水底の記憶に触れる夢水域 漆原友紀あうしぃ@カワイイマンガ数年に一度、ダムの渇水の報に触れる。映像は、干上がったダム湖の底を写し、学校や神社の鳥居といった、かつての村の遺構から、不意に人の気配を感じることがある。 その気配とは、かの地に生きた人々の「記憶」なのかもしれない。この『水域』という作品は、そんな「記憶」を巡る物語である。 ----- 渇水の続く夏、高校生の千波は、夢の中で雨の降り続く集落に迷い込む。そこには澄夫という少年と、その父親しかいない。 寂しがる澄夫と遊ぶうち、ある時、千波の母や祖母の若い頃、そして村人達が戻ってきて、賑やかな時を過ごす。しかし、翌日には皆、消えてしまい、夢から覚めるはずの千波は、現実に戻れなくなる……。 ダムの水底に沈んだ、そして渇水で露わになった故郷に集まった、かつての村民達の夢。 沢山の記憶をそこに留め、ダム建設に心乱され、故郷を裏切り、棄てた後悔に苛まれる人々の心情は、誰をとっても苦しい。 かつて幼い澄夫を失い、故郷も捨てた澄夫の父=千波の祖父は、結局思いを断ち切れず、夢の故郷に、澄夫と共に留まる。そして彼らに思いを寄せる千波は……。 ----- 喪われた人や故郷を、思い続ける切なさを伝えるこの物語は、その一方で、愛する人や故郷の命を、記憶を、何とか喪うまいとする、生者の懸命な祈りを描いた物語でもある。 生者は水面を見つめるように、時折記憶を確かめる。 生きている限り、 あなたの記憶を、喪わない。 そういう意思を胸に、乾いた世界を生き続けるのだ、という、諦念にも似た覚悟が、読後の余韻に響く。菌類の惑星で恋の冒険!きのこ人間の結婚 村山慶あうしぃ@カワイイマンガ菌類が独自の進化を遂げ、支配する惑星。知性の発達したきのこの「人間」は、基本単為生殖だが、時々交接による生殖をするつがいが現れる。 牧人族のアリアラと書記族のエリエラは、身分を越えた恋をして、結婚する。しかし、交接の相性や、エリエラへの王族の横恋慕などの問題から、牧人の里と王宮は混乱する。二人の行く末は……? ……というこの物語の世界は、かなり特殊だ。 惑星を支配する、きのこや黴といった「菌類」は、植物を醸しながら大地を覆い、その上できのこから進化した「人間」たちが生活している。 彼らの姿は私達「動物の」人間と酷似しているが、胸部をきのこの「つば」が覆い、下半身は「傘」がスカートの様に広がる。(必然的に?)乳房がある造形のきのこ人間たちは、雌雄の別があるようでいて、みんな女性的である。 恋人たちは「百合」の様相を呈しながら、あくまでも交接があり、さらに多数の者は単為生殖の為、恋心ゆえの行動が理解できないという、不思議なジェンダー観。 そのような中で、愛情を育んでしまったアリアラとエリエラ。彼女達が冒険の果てに辿り着く場所に思いを巡らせながら、まるで『風の谷のナウシカ』の「腐海」のような世界が、百科事典まで付けて詳細に描写されるのを、じっくりと堪能したい。 ----- こちらから試し読みページに飛べます。 http://webcomic.ohtabooks.com/kinoko/あうしぃ@カワイイマンガ1年以上前おっしゃる通りですね! 本当に平和で、良い世界観だと思います。 妖怪であることが「個性」でしかないんですよね。そしてそんな個性を活かしても活かさなくても、妖怪達それぞれが幸せに生きる道を見つけられたらいいよね、っていう、究極の「個性を尊重する」物語だと思います。となりの妖怪さん妖怪達の「自分探し」の物語3わかる妖怪達の「自分探し」の物語となりの妖怪さん nohoあうしぃ@カワイイマンガ道を歩けば天狗と挨拶、友達の家では飼い猫が猫又に!クラスにも先生にも妖怪がいっぱい! ……この作品世界では、妖怪と人は価値観を共有し、一つの社会を構成する。新たな妖怪を受容する法整備もなされ、さらに人と妖怪が交わり、家族を成す事もある。 一方、しばし起こる、不可解で危険な災厄には、力のある者が対処し、その者を皆でサポートする。 日常から非常時まで、人も妖怪も隔てなく助け合い、笑い合う優しい世界線は「怪異物」作品の常識をあっさりと越えてくる。 