にわか2018/10/15顔のめっちゃ怖い天使この作品の次に描いた漫画が「CLAYMORE」だと知った時、とても驚いた。それくらい真っ直ぐに楽しめる青春漫画。 顔がめっちゃ怖いがゆえに最怖のヤンキーだと思われている主人公は、テンパると奇声をあげながら迫ってくる。彼はたしかに怖い! けどまぁ実際は優しい。勘違いされながらもちょっとずつ周りに彼の本質が伝わっていく、そんな漫画。思いつきのような設定を無理なく楽しく続けていった良い作品エンジェル伝説八木教広
にわか2018/10/15赤ちゃんのいる家庭で読みたい愛情ご飯漫画📷家族が一体となって、赤ちゃんの面倒を見ているという空気感がとても良い。ほのぼのと皆で仲良く暮らしているのが伝わる描かれ方をしている。 なにより素晴らしいのが作中に出てくる赤ちゃんのためのレシピが最終ページに載っていること。監修も完璧でイタリア料理の火付け役にして「ま・ごはん 0歳児からの愛情レシピ」の著者、片岡護。レシピは赤ちゃんがいないのによくよく眺めてしまうくらいしっかりしている。 赤ん坊のいる知り合いがいたら、教えてあげたい。そんな温っかい漫画だ。宝ちゃん、あ~ん!ウラモトユウコ1わかる
にわか2018/10/13神話のような、人の話表題作を含めて不思議な話が多い。ただ、共通して言えるのはどれも「人」の深い深い奥底にある、なにかを汲み上げて創られているということだ。 それは劣等感かもしれないし、憎悪かもしれない。寂寥感かもしれないし、愛情なのかもしれない。どれとはハッキリとせず、混ざりあっている曖昧模糊としたものに響く。「半神」は静かな部屋の中、ひとりきりで読みたい。半神萩尾望都
にわか2018/10/13ハイテンションラブコメ卓球漫画「うえきの法則」福地翼の描いたハイテンション卓球ラブコメ。 10年前にした幼馴染のカコとの結婚を果たすために日本に帰国した主人公、ガクの前に聳え立ったのは「卓球告白法」という卓球狂の総理が制定した国の法律!それは付き合うためには卓球で勝てなければならず、また卓球で敗北すると強制的にカップルにされてしまう、という理不尽なものだった! 早速、ガクは「タッコク」をカコに申し込むが、カコは卓球の腕を磨きに磨いていたため、卓球で手を抜くことが出来なくなってしまっていた! ひ弱なガクは、卓球でカコに勝つために様々なライバル達と闘い、最強のカコを倒して結婚の約束を果たせるか……という話。 めちゃくちゃな設定が多々あるが、物語を通しての伏線となっていたり、作り込まれていて、とても面白い。さすが「うえきの法則」や「サイケまたしても」の作者という感じである。卓球という性質は本来的には地味なものであるが、様々な謎理論卓球の使い手が出てくるため見飽きない。ここらへんも福地翼の本領発揮という感じだ。ちゃんと少年漫画的に熱いシーンがあるのもポイント。何度も手にとってしまう中毒性のある作品だタッコク!!!福地翼
にわか2018/10/13ネタバレほのぼの理不尽コメディー頭は悪いが器用な主人公、ツヨシと理不尽な二人の姉と母親の日常を描いた作品。 ツヨシの寄木細工の門を作る回がよく記憶に残っている。めちゃくちゃ凄くって作ってみたい!と思ったけど、ツヨシの二人の姉と母親には大不評で「覚えられるか!」みたいな流れだっだ覚えがある。僕はスゴイと思うよ、ツヨシ。でもあの能力と周囲の評価のギャップ感はたしかに面白い。理不尽だけど主人公が呑気なので、ほのぼのと見れるのもコメディーとして、良い。 あと姉妹喧嘩や、姉と母親が喧嘩した際に、いつも厳しい姉や母が味方を作るためにちょっとツヨシに優しく接するのが、駆け引き感あって楽しかった。また読みたい。ツヨシしっかりしなさい永松潔1わかる
にわか2018/10/13アホくさいけど天才的な短編集天才、沙村広明がひたすらに書いた「頭のおかしい短編」をまとめたもの。「フザケてんのか、お前」って言いたくなるくらい大体の作品にハチャメチャな展開とオチが用意されている。そのフリースタイル感からは天才性を感じるけど、やっぱアホ。どういう頭したら思いつくんだよ、それ。 さらにスゴイのはほとんどの作品を「頭おかしい」と思うのに、どれも種類というかタイプが違っている。いわば混沌の寄せ鍋的な短編集。悔しいけど面白い。幻想ギネコクラシー沙村広明
