こいぐるみ

彼女は「べき思考」を手放すか #1巻応援

こいぐるみ たなかのか
あうしぃ@カワイイマンガ
あうしぃ@カワイイマンガ

すべき思考orべき思考とは、認知の歪みと言われる偏った思考の一つ。道徳・一般通念や理想像に過度に固執する状態であり、精神疾患を長引かせる要因にもなる厄介な思考。 主人公の女性はこの「べき(すべき)思考」の持ち主。常に「べき」を振り撒く彼女は、何をするにも「べき」と音を出していて痛々しい。 そんな彼女の心を救うプランナーの男性は、キャラクターデザイナーの彼女が創るキャラを愛し、彼女をいつも見てくれる。しかし実は彼は……なんじゃそりゃ!?(試し読みを読もう!) 軽いタッチのラブコメには、ちょっとモヤッとする人ばかり登場する。主人公の家族の人でなし感は物凄いし、主人公に求愛する男性も何を考えているのやら……そして主人公のべき思考も頑なで、自他に押し付ける姿には抵抗感がある。 だが主人公の「べき」が己の心を守っている事、彼女が『アリとキリギリス』の呪いの被害者である事には、心底同調してしまう。誰も望んで苦しい思考を身に付けない。それは防御反応なので、ある程度は周囲のせいなのだ。 男性の可笑しな求愛に振り回され、怒り傷つきながら気付かされる考え方に、ハッとする。頑なな自分と向き合って、べき思考の奥にある「望み」を知る様子に、彼女の心に平和が訪れる事を、我が事の様に祈ってしまう。

ガウちゃんといっしょ

好きだったのに終わってしまった作品

ガウちゃんといっしょ 河上大志郎 河上だいしろう
六文銭
六文銭

同著者『シガレット&チェリー』と同時期くらいに連載開始していたが、こっは先に終わってしまった作品。 どっちも好きだっただけに・・・正直いえば、こちらのほうが好きだっただけにちょっと残念な作品。 内容は、ガウチョ侍というガウチョズボンをはいた侍(もうマンマ)のようなキモカワな生物ガウちゃんと過ごす日常系漫画。 ガウちゃんは、宇宙からやってきたとか、主人公にしか見えないとかそういう特別な生物ではなく、漫画内では犬猫のようにごく当たり前に生息している設定。 主人公以外も、飼っている人がいて、またガウチョ侍の種類も手が長いとか姫タイプとか色んな種類がいる感じ。 これが、妙にかわいいんです。 外見はちっちゃいおっさん風味なんで、ちょっとイラッとするところもありますが、それも含めて不思議と愛嬌があって、みていて飽きないんです。 また、生態系が微妙に謎なので、何しでかすかわからない危うさもありますが、まぁ人類を滅ぼすとかそんな大層なこともなく、ゆるゆると日常を過ごす感じは癒やし系ともいえます。 好きだったのに4巻で終了。 さくっと読めるので、ガウちゃんに会いたくなって、たまに読み返してます。 あと『シガレット&チェリー』のキャラが巻末のおまけに登場するなど、同時連載ならでは試みもありますので『シガレット&チェリー』が好きな方はこちらも必見かもです。