講談社マンガの感想・レビュー6230件<<224225226227228>>真実の愛ディスコミュニケーション 植芝理一影絵が趣味恋ならもう知っているけれど、ほんとうの愛はいまだ知らないでいる。 愛とは何よりも過酷なものである。その愛の過酷さを描いて、このマンガの右に出るものは未だ存在しないのではないか。 作者は何故タイトルを『ディスコミュニケーション』にしたのか自分でもよく分かっていないらしいが、愛という事と相互不理解という事とは切っても切り離すことのできない二律背反の関係にあるのではないだろうか。 そのために戸川さんと松笛くんはどこまでもどこまでも真実を探しにゆく、その行く道のなんと瑞々しいこと......。「どうしようもなさ」に翻弄されるもう森へはいけない 吉川マモルにわか姪に携帯で呼ばれた叔父が向かうと、そこには……。二人のどこにもいけない逃避行が始まる。 モーニングの読み切りは表現力に長けた作品が多いが、これもそう。暗めのトーンにより醸成された雰囲気、会話のリズムと乱れ、表情の躁鬱とした変化。どうしようもない行き止まりの感覚と胸のざわつきが蓄積されていく。読者はその「どうしようもなさ」を感じることしか出来ない。読後感になんともいえないシコリが残るような、考えさせられる作品。ずっと心がキュッとなる僕たちがやりました 荒木光 金城宗幸名無しほんと読み進めんの辛かったけど なんでか読んじゃうんだよなあ… コイツァ…いいよなあ、エクストリームスポーツはエア・ギア 大暮維人名無しおれはこれみてローラーブレード買ったんだよなあ… でも読み進めてくとヨォ もう、ローラーブレードの許容範囲超えちゃうのよ それが、またいいんだけどサ… レンタル彼女のイメージをいい意味で一変させるレンタル彼女月田さん 時田時雨にわか子供のように無邪気なレンタル彼女の月田さんと奥手男子の主人公、星野のやり取りを描いたもの。横断歩道の白いとこだけ渡ったり、マンホールの蓋をぴょんぴょんと飛んだり、なんだか子供の頃やってたなーということを月田さんはしてくれる。主人公はそれに振り回されながらも楽しそうで、なんだか見ていると心休まる。こんな「レンタル彼女」はいないだろうけど、月田さんとなら街を歩いてみたいなんて思ってしまう。不毛な青春の極地、漫画化!太陽の塔 森見登美彦 かしのこおりにわか森見登美彦原作の「太陽の塔」をモーニングゼロ2016年8月期「夏の種」の漫画家かしのこおりが作画を担当し、描かれた漫画。 内容は、華のない大学生の「私」が、かつての恋人である水尾さんを「観察と研究」と称して、追いかけるというもの。誰がどう見ても「未練からのストーキング」にしか見えないが、「私」は認めない。断じて認めない。なぜ自身が振られたのかを「ストーキング」することで追求していき……。 原作では森見登美彦の文体の癖が凄まじかった覚えがあるが、これは非常に読みやすい。また絵柄もよく内容とマッチしており、楽しめる。かなりアニメの湯浅監督を意識した絵柄にも見えるが、どうだろうか。まだ連載して間もないので、ゆっくりと見守っていきたい。5人全員がヒロイン!マガジン新連載のラブコメ五等分の花嫁 春場ねぎ名無しマガジンで新連載のラブコメ。一般的なラブコメなら、メインヒロインと対抗馬くらいでどっちとくっつくの?って展開になると思うが、この漫画は5人が全員メインヒロインとして描かれていくらしい。なんだかギャルゲーみたいだ。 主人公の焼肉定食の焼肉抜きを頼むほどのお金がない(どうやら借金があるらしい)。ある日、新しいバイトとしてとある金持ちの家庭教師を請け負うことになったのだが…という始まり。 謎解きではないが、誰とくっつくのかがこの漫画では特にキモになりそうなのでこれからの展開を見守りたい。