『ハコヅメ』作者の新作は時代劇!!こんなん絶対おもろいやんだんドーン 泰三子mampukuニッチなテーマの「○○史」の漫画ってだけで期待値マックスなのにそれをやるのが秦三子先生とあらばそらもう間違いないですよ。事実、ふわふわ掴みどころのない日常系コメディとしてスタートした前作『ハコヅメ』とは異なり、今作は一話目にして緊張感も感動もフルスロットルです。傑作の予感しかない。 物語としては幕末から明治初期にかけての話になるかと思いますが、私のような日本史エアプ勢にもやさしい粒度で偉人いじり・史実いじりを織り交ぜてくるので、情報量が多い割にとっつきやすく楽しく読めます。 第一話が掲載されたモーニング29号での作者インタビュー記事は必読です。 ハコヅメ終了後に作者に降り掛かった不幸や、どん底にあっても消えなかったクリエイター魂、最終巻の表紙イラストに込められた秘話など、読むと目頭と胸が熱くなります。必ず先に原作アニメを視聴してくださいRoOT/ルート オブ オッドタクシー 此元和津也 肋家竹一 P.I.C.S. 此元和津也/P.I.C.S.mampuku※ネタバレを含むクチコミです。空気が美味い兎山女子高校2年1組!! 清水幸mampukuこういうのを待ってたんだよ〜! 新連載は女子校が舞台で男の担任教員が主人公、とくればマガジンラブコメ飽和気味なのにまたか〜〜??と思わさてからの日常系コメディだった! 可愛いが萌えではない。コメディだがラブコメではない。こういうのでいいんだよ。今週も空気が美味い。量産スカッとジャパンかと思ったら良質な寓話ホラーだったしょせん他人事ですから ~とある弁護士の本音の仕事~ 左藤真通 富士屋カツヒト 清水陽平mampukuネットの誹謗中傷、犯人はまさかの〇〇だった…!?開示請求で人生崩壊!ざまぁ!的なよくあるやつかと思って読んでたら思いのほか中身があって面白い漫画でした。法律の勉強にもなる。 見えない悪意と戦うことのしんどさを描いた1巻、何気ないRTが破滅を招いた2巻、今なお変わり続けるネット社会に翻弄される3巻。どれも誹謗中傷に加担してしまう人は老若男女問わずいろんなところにいる、ということを非常にわかりやすくビジュアライズしてくれている漫画でした。これを読んであるある、と「他人事」になるのではなく「自分も気をつけなければ」と思えるかどうかでこれからの社会を乗りこなせるかどうかが決まるのかもしれません。22歳“元”アイドル、再起を期すIDOL×IDOL STORY! 得能正太郎starstarstarstarstarmampuku応募資格ギリギリ、アイドルを志すにはまさにラストチャンスの主人公・ミミと、上を目指すべくグループを脱退してまでオーディションに挑むもう一人の主人公・イブキの物語。 ふたりの主人公がアイドルオーディションを目指す話としては『ひかるインザライト』を 崖っぷちからの再起を描く話としては『リボーンの棋士』を思い出しましたが、 理想をめざしてひた走るピュアさや熱血さはまさしく同作者の『New Game』のそれだなと感じます。 一度は夢破れ就職も視野に入り始めた“大人”の主人公だからこそ、「アイドルが好き」という純粋な情熱だけでラストチャンスに賭けるという夢を追うストーリーとしてのピュアさが尊く感じられるのかもしれません。不死身の熱血ヒロイン版『Another』(超画力)カオスゲーム 山嵜大輝mampukuサスペンスかと思ったらオカルトかと思ったら異能バトルでもうなんでもありだがとにかく絵がべらぼうに上手いし話が上手いし漫画が上手い!第一巻はストーリー的には導入って感じだがとにかく密度が半端なくて満足度がエグい。 