兎来栄寿
兎来栄寿
11ヶ月前
"ギロチンかケツバット どちらか選べるよ" 年貢のにんじんを納められないうさぎに対して、罰を選択させるプリンセスの慈悲深いお言葉。 "ファッキングリズリー" クマによもぎ畑を荒らされたプリンセスから放たれた殺意。 また、クマが搗いたおもちに毛が混じりすぎて食べられたものではなくなっていたときにプリンセスから笑顔で放たれた殺意。 "ワグマァァ" 「ウサギのものはツキノワグマのもの」とイキったツキノワグマがプリンセスにドロップキックを食らって漏れ出た叫び声。 大体こんな感じの作品です。 おもしれー&チョれーウサギの姫が主人公のブラック&ホワイトコメディとなっています。 『にょろにょ~ろシリーズ』のこおにたびらこさんがWeb上で公開して話題になった作品で、単行本では15ページの中編エピソードが描き下ろされています。 見た目は童話のようにかわいいのですが、パワフルでバイオレンスやブラックも混ざります。 こどもに愛されそうなかわいい外見をしているのに、樹木の老人(?)に対して 「何だこの枯れ木」 と毒づくウサギ。 『日常』みたいな表情をするコブラ。 かわいい顔して腹黒さ極まるタヌキども。 ウサギたちの崇拝対象でありながら、子供が見たら夢に出てきそうな恐るべきにんじん様のヴィジュアル。 他者をディスった結果、放逐されるコアラ。 ゴリラ鬼つええ! ウサギを中心とした動物・生物たちの愉快で破天荒な姿は、じわじわと病みつきになります。 かわいいものが好き、だけどちょっと毒もあるとなおヨシ! という方にお薦めです。
ゆゆゆ
ゆゆゆ
11ヶ月前
あなた、主人公なのよ! 運命に流されておけば、これまでの苦労もかき消えるような処遇になるかもなのよ! 乙女ゲームの主人公なんだから!! でも主人公・アーリシアは止まらない。 両親の不遇の死、自身の置かれた環境、すべてが乙女ゲームとやらの設定のためと知ったから。 守られるだけでもなく、ゲーム内登場キャラクターを云々するでなく、舞台の前段時点で、バグのように大荒れ。 生きるためにドンドコドンドコ、強さを求めていく。 チート持たぬ少女は生き抜くために強くなる。 原作で、主人公の強さは真面目に鍛えた結果でチートは持っていないと書かれていたので、ほんと恨みはこわいなと思った。 まだ序盤なのに「その年齢の割には強い」と、強い人たちから太鼓判を押されているほどに、強くなっている。 この子には、平和な未来があったろうに。 いや、そうなるための前提がひどくて、その最中にブチ切れたんだった。 そして、転生者が現れても、「僕以外全員転生者かよ」と違って皆、悲壮感が強い。実は転生してしまったら、本当はそういうものなのかもしれない。 そもそも、この世界にはチートというものがないのかもしれない。 まだ途中なので、どのような結末になるのか、想像しきれない。