妖怪達の産まれ方は様々。神に魂を吹き込まれたり、人の言霊が集まったり、彷徨う虚無が意識を持ったり……。 いつの間にか産まれた妖怪達は、存在理由に悩む。自分が何故生まれ、どう生きたいか、というところまで掘り下げて、大小様々な「自分探し」の物語が語られる。 人間だって、大体何となく、産まれてくる。自分探しに思い当たる人なら、妖怪達の悩み方に、思わず己を重ねてしまうだろう。 そして、迷いを経て辿り着く、妖怪達一人ひとりの晴れやかな決着を、周囲の人や妖怪と共に祝福する気持ちになれるのだ。 静岡県遠州地域の自然・風物と、妖怪の怖くない造形の、素朴なイラストレーションは、児童書の挿絵のような温かさ。ごく当たり前に互いに関わり、想いを寄せる妖怪達と人間達の優しい物語を、じんわりと味わいたい。あうしぃ@カワイイマンガ1年以上前『新川直司』をフォローをしましたあうしぃ@カワイイマンガ1年以上前それなりのお値段も、フルカラーでこれだけ美しければ納得。 カバーのデザインもいいですね。 興味が出たので購入リスト入りです!8月のソーダ水永遠に読んでいられる絵本のような作品あうしぃ@カワイイマンガ1年以上前三巻、これ切ねぇ……。 辛い事があって、直耶に甘え、姉弟として以上の気持ちを吐露する亜麻音と、それに揺すぶられる直耶。「姉弟」の縛りの中で、抑えきれない気持ち、それを抑えようとする気持ち、どちらも切ない。 特に亜麻音の考えが見えず、三歩進んで三歩下がる二人の関係に、やきもき! 亜麻音の親友・郁乃と直耶の親友・稔の邂逅もあり……二人でなんか、こそこそしてるぞ? まだまだ進展には時間がかかりそう。今から三巻、どうですか?微熱空間初心者姉弟の、微妙な距離感。あうしぃ@カワイイマンガ1年以上前※ネタバレを含むコメントです。自由広場昆虫が襲ってくる漫画を教えて2わかるあうしぃ@カワイイマンガ1年以上前『作井ルビ』をフォローをしました古地図とちづかの広がる世界ちづかマップ 衿沢世衣子あうしぃ@カワイイマンガ『講談社無印版』の続編がこちら『小学館版全三巻』。古地図を愛するちづかは、祖父や友人に触発されて、東京+αを歩き、その土地の記憶と共に、色々な世界を知ります。 若干、講談社版のちづかより積極的かな?彼女独特の『面白がる』能力で、どんどん新しいものを吸収するようになります。 美大の先輩、元気な犬、古典芸能+甘味好き同級生、相撲好きの親友、イケメンスイーツ同級生、天文台好き小学生……彼らの専門性にちづかの提示する土地の記憶を掛け合わせると、互いにとっての新発見が生まれます。 特に複数回登場する従姉妹のりんちゃんの、小学生離れした勉強量と、ちづかの地形感覚が合わさると、そこには古の風景が広がり、心踊ります。 一方、隣人とのドライブのナビでは、地図作りとリサーチで徹夜した結果、失敗してしまったりもします。 そういった経験の集大成として、ちづかが後輩の為に、来日ミュージシャンの東京観光を特定・再現する時……あれ、これって『尋ネ人探偵』じゃん!となるのです。 講談社版で一度手放した試みが、復活する驚き! ここに至るまでのちづかの積み重ねを、様々な東京+琵琶湖、高野山、坂越(兵庫)の発見と共に、楽しみたいところです。ちづかと古地図と東京の今昔ちづかマップ 衿沢世衣子あうしぃ@カワイイマンガ東京を散歩する女子高生漫画『ちづかマップ』には版型の違う二つのバージョンがあります。こちらで紹介する、講談社の無印版が最初に描かれ、小学館から出た全三巻は、その続きです。 講談社版は連載当初『尋ネ人探偵』という題名だったそうで、全5話中3話は、探偵っぽく探し人・物をしています。 ちづかは大好きな古地図片手に、依頼者の微かな思い出から土地の来歴を紐解き、探し物に辿り着く……とカッコよく書く程、ちづかは積極的ではありません(1話以外は)。 ただ、ちづかは『面白がる』能力が高く、どんな所でも何かを発見し、夢中になります。 従姉妹の勉強熱心な小学生・りんちゃんと共に浅草の過去と未来を空想し、同級生の音塚君に誘われて新旧の「書体」に興奮し、連れて来られた京都で幼馴染みの三四郎と「御朱印」集めを競う……そんなちづかの柔軟な頭脳は、「道を見つけ、辿り着く」工夫の楽しさに満ちていて、ワクワクさせられます。 