そして女主人公の雑誌記者・蘭がめちゃめちゃ不死身。危ない橋渡りまくって数ページに一回殺されかけて大怪我しまくってるのになぜかまだ生きてる。綾辻行人の『Another』なら20回は死んでる。 オビによると四季大賞作家の初連載らしいです。道理で面白いし上手い。骨格と筋肉と背景と顔芸にこだわりを感じる。 特に感心したのは、作中「ゲーム」の参加者には身体のどこかにスティグマのようなものが刻まれており、主人公にはおへその上辺りにそれがあるため合法的にお腹と下乳を書き放題なのである。作者天才か。才能が凄すぎる四季賞作家の連載デビュー作!冥冥冥色聖域 セキアユムmampukuメイドリフレというとあまり馴染みのない場所であるだけでなく漫画の題材としても「そんなのまともな面白い話になるの!?」と意外すぎたというのが本音でしたが、蓋を開けてみれば、いままで食べたことのない新鮮な食感のあとに優しくて深い味わいが心を熱くさせてくれます。「四季賞」ブランドに偽りなし。アフタヌーン最強。 未熟で一生懸命で表情豊かでよく喋る、新人メイドの「ペロ」を眺める客の視点から始まり、ペロからみた客、ペロのモノローグなどを巧みに切り替えながら、限られた制限時間のなかで少しずつ心を通わせていきます。絵やセリフの表現豊かさ故か、さまざまな行間やバックグラウンドへの想像が掻き立てられます。とくに、これほどひたむきでピュアな少女が一体どのような経緯で薄暗い雑居ビルでミニスカメイド衣装に見を包み働くことになったのか。個性的な同量たちの素顔は。興味がつきません。FC東京サポーター名物「蝗活」がまさかの漫画化!!?!?あつあつ!スタグル旅 能田達規mampuku「蝗」、それは、アウェー遠征ではスタジアムの出店のみならず道中のグルメを持ち前の食欲と動員力で食い尽くす、FC東京サポーターにつけられた異名である。 「蝗が来るときは倍の量を用意すべし。“『FC東京さんが来るからいつもより多めに用意しておくか』の倍”だ」 そんなFC東京サポーターが「蝗」として恐れられるようになった裏には、とある悲しい歴史があった。 かつて東京の本拠地・味の素スタジアムには数万人にのぼる来場者を満足させるだけのスタジアムグルメが長い間存在しなかった。周辺にもKFCやすき家などがあるばかりで、満足感と、何より「特別感」が皆無だった。時々使用される旧国立競技場はこれに輪をかけて悲惨だった。結果として、サポーターたちの持て余した食欲の矛先はアウェー遠征へと向かうこととなる。 かたや軍隊のごとく統率され試合前から大声で応援歌を歌う浦和レッズのようなサポーターとは対称的に、ビールや弁当を買い込んでお祭り気分で観戦を楽しむ東京人のスタイルもまた「蝗化」に拍車をかけた。 湘南のビール、千葉の焼きソーセージ、鳥栖のミンチ天etc……行く先々で名物グルメを品切れ続出に追い込みながら全国を食い荒らしまわり、その様子はハッシュタグ「#蝗活」をつけてSNSを賑わせた。 ちなみに今では味の素スタジアムのグルメも強化され、場外には毎試合ケータリングカーが所狭しと並ぶようになったが、アウェー戦での「蝗活」は変わらず続いている。 そんなサポーターたちにとって待ちに待ったJリーグの新シーズンがついに昨日開幕した。それにほぼタイミングを同じくして「蝗活」を題材にした漫画がスタートした。北は北海道コンサドーレ札幌、南はサガン鳥栖まで、現地に行きたくなっちゃうグルメ漫画になることに期待せずにはいられない。宇宙スケール版『もやしもん』惑わない星 石川雅之mampuku『チ。』『ドクターストーン』のような人類の叡智系の話とか、『インターステラー』のようなSFとか、サイモン・シンの科学系ノンフィクションなどが大好きな人なら絶対に読むべきマンガです。