友達の妹が俺にだけウザい

うざガラミも、また愛

友達の妹が俺にだけウザい 三河ごーすと 平岡平 トマリ
六文銭
六文銭

なんと言いますか、ラノベ的な女性キャラのちょろさと言いますか、なんの労力もなくご都合主義的な流れで惚れてしまう展開とか、わかっちゃいるんですけど・・・ 大好物です!!! ええ、大好物です。もう毎日食べたいくらいです。 本作もそんな感じ。 ご多分にもれず、陰キャな主人公が無条件にモテる。 うざガラミしてくる友人の妹(惚れている)と、ひょんなことで転校してきたが態度が冷たい主人公の幼馴染(惚れている)の3人をメインに、わちゃわちゃするラブコメです。 また主人公は同人ゲーム?を指揮している立場で、友人がプログラマー、その友人の妹が声優、先生がイラストレーター、ツンデレ幼馴染がなんと・・・(ネタバレ回避) ラブコメ的展開と主人公の夢(野望?)が平行してすすみ、その過程で同人仲間との交流が進んでいくという、青春っぽい感じも良いです。 タイトルにあるウザがらみしてくる友人の妹が、とにかくかわいい。 ツンデレは、ツンとデレのギャップが良いことは周知の通りですが、ウザがらみは、普段うっとおしいのに、ふとした瞬間にしおらしくなるギャップが良いのだと認識しました。 安定のラノベ原作ラブコメですが、眼福な1冊でした。

悪役令嬢は今日も華麗に暗躍する 追放後も推しのために悪党として支援します!

ペンライトを手にする悪役令嬢(1巻表紙イラスト)

悪役令嬢は今日も華麗に暗躍する 追放後も推しのために悪党として支援します! 高松翼 春が野かおる 道草家守
ゆゆゆ
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ゲーム内登場キャラクター悪役令嬢エルディア。 その中の人が、そのゲームの大ファンであるアラサー喪女になってしまう、悪役令嬢系恋愛ストーリー。 最推しアルバートとともに、ゲームに登場する数々の推しキャラクターを愛でる生活をするため、世界線を崩壊させないため、エルディアは密かに奮闘する。 よくこんな人を主人公にして書き進められるなあと思うほど、エルディアはすぐに萌え悶える。 原作小説からぶれない、エルディアによる推しの尊さを噛みしめる頻度。 推しがきらめくときの、心中のはしゃぎよう。 小説版も萌え踊る心を落ち着かせるためになかなか忙しいエルディアだったが、エルディアが可視化されるマンガはさらに忙しい。 落ち着いたエルディアの最推しアルバートにひどく安心できる。 しかし、アルバートのコミカライズイラストは、読者をも萌え踊らさせようとする意志を感じる。 読者も試されている。 概要だけでは、この作品のハイテンションは伝わらないと思うので、まずは一読を。 これほど熱愛するゲームがあった、中の人の喪女さんが少し羨ましい。

すすめ!! ダイナマン

懐かしの、かわいそうかわいい系キャラクター

すすめ!! ダイナマン 池田匠
ゆゆゆ
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地球から遠く離れたN88星雲にあるボムボム星は数多のヒーローを生み出している星。 その星から地球へやってきた、落ちこぼれヒーローが主人公のダイナマン。 がんばってるのに報われなかったり、ちょっと抜けてたり、日常生活の不運に当たったり。 抱いた怒りや悲しみを吹き飛ばすかのごとく、爆弾を投げつけ爆発させるのがダイナマン&4コママンガの展開の特徴。 考えてみたら、90年代半ばに登場したダイナマンは、今流行りのかわいそうかわいい系キャラクターのはしりだったのでは。 ちょっとスケベで、お年頃の男の子だけど。 ギャグ王連載当時は、読者の怒りや悲しみ投稿を募集&4コマ漫画化し、ダイナマンが作中で爆発してくれるという試みも行っていた。 今ならTwitterで募集だろうか。SNSと相性がよさそうだから、復活してほしい。 でも、難しいかなぁ。 だって、ほら、当時も今も、読んだ皆が抱くだろう疑問があるもの。 「これってボンバーマンのパクリじゃないの?」 当時はコロコロでボンバーマンが連載されていたので、見比べた記憶がある。 子供には細かい事情などわからないから、読んで楽しいから読んでいた。 94年から98年まで連載されていたから、実際に人気は高かったんだと思う。 先程、異様に詳しいWikipediaにて、創刊号読切では「それゆけボンバーマン」だったと書いてあるのをみて、いろいろ事情を考えてしまった。 さて、そんな「すすめ!!ダイナマン」。 私の記憶で美化されておもしろいのか、90年代半ば〜後半の人々の日常や悩みがおもしろいのか、作中でもけちょんけちょんにされているダイナマンのマンガがおもしろいのか。 興味を持った方は、無料分だけでもチラと読んでみていほしい。

エリスの聖杯

無実の罪で処刑された悪役令嬢、幽霊となり真相を探る

エリスの聖杯 桃山ひなせ 夕薙 常磐くじら
ゆゆゆ
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10年前に処刑された、希代の悪女と呼ばれたスカーレットの死の真相を探るミステリー。 小説家になろうのテンプレートでいくと、悪役令嬢が婚約者をとられ、さらに処刑ルートに回った10年後のお話となる。 10年が経ち、真相を探るのが難しくなった部分と、貴族社会の難しさやいやらしさで真相を探ろうにも一筋縄ではいかない部分と。 そこがストーリーのおもしろさを増している。 悪役令嬢の話ばかり書いたが、主人公はスカーレットでなく、誠実さだけが取り柄の家系に生まれた地味な少女コニー。一応貴族。 コニーが、ある夜会でトラブルに陥って助けを求めたとき、唯一、そして偶然にも応えてくれたのが10年前に処刑されたスカーレットの幽霊。 手助けしてもらったことをきっかけに、コニーは「無実の罪で処刑されたスカーレットの死の真相を探る手伝い」をすることになる。 スカーレットがすごく良い人に見えるけど、悪女伝説はだいたい真実。背景を知れば仕方がないかなとも思えるけど、だいたい真実。さすが悪役令嬢役。 そして、非常に強気なスカーレットは見ていて気持ちがいい。 処刑されなかったルートのスカーレットを見たくなるほど、魅力的なキャラクター。 言葉を重ねるより、漫画でスカーレットをみてもらったほうが、彼女から溢れ出る魅力は理解しやすい。 そして彼女がいたからこそ、「誠実」という家柄に甘んじず、強かに成長する主人公コニーも見ることができる。