ゆゆゆ
ゆゆゆ
1年以上前
壁ドンされたり、国(王太子の国)の玉座を狙う真の敵が見えてきたり、はらはら展開があったり、何故か学校に通わさせられたり、主人公が王太子の手のひらで踊らされているうちに、王太子の両親についてどえらい事態が判明します。 学校で学園祭的な何かを行ったときは、もしや、よくあるお貴族様ストーリーのテンプレをなぞるだけになってしまうのかと落ち込んだのですが、そういう展開になるとは思いませんでした。 真の敵がとったのは、どう転んでもすごく現実的な手法です。敵ながらあっぱれです。 面白くなってきました。 反対に、王太子は窮地です。 振り返ってみると、どうやら主人公が関わると物事がうまく進み、王太子が関わるとねじれてしまう傾向があるようです。 王太子は、主人公補正のあるヒロインをもっと使うべきかもしれません。 この王太子様、振り返ってみると、言葉足らずだったり、ど直球すぎたり、極端な言動のせいで思いが伝わっていなかったり。 先程面白くなってきたと書いてしまいましたが、王太子的には家庭環境も大変なことになっていたり。 おまけにイケメン枠なのに、主人公がさらなるイケメン枠だったり。 なんかもう、がんばれ、王太子! と応援したくなります。 あと、アンナをデレさせて!
兎来栄寿
兎来栄寿
8ヶ月前
「タイトルに"青"や"ブルー"などの単語があると名作率が高い」という通称「青の法則」が私の中で密かに存在するのですが、本作も多分に漏れず良い作品です。 人とは見える世界がほんの少しだけ違う青年が、遅まきながら青春と出逢っていく物語となっています。 大学に入学したばかりの水瀬蒼太は、2型2色覚の先天性色覚異常を持つ青年。2年生・彩月ひなたが撮った桜と虹の風景写真に一目惚れしたことをきっかけに、同じ写真サークルに入部します。色覚異常があることはひなた以外には秘密にしながら、蒼太は自分が写真で撮りたいものを模索していきます。 同じ色覚異常を持っていてもプロのカメラマンとして活躍している人の存在や、色がないからこそできるモノクロという表現を知ることによって、徐々に世界を広げていきます。 その上で、同じ1年生でプロの写真家を親に持つ意識の高い鳥井茶佑に問い掛けられながら、自分の本当にしたいことは何なのかを探していきます。 作中でも書かれている通り、先天性色覚異常を持つのは男性の5%と少なくはなく、私の友人・知人にもいます。そのため、私はマンバ通信でたまにインタビュー記事を書いていますが、発言者の名前の色分けはそこに配慮して行っています。蒼太も、茶色と緑の見分けが付かずに嫌いな抹茶味を選んでしまったり、バイト先で商品の色が判らなかったりするなど、日常で少しの不自由をしながら暮らしています。 そうしたこともあり、見える色が少ないということは一般的にはハンデと思われるかもしれません。しかし、そうして世界を見ている蒼太だからこそ伝えられるもの・表現できるものも存在するはずです。そこへ近付いていく過程を見ると、嬉しさを感じずにはいられません。これから先、蒼太たちが表現していくものや関係性によって生じていく感情の色合いが楽しみです。 余談ですが『髪、愛でる君。恋、知らぬ私。』といい、文川あやさんは黒髪ロングヒロインが魅力的なのも個人的推しポイントです。