というか完全に自分なんですが。なんで今までちゃんと読んでなかったんや……即全巻買い揃えたレベルで好きなやつでした。 天文や宇宙物理学を擬人化美少女たちといっしょに楽しく(ときにギスギス)学べます。ちなみに私は水星ちゃんとと火星ちゃんが好きです。“聴こえる”音楽マンガこそ、表現の一つの到達点かもしれないと思った青のオーケストラ 阿久井真mampuku音楽マンガには名作が余りにも多いですよね。『四月は君の嘘』『のだめカンタービレ』『ピアノの森』など挙げだしたらきりがないほど。 初めて『BECK』を読んだとき「聴こえる〜〜〜!」と感動したのを覚えています。 マンガという媒体には音声がついていないので、声や音色は完全に読者の想像力に委ねられています。もう一つ、マンガが読者に与えている自由があります。それは間、スピード、時間です。音声にリズム(時間)が合わさったのが音楽です。音波が誌面から飛び出てくるかのような迫力のある表現と、次のコマ次のページへ導かれるような心地よいリズム、これらの相乗効果で「聴こえる」と感じるのかもしれません。 『青のオーケストラ』は言うまでもなく「聴こえる」マンガです。 加えて素晴らしい魅力がたくさんあります。 ・人物、楽器、キャラ造形、エフェクトすべてのクオリティが超高い。 ・選曲がキャッチー。誰でも知ってる曲ばかり。 ・『響けユーフォニアム』ばりに感動の学園ドラマ&スポ根 ・ラブコメの満足度も◎ アニメ化の出来次第では冒頭の名作の仲間入りも十分ありうるポテンシャルはあると思います。TS転生バトル美少女マンガ(良)英雄王、武を極めるため転生す ~そして、世界最強の見習い騎士♀️~ くろむら基人 ハヤケン Nagumampukuお気楽に読める異世界転生モノでありながら「世界観設定や人物描写がいい加減さにストレスを感じる」ということもなく、ほんとうにゆるく楽しめる作品。 ストーリー自体がめちゃめちゃ面白いということはなく良くも悪くも読者を選ばない感じがしますが、主人公の少女がとてもいいキャラをしており、周囲を振り回しながら展開される掛け合いに時折クスッとさせられます。 最も推せるポインツとしては、コミック版の作画のレベルが非常に高く、描線が紙の本においても美しい本物の一握りのプロレベル。本屋でお金払いたくなった美少女マンガでした。出オチかと思いきや意外とちゃんと面白い異世界ひろゆき 西出ケンゴロー 戸塚たくす ひろゆきmampuku「チート」「スキル」「勇者」といったゲーム用語が濫用されていると普通、「世界観の構築に自信がないのかな」とか「設定を長文で読むのが苦手な人向けなのかな」って感じがしてどうしても作品への期待値が下がってしまうのですが、本作は主人公であるひろゆき自身が言わずと知れたマンガ・ゲーム等のオタクであるため、それらの奇妙な用語が“共通語”として違和感なく溶け込んでおり普通に面白いパロディギャグ漫画になっていました。 ひろゆき氏の二次創作といえばひろゆきメーカーを使った動画が注目されていますが、同じく合成音声による二次創作動画が人気の岡田斗司夫氏も今後ゲスト出演するのではないかと期待しています。 « First ‹ Prev … 4 5 6 7 8 9 10 11 12 … Next › Last » もっとみる
