名無し
10ヶ月前
アレテー・スピノザの考え方、すごく分かる。
生活保護や受刑者を国で養うけど、かかる費用をその人から回収できないのであれば、他の人の負担で費用をかけるだけの価値があるのだろうかって極論を、福祉系で働く友人とつい先日討論してたばかり。
受刑者の再犯率の高さや、生活保護の家庭で育った子供が自分も生活保護受給者になるループケースも多いと聞いて、どうやったら抜け出せるのか、社会が税金というお金をかけて「ただ生存させること」に意味があるのかねって話だったけど。
これって同じテーマな気がする。
国や社会がシステムとして機能するためには費用対効果の観点は外せないし、少子高齢の現代社会でそのコストを負担してるのは働き盛りの中年層。
引いては今後負担していくのは若年層。
でもコストかけて産めよ増やせよで子供がただ増えても、経済活動して国の収入が増えなきゃ負担構造は変わらないし悪化するだけ。
アレテーはトリミングで負担構造を変えてくれようとしてる。
実際に自分が子なしで減税や給付を受けることなく働く中年層だからか、被害者意識的に搾取されてると感じていて…楽になるために飛びつきたくなる安易な極論はアレテー・スピノザと同じだった。
もちろん、子がいない時点で今後の社会的貢献度とか社会的価値は下がるので自分もトリミング対象に入っていくんだけれど。
まぁそれはそれでしょうがないかな。解決策は浮かばない。
これはいわゆる社会の弱者側になってないから思うこと。切り捨てるのは簡単だ。
介護や高齢問題の作品のようで、社会はどう全員を幸福にするのか、人はどうやってお互い幸福になるのかを考えさせられる作品だと思う。
作者の意図はどこにあるのか、どういう展開になっていくのかとても楽しみ。