主体性に欠けるちづかが、古地図を起点に次第に面白い事を見つけ、積み上げていく道程の「始まり」が、この『講談社無印版』なのです。 三四郎、音塚君、りんちゃんは、引き続き小学館版にも登場します。小学館版はキャラの嗜好から行動目的が設定される事が多いので、彼らの背景を知る為に、講談社無印版を読んでおくと楽しめると思います(特にりんちゃん!)あうしぃ@カワイイマンガ1年以上前『宮崎駿』をフォローをしました « First ‹ Prev … 151 152 153 154 155 156 157 158 159 … Next › Last » もっとみる
水底の記憶に触れる夢水域 漆原友紀あうしぃ@カワイイマンガ数年に一度、ダムの渇水の報に触れる。映像は、干上がったダム湖の底を写し、学校や神社の鳥居といった、かつての村の遺構から、不意に人の気配を感じることがある。 その気配とは、かの地に生きた人々の「記憶」なのかもしれない。この『水域』という作品は、そんな「記憶」を巡る物語である。 ----- 渇水の続く夏、高校生の千波は、夢の中で雨の降り続く集落に迷い込む。そこには澄夫という少年と、その父親しかいない。 寂しがる澄夫と遊ぶうち、ある時、千波の母や祖母の若い頃、そして村人達が戻ってきて、賑やかな時を過ごす。しかし、翌日には皆、消えてしまい、夢から覚めるはずの千波は、現実に戻れなくなる……。 ダムの水底に沈んだ、そして渇水で露わになった故郷に集まった、かつての村民達の夢。 沢山の記憶をそこに留め、ダム建設に心乱され、故郷を裏切り、棄てた後悔に苛まれる人々の心情は、誰をとっても苦しい。 かつて幼い澄夫を失い、故郷も捨てた澄夫の父=千波の祖父は、結局思いを断ち切れず、夢の故郷に、澄夫と共に留まる。そして彼らに思いを寄せる千波は……。 ----- 喪われた人や故郷を、思い続ける切なさを伝えるこの物語は、その一方で、愛する人や故郷の命を、記憶を、何とか喪うまいとする、生者の懸命な祈りを描いた物語でもある。 生者は水面を見つめるように、時折記憶を確かめる。 生きている限り、 あなたの記憶を、喪わない。 そういう意思を胸に、乾いた世界を生き続けるのだ、という、諦念にも似た覚悟が、読後の余韻に響く。菌類の惑星で恋の冒険!きのこ人間の結婚 村山慶あうしぃ@カワイイマンガ菌類が独自の進化を遂げ、支配する惑星。知性の発達したきのこの「人間」は、基本単為生殖だが、時々交接による生殖をするつがいが現れる。 牧人族のアリアラと書記族のエリエラは、身分を越えた恋をして、結婚する。しかし、交接の相性や、エリエラへの王族の横恋慕などの問題から、牧人の里と王宮は混乱する。二人の行く末は……? ……というこの物語の世界は、かなり特殊だ。 惑星を支配する、きのこや黴といった「菌類」は、植物を醸しながら大地を覆い、その上できのこから進化した「人間」たちが生活している。 彼らの姿は私達「動物の」人間と酷似しているが、胸部をきのこの「つば」が覆い、下半身は「傘」がスカートの様に広がる。(必然的に?)乳房がある造形のきのこ人間たちは、雌雄の別があるようでいて、みんな女性的である。 恋人たちは「百合」の様相を呈しながら、あくまでも交接があり、さらに多数の者は単為生殖の為、恋心ゆえの行動が理解できないという、不思議なジェンダー観。 そのような中で、愛情を育んでしまったアリアラとエリエラ。彼女達が冒険の果てに辿り着く場所に思いを巡らせながら、まるで『風の谷のナウシカ』の「腐海」のような世界が、百科事典まで付けて詳細に描写されるのを、じっくりと堪能したい。 ----- こちらから試し読みページに飛べます。 http://webcomic.ohtabooks.com/kinoko/あうしぃ@カワイイマンガ1年以上前おっしゃる通りですね! 本当に平和で、良い世界観だと思います。 妖怪であることが「個性」でしかないんですよね。そしてそんな個性を活かしても活かさなくても、妖怪達それぞれが幸せに生きる道を見つけられたらいいよね、っていう、究極の「個性を尊重する」物語だと思います。