義母子?百合コメの複雑さ #1巻応援ヲトメは義母に恋してる 桐原小鳥あうしぃ@カワイイマンガ非常に発育が良い中学一年生が、子供の様な外見の成人女性と暮らし始めるこの物語。可愛い物好きなのに似合わない少女の悩みと、幼い容姿のせいで人に侮られがちな女性の悩みが並べ語られるのが印象的です。 ジェンダーへの違和等で無くても外見と内面の違和感は、多かれ少なかれ様々な人が抱くのかも知れないと、思いがけず気付かされる本書。他にも様々な複雑さと痛みが、優しさと共に描かれます。 主人公の鈴(りん)は、父が連れてきた再婚候補・寿々(すず)の愛らしさと、鈴に寄り添う心に絆され、寿々に初めての恋をする。 鈴が寿々と共に初めて過ごす「カワイイ」「女子らしい」時間。父親には難しい「女子の成長」に寿々が優しく対応するのも頼もしい。しかしそんな中で鈴の寿々への恋心は募り、でも寿々は父が好きだし……という鈴の心の揺れは切ない。 父は真摯で良い人なのですが、それが却って混乱を起こし、寿々が傷つく。そこで鈴の取る選択からは今後も鈴が苦しみ続ける姿しか想像できないのですが、全体的に温かなテイストの本書。優しさと複雑さの物語がどの様に紡がれて行くのか、期待したいと思います。 ※この作品は「マンバ通信」で芳文社四コマについて執筆されている、えむさんにTwitterで教えて頂きました。ありがとうございました!死出の旅路とロマンシス #1巻応援ヒラエスは旅路の果て 鎌谷悠希あうしぃ@カワイイマンガ試し読みをすると、何だか随分明るい雰囲気で、生死の話をしていても深刻に見えないかもしれません。しかし先を読んでいくと、カジュアルさを纏いながらもそこには切ない思いがあり、胸に来る物語となっています。 親友を亡くした少女が、死期を悟った神様、死ねない男と共に「黄泉比良坂」を目指すお話。三人それぞれの死生観はどうしたって重くなりますが、それを美麗な画面と、かなりズレている三人の楽しい旅が和らげます。 少女がいかに親友への喪失感に苛まれているかが語られる。喪った大切な人への「執着」、そしてその「執着」を失う事への恐怖に、強く共感してしまう。 心に亡き友を想いながら旅をする、という形は例えば『マイ・ブロークン・マリコ』とも似たところがあります。その想いの強さも同様ですが、それは旅の同行者や出会った人によって、変化を起こすのか。それともその重い愛を保ったまま、少女は黄泉の国に辿り着くのか……。 そんなロマンシス(女性同士の愛情にも近い友情)的観点からも、今後読み続けたいと思います。 (勿論、人の視点を超越した神様、死ねない男それぞれの物語も今後注目。男色が描かれるので、百合好きさんはご注意を)マイナスの為の百合 #1巻応援みかん氏短編集 ハッピーエンドはいらない みかん氏あうしぃ@カワイイマンガ何かが傷つく時、壊れる時、失われる時の、隣にいる女性との関係性とエロスを描く短編集。重苦しさの分だけ、訪れる感慨は大きい。 関係性は女性同士ならではの部分もあるが、描かれる感情は昏さ、苦しさ、嫉妬、自己肯定感の低さといった、陰キャの百合男子にも思い当たる「マイナス」な物。 この「美しく無い」と感じる感情が、女性同士の交流と恋(=性欲?)で変化し、或いは肯定され、充足する時の喜び。「ハッピーエンド」もあれば、そうで無いものもある。しかし全ての短編に必ず「救い」がある。 ♡♡♡♡♡ ●好きになるなんてありえない/小学校で虐めていた子と、高校で再開。復讐劇は… ●ハッピーエンドはいらない/お嬢様とメイドの秘密の関係。しかしお嬢様の父の死去で… ●アイなんて知らない/演劇部の先輩の天才に掻き乱される自己肯定感の低い後輩。 ●会社を休んだ日のこと/失恋した幼馴染の絡み酒に付き合う、惚れた弱み。絡めるのは… ●ある会社の彼女たちのこと/行きずりに一夜を共にした女が、私の会社に転職。 ●ハッピーエンドはいらない、その後/後日譚。私だけ知ってる♡お風呂の先輩 #1巻応援お湯でほころぶ雪芽先輩 三簾真也あうしぃ@カワイイマンガ営業部のエース・雪芽(ゆきめ)先輩と、駄目新入社員の温美(ぬくみ)。二人がオフにお風呂に入って仲を深める物語。 百合的ポイントは「私だけが知っている、優しい先輩」。 会社でも、取引先にすら、怖い人と認識されている雪芽先輩。温美も会社では萎縮するのですが、二人で銭湯に入る事で、雪芽先輩の優しい表情を知る事になります。雪芽先輩がお風呂に入る時の表情の変化……こちらまでホッとしてしまいます。 最初は銭湯から、家風呂の入り方まで、雪芽先輩のお風呂知識は詳細で、都内の浴場の多様さにも驚かされます。 プライベートで友達のいない雪芽先輩。偶然お風呂で一緒になった温美が、数少ない雪芽先輩の理解者として、寄り添える存在になれるか……尊い百合の予感を漂わせながら、暫くは雪芽先輩の〈ほころぶ〉瞬間を、温美と一緒に待ちたいと思います。大食い×メシウマ同居の本音 #1巻応援みんな私のはらのなか ちさこあうしぃ@カワイイマンガ自らを異性愛者だと言う女性二人の同居物語。もしそこから百合が生まれるとしたら……? フェミニンな主人公は婚活にのめり込みながらも、デートに美味しい「ご飯」を求め、そして大抵食べ足りない健啖家。そんな主人公と同居する女性は、見た目カッコイイ系でも可愛い物が好きで、料理上手。 婚活が上手くいかない主人公と、男運の悪い同居人。しかし仲良し二人は、家では心も胃も満たされていて、君達男要らないよね?という気がしてしまう。 外見とは違う「本音」を抱く二人。互いを良く知る二人は自分らしくいられる関係性を築いているのに、互いを「男性が恋愛対象」と思っているので、近付きつつもすれ違うのがもどかしい。 それにしてもこの作品、とにかく「顔が良い」。二人に至高の瞬間は来るのか……?あうしぃ@カワイイマンガ1年以上前SHWD《シュード》と白と黒~Black & White~、どちらも読みました。ヴァイオレンス百合、良いですね!こちらで教えていただいていたので、見逃さずに済みました。ありがとうございます! クチコミも書いたので、よろしければご覧ください。自由広場おすすめ百合漫画教えて銀行百合ヴァイオレンス! #1巻応援白と黒~Black & White~ Sal Jiangあうしぃ@カワイイマンガ銀行の海外投資機関向け営業部を舞台にした、同期の女性行員の物語、のっけからヴァイオレンス! 誰もいないオフィスで罵り合い、取っ組み合い、そして爪を立ててMAKE LOVE。傷だらけの二人、愛と言うよりマウントを取り合うMAKE LOVE。 それは仕事上でも。表面上は仲の良い、息の合った二人は、出世・評価の為に水面下でしのぎを削る。成果の為に争ったり共闘したりと、銀行お仕事漫画としても読み応えあり。 彼女達の行動原理は「マウントを取る」という事なのだと思う。仕事の優秀さも他人への優しさも交友関係も、全て自分を比較優位に置く為の事。そんな二人の原理=素顔剥き出しのバトル&セックス。とても愛とは呼べないそれが、他の何かに変わる時は来るのだろうか。 また先行き不透明で、目が離せない百合新基軸の登場だ!あうしぃ@カワイイマンガ1年以上前クチコミを書いて、Twitterでも紹介すると、時々先生から温かいお言葉をいただくことがあります。先日だと『声の小さい小森さんとクソデカ大声の大林くん』で、先生から返信をいただきました。 