんじゃないか? そんな風に思いました。 ラーメンは最高のエンタテイメントだと思います。