『ハコヅメ』作者の新作は時代劇!!こんなん絶対おもろいやんだんドーン 泰三子mampukuニッチなテーマの「○○史」の漫画ってだけで期待値マックスなのにそれをやるのが秦三子先生とあらばそらもう間違いないですよ。事実、ふわふわ掴みどころのない日常系コメディとしてスタートした前作『ハコヅメ』とは異なり、今作は一話目にして緊張感も感動もフルスロットルです。傑作の予感しかない。 物語としては幕末から明治初期にかけての話になるかと思いますが、私のような日本史エアプ勢にもやさしい粒度で偉人いじり・史実いじりを織り交ぜてくるので、情報量が多い割にとっつきやすく楽しく読めます。 第一話が掲載されたモーニング29号での作者インタビュー記事は必読です。 ハコヅメ終了後に作者に降り掛かった不幸や、どん底にあっても消えなかったクリエイター魂、最終巻の表紙イラストに込められた秘話など、読むと目頭と胸が熱くなります。必ず先に原作アニメを視聴してくださいRoOT/ルート オブ オッドタクシー 此元和津也 肋家竹一 P.I.C.S. 此元和津也/P.I.C.S.mampuku※ネタバレを含むクチコミです。空気が美味い兎山女子高校2年1組!! 清水幸mampukuこういうのを待ってたんだよ〜! 新連載は女子校が舞台で男の担任教員が主人公、とくればマガジンラブコメ飽和気味なのにまたか〜〜??と思わさてからの日常系コメディだった! 可愛いが萌えではない。コメディだがラブコメではない。こういうのでいいんだよ。今週も空気が美味い。量産スカッとジャパンかと思ったら良質な寓話ホラーだったしょせん他人事ですから ~とある弁護士の本音の仕事~ 左藤真通 富士屋カツヒト 清水陽平mampukuネットの誹謗中傷、犯人はまさかの〇〇だった…!?開示請求で人生崩壊!ざまぁ!的なよくあるやつかと思って読んでたら思いのほか中身があって面白い漫画でした。法律の勉強にもなる。 見えない悪意と戦うことのしんどさを描いた1巻、何気ないRTが破滅を招いた2巻、今なお変わり続けるネット社会に翻弄される3巻。どれも誹謗中傷に加担してしまう人は老若男女問わずいろんなところにいる、ということを非常にわかりやすくビジュアライズしてくれている漫画でした。これを読んであるある、と「他人事」になるのではなく「自分も気をつけなければ」と思えるかどうかでこれからの社会を乗りこなせるかどうかが決まるのかもしれません。22歳“元”アイドル、再起を期すIDOL×IDOL STORY! 得能正太郎starstarstarstarstarmampuku応募資格ギリギリ、アイドルを志すにはまさにラストチャンスの主人公・ミミと、上を目指すべくグループを脱退してまでオーディションに挑むもう一人の主人公・イブキの物語。 ふたりの主人公がアイドルオーディションを目指す話としては『ひかるインザライト』を 崖っぷちからの再起を描く話としては『リボーンの棋士』を思い出しましたが、 理想をめざしてひた走るピュアさや熱血さはまさしく同作者の『New Game』のそれだなと感じます。 一度は夢破れ就職も視野に入り始めた“大人”の主人公だからこそ、「アイドルが好き」という純粋な情熱だけでラストチャンスに賭けるという夢を追うストーリーとしてのピュアさが尊く感じられるのかもしれません。不死身の熱血ヒロイン版『Another』(超画力)カオスゲーム 山嵜大輝mampukuサスペンスかと思ったらオカルトかと思ったら異能バトルでもうなんでもありだがとにかく絵がべらぼうに上手いし話が上手いし漫画が上手い!第一巻はストーリー的には導入って感じだがとにかく密度が半端なくて満足度がエグい。 そして女主人公の雑誌記者・蘭がめちゃめちゃ不死身。危ない橋渡りまくって数ページに一回殺されかけて大怪我しまくってるのになぜかまだ生きてる。綾辻行人の『Another』なら20回は死んでる。 オビによると四季大賞作家の初連載らしいです。道理で面白いし上手い。骨格と筋肉と背景と顔芸にこだわりを感じる。 