https://twitter.com/bekkourico/status/1389211986097893379?s=21 私は良い作品を描かれる先生の力になれればとクチコミを書く所があるので、この様な返信は嬉しいし、書いて良かったと思います。 「私は」好きな作品を褒めていくスタイルで、作者さんの力になれるようなクチコミを書いていこうと、それだけはブレずにやっていきたいと思いました。自由広場独り言広場6わかる生体兵器 vs 女性バディ! #1巻応援SHWD《シュード》 sono.Nあうしぃ@カワイイマンガ戦争後の世界、残された生体兵器の処理を請け負う民間会社SHWD〈シュード〉に就職した古賀は、一匹狼の先輩・佐和田とバディを組む。不穏な世界感も女性バディの関係性も、独特で読み応えがある。 バディが立ち向かう相手は、不気味だが人間でも何とか倒せる化け物。しかし厄介なのは「精神汚染」をしてくる所。先輩の為に懸命にメンタルを保つ古賀、他人に心許さない佐和田の過去。どう信頼を得て、心を通わすか、ガタイが良くて強い女達の、独特な関係性の物語はかなりシリアス。 男を軽々のしてしまう古賀と、超メンタルが強い細マッチョ佐和田。二人は普段は「女性らしさ」など纏わないが、銭湯で裸の付き合いやお洒落など「女性ならでは」の話題もあり、百合漫画としては不思議な感覚のある作品。 古賀よ、それは恋なのか?!あうしぃ@カワイイマンガ1年以上前第7話後編 https://www.comic-ryu.jp/_koukishin/comic/07_02.html お恥ずかしいところを見せて、近づく距離。恋の好奇心新連載!〈恋〉が仕掛ける百合実験!テンプレを越えた優しさ #1巻応援声の小さい小森さんとクソデカ大声の大林くん べっこうリコあうしぃ@カワイイマンガ声の小さな女子と声の大きな男子の甘々両片想いコメディ。この作品の良さは、〜らしさの「テンプレ」を薄めている所にあると思います。 声の小さな小森さんですが、特にコミュ障とか、オドオドしている感じはありません。笑いもすれば、はっきり気持ちも伝える(声小さくて伝わらないけれど)。 一方、声の大きな大林くん。彼の描かれ方がとても好き。 何って、大きな声なのに、威圧的で無い。 声も体も大きな男って、少し怖かったりするのが現実だし、漫画ではそういう部分はよく「強さ」「ガサツさ」「おおらかさ」と表現されます。しかし大林くんは、声の大きさを自覚して一応気を遣ったり(それでもつい大きくなって驚かれるけれど)小森さんの話を聞く時は黙って耳を澄ましている。性格も優しくて可愛い物が好み。 声が大きいのにカワイイ男の子……割と新しくない? 今までの漫画の「声小さい女=オドオド」「声大きい男=ガサツ」みたいなテンプレが薄れたキャラクターの物語は、全体的に愛らしく、甘々だけれども穏やか。バトルしたりしないフツーの男女の恋物語として、楽しく楽しく読めてしまうのです! 声が小さくて伝わらない系女子と、声が大きくてだだ漏れ系男子。どっちも頑張れ。三つの歪み愛、交わる先の嘆息この愛を終わらせてくれないか 筒井いつきあうしぃ@カワイイマンガソゴールさんの1巻のクチコミで、この物語の不穏さがビシビシ伝わって来たので読んでみたのですが、4巻最後の最後までヤバかったです。 描かれる三人三様の歪み。その変遷の物語は、余りにも苦しすぎる。 女優である同級生・瞬(まどか)を崇拝する隠キャ・柚。彼女の偏執的な崇拝心は、その後、瞬の親友・幸子との「入れ替わり」を機に、迷走を始めます。瞬に振り回され、幸子とぶつかる柚の「らしくない」迷走の痛々しさ。 柚に罵られながらも手を差し伸べられる幸子。