toyoneko
toyoneko
3ヶ月前
よふかしのうたが完結したので、最終回の感想を書きます(ネタバレ) ついでにフリクリのネタバレも含みます なお、フリクリを見たことがない人は今すぐ見たほうがいいよ!ガイナックスの名作アニメですよ!(OVA・全6話) * * * * * * * さて、私は、「よふかしのうた」は「フリクリ」で、「ナズナちゃん」は「ハル子」だと信じているのですが、この両作品は、特に、「おとなのおねえさんへのあこがれ」という要素で強い共通点を持っています ただ、フリクリでは、これは結局、「あこがれ」で終わりました 「たっくんは」「まだ子どもだから」と言い残し、ハル子は宇宙の彼方へ帰ってしまい、両者の間には「広大なる宇宙」というあまりにも大きな障害が立ち塞がり、たっくんはハル子を追いかける手段を持ちませんでした これは、ハル子なりの、責任ある大人としての振る舞いだったのでしょう でも、その終わり方はあまりも切ない それでは、よふかしのうたでは? コウとナズナには年齢差がありますが、それはあまり大きな問題ではなく、しかしその代わりに、吸血鬼と恋についての、あまりにも過酷すぎるルール、あまりにも重すぎる障害が立ち塞がります だから、ナズナは、コウのもとを去った でもそれでいいのか? これに対して、よふかしのうたという物語は、「コウが追いかける」という答えを示しました ルールがある以上、ずっと一緒にはいられない でも、だからこそ、追いかける、しかも、「ずっと追いかけ続ける」 これは、幾つになってもハル子の幻影を追いかけ続けている、私のようなオッサンのオタクには、とても響く答えでした 追いかけ続けるのが大事ですよね! それに、やっぱり、そうじゃきゃ寂しいですもの! 物語は何のためにあるのか? 読者のためでもあるし、作者のためでもあるけど、やっぱり登場人物のためなんじゃないか、と思います シン・エヴァンゲリオンは、庵野監督が(旧劇場版のキャラクターも含めて)登場人物たちに救いを与えたという点で最高に感動的な物語だったと思うのですが、そのように、やはり、私たちは、登場人物に幸せになってほしいと願うのです 「物語の基本は笑顔とハッピーエンド」なのです!(by和月伸宏) つまり何が言いたいかというと、コトヤマ先生に、いい最終回をありがとう、ハッピーエンドをありがとうと伝えたいと、そういうことです なお、記憶が朧げなのですが、漫画版のフリクリはアニメとは終わり方が違って「追いかける」という選択肢が提示される物語だったように思います。はやく電子化してほしいものです
兎来栄寿
兎来栄寿
4ヶ月前
『シャッフル学園』、『デリバリーオブザデッド』のホリユウスケさんが送る、現代アラフォーラブコメ。 動物フィギュアの原型師である主人公・王寺竜丸(おうじたつまる)が、ある日同じ未婚独身44歳の隣人の隣人である料理人・大庭希厘(おおばきり)と出逢いラブがコメり始める物語です。 何も起こらないと思っていた人生でも、ある日突然予想外の展開が起きることもあるんですよね。そこには年齢も関係ありません。 最初こそ王寺の方が一方的に好意を抱いているように感じられながらも、意外と希厘の方も満更でもない感じを言外に出してくるシーンには口元が緩んでしまいます。 しかし、そこに介入してくるのが32歳の黒髪ロングストレート美人の和白葵(わじろあおい)。彼女も含めた三角関係の様相を呈していきます。 普通に考えれば葵がお邪魔虫ポジションなのですが、 「私は男運のないメンヘラです  メンヘラ歴32年のプロと言ってもいい」 と語る葵をどうして嫌いになれましょうか。30歳を超えた瞬間に友人や家族や社会から受ける≪圧≫の描写も、共感を生むところでしょう。読んでいて、3人ともどうにか幸せになって欲しいと思うことしきりでした。 未婚率もますます高くなりつつある現代社会、独身アラフォーのこうした作品の需要もますます高まって行くことは間違いないでしょう。 全体的な会話のテンポなども小気味よく、1冊で気持ちよく読み終えられる作品です。