ガリ勉地味萌え令嬢は、俺様王子などお呼びでない
ちょっとズレてるご令嬢が地味でガリ勉の三男に惚れ、ものすごいアタックする話。
ガリ勉地味萌え令嬢は、俺様王子などお呼びでない くろでこ 鶏冠勇真 カルパッチョ野山
ゆゆゆ
ゆゆゆ
だけだったら、ふつうのラブコメだった。 ものすごくイケメン高能力高身長、性格は俺様系の第一王子がご令嬢にちょっかいを出さなければ。 恋は盲目故か、第一王子をゴミのようにとらえるご令嬢シャリーナ。 たしなめるガリ勉リオル。 気にもしない王子レオナルド。 不可解なセリフとともにアタックしてくる、神出鬼没な王子から逃げるご令嬢。 逃げるのを手助けするガリ勉。 ハイスペック故、なんなく追いつく王子。 一巻無料で読んでみたら、予想外におもしろくて、とってもビックリ。 タイトルが長いので油断していた。 まさか、ファンタジーもので、恋愛全振り(コメディだけども)とは思わなかった。 この世界には、魔法はあるけど、魔王はでてこない(もしくは関わってこない)。 ただし、魔王よりたちの悪い第一王子は出てくる(ものすごく関わってくる)。 人の恋路を邪魔するやつは、という言葉があるけれど、まさしくそれで、読んでいてヤキモキワクワク。 とはいえ、王子からしたら、黒鼠ことガリ勉リオルがそれにあたるんだよなあ。強メンタルすぎる。
公務ですから!
戦隊モノヒーローに求めるもの
公務ですから! 坂口いく 清水ユウ
ゆゆゆ
ゆゆゆ
Uターン公務員就職し、常に「公務ですから」と業務に全力で取り組むイケメンエリート。 それだけでも眩しい設定なのに、彼がローカルヒーローの中の人まで演じることに。公務で。 人の心はあるのかわからないほど、機械めいたように見える彼だが「公務ですから」とスーツアクターも公務として全力でやりとげていく。 イケメンは何を着てもイケメン。 ローカルヒーローといえども、かなり凝ったスーツが作られている。 そのローカルヒーローをプロデュースしたのがデビュー後泣かず飛ばず、戦隊モノ大好きな漫画家。 なんやかんやののち、漫画家の彼女からはイケメンエリートへ好意の矢印が出ているが、イケメンエリートは気づくことがあるんだろうか。 まあ、気づかなくても青里市の公務には問題ない。 それに「公務ですから」を決め台詞に、イケメンが漫画家にあんなことこんなことを御奉仕してキャッ♡な展開になってしまったら、掲載誌も変わってしまう。 そうならないあたりが、少年誌掲載ラブコメである所以なのかもしれない。 と、つらつらと考えて、私の妄想はどこへ向かおうとしているのかと悩んでしまった。
ぼくらはみんな*んでいる
もしもゾンビになったら何をしたい? #1巻応援
ぼくらはみんな*んでいる 金田一蓮十郎
兎来栄寿
兎来栄寿
『ゆうべはお楽しみでしたね』を連載しているヤングガンガンで立ち上がった、もうひとつの金田一蓮十郎さんの連載作品が1巻発売となりました。 今期はちょうどアニメ・映画化もあって『ゾン100』が国内外盛り上がっていますが、この『ぼくらはみんな*んでいる』もゾンビと現代日本の日常が融合した作品です。ただ、本作が普通のゾンビものと大きく一線を画しているのは、ほとんどの人類が死後にゾンビ化するウイルスの保菌者となっているという世界でゾンビが日常に溶け込んだ存在になっていることです。 ジャンルとしてはゾンビが人を襲うことによるパニックホラーではなく、ゾンビが人間社会で普通に共存している中での金田一さんらしいコメディや人間関係のあれやこれやなどのヒューマンドラマが主軸となっています。 ゾンビ化ウイルスは12歳頃から3割ほどの発症率で、年々発症率は上昇中。 「今ゾンビ彼氏がブーム! ゾンビ彼氏のメリット大特集」のような記事がネット上では流布しています。 ゾンビになると人間にはない体のケアなどは必要ですが、睡眠の必要もなくなるので多くのゾンビは暇を持て余しているそう。私は読んでいてネトフリを無限に観ていられるゾンビたちが非常に羨ましくなりました。私も一睡もせずにこの世にあるマンガを読んでアニメや映画やドラマを観てゲームをしていたい。 こうした世界観の中で、毎回主人公が代わりさまざまな人及びゾンビの生きる(?)姿が描かれていきます。 死んだ体をそのまま描くと少々グロいので、本作ではモザイクの代わりに綺麗なお花がたくさん描かれているため目にも優しいです。普通のゾンビものが見られない方も、安心して楽しめるでしょう。 ゾンビという特殊設定をひとさじ入れることで、金田一蓮十郎さんらしい味わい深い人間(ゾンビ)たちのコクが引き立っています。 以前ヤンガンに掲載されていた金田一蓮十郎さんのリアルな妹さんである芋Utoさんとの合作読切「鳳凰院くんと何も始まらない話」も連載化して欲しかったですが、流石にこれ以上連載を増やすのは難しいと思うので、今後どこかの巻末にでも収録して欲しいです。