彼女の苦しみは、一言で言えば「永遠の罰」。この絶望感が、私には一番理解できました。 一方、最もゾッとするのが、瞬が抱える「コミュニケーション不全」。かなりずれている愛に、私の理解がとても及ばない。 三者三様の歪みの形は、それぞれに作用し合って感情の形を変え、一応の決着を見ます。しかしラストを見ると、あぁ……と嘆息。 最終話のサブタイトルは「もう懲り懲りなんだって」。 « First ‹ Prev … 80 81 82 83 84 85 86 87 88 … Next › Last » もっとみる
義母子?百合コメの複雑さ #1巻応援ヲトメは義母に恋してる 桐原小鳥あうしぃ@カワイイマンガ非常に発育が良い中学一年生が、子供の様な外見の成人女性と暮らし始めるこの物語。可愛い物好きなのに似合わない少女の悩みと、幼い容姿のせいで人に侮られがちな女性の悩みが並べ語られるのが印象的です。 ジェンダーへの違和等で無くても外見と内面の違和感は、多かれ少なかれ様々な人が抱くのかも知れないと、思いがけず気付かされる本書。他にも様々な複雑さと痛みが、優しさと共に描かれます。 主人公の鈴(りん)は、父が連れてきた再婚候補・寿々(すず)の愛らしさと、鈴に寄り添う心に絆され、寿々に初めての恋をする。 鈴が寿々と共に初めて過ごす「カワイイ」「女子らしい」時間。父親には難しい「女子の成長」に寿々が優しく対応するのも頼もしい。しかしそんな中で鈴の寿々への恋心は募り、でも寿々は父が好きだし……という鈴の心の揺れは切ない。 父は真摯で良い人なのですが、それが却って混乱を起こし、寿々が傷つく。そこで鈴の取る選択からは今後も鈴が苦しみ続ける姿しか想像できないのですが、全体的に温かなテイストの本書。優しさと複雑さの物語がどの様に紡がれて行くのか、期待したいと思います。 ※この作品は「マンバ通信」で芳文社四コマについて執筆されている、えむさんにTwitterで教えて頂きました。ありがとうございました!死出の旅路とロマンシス #1巻応援ヒラエスは旅路の果て 鎌谷悠希あうしぃ@カワイイマンガ試し読みをすると、何だか随分明るい雰囲気で、生死の話をしていても深刻に見えないかもしれません。しかし先を読んでいくと、カジュアルさを纏いながらもそこには切ない思いがあり、胸に来る物語となっています。 親友を亡くした少女が、死期を悟った神様、死ねない男と共に「黄泉比良坂」を目指すお話。三人それぞれの死生観はどうしたって重くなりますが、それを美麗な画面と、かなりズレている三人の楽しい旅が和らげます。 少女がいかに親友への喪失感に苛まれているかが語られる。喪った大切な人への「執着」、そしてその「執着」を失う事への恐怖に、強く共感してしまう。 心に亡き友を想いながら旅をする、という形は例えば『マイ・ブロークン・マリコ』とも似たところがあります。その想いの強さも同様ですが、それは旅の同行者や出会った人によって、変化を起こすのか。それともその重い愛を保ったまま、少女は黄泉の国に辿り着くのか……。 そんなロマンシス(女性同士の愛情にも近い友情)的観点からも、今後読み続けたいと思います。 (勿論、人の視点を超越した神様、死ねない男それぞれの物語も今後注目。男色が描かれるので、百合好きさんはご注意を)マイナスの為の百合 #1巻応援みかん氏短編集 ハッピーエンドはいらない みかん氏あうしぃ@カワイイマンガ何かが傷つく時、壊れる時、失われる時の、隣にいる女性との関係性とエロスを描く短編集。重苦しさの分だけ、訪れる感慨は大きい。 関係性は女性同士ならではの部分もあるが、描かれる感情は昏さ、苦しさ、嫉妬、自己肯定感の低さといった、陰キャの百合男子にも思い当たる「マイナス」な物。 