六文銭
六文銭
1年以上前
魂が震えるほど感動した。それほど良かった。 藤本タツキ先生を、自分はどこかちょっと引いて見ている点があった。 というのも、「ファイアパンチ」のインタビューを読んだとき、計算高い感じを受けてしまったからだ。 こうすれば読者はびっくりしたり、感動するんでしょ? みたいなのを狙ってやっています、みたいな雰囲気をプンプン感じてしまい、とりわけ「ファイアパンチ」の1話で興奮していた自分は、その打算さにがっかりしてしまった。 続く「チェンソーマン」も、どこか薄目でみている感じがあった。 だが、もうそれを撤回する。 本作を読んで、全力で先生を追いたくなった。 それほど感動した。 この感動は自身の過去の思い出とリンクしたからだ。 本作を読んで久しぶりに思い出し、そのことで人生で初めて泣いた。 本作の主人公・藤野と自分が重なったのだ。 そして、京本のような人と出会い、同様に亡くなった経験があったからだ。 本作を読んで、感動とは、こういうことなのかと魂レベルで理解できました。 原体験に基づくとより強力なんです。 この思い起こさせてくれた体験だけで、 作品に対して、ただただ感謝し、 描いてくれた作家さんの一生ファンでありたいと思いました。