あした天気になあれ

ちばてつやマジック!!

あした天気になあれ ちばてつや
酒チャビン
酒チャビン

あしたのジョーでお馴染みのちば先生のもう一つの代表作ですね(他にも多数ありますが)!小さい頃、蓄膿症だったので耳鼻科に超通院していたのですが、友達とも遊べないという罰ゲームのような通院の中、砂漠に咲いた一輪の花のように私の心の潤いとなってくれたのが、「1・2の三四郎」とこちらの「あした天気になあれ」です! さりげに「あした」で揃えていて、ちば先生の明日好きが伺えます!!この辺り何か良さげなエピソードが隠されているんでしょうか?? 大人になって、改めて懐かしみながら再読してみたのですが、あれ・・・??こんな感じでしたっけ?? あしたのジョーの時にも書いたのですが、なんか主人公(太陽)のキャラが思ってたのと違う・・・こんなにイケ好かない感じでしたっけね?? 小太りの体型と、超有名な「チャー!シュー!メーーーン!」の掛け声から、てっきり気さくで朗らかでひょうきんなキャラで覚えていたのですが。。。 と思ったら徐々にキャラ変していきましたね!それでこそ我らが太陽!! 内容の方も、ゴルフというテーマと相まって、単純な「ドカー!!バキーー!!」みたいな熱血スポーツものと一線を画し、心理戦や自分自身との戦いなど奥深く、とても面白く読めます!!!ゴルフマンガ、意外といいですね!私ゴルフやらないのですが、ゴルフマンガにハマりつつあります!!

豊臣秀吉

横山先生による豊臣秀吉

豊臣秀吉 横山光輝 山岡荘八
酒チャビン
酒チャビン

原作は山岡荘八先生の小説のようです。全7巻なのですが、前半生に重きが置かれており、特に子供の頃から墨俣城の築城くらいまでをしっかりと丁寧に描かれています。それがとても新鮮で、知らなかった情報もかなり入っていてすごく楽しめました! 柴田勝家さんを倒したあたりで終わってしまったのが心残りです。最後のコマで「晩年の秀吉はあまり良くないこともあった」みたいな締めをされていたので、そういった部分を描写するのが忍びなかったのかもしれません。 そういった負の部分に目を瞑って、いい感じに描くこともできたはずなのに、それをしないところが横山先生の美徳だったのでしょうか。潔す!! 全編を通して秀吉は頭が切れる弁舌家として描かれてますが、それが少し鼻につくことがありました。たまに出てくる寧々様が嗜めてくれ、道を外さずにやってこれたのですが、それがすごく良いです。豊臣秀吉さんがあそこまで立身出世なすったのは、ひとえに寧々様のおかげだと感じました。 あと蜂須賀小六さんが知略の男として描かれているのもビビりました。完全に猪武者の張飛タイプだと思っていたので。信長の野望 戦国群雄伝でも政治28でしたからね。。

蘭人異聞録-濱田彌兵衛事件-

こんな歴史、君は知ってる? #1巻応援

蘭人異聞録-濱田彌兵衛事件- Kinono 黒木夏兒
あうしぃ@カワイイマンガ
あうしぃ@カワイイマンガ

この物語は『国性爺合戦』の鄭成功が台湾に政権を立てる少し前のお話。日本は江戸時代の初め、まだ鎖国政策を敷く前。 浜田彌兵衛(やひょうえ)の貿易船(御朱印船)の、ライバルはオランダ。彼らは台湾でしのぎを削り、それに巻き込まれたのは台湾原住民でした。 鄭氏台湾以前の台湾の歴史は資料が少ないのだそうで、オランダと日本で語り継がれる彼らの諍い「浜田彌兵衛事件(タイオワン事件)」は、数少ない台湾の歴史的証言とも言えます。 描かれるのは台湾原住民・シラヤ族。物語の主人公はシラヤ族の青年・ダライ。 よそ者を毛嫌いするダライと、何かと対立してしまうオランダ人測量士・フィル。シラヤ族が浜田彌兵衛に連れられて江戸に行ったりオランダ東インド会社に行ったりする中で、二人はいがみ合いながら時に共闘したり。 日・蘭・シラヤ族の三者の思惑が入り乱れ、それぞれの文化も交錯する。全く違う文化の取り合わせが見ていて楽しい! ニンジャ・ショーグン・ハラキーリ!からナンパな西洋人など、類型的な人物表現もお堅い歴史物を華やげてくれて、楽しさいっぱい! 実はこの物語、かなり多くの人物が実在したか、モデルがいる模様。ちょっと誰も知らない歴史に詳しくなれて、漫画としても血湧き肉躍るこの作品、読まない手はないですよ! (そしてシラヤ族の族長の娘・アーシャはカワイさいっぱい!)

エロイーズ 本当のワタシを探して

物語の始まりのシーンが好き

エロイーズ 本当のワタシを探して 関澄かおる ペネロープ・バジュー ブレ
ANAGUMA
ANAGUMA

本作、ベンチに座っていたエロイーズがふと記憶喪失になっていたことに気付くシーンから始まるのですが、その自然さがなんだか巧みで、ピンク色のカラートーンとともに強く印象に残っています。 メインとなるストーリーラインはサブタイトルにもある「本当のワタシ」探し。 少ない手がかりを元に記憶を失う前の自分がどんな人間だったのかを調べていく…と書くと壮大なミステリーやサスペンスのようでもありますが、そうそう大変なことが起こるわけでもないのが人生というものかもしれません。 どこにでも居る女性だった(と思われる)エロイーズ・パンソンの身の回りも、世の人のご多分に漏れずありふれた出来事ばかりだったようで、一生懸命過去の自分の身辺調査を行うほどに些細でちっぽけなことばかりが判明していきます。そのようすは親近感やおかしみと同時に、どこか空虚さというか、切なさも感じさせたり…。 「記憶を失う前の自分ってどんな人間だった?」というのを入り口に「そもそも根本的に自分ってどんな人間なんだろう?」という二重の意味で「本当のワタシ」を探すことになるのが妙味です。 そんな深いテーマもありつつ、バンドデシネとしてはかなり読みやすい部類に入ると思います。エロイーズのちょっとした仕草がどれもかわいかったり、普段縁遠いフランスでの「フツーの」暮らしが垣間見えるだけでも面白いので、読む機会があれば気軽に手に取ってみてほしい一作です。