となりの妖怪さん妖怪達の「自分探し」の物語3わかる妖怪達の「自分探し」の物語となりの妖怪さん nohoあうしぃ@カワイイマンガ道を歩けば天狗と挨拶、友達の家では飼い猫が猫又に!クラスにも先生にも妖怪がいっぱい! ……この作品世界では、妖怪と人は価値観を共有し、一つの社会を構成する。新たな妖怪を受容する法整備もなされ、さらに人と妖怪が交わり、家族を成す事もある。 一方、しばし起こる、不可解で危険な災厄には、力のある者が対処し、その者を皆でサポートする。 日常から非常時まで、人も妖怪も隔てなく助け合い、笑い合う優しい世界線は「怪異物」作品の常識をあっさりと越えてくる。 妖怪達の産まれ方は様々。神に魂を吹き込まれたり、人の言霊が集まったり、彷徨う虚無が意識を持ったり……。 いつの間にか産まれた妖怪達は、存在理由に悩む。自分が何故生まれ、どう生きたいか、というところまで掘り下げて、大小様々な「自分探し」の物語が語られる。 人間だって、大体何となく、産まれてくる。自分探しに思い当たる人なら、妖怪達の悩み方に、思わず己を重ねてしまうだろう。 そして、迷いを経て辿り着く、妖怪達一人ひとりの晴れやかな決着を、周囲の人や妖怪と共に祝福する気持ちになれるのだ。 静岡県遠州地域の自然・風物と、妖怪の怖くない造形の、素朴なイラストレーションは、児童書の挿絵のような温かさ。ごく当たり前に互いに関わり、想いを寄せる妖怪達と人間達の優しい物語を、じんわりと味わいたい。あうしぃ@カワイイマンガ1年以上前『新川直司』をフォローをしましたあうしぃ@カワイイマンガ1年以上前それなりのお値段も、フルカラーでこれだけ美しければ納得。 カバーのデザインもいいですね。 興味が出たので購入リスト入りです!8月のソーダ水永遠に読んでいられる絵本のような作品あうしぃ@カワイイマンガ1年以上前三巻、これ切ねぇ……。 辛い事があって、直耶に甘え、姉弟として以上の気持ちを吐露する亜麻音と、それに揺すぶられる直耶。「姉弟」の縛りの中で、抑えきれない気持ち、それを抑えようとする気持ち、どちらも切ない。 特に亜麻音の考えが見えず、三歩進んで三歩下がる二人の関係に、やきもき! 亜麻音の親友・郁乃と直耶の親友・稔の邂逅もあり……二人でなんか、こそこそしてるぞ? まだまだ進展には時間がかかりそう。今から三巻、どうですか?微熱空間初心者姉弟の、微妙な距離感。あうしぃ@カワイイマンガ1年以上前※ネタバレを含むコメントです。自由広場昆虫が襲ってくる漫画を教えて2わかるあうしぃ@カワイイマンガ1年以上前『作井ルビ』をフォローをしました古地図とちづかの広がる世界ちづかマップ 衿沢世衣子あうしぃ@カワイイマンガ『講談社無印版』の続編がこちら『小学館版全三巻』。古地図を愛するちづかは、祖父や友人に触発されて、東京+αを歩き、その土地の記憶と共に、色々な世界を知ります。 若干、講談社版のちづかより積極的かな?彼女独特の『面白がる』能力で、どんどん新しいものを吸収するようになります。 美大の先輩、元気な犬、古典芸能+甘味好き同級生、相撲好きの親友、イケメンスイーツ同級生、天文台好き小学生……彼らの専門性にちづかの提示する土地の記憶を掛け合わせると、互いにとっての新発見が生まれます。 特に複数回登場する従姉妹のりんちゃんの、小学生離れした勉強量と、ちづかの地形感覚が合わさると、そこには古の風景が広がり、心踊ります。 一方、隣人とのドライブのナビでは、地図作りとリサーチで徹夜した結果、失敗してしまったりもします。 そういった経験の集大成として、ちづかが後輩の為に、来日ミュージシャンの東京観光を特定・再現する時……あれ、これって『尋ネ人探偵』じゃん!となるのです。 講談社版で一度手放した試みが、復活する驚き! ここに至るまでのちづかの積み重ねを、様々な東京+琵琶湖、高野山、坂越(兵庫)の発見と共に、楽しみたいところです。ちづかと古地図と東京の今昔ちづかマップ 衿沢世衣子あうしぃ@カワイイマンガ東京を散歩する女子高生漫画『ちづかマップ』には版型の違う二つのバージョンがあります。