特に感心したのは、作中「ゲーム」の参加者には身体のどこかにスティグマのようなものが刻まれており、主人公にはおへその上辺りにそれがあるため合法的にお腹と下乳を書き放題なのである。作者天才か。才能が凄すぎる四季賞作家の連載デビュー作!冥冥冥色聖域 セキアユムmampukuメイドリフレというとあまり馴染みのない場所であるだけでなく漫画の題材としても「そんなのまともな面白い話になるの!?」と意外すぎたというのが本音でしたが、蓋を開けてみれば、いままで食べたことのない新鮮な食感のあとに優しくて深い味わいが心を熱くさせてくれます。「四季賞」ブランドに偽りなし。アフタヌーン最強。 未熟で一生懸命で表情豊かでよく喋る、新人メイドの「ペロ」を眺める客の視点から始まり、ペロからみた客、ペロのモノローグなどを巧みに切り替えながら、限られた制限時間のなかで少しずつ心を通わせていきます。絵やセリフの表現豊かさ故か、さまざまな行間やバックグラウンドへの想像が掻き立てられます。とくに、これほどひたむきでピュアな少女が一体どのような経緯で薄暗い雑居ビルでミニスカメイド衣装に見を包み働くことになったのか。個性的な同量たちの素顔は。興味がつきません。FC東京サポーター名物「蝗活」がまさかの漫画化!!?!?あつあつ!スタグル旅 能田達規mampuku「蝗」、それは、アウェー遠征ではスタジアムの出店のみならず道中のグルメを持ち前の食欲と動員力で食い尽くす、FC東京サポーターにつけられた異名である。 「蝗が来るときは倍の量を用意すべし。“『FC東京さんが来るからいつもより多めに用意しておくか』の倍”だ」 そんなFC東京サポーターが「蝗」として恐れられるようになった裏には、とある悲しい歴史があった。 かつて東京の本拠地・味の素スタジアムには数万人にのぼる来場者を満足させるだけのスタジアムグルメが長い間存在しなかった。周辺にもKFCやすき家などがあるばかりで、満足感と、何より「特別感」が皆無だった。時々使用される旧国立競技場はこれに輪をかけて悲惨だった。結果として、サポーターたちの持て余した食欲の矛先はアウェー遠征へと向かうこととなる。 かたや軍隊のごとく統率され試合前から大声で応援歌を歌う浦和レッズのようなサポーターとは対称的に、ビールや弁当を買い込んでお祭り気分で観戦を楽しむ東京人のスタイルもまた「蝗化」に拍車をかけた。 湘南のビール、千葉の焼きソーセージ、鳥栖のミンチ天etc……行く先々で名物グルメを品切れ続出に追い込みながら全国を食い荒らしまわり、その様子はハッシュタグ「#蝗活」をつけてSNSを賑わせた。 ちなみに今では味の素スタジアムのグルメも強化され、場外には毎試合ケータリングカーが所狭しと並ぶようになったが、アウェー戦での「蝗活」は変わらず続いている。 そんなサポーターたちにとって待ちに待ったJリーグの新シーズンがついに昨日開幕した。それにほぼタイミングを同じくして「蝗活」を題材にした漫画がスタートした。北は北海道コンサドーレ札幌、南はサガン鳥栖まで、現地に行きたくなっちゃうグルメ漫画になることに期待せずにはいられない。宇宙スケール版『もやしもん』惑わない星 石川雅之mampuku『チ。』『ドクターストーン』のような人類の叡智系の話とか、『インターステラー』のようなSFとか、サイモン・シンの科学系ノンフィクションなどが大好きな人なら絶対に読むべきマンガです。というか完全に自分なんですが。なんで今までちゃんと読んでなかったんや……即全巻買い揃えたレベルで好きなやつでした。 天文や宇宙物理学を擬人化美少女たちといっしょに楽しく(ときにギスギス)学べます。ちなみに私は水星ちゃんとと火星ちゃんが好きです。