この「美しく無い」と感じる感情が、女性同士の交流と恋(=性欲?)で変化し、或いは肯定され、充足する時の喜び。「ハッピーエンド」もあれば、そうで無いものもある。しかし全ての短編に必ず「救い」がある。 ♡♡♡♡♡ ●好きになるなんてありえない/小学校で虐めていた子と、高校で再開。復讐劇は… ●ハッピーエンドはいらない/お嬢様とメイドの秘密の関係。しかしお嬢様の父の死去で… ●アイなんて知らない/演劇部の先輩の天才に掻き乱される自己肯定感の低い後輩。 ●会社を休んだ日のこと/失恋した幼馴染の絡み酒に付き合う、惚れた弱み。絡めるのは… ●ある会社の彼女たちのこと/行きずりに一夜を共にした女が、私の会社に転職。 ●ハッピーエンドはいらない、その後/後日譚。私だけ知ってる♡お風呂の先輩 #1巻応援お湯でほころぶ雪芽先輩 三簾真也あうしぃ@カワイイマンガ営業部のエース・雪芽(ゆきめ)先輩と、駄目新入社員の温美(ぬくみ)。二人がオフにお風呂に入って仲を深める物語。 百合的ポイントは「私だけが知っている、優しい先輩」。 会社でも、取引先にすら、怖い人と認識されている雪芽先輩。温美も会社では萎縮するのですが、二人で銭湯に入る事で、雪芽先輩の優しい表情を知る事になります。雪芽先輩がお風呂に入る時の表情の変化……こちらまでホッとしてしまいます。 最初は銭湯から、家風呂の入り方まで、雪芽先輩のお風呂知識は詳細で、都内の浴場の多様さにも驚かされます。 プライベートで友達のいない雪芽先輩。偶然お風呂で一緒になった温美が、数少ない雪芽先輩の理解者として、寄り添える存在になれるか……尊い百合の予感を漂わせながら、暫くは雪芽先輩の〈ほころぶ〉瞬間を、温美と一緒に待ちたいと思います。大食い×メシウマ同居の本音 #1巻応援みんな私のはらのなか ちさこあうしぃ@カワイイマンガ自らを異性愛者だと言う女性二人の同居物語。もしそこから百合が生まれるとしたら……? フェミニンな主人公は婚活にのめり込みながらも、デートに美味しい「ご飯」を求め、そして大抵食べ足りない健啖家。そんな主人公と同居する女性は、見た目カッコイイ系でも可愛い物が好きで、料理上手。 婚活が上手くいかない主人公と、男運の悪い同居人。しかし仲良し二人は、家では心も胃も満たされていて、君達男要らないよね?という気がしてしまう。 外見とは違う「本音」を抱く二人。互いを良く知る二人は自分らしくいられる関係性を築いているのに、互いを「男性が恋愛対象」と思っているので、近付きつつもすれ違うのがもどかしい。 それにしてもこの作品、とにかく「顔が良い」。二人に至高の瞬間は来るのか……?あうしぃ@カワイイマンガ1年以上前SHWD《シュード》と白と黒~Black & White~、どちらも読みました。ヴァイオレンス百合、良いですね!こちらで教えていただいていたので、見逃さずに済みました。ありがとうございます! クチコミも書いたので、よろしければご覧ください。自由広場おすすめ百合漫画教えて銀行百合ヴァイオレンス! #1巻応援白と黒~Black & White~ Sal Jiangあうしぃ@カワイイマンガ銀行の海外投資機関向け営業部を舞台にした、同期の女性行員の物語、のっけからヴァイオレンス! 誰もいないオフィスで罵り合い、取っ組み合い、そして爪を立ててMAKE LOVE。傷だらけの二人、愛と言うよりマウントを取り合うMAKE LOVE。 それは仕事上でも。表面上は仲の良い、息の合った二人は、出世・評価の為に水面下でしのぎを削る。成果の為に争ったり共闘したりと、銀行お仕事漫画としても読み応えあり。 彼女達の行動原理は「マウントを取る」という事なのだと思う。