にわか2018/10/13表現力過多が生み出すギャグ表現力がある水準を超えるとギャグになる。前衛的な絵画を見て、ちょっと面白く見えるように。あるいはスタイリッシュさもある水準を超えるとギャグの誇張になる。これは坂本ですが?などの先駆者が証明しているように。 この作品は主人公の女の子が創作ダンス部の成立を目指す部活モノだ。流れは王道であるが、その端々はシュールで溢れている。それは言動や表現が大袈裟に大量に存在するからだ。この大袈裟な描写は一般的には多発させない。本当に重要なシーンが埋もれてしまう危険があるからと思われる。しかし、そこを逆手にとってスポ根シュールギャグ漫画に仕立てたのがムラサキだ! 一話をパラパラ捲ると、すでに2ページに一度くらいインパクトのあるコマが連なっている。初見の読者は間違いなく「なんだこれ……」となるだろう。好き嫌いは別れるだろうが、なんにせよ新しい。マンガ好きは一度は目にするといいかもしれない。ムラサキ厳男子
にわか2018/10/13悪を蹴散らす「悪童」の闘いギャンブルがなにより好きな荒くれ者の男が、ヤクザに殺されて、自殺した子供の身体に転生する話。 主人公の精神構造はまさしくワルガキ、そこがいい。ただの「悪」でなく、一本筋の通った理屈から「悪童」らしく解決していく。敵対する敵は「邪悪」な人間が多いのでスッキリとした読み応えもある。 志名坂高次作品のファンとしては、主人公が適度な「怯え」をもっているという点が面白い。ヤバそうな敵はなんと避けようとして、チンケな邪悪は蹴散らしていく。なんというか普通の「暴れん坊」の感性を保持している。 これから勝負が過激になっていくだろうから、バランスを維持するのか、ガラっと変わるのか、楽しみな作品悪童-ワルガキ-志名坂高次
にわか2018/10/12「どうしようもなさ」に翻弄される📷姪に携帯で呼ばれた叔父が向かうと、そこには……。二人のどこにもいけない逃避行が始まる。 モーニングの読み切りは表現力に長けた作品が多いが、これもそう。暗めのトーンにより醸成された雰囲気、会話のリズムと乱れ、表情の躁鬱とした変化。どうしようもない行き止まりの感覚と胸のざわつきが蓄積されていく。読者はその「どうしようもなさ」を感じることしか出来ない。読後感になんともいえないシコリが残るような、考えさせられる作品。もう森へはいけない吉川マモル1わかる
にわか2018/10/12南国の神秘を感じさせる冒険譚東京トイボックスのコンビ、うめの作品。沖縄にある離島、羽照間島という舞台で広げられる南国冒険譚。現実に存在するものではないものの波照間島をモチーフに上手に虚構化しているため、リアリティがある。 古代史や海洋史、遠い南国だからこそありそうな神秘的伝承を絡めて、紡がれる物語はまさにロマン。青春期がゆえに大きく変化する登場人物の関係性も大きな見どころだ。南国トムソーヤうめ3わかる
にわか2018/10/11他で見られないマンガ表現と社会的意義を持つ漫画📷この作品と出会ったのは、六本木でやっていた「障害・感覚・共生を考える」をテーマにした展覧会「ここから2」という場所だった。 いくつかの漫画が展示されており、なんとなく手にとってぱらぱらと捲って、いままでに見たことのない漫画表現とあり方に驚いた。 内容は聴覚障害者の話で、耳の不自由な方々から聞き取ったことを描いたもの。革新的だと思ったのは、聴覚障害者の聞こえないではなく、「聞こえ方」を取り扱っていること。そしてそれをマンガ表現で書き表しているところにある。誰にでも分かりやすく、その痛苦を理解できる表現力には感服した。 話題となった佐村河内さんの話もあり、正しいことはなにかをしっかり自分で考えなければならない、とも思わされた。社会的な意義を持ち、漫画独自表現をもっている一作だと思う。淋しいのはアンタだけじゃない吉本浩二1わかる
にわか2018/10/11レンタル彼女のイメージをいい意味で一変させる子供のように無邪気なレンタル彼女の月田さんと奥手男子の主人公、星野のやり取りを描いたもの。横断歩道の白いとこだけ渡ったり、マンホールの蓋をぴょんぴょんと飛んだり、なんだか子供の頃やってたなーということを月田さんはしてくれる。主人公はそれに振り回されながらも楽しそうで、なんだか見ていると心休まる。こんな「レンタル彼女」はいないだろうけど、月田さんとなら街を歩いてみたいなんて思ってしまう。レンタル彼女月田さん時田時雨1わかる