“聴こえる”音楽マンガこそ、表現の一つの到達点かもしれないと思った青のオーケストラ 阿久井真mampuku音楽マンガには名作が余りにも多いですよね。『四月は君の嘘』『のだめカンタービレ』『ピアノの森』など挙げだしたらきりがないほど。 初めて『BECK』を読んだとき「聴こえる〜〜〜!」と感動したのを覚えています。 マンガという媒体には音声がついていないので、声や音色は完全に読者の想像力に委ねられています。もう一つ、マンガが読者に与えている自由があります。それは間、スピード、時間です。音声にリズム(時間)が合わさったのが音楽です。音波が誌面から飛び出てくるかのような迫力のある表現と、次のコマ次のページへ導かれるような心地よいリズム、これらの相乗効果で「聴こえる」と感じるのかもしれません。 『青のオーケストラ』は言うまでもなく「聴こえる」マンガです。 加えて素晴らしい魅力がたくさんあります。 ・人物、楽器、キャラ造形、エフェクトすべてのクオリティが超高い。 ・選曲がキャッチー。誰でも知ってる曲ばかり。 ・『響けユーフォニアム』ばりに感動の学園ドラマ&スポ根 ・ラブコメの満足度も◎ アニメ化の出来次第では冒頭の名作の仲間入りも十分ありうるポテンシャルはあると思います。TS転生バトル美少女マンガ(良)英雄王、武を極めるため転生す ~そして、世界最強の見習い騎士♀️~ くろむら基人 ハヤケン Nagumampukuお気楽に読める異世界転生モノでありながら「世界観設定や人物描写がいい加減さにストレスを感じる」ということもなく、ほんとうにゆるく楽しめる作品。 ストーリー自体がめちゃめちゃ面白いということはなく良くも悪くも読者を選ばない感じがしますが、主人公の少女がとてもいいキャラをしており、周囲を振り回しながら展開される掛け合いに時折クスッとさせられます。 最も推せるポインツとしては、コミック版の作画のレベルが非常に高く、描線が紙の本においても美しい本物の一握りのプロレベル。本屋でお金払いたくなった美少女マンガでした。出オチかと思いきや意外とちゃんと面白い異世界ひろゆき 西出ケンゴロー 戸塚たくす ひろゆきmampuku「チート」「スキル」「勇者」といったゲーム用語が濫用されていると普通、「世界観の構築に自信がないのかな」とか「設定を長文で読むのが苦手な人向けなのかな」って感じがしてどうしても作品への期待値が下がってしまうのですが、本作は主人公であるひろゆき自身が言わずと知れたマンガ・ゲーム等のオタクであるため、それらの奇妙な用語が“共通語”として違和感なく溶け込んでおり普通に面白いパロディギャグ漫画になっていました。 ひろゆき氏の二次創作といえばひろゆきメーカーを使った動画が注目されていますが、同じく合成音声による二次創作動画が人気の岡田斗司夫氏も今後ゲスト出演するのではないかと期待しています。
ニッチなテーマの「○○史」の漫画ってだけで期待値マックスなのにそれをやるのが秦三子先生とあらばそらもう間違いないですよ。事実、ふわふわ掴みどころのない日常系コメディとしてスタートした前作『ハコヅメ』とは異なり、今作は一話目にして緊張感も感動もフルスロットルです。傑作の予感しかない。 物語としては幕末から明治初期にかけての話になるかと思いますが、私のような日本史エアプ勢にもやさしい粒度で偉人いじり・史実いじりを織り交ぜてくるので、情報量が多い割にとっつきやすく楽しく読めます。 第一話が掲載されたモーニング29号での作者インタビュー記事は必読です。 ハコヅメ終了後に作者に降り掛かった不幸や、どん底にあっても消えなかったクリエイター魂、最終巻の表紙イラストに込められた秘話など、読むと目頭と胸が熱くなります。