仕事の優秀さも他人への優しさも交友関係も、全て自分を比較優位に置く為の事。そんな二人の原理=素顔剥き出しのバトル&セックス。とても愛とは呼べないそれが、他の何かに変わる時は来るのだろうか。 また先行き不透明で、目が離せない百合新基軸の登場だ!あうしぃ@カワイイマンガ1年以上前クチコミを書いて、Twitterでも紹介すると、時々先生から温かいお言葉をいただくことがあります。先日だと『声の小さい小森さんとクソデカ大声の大林くん』で、先生から返信をいただきました。 https://twitter.com/bekkourico/status/1389211986097893379?s=21 私は良い作品を描かれる先生の力になれればとクチコミを書く所があるので、この様な返信は嬉しいし、書いて良かったと思います。 「私は」好きな作品を褒めていくスタイルで、作者さんの力になれるようなクチコミを書いていこうと、それだけはブレずにやっていきたいと思いました。自由広場独り言広場6わかる生体兵器 vs 女性バディ! #1巻応援SHWD《シュード》 sono.Nあうしぃ@カワイイマンガ戦争後の世界、残された生体兵器の処理を請け負う民間会社SHWD〈シュード〉に就職した古賀は、一匹狼の先輩・佐和田とバディを組む。不穏な世界感も女性バディの関係性も、独特で読み応えがある。 バディが立ち向かう相手は、不気味だが人間でも何とか倒せる化け物。しかし厄介なのは「精神汚染」をしてくる所。先輩の為に懸命にメンタルを保つ古賀、他人に心許さない佐和田の過去。どう信頼を得て、心を通わすか、ガタイが良くて強い女達の、独特な関係性の物語はかなりシリアス。 男を軽々のしてしまう古賀と、超メンタルが強い細マッチョ佐和田。二人は普段は「女性らしさ」など纏わないが、銭湯で裸の付き合いやお洒落など「女性ならでは」の話題もあり、百合漫画としては不思議な感覚のある作品。 古賀よ、それは恋なのか?!あうしぃ@カワイイマンガ1年以上前第7話後編 https://www.comic-ryu.jp/_koukishin/comic/07_02.html お恥ずかしいところを見せて、近づく距離。恋の好奇心新連載!〈恋〉が仕掛ける百合実験!テンプレを越えた優しさ #1巻応援声の小さい小森さんとクソデカ大声の大林くん べっこうリコあうしぃ@カワイイマンガ声の小さな女子と声の大きな男子の甘々両片想いコメディ。この作品の良さは、〜らしさの「テンプレ」を薄めている所にあると思います。 声の小さな小森さんですが、特にコミュ障とか、オドオドしている感じはありません。笑いもすれば、はっきり気持ちも伝える(声小さくて伝わらないけれど)。 一方、声の大きな大林くん。彼の描かれ方がとても好き。 何って、大きな声なのに、威圧的で無い。 声も体も大きな男って、少し怖かったりするのが現実だし、漫画ではそういう部分はよく「強さ」「ガサツさ」「おおらかさ」と表現されます。しかし大林くんは、声の大きさを自覚して一応気を遣ったり(それでもつい大きくなって驚かれるけれど)小森さんの話を聞く時は黙って耳を澄ましている。性格も優しくて可愛い物が好み。 声が大きいのにカワイイ男の子……割と新しくない? 今までの漫画の「声小さい女=オドオド」「声大きい男=ガサツ」みたいなテンプレが薄れたキャラクターの物語は、全体的に愛らしく、甘々だけれども穏やか。バトルしたりしないフツーの男女の恋物語として、楽しく楽しく読めてしまうのです! 声が小さくて伝わらない系女子と、声が大きくてだだ漏れ系男子。どっちも頑張れ。