にわか2018/10/11不毛な青春の極地、漫画化!森見登美彦原作の「太陽の塔」をモーニングゼロ2016年8月期「夏の種」の漫画家かしのこおりが作画を担当し、描かれた漫画。 内容は、華のない大学生の「私」が、かつての恋人である水尾さんを「観察と研究」と称して、追いかけるというもの。誰がどう見ても「未練からのストーキング」にしか見えないが、「私」は認めない。断じて認めない。なぜ自身が振られたのかを「ストーキング」することで追求していき……。 原作では森見登美彦の文体の癖が凄まじかった覚えがあるが、これは非常に読みやすい。また絵柄もよく内容とマッチしており、楽しめる。かなりアニメの湯浅監督を意識した絵柄にも見えるが、どうだろうか。まだ連載して間もないので、ゆっくりと見守っていきたい。太陽の塔森見登美彦 かしのこおり
にわか2018/10/11読者の愛で存続したギャグ漫画漫☆画太郎が20年ぶりに「ジャンプ」名義の媒体で連載を始めた作品。めちゃくちゃ面白かったのは、一巻までの内容が漫☆画太郎らしい不条理ギャグをやっているのに原典に忠実なところ。ただ徐々に漫☆画太郎ワールドに飲み込まれていっているので、どうなることやら。。。 ジャンプ+で読んでいると漫☆画太郎の近況報告を暖かくツッコむ読者の姿が見れるのは見どころの一つ。作者から読者に対する企画もちょこちょこあり、ほのぼのとした空気が広がっている。 一時は連載が危ぶまれたが、クラウドファンディグによりその危機は脱出した。この作品の読者と作者の繋がりの強さを感じさせる一件。このことは今後のマンガ連載の一つの可能性として良い例を残したと思う。まぁ色々な意味で楽しみな作品星の王子さま漫☆画太郎
にわか2018/10/11サンデー史に残る衝撃的作品幼少期のトラウマにより鬼に対して恐怖心を抱いている主人公が、不思議な少女スジャータと出会うことによって、実体化したトラウマを倒し、アートマンとして使役するトラウマイスタになる話。 初期はギャグやラブコメ要素が強かったが、ある回をきっかけに狂気的なダークファンタジーに変貌する。そういう意味では、一部の読者に「トラウマ」を植え付けた作品ともいえる。絵柄も大きな特徴で、コメディーを描いてる時とシリアスを描いている時の書き分けが凄まじく、同じ人物がここまで違って描かれるのかと、ぞっとするものがある。この特徴は次作である「ねじまきカギュー」にも継がれている。本作特有の特徴としては絵画的な表現を多用している点にあるが、これは「芸術家」が題材となっている作品であるからだろう。中盤に中だるみを感じるものの後半の怒涛の展開と綺麗すぎるオチは一見の価値あり。漫画好きなら目を通して欲しい一作。トラウマイスタ中山敦支5わかる
にわか2018/10/11才能で蹂躙する(物理)な「響」(漫画ver漫画力が、純粋な暴力となる世界で繰り広げられる熾烈な漫画家バトルロワイヤル。響を読んでいると感じる、才能を持っている人間ほど暴力的で理不尽という世界を突き詰めて、ギャグ化したような印象を受ける作品。 ぶっ飛んだギャグ的な面白さがある上に、この作品からは「あるコダワリ」を非常に深く感じる。それは実在の企画や人を用いて漫画界の実態の一部を描いていること、そして用いたものに対する深いコダワリである。 特に浅野いにおの回は衝撃的だった。というのは浅野いにおの能力で「自分の世界に引きずり込む」技があるのだが、まるで浅野いにお本人が書いたのではないかというほど精巧な街が描かれるのである。 作者の押切蓮介は個性的で良い絵を描くが、画力に優れているとはいい難い。であるがゆえにその精巧さには驚くしかない。そこには浅野いにおを使うからには、という強いリスペクトを感じるのである。 なにはともあれ、漫画に対する愛と熾烈さを強烈に感じながら物語を楽しめる、一癖あるが、素晴らしい作品だと思う狭い世界のアイデンティティー押切蓮介2わかる
