さいろく
さいろく
1年以上前
安彦良和先生のガンダム。 これこそがORIGIN。本当にありがたい。 アニメの機動戦士ガンダムをちゃんと見れてなかった世代としてはガンダムがゲームやカードダスで一世を風靡しているにも関わらず本当のシナリオを全て理解出来ていなかった事が心残りというか悔しいというかだったんですが、このORIGINはアニメ版以上に安彦良和で(そりゃそうなんだけど)思っていたガンダムが本当に今描かれているんだと。 ものすごく古い時代のマンガだったらちょっと手を出しづらいとこあるじゃないですか、正直。 でもこれは最近になって描かれてるんですよ。ようやくガンダムを知る事ができる!と嬉しくなって読み始めたら見事に期待を上回る作品だった。 小さい頃、小学生低学年の頃はアニメも疎らに見てカードダスとかガン消しとかしか持ってなくて知識も乏しくて。。。そんな頃、悪役だったザビ家は馬鹿な悪いやつなんだと思ってたんですよ、ガルマのせいかもしれないけどさ。でもORIGIN読んだらドズルのファンになるよ、絶対。 ガンダムという日本が誇る壮大なスルメコンテンツを今になってこんなに丁寧な作品として出してくれた安彦先生とKADOKAWAに感謝したい。
(とりあえず)名無し
(とりあえず)名無し
1年以上前
少なくとも週刊少年マガジンに掲載された部分の『凄ノ王』は、永井豪が持つ世界に比類なき「パワー」の最高到達地点を示す、問答無用の素晴らしさだ。ある意味で、『あばしり一家』も『デビルマン』も『バイオレンスジャック』も凌駕しているのではないか。いや、全部大好きなんですけどね。 それにしても、例の「馬のシーン」のもの凄さよ。 何度も繰り返したいけど、例の「馬のシーン」を、まさに「中二」な当然童貞の十代半ばに読んでしまった自分の衝撃を、どう表現すれば今の読者に伝えられるのか、まったく分からない。 大ショックな「ススムちゃん」や「逆さ吊り美樹ママ」も既に読んではいましたが、やっぱりね、リアルタイムの連載でアレを見せられるとね、とんでもないですよ。 あと、首吊りシーンとか今考えてもどうかしてる。 そして、主人公が異形化していくプロセスと平行して描かれる「宇宙空間を地球へと襲来せんとする八岐大蛇」!(『ベルセルク』の「蝕」は、絶対これへのオマージュだと思うんだけど) このシーンが週刊少年マガジンに連載されていた時、ちょうど週刊少年ジャンプでは寺沢武一『コブラ』の「黒竜王」編が連載されていたのです(このエピソードのクライマックスのイメージは、素晴らしく圧倒的)。 こんなものを毎週毎週出る雑誌で読めていたなんて、当時のガキはなんと贅沢な漫画体験をしていたのかと、陶然としてしまう。 しかし、つくづく永井豪の「パワー」はリビドーのパワーだと思う。 こんなクチコミで心理学用語を生半可に使うのもどうかと思うけど、フロイトが性的衝動として定義し、ユングが根源的な生命エネルギーとして再解釈した、あのリビドー。 その本質的な暴力性が剥き出しになって読むものに襲いかかってくるのが、永井豪のパワーなのだ。 そこから逃れられるものはいない。 小説や映画や漫画、物語に淫するというのは、そうした無慈悲なパワーに翻弄され引きずり回されて、心がグチャグチャになる…ということでもあるのだ。 いろいろ「未完」だとかは、この際どうでもいい。 こんな巨大なパワーの奔流に、納得できる「結末」なんてつくわけないじゃないか。 (敢えて挙げると、『手天童子』はラストシーンまでの結構が整った名作です。もちろん大好きなんですが、ちゃんと収まってる分だけ少し弱いかもなあ) とにかく、「最高潮の永井豪」から逃れられる人間なんて、どこにもいないんですよ!