マルチエンディングとかにならないかなぁとちょっと期待している。 才能で蹂躙する(物理)な「響」(漫画ver狭い世界のアイデンティティー 押切蓮介にわか漫画力が、純粋な暴力となる世界で繰り広げられる熾烈な漫画家バトルロワイヤル。響を読んでいると感じる、才能を持っている人間ほど暴力的で理不尽という世界を突き詰めて、ギャグ化したような印象を受ける作品。 ぶっ飛んだギャグ的な面白さがある上に、この作品からは「あるコダワリ」を非常に深く感じる。それは実在の企画や人を用いて漫画界の実態の一部を描いていること、そして用いたものに対する深いコダワリである。 特に浅野いにおの回は衝撃的だった。というのは浅野いにおの能力で「自分の世界に引きずり込む」技があるのだが、まるで浅野いにお本人が書いたのではないかというほど精巧な街が描かれるのである。 作者の押切蓮介は個性的で良い絵を描くが、画力に優れているとはいい難い。であるがゆえにその精巧さには驚くしかない。そこには浅野いにおを使うからには、という強いリスペクトを感じるのである。 なにはともあれ、漫画に対する愛と熾烈さを強烈に感じながら物語を楽しめる、一癖あるが、素晴らしい作品だと思う楽しみ!RaW HERO 平本アキラstarstarstarstarstar吉川きっちょむ(芸人)一話目から情報量が多く、映画の冒頭のように同時進行的に物事が起きていて、それぞれの視点をバババっと描き、お?なんだなんだ?という感じで始まったが、1話目だけではまだまだ何も分からなそう。 単行本の単位で読むように意識されてるのかもしれない。 映画「ダークナイト」の冒頭を思い出した。 映画で言えば始まって3分くらいのあたり。 イブニング20号表紙の謎の可愛い子も出てこないし、冒頭でいわゆる古い少女漫画を描き、謎の爆発に涙する謎の全裸の女性(おそらく美女)も分からない。 だが、確実に分かるのは、いままで通りめちゃくちゃアホでエッチなので面白い。 タイトルと、1話ラスト、途中の街宣車のようなものからヒーローものと分かるし、主人公の父や、主人公が就職活動している状況からそういうことなのだろう。 ヒーローマスクの中の女の子が表紙の子かもしれない・・。ワクワク! 冒頭の少女漫画はともかく、今までの絵柄と意図的に少し変えている人物がいるように感じる。 そういえば、おそらくスマホやタブレットなどの電子端末からも見やすいように見開きはないが、その分、雑誌で見た時の片方のページにでかく迫力ある絵がグッと差し込まれていてそこにグッとくる。 ちゃんといろんな読者を想定して時代に対応していて、平本先生は素晴らしいなと思った。 タイトルにある英語で「raw」は「生(ナマ)」とか「未加工」という意味だ。 平本先生が使うナマって、なんかもうエロい想像しかできない。 楽しみすぎる。『月と太陽の17歳』米代恭 モーニング・ツー9号(2017)月と太陽の17歳 米代恭名無し『あげくの果てのカノン』の米代恭の読み切り。 先生と付き合っている女の子の話。タブーに踏み込みつつ良い感じの話にまとまるかと思いきや、全てひっくり返してくる展開はさすがという感じだった。 後ろめたさのようなモノを殆ど感じさせずに、恋の純粋で綺麗なトコロと、汚れをうまく拾い上げているところが好き。 コメディックだが、本格的な「別式」漫画別式 TAGROにわか変態ゼミナールの作者TAGROによる女性剣士「別式」の漫画。 別式とは諸藩の奥向き(幕府でいう大奥)で活動した女性指南役を指す言葉で、江戸時代には実在していたもの。そんな、これまで見向きもされてこなかった題材をキャッチーな絵柄で上手く話に落とし込んだ作品。 変ゼミに見られる凄まじい変態感は絶妙な具合に抑えられていて、作中に上手く溶け込んでいる。