にわか2018/10/11地球に近くて遠い、惑星9惑星9という宇宙の辺境にある小さな星にいる人々の話。 連作短編集のような形式で、惑星9の住人の生活が描かれている。どれもがちょっと不思議だけれど、描かれる人の思考や感情は共感できるので、気持ちよく世界観に引き込まれていける。 中でも「衛星の夜」という月の話が好きだった。昔、月を調査していた老人が回想する形で、そこで出会った不思議な粘菌のワルツについて語る話。ワルツの可愛らしさもさることながら、物語の自然なファンタジー感がたまらない。他の作品もハズレなし。おすすめの一冊。惑星9の休日町田洋1わかる
にわか2018/10/11「あいつら」の子供が大暴れ鉄鍋のジャン、鉄鍋のジャンRに出てきた登場人物の子供たちによる中華バトル開幕! 秋山醤と五番町キリコの息子である秋山ジャンが主人公。かつてのライバル達の息子や娘がバンバンと出てくる。小此木の息子や、五行道士の娘、大谷一族など「鉄鍋のジャン」のファンであれば楽しくなる面子が勢揃いしている。 ただ、主人公の秋山ジャンがキリコの息子(さらにマザコン)であるがゆえに「心の料理」を最重要視しているために作品特徴であった「邪道感」は薄まっている。前作からのファンとしては少し残念。加えて2巻まで妨害のような行動を取るキャラクターもいなかったため寂しい思いをしていた。が、3巻では前作のような「他者を蹴落とす料理」を五行の娘が作ってくれたので、今後に期待。鉄鍋のジャン!!2nd西条真二 今井亮 ムラヨシマサユキ3わかる
にわか2018/10/11脳に刻み込まれるハードボイルド語句の使い方一つをとってもハードボイルド。冒頭に「コヨーテが笑ったような顔」なんて女に呼ばれる探偵が出てくれば、そりゃぁ、後はその世界に身を委ねればいい、という気分になってしまう。 生活臭を漂わせる部屋などの、人間のいる空間にこだわる意識も見えた。生活様式には人の性質が現れる。人間同士の本音を垣間見て、暴く、このジャンルにおいて、だからこそ舞台は重要なのだと感じた。にしても「男」とは良くも悪くもかっこよく、女にアホな生き物だ真夜中のイヌ関川夏央 ほんまりう1わかる
にわか2018/10/11このマニアさ、この感染力がオタクだ!!「働きマン」の作者、安野モヨコによる「新世紀エヴァンゲリオン」庵野監督とのオタク的結婚生活を綴ったエッセイ漫画。無邪気にオタクが染みついている監督とオタ化に抵抗しながらも染まっていく主人公は見ていて微笑ましい。 かなりマニアックなオタク話もあり、面白い。こういうのが本当のマニアやオタクなんだなと分かる。監督不行届安野モヨコ
にわか2018/10/11鬼才×異才のギャンブル漫画始動📷旧作「ねじまきカギュー」の主人公である葱沢鴨を思い出す「不幸体質」の女子高生、東雲花梨がギャンブルの多い地域にある高校に転校し、ギャンブル嫌いのギャンブラー教師が顧問を務める部活に入る話。 一話は完全に導入。ギャンブルモノの鉄板とも言える展開。ただハッタリの効かせ方はダンロンを彷彿させる楽しいもの。中山敦支の絵柄がキャラの特徴をぐんと際立たせ、個性的な漫画に仕上がっている。 今後がめちゃくちゃ楽しみな新連載。 https://twitter.com/nkymAtsushi/status/1049996144057536512ギャンブラーズパレード中山敦支 小高和剛1わかる
にわか2018/10/05ただのグルメ漫画じゃない『お土産漫画』誰にどういうシチュエーションで持っていくかまで考えられているため、ただのグルメ漫画でなく、きちんとした「お土産漫画」として成立している。お土産にまつわる雑学なども面白い。個人的にはニッチな文学の話も興味深かった。もっともっと読みたかったが、三巻完結。まぁ腹八分目がちょうどいいということだろう。おもたせしました。うめ4わかる
にわか2018/10/05ふつうの延長線にある、ちょっと不思議な話普通の日常の延長線上に、こんな不思議な世界もあるんじゃないかと思わせる良作短編集。 中でも2.5次元胃袋が記憶によく残っている。閉店間際の中華料理店に一人のOLがやってきて、10人前くらいの料理をオーダーをして……という話。タイトルで察せるかもしれないが、かなり奇天烈でメタ的なオチとなるが、なんだか不思議と違和感がない。ああ、そういう話なんだなとするっと入ってくる。オススメ。なんてことないふつうの夜に嶽まいこ6わかる