三つの歪み愛、交わる先の嘆息この愛を終わらせてくれないか 筒井いつきあうしぃ@カワイイマンガソゴールさんの1巻のクチコミで、この物語の不穏さがビシビシ伝わって来たので読んでみたのですが、4巻最後の最後までヤバかったです。 描かれる三人三様の歪み。その変遷の物語は、余りにも苦しすぎる。 女優である同級生・瞬(まどか)を崇拝する隠キャ・柚。彼女の偏執的な崇拝心は、その後、瞬の親友・幸子との「入れ替わり」を機に、迷走を始めます。瞬に振り回され、幸子とぶつかる柚の「らしくない」迷走の痛々しさ。 柚に罵られながらも手を差し伸べられる幸子。彼女の苦しみは、一言で言えば「永遠の罰」。この絶望感が、私には一番理解できました。 一方、最もゾッとするのが、瞬が抱える「コミュニケーション不全」。かなりずれている愛に、私の理解がとても及ばない。 三者三様の歪みの形は、それぞれに作用し合って感情の形を変え、一応の決着を見ます。しかしラストを見ると、あぁ……と嘆息。 最終話のサブタイトルは「もう懲り懲りなんだって」。
あうしぃ@カワイイマンガ1年以上前SHWD《シュード》と白と黒~Black & White~、どちらも読みました。ヴァイオレンス百合、良いですね!こちらで教えていただいていたので、見逃さずに済みました。ありがとうございます! クチコミも書いたので、よろしければご覧ください。自由広場おすすめ百合漫画教えて
あうしぃ@カワイイマンガ1年以上前クチコミを書いて、Twitterでも紹介すると、時々先生から温かいお言葉をいただくことがあります。先日だと『声の小さい小森さんとクソデカ大声の大林くん』で、先生から返信をいただきました。 https://twitter.com/bekkourico/status/1389211986097893379?s=21 私は良い作品を描かれる先生の力になれればとクチコミを書く所があるので、この様な返信は嬉しいし、書いて良かったと思います。 「私は」好きな作品を褒めていくスタイルで、作者さんの力になれるようなクチコミを書いていこうと、それだけはブレずにやっていきたいと思いました。自由広場独り言広場6わかる
あうしぃ@カワイイマンガ1年以上前第7話後編 https://www.comic-ryu.jp/_koukishin/comic/07_02.html お恥ずかしいところを見せて、近づく距離。恋の好奇心新連載!〈恋〉が仕掛ける百合実験!
非常に発育が良い中学一年生が、子供の様な外見の成人女性と暮らし始めるこの物語。可愛い物好きなのに似合わない少女の悩みと、幼い容姿のせいで人に侮られがちな女性の悩みが並べ語られるのが印象的です。 ジェンダーへの違和等で無くても外見と内面の違和感は、多かれ少なかれ様々な人が抱くのかも知れないと、思いがけず気付かされる本書。他にも様々な複雑さと痛みが、優しさと共に描かれます。 主人公の鈴(りん)は、父が連れてきた再婚候補・寿々(すず)の愛らしさと、鈴に寄り添う心に絆され、寿々に初めての恋をする。 鈴が寿々と共に初めて過ごす「カワイイ」「女子らしい」時間。父親には難しい「女子の成長」に寿々が優しく対応するのも頼もしい。しかしそんな中で鈴の寿々への恋心は募り、でも寿々は父が好きだし……という鈴の心の揺れは切ない。 父は真摯で良い人なのですが、それが却って混乱を起こし、寿々が傷つく。そこで鈴の取る選択からは今後も鈴が苦しみ続ける姿しか想像できないのですが、全体的に温かなテイストの本書。優しさと複雑さの物語がどの様に紡がれて行くのか、期待したいと思います。 ※この作品は「マンバ通信」で芳文社四コマについて執筆されている、えむさんにTwitterで教えて頂きました。ありがとうございました!