こちらで紹介する、講談社の無印版が最初に描かれ、小学館から出た全三巻は、その続きです。 講談社版は連載当初『尋ネ人探偵』という題名だったそうで、全5話中3話は、探偵っぽく探し人・物をしています。 ちづかは大好きな古地図片手に、依頼者の微かな思い出から土地の来歴を紐解き、探し物に辿り着く……とカッコよく書く程、ちづかは積極的ではありません(1話以外は)。 ただ、ちづかは『面白がる』能力が高く、どんな所でも何かを発見し、夢中になります。 従姉妹の勉強熱心な小学生・りんちゃんと共に浅草の過去と未来を空想し、同級生の音塚君に誘われて新旧の「書体」に興奮し、連れて来られた京都で幼馴染みの三四郎と「御朱印」集めを競う……そんなちづかの柔軟な頭脳は、「道を見つけ、辿り着く」工夫の楽しさに満ちていて、ワクワクさせられます。 主体性に欠けるちづかが、古地図を起点に次第に面白い事を見つけ、積み上げていく道程の「始まり」が、この『講談社無印版』なのです。 三四郎、音塚君、りんちゃんは、引き続き小学館版にも登場します。小学館版はキャラの嗜好から行動目的が設定される事が多いので、彼らの背景を知る為に、講談社無印版を読んでおくと楽しめると思います(特にりんちゃん!)あうしぃ@カワイイマンガ1年以上前『宮崎駿』をフォローをしました
あうしぃ@カワイイマンガ1年以上前おっしゃる通りですね! 本当に平和で、良い世界観だと思います。 妖怪であることが「個性」でしかないんですよね。そしてそんな個性を活かしても活かさなくても、妖怪達それぞれが幸せに生きる道を見つけられたらいいよね、っていう、究極の「個性を尊重する」物語だと思います。となりの妖怪さん妖怪達の「自分探し」の物語3わかる
あうしぃ@カワイイマンガ1年以上前それなりのお値段も、フルカラーでこれだけ美しければ納得。 カバーのデザインもいいですね。 興味が出たので購入リスト入りです!8月のソーダ水永遠に読んでいられる絵本のような作品
あうしぃ@カワイイマンガ1年以上前三巻、これ切ねぇ……。 辛い事があって、直耶に甘え、姉弟として以上の気持ちを吐露する亜麻音と、それに揺すぶられる直耶。「姉弟」の縛りの中で、抑えきれない気持ち、それを抑えようとする気持ち、どちらも切ない。 特に亜麻音の考えが見えず、三歩進んで三歩下がる二人の関係に、やきもき! 亜麻音の親友・郁乃と直耶の親友・稔の邂逅もあり……二人でなんか、こそこそしてるぞ? まだまだ進展には時間がかかりそう。今から三巻、どうですか?微熱空間初心者姉弟の、微妙な距離感。
数年に一度、ダムの渇水の報に触れる。映像は、干上がったダム湖の底を写し、学校や神社の鳥居といった、かつての村の遺構から、不意に人の気配を感じることがある。 その気配とは、かの地に生きた人々の「記憶」なのかもしれない。この『水域』という作品は、そんな「記憶」を巡る物語である。 ----- 渇水の続く夏、高校生の千波は、夢の中で雨の降り続く集落に迷い込む。そこには澄夫という少年と、その父親しかいない。 寂しがる澄夫と遊ぶうち、ある時、千波の母や祖母の若い頃、そして村人達が戻ってきて、賑やかな時を過ごす。しかし、翌日には皆、消えてしまい、夢から覚めるはずの千波は、現実に戻れなくなる……。 ダムの水底に沈んだ、そして渇水で露わになった故郷に集まった、かつての村民達の夢。 沢山の記憶をそこに留め、ダム建設に心乱され、故郷を裏切り、棄てた後悔に苛まれる人々の心情は、誰をとっても苦しい。 かつて幼い澄夫を失い、故郷も捨てた澄夫の父=千波の祖父は、結局思いを断ち切れず、夢の故郷に、澄夫と共に留まる。そして彼らに思いを寄せる千波は……。 ----- 喪われた人や故郷を、思い続ける切なさを伝えるこの物語は、その一方で、愛する人や故郷の命を、記憶を、何とか喪うまいとする、生者の懸命な祈りを描いた物語でもある。 生者は水面を見つめるように、時折記憶を確かめる。 生きている限り、 あなたの記憶を、喪わない。 そういう意思を胸に、乾いた世界を生き続けるのだ、という、諦念にも似た覚悟が、読後の余韻に響く。