また、時代が時代なだけあり、紹介などではコメディが強く押し出されているが、内容はかなりシリアス。全体としてみると重たい話となっている。また、重たいだけでなく、物語の筋がしっかりと面白いから引き込まれること間違いない。期待の作品 鳥をモチーフに描かれる異界私家版鳥類図譜 諸星大二郎にわか鳥から連想されるイメージが諸星大二郎の描く世界と化学反応を起こすと、こんなにも不思議な世界が出来上がるのかと驚く。 個人的には、屋上に巨大なカラスを見かけ、探す話が印象深い。カラスから想起される「死」や「恐怖」のイメージと少年たちの大きな鳥に対する「未知」への好奇心が、とある結末へと向かっていくというもの。いい意味で予想から外れた展開となった。やはり特殊な空間を書く能力を諸星大二郎は持っている。至高その「おこだわり」、俺にもくれよ!! 清野とおるおこ凡百ライフハック本よりよっぽど役に立つ 天才なのでは!?トントロ ~逆襲の脂身~ 岡田卓也むこの「天才なのでは!?」という感想を誰かと共有したい… まさか料理漫画と思うわけないじゃないですか!なぜだろう…今まで読んだ料理漫画の中で一番美味しそうな気がしてくる…魔性の『ピンボール×ラブコメ』漫画FLIP-FLAP とよ田みのるにわか最近では「金剛寺さんは面倒臭い」の単行本化もした、とよ田みのる先生の短編。ピンボール×ラブコメというニッチな題材であるが、非常に面白く、上手にまとめている。 あこがれの山田さんと付き合うために「ピンボールのハイスコア」更新を目指して、ピンボールを始めるところから、その魅力にハマるまでの描かれ方がキャッチー。それまで行ったことのなかったゲーセンという未知の場所で色々な人との縁を繋いでいくのも見どころだ。 私は読み終えたとき、あまりにもピンボールをやりたくなって、高田馬場にあるゲーセン「ミカド」へ走った。山田さんはいなかった。 にしても全一巻でこれほどの物語を仕上げるのは流石だなぁ。。。残酷なリアリティ先生の白い嘘 鳥飼茜にわか※ネタバレを含むクチコミです。 科学おもしれえ…決してマネしないでください。 蛇蔵名無し理系じゃない僕はホトホト苦手な分野でしたが、こうやって説明してもらえるとめちゃ興味わきます! 小さな頃に読むといいかも!と思いました!教育的かもしれないけどあまりに下品で勧めにくいwサイコろまんちか 小出もと貴mampukuおチャラけてふざけたギャグテイストではあるものの、普通に心理学の勉強になります。 デスゲーム回の「確証バイアス」や「機能的固着」の話はめからウロコがぽろぽろ落ちました。「確証バイアス」なんて特に情報化社会では現代病といっていいですよね。 グループ内で浮いてるくんの話で出てくる「自己不一致」や、他人を無自覚に能力で差別しているという話にははっとさせられます。山賊ダイアリーの続編です(^◇^)山賊ダイアリーSS 岡本健太郎よだれどり前作の山賊ダイアリーは山での狩猟を題材にした作品で、田舎出身の私は身近に猪を捕っている人がいたので、楽しく読んでいました。最近になって、ジビエバルみたいなのが流行りだしたり、猪やシカを食べる機会も増えてきているので、私の他にも楽しく読んでいた方は多かったと思います。 今回の続編は、海で魚突きです。まさに、よゐこの浜口みたいな感じです。実は、私の田舎は、海も山もあったので多少の知識はありますが、魚を突いている人はいなかったので、これはこれで新鮮で面白いです。画力はないんですが、捕りたての魚を刺身で食べている様子はめちゃくちゃ美味そうです。東京に住んでいたら、ずっとその味はあじわえないんだろうなぁ、、、、。 表現がめちゃくちゃ楽しい週刊少年ガール 中村ゆうひにわか漫画だからできる表現をフルに活用した作品。