クジマ歌えば家ほろろ

妙なリアリティのある奇妙な鳥人間と居候コメディ!

クジマ歌えば家ほろろ 紺野アキラ
吉川きっちょむ(芸人)
吉川きっちょむ(芸人)

めっちゃくちゃ好きです!! 中学一年の鴻田新(こうだあらた)が学校からの帰り道に出会ったのは腹をすかせた奇妙な人型の鳥みたいな人語を話す生物・クジマ。 聞くところによるとロシアから来たという。 日本食が食べたくて来たというが…。 いろいろあって翌年の春にロシアに帰るまで住むことになったクジマと鴻田家のホームコメディ! https://gekkansunday.net/work/4466/ 1話あたりそこまで長くない話で、寒くなると日本に来て暖かくなるとロシアに行く渡り鳥みたいなやつに居候されるっていう奇妙な設定が素晴らしくハマって面白いです! 奇妙な鳥ってだけでも面白いのに、ロシアから来てるからロシア語話せるしロシア料理作れるし、たまに外国人みたいな「分からないデス」みたいなとぼけ方を入れてきたり、ブチ切れるとロシア語で罵倒したりともう、面白い! 単純にロシア人の留学ものとして見てもいいのかなって思ったら、最悪、虫食べて生きていけるっていう、それはもうマジで鳥じゃんっていう部分も垣間見せたりでクセになる! 紺野アキラ先生、いままで読切も漏れなく全部面白かったので、連載始まって本当に嬉しいです! ホラーも面白かったので、この鳥にも少し怖さがある気もしますが、ホラーとコメディって表裏一体なので楽しみです。

チュートリアルが死ぬほど難しい

テンポよく死ぬスレスレを生き続ける主人公がアツい!

チュートリアルが死ぬほど難しい gandara 今江大輝
吉川きっちょむ(芸人)
吉川きっちょむ(芸人)

どんどん次が気になって読んじゃうテンポの良さ! さすがピッコマ、つい課金したくなる作りになってますねー! ゲームっぽいダンジョンに強制転移させられた元プロゲーマーの主人公が、ヘルモードを選択してしまったばかりに生存率0.01%の死にゲー設定の中で何度も死にかけながら命からがらトライ&エラーでゴリ押ししていく! https://piccoma.com/web/product/71905 転移ですし内容も読みやすいので「異世界もの」が好きな方にはざっくりと相性がいいんじゃないかと思うんですが、序盤までの感想で「俺TUEEEもの」じゃなくてちゃんとピンチで死にかけるようなハード目な作品が好きな方にはオススメかなと思いました。 プロローグから読みとれることがいくつかあって、その中でもとりあえず主人公は60階まではどんなに死にかけても死なないと安心して読めるのがいいですね。 そして、イージーやノーマル、ハードモードには他にたくさん人がいて、どうやらクリアして情報を現実に持ち帰っている人たちがいると。 読み進めていくと真偽のほどは分かりませんが、わりとすぐクリア条件らしきものの情報は出てきます。 ただ、他のモードならともかく「ヘル」の場合は死ぬほど難しいわけです。 プロローグ時点で81期になっている。1期分が30日なので約1か月。 つまり主人公はこのチュートリアルのダンジョンの中に6年と9か月いるということに。そもそも現実と時間が同じスピードとは分かりませんが。 そもそもここでいうチュートリアルとは? チュートリアルをクリアしたら現実に戻れるってことは、帰る現実もやばい状況になってる? このヘルモードのチュートリアルをクリアして帰れば無双できるのでは? と、いろいろ考えるの楽しいですね! とにかく死ぬ一歩寸前まで鍛え続けないとガチで死んでしまうモードで、ゴリゴリに削られながら必死に邁進する主人公を、安心しつつもハラハラ見守るのが楽しいです。 次の階層はどんな形で殺しに来るんだろう、と。 週一の火曜更新が楽しみになりました。 タテ読み漫画、縦スクロール漫画、ウェブトゥーンなどまだ一つの名称に日本では定まっていない感じはありますが、韓国、中国の手法を取り入れて、ピッコマやLINE漫画を中心によく見かける気がしますし、(自分の観測範囲では)日本発のものも増えてきてますね。 縦で読むようになれば、日本式漫画だと右から海外だと左から、という様式の違いをクリアできるのも利点ですし、スマホサイズで読むときに文字が多きくてフルカラーでどんどんスクロールできてテンポよく非常に読みやすいです。 だからこそついつい課金して先読みしてしまうような形にマネタイズしてるのが素晴らしいです。 無料公開から先に何話分も先読みのストックありますもんねー。 スマホの形はwebページやTwitterなども含めスクロール前提で作られてるので相性ばっちりです。 ウェブに最適化された漫画ってことでウェブトゥーンなんでしょう。 ピッコマではSMARTOONと書いてあるので、スマホ向け漫画を謳っているということでしょうか。 こちらの作品は作画の方が日本名ぽかったので、日本発なのかと思ったら原作が韓国のものですし韓国が先出しだったようです。 原作小説は完結済みで23巻。 もしかしたら『俺だけレベルアップな件』レベルで月間1億円の売り上げ叩き出したりするかもしれませんね。

錬金術無人島サヴァイブ

サバイバルに錬金術が加わることでさらに面白く! #1巻応援

錬金術無人島サヴァイブ 保志レンジ 伊口紺
吉川きっちょむ(芸人)
吉川きっちょむ(芸人)

