野愛
野愛
2022/05/09
とにかく繊細な青春百合作品なんです!信じてください!
過激派で武闘派なタイトルだけど、甘酸っぱくてほろ苦くて繊細な青春吹奏楽百合漫画なんです!信じてください! 高校の吹奏楽部で1stトランペットを務める千早。部活時間外もストイックに自主練を重ね、1stの座を勝ち取ってきました。 そんな彼女のもとに転校生・響が現れます。響は音楽エリートの家系に生まれ、吹奏楽部の強豪校で1stトランペットを務めていた音楽の天才。 バチバチのライバルストーリーがはじまるのかと思いきや、2人は音楽を通じて認め合って惹かれ合っていくのです。 いやどこに男がはさまる余地があるんです?という感じなんですが、響には彼氏がいて、デートのために部活をサボることが多々あるのです。 ここでタイトルの文言が頭をよぎりますが、響の彼氏・尊くんには尊くんの想いがあるのです。愛情深くて優しい男なのです……。 百合にはさまる男は死ねばいい!?を読むと、百合にはさまる男は死ねばいいなんて思えなくなります(この作品限りの可能性有)!! とにかく尊くて繊細で美しい作品なので読んでください。タイトルに釣られて騙されたと思って読んでみてください。
野愛
野愛
2022/05/05
繊細で丁寧なヒューマンドラマ
正直言って他人の恋愛話なんてどうでもいいのです。うまくいってもいかなくてもわたしには関係ないことで、ましてや作り話ならなおさら一喜一憂する必要なんてないはずなのです。 でも、ここまで心情が丁寧に描かれていたら心が動いてしまいます。 ・他人に対して心を閉ざしがちな小雪 ・明るすぎる性格を隠し猫をかぶる美姫 ・誰にでも優しい陽キャのイケメン湊 ・背が高く穏やかで心優しい陽太 4人の男女の恋愛や友情を表面的にではなく繊細に描いた作品です。 人が人を拒絶する理由も人が人を好きになる理由も丁寧に描かれているので、どうしたって感情移入してしまいます。 自分に自信が持てなかったり、想いあってるのにすれ違ったり、傷ついたり傷つけてしまったり。 これらは恋愛漫画によくある出来事だけれど、この作品内では胸キュンに向けたイベントなんかじゃなく必然なんです。 よくある学園恋愛漫画と思わずに、繊細なヒューマンドラマを楽しんでいただきたいです! 大好きな作品なので完結してしまってさみしいと思っていたら、ジャンプラで正反対な君と僕が連載はじまりますね。うれしい……!
野愛
野愛
2022/05/01
人生とりあえず登るしかないもんね
生きるっていいことばっかりじゃなくて、めちゃくちゃ頑張って疲れてボロボロになってなんとかたどり着いた先にあるものがめちゃくちゃ素晴らしいとも限らない。でもまあよかったような気がするなあ楽しかったっちゃ楽しかったかなあ、みたいなことの連続だ。 それでも一度幸せを味わってしまうと、また味わいたいって思ってしまう。 谷口先生の人生も登山もまさにそんな感じ。 辛いことが重なって眠れなくなって、でもなんでもない顔をしながら舐めすぎなくらいの軽装&無知で山に登る。 もう二度とやりたくない!って思ってもいいはずなのに、周囲の人を巻き込みながら知識を身につけながら再び山に登る。 なんでも面白く作品に昇華できちゃう谷口先生だからできることかもしれないけれど、登山って人生だなあなんて思ってしまった。 イラストらしくデフォルメされてるのに妙に生々しい自然、くだらない日常会話の中に見え隠れする人間讃歌、生きるとはなんと辛く馬鹿馬鹿しく幸せなことか。 共に山を登るメンツの豪華さも霞むくらいに人生とは何かが描かれています。でも霞まないくらい豪華です。 人生って面白いね。