内容も読みやすいタイプの青春ものでたまにフェティッシュ。 不思議な漫画世界の日常が垣間見える。かわいらしく面白い作品旧時代的「時代劇」大幅アップデート仕掛暮らし 山田芳裕 池波正太郎mampuku「へうげもの」の山田芳裕先生による新作は「NEO時代劇」と銘打たれた暗殺サスペンス&アクション。 元締から依頼を請けて人を殺すところは「仕掛人 藤枝梅安」と同じですが、本作は元締が主人公となり何人か抱えている殺し屋が登場するオムニバス形式になっています。大ゴマなどを使った演出や、ストーリーのセンシティブな部分など、かなり現代的にブラッシュアップされた文字通り「NEO時代劇」になっています。 梅安と違って香具師の元締が「音羽」なのがモーニングっぽいwインスタの広告でみましただいすき!! ~ゆずの子育て日記~ 愛本みずほ大トロいい話ですね! ゆずちゃんです。 期待していたのとは違う方向だった神様のジョーカー 楠みちはる 佐原ミズstarstarstarstarstar吉川きっちょむ(芸人)何気なく手に取ってみたけど、いい設定だった。 ごく普通の男子大学生の主人公はある特殊な能力を持っていた。 それは、「願いを叶える力」。 ただし、代償は願いを叶えた人の身のまわりの大事なモノや人でバランスを取るかのような不幸が必ず起きるということ。 半信半疑だったその力に確信をもっていくような描写や、能力の分析・検証って面白いよねーといつも思う。 全3巻という短さの中で、その末路に至った人や、かつての関係者を描いていたのは良かったが、思っていたようなワクワクするような展開には転がっていかなかったので少し残念。 主人公にとってあまり大きい波風が立たずにある意味無事に終わってしまい、投げっぱなしのようなむず痒さが残る。 勝手な言い分だが、一度狂おしいほどの強烈な不幸を味わってほしかった。 この能力の肝は、死神?の意図かそうでないかに関わらず、能力を使わなきゃいけない状況・場面に追い込まれていったときに「願う」かどうか、願ってしまった上でどう対処するか、すべてを突き放し孤独に生きるのか、代償を支払わせるためだけの関係を割り切って作るのか、能力自体にどう抗い戦っていくのか、そのあたりをもう少し具体的に見たかった。 映画『ファイナルデスティネーション』的な方向でも面白そうだったけど、作者さんがやりたかった方向とは違うのかなー。 大事な人を守りたい、という部分が強かったから動かせなかったんだろうか。 大事な人を守りたいからこそ、願ってしまう姿を見たかった。 ハンターハンターのハンター試験でも出たドキドキ二択クイズのような、母を取るか、恋人を取るかのような命題がほしかったなー。 運命と諦めないで泥臭く抗うような、そんな漫画を読みたい。面白いのが読めればそれでいい狭い世界のアイデンティティー 押切蓮介starstarstarstarstar_borderマンガトリツカレ男今の漫画業界を書いた漫画なのかな。途中で出て来た編集王を見るたびに違う編集王を思い出す 俺は紙媒体だろうがWeb媒体でどっちで良いけど面白いのが読めれば良い派閥かな <<224225226227228>>
恋ならもう知っているけれど、ほんとうの愛はいまだ知らないでいる。 愛とは何よりも過酷なものである。その愛の過酷さを描いて、このマンガの右に出るものは未だ存在しないのではないか。 作者は何故タイトルを『ディスコミュニケーション』にしたのか自分でもよく分かっていないらしいが、愛という事と相互不理解という事とは切っても切り離すことのできない二律背反の関係にあるのではないだろうか。 そのために戸川さんと松笛くんはどこまでもどこまでも真実を探しにゆく、その行く道のなんと瑞々しいこと......。