敵国の捕虜と、料理人と錬金術師が力を合わせて無人島サバイバル! https://comic-days.com/episode/3269632237329614255 軍の飛空艇が被弾し無人島に墜落。 生きていたのは、錬金術師と料理人、そして乗せていた敵国の捕虜の3人だけだった。 ここで料理人のジンは3人で協力して無人島をサバイバルすることを提案するが、錬金術師のニコは、敵国の兵士タクミと協力するのには抵抗感があり…。 「ファンタジー×サバイバル」という切り口ってたまにあることはあるんですが、焦点が違うところに定まってて、この漫画みたいなテーマではないんですよね。 よくあるものだと異世界ものが多いんですけど、結局魔法が使えたり、食材を簡単に用意できたりで、要はリアリティの線引きがかなりファンタジー側に寄ってるんですね。 それが悪いわけじゃなく、それはそれで気軽で楽しいです。 そして、この『錬金術無人島サヴァイブ』ですが、かなりリアル寄りのサバイバルの話で、そこにスパイスとして錬金術というファンタジーが乗っている。 さらに言えば、無人島でサバイバルの素人が生き抜くために「錬金術」という要素が生死を左右するポイントでもある、というのがポイント。 世界観は、「錬金術」がある以外は、食材や素材なども我々の現実と近いところにあるのでファンタジー要素は少なめです。 この作品でいう「錬金術」がどういったものかというと、すでにある素材の「分解」→成分の「抽出」→想定した物の「形成」という手順で実行される。 なので、無から有を生み出せるわけでもなく、素材に対する知識や形成するもののイメージがはっきりしていないと上手くいかない。 この作品内で上手いなというのが、それぞれの職業や関係性や能力の描き方。 例えば、錬金術師のニコは能力はあるけど、「形成」のイメージがあやふやで上手くいかない。 敵国の捕虜のタクミは、大工だったので設計図を書ける。 設計図を見て、明確なイメージがあれば、今まで上手くいかなかったニコの「形成」が上手くいく。 そして工具ができたらタクミによるDIYが炸裂する! でもニコとしては、非常事態とはいえ、自分の家族を爆撃で殺した敵国のパイロットと協力するなんて、という葛藤あるわけです。 そこを誰にでも平等な料理人のジンが二人を繋げたりしますし、食と医療が近いのもジンはかなり重要なポイントですよね。 錬金術もニコの能力による制限があって、ある程度より質量が大きいものは無理だったり、やはり何でもありじゃないのがいいんですよねー。 大きいものもできたら船作れちゃいますもんね。 そんな様々な事情が絡み合って、いろいろなものをDIYしながらサバイバルが進んでいくのです。 単純に面白い! これからも楽しみにしてます!

時間跳躍式完全無劣化転送装置

満足度も完成度もめちゃくちゃ高い読切! #読切応援

時間跳躍式完全無劣化転送装置 山素
吉川きっちょむ(芸人)
吉川きっちょむ(芸人)

女の友情とSFで、部屋の中の会話劇でここまで魅せてくれるか! 初投稿、初受賞作にもかかわらず非常に話の完成度が高く、こういった賞でなく普通に雑誌にポンと掲載されていても目を引くような素晴らしい内容でした。 読後感はしっかりプロの犯行といった気分です。 https://comic-days.com/episode/3269754496432828238 タイトルなんだっけ、と思ってしまうくらい関係ないようなスタートかと思いきや、話が転がっていくとあれよあれよとまさに本題はそこに行きつき、タイトルを経由して、扉絵に着地するというようなハッとする内容でした。 読み終わったらもう一度、扉絵を見てほしいです。 高校生のとき、互いに友達もできず独りぼっちだった二人の女子がなんとなく接近しなんとなく話すようになったそんな二人が、高校卒業から7年ぶりの再会。 互いに違う道を行き話すこともなく気まずくなるかと思いきや、話せば話せてしまう。それが友達。 互いの仕事の話をするとかたやシェフ、かたや博士課程で研究。 研究内容を聞いていくとなんとタイムマシンに関わっており…。 高校卒業後フランスの料理修行に行くほど行動派な友人の「バックトゥザ南北朝 足利尊氏にブイヤベース食わせてくる」の台詞のセンスは最高っすね! タイムマシンに対しての発想の転換というか、未来にしか行けないというのはわりと現実的な話ではあるのでいいとして、自分ではなく物を送って「鮮度をそのままにする」というところが味噌ですね。 具体的にこの世界にタイムマシン技術が根付いて開発されているっていう地味なリアリティがあって話が前に進みます。 そして食事という人が生活を送る上で最も日常的なところへ落とし込んでくるという。 はー、素晴らしい。大好きです。 ふと思ったのですが、突然訪れる友人の方ではなく、主人公の方がタイムマシンの研究しているっていうのがあまりない形なのでとてもいいですね。 我々読者側にとって突飛なことがいつも来訪する側とは限らない。 というか、突飛なように描かずあたかも普通のことのようなテンション、温度なのがとてもいいですねー、友人は驚いてましたが。 まだTwitterに載せた漫画を全部は読めていませんが、片っ端から読んでいこうと思います。 毎話バズってますし、そのうち書籍化の話来そうですよね。 ひょっとしたら今回のモーニング月例賞で箔がついて、とかもあるかも。 https://twitter.com/i/events/1060516123316121606

もっとみる