ビッグコミックオリジナルの感想・レビュー280件押見修造先生の表現はどこまで進化するのかひろみ 押見修造かしこ押見修造先生の最新作。新たな代表作である「血の轍」も出身地の群馬県が舞台になっていて実体験がベースにあるような気がしましたが、今作「ひろみ」はよりそれを感じました。ペンタッチがいい意味で力が抜けているのも、頭の中の朧げな記憶をそのまま描き表したい意図があるように思えました。すでに「血の轍」の時点で、研ぎ澄まされた心理描写は誰も真似できない地点にありましたが、押見先生の表現がこれから更に進化することを予感させられますね。物語の展開としてもちろん後編が気になりますが、その前に子供である主人公に罪悪感を植え付けた女教師はマジ許すまじ…!壊れる寸前のパソコンが持ち主に見せる走馬灯再起動タヒチ カラシユニコかしこカラシユニコさんの新作読切だ〜!ますます漫画が面白くなってる! 今回はパソコンが壊れた男の話です。完全に壊れて画面が真っ黒になる前に今まで自分が検索した画面がドドドドと流れてくる不具合が発生。それがまるで走馬灯のようだった。その中にはパソコンを買った7年前、仕事を辞めてフリーランスになった頃に行きたかったタヒチ島の画像が出てきて…。 個人的にはパソコンを人間扱いするリサイクルショップの店員が最高でした!早くまた新連載して欲しいな〜。負けた。野球で話せ 中原とほる来年2月は64歳。作品を読みましたが、ちばあきお先生の影響が感じられました。 嫌いな作品では無いですが、ラストの主人公の変わり方が大き過ぎる気がしました。 作者も悩まれたと思いますが、ラストは違う終わり方があったのでは? 私は63歳で、ちばてつや賞に応募しましたが、一次審査で落選して落ち込んでいましたが、勇気ずけられました。 129ページ描くのに、300ページ以上描きました。 しかし、中原氏は4000ページ、ボツにしたとの事。 私は完全に中原氏に負けましたが、私も諦めず、またマンガを描こうと思いました。 私は、ちばてつや先生以外に批評されたくないので、また、ちばてつや賞に挑戦します。 中原氏ありがとうございました。伝えたいことがあるとき、言葉を使うとは限らない野球で話せ 中原とほるstarstarstarstarstaralankタイトルで、なんでも野球にたとえたがる人の話かと思って読み始めたら、全然違いました笑 主人公は言葉が苦手ということでしたが、そうじゃなかったとしても、 なにか伝えたいことがあるときに言葉以外の方法を取ることってあるなぁと思い起こされました。表情や身振りというのもさることながら、無言になることで何かを伝えようとしたり、子供のわがままや癇癪、ときに暴力でさえ伝えようとしている姿なんだろうと。 「何かがはじけた」瞬間は、伝えられることへの気付き。 こころ温まる、素晴らしい作品でした。ぜひ読んでみてください。 漫画で話せ野球で話せ 中原とほるstarstarstarstarstarかしこ何を隠そう私も自分の描いた漫画を第11回青年漫画賞に応募していたのです。とはいえ私は記念受験のようなものなので箸にも棒にもかからないのですが…それでも言わせて下さい、私のライバルって中原とほるだったのかよ!!と。いや〜でもこれは完敗です。だって全編を通して「漫画を描くのが楽しい」って感じだったじゃないですか。働きながら漫画を描くのは大変です。やりたいことがあるのは幸せだけど、休みの日なんかに一人で引きこもってコツコツ描いてると「誰にも求められてないものをこんなに一生懸命やって何になる?」と虚しくなります。それよりも情けないのは描きたいから描くのではなく「漫画家になりたいから描いている」という気持ちのブレが起きてしまうことです。それでは本末転倒なのです。だからこそ作中で叔父さんが言っていた『表現を続けなさい』というセリフに胸を打たれて勇気づけられました。それは連載デビューを経験された後も医師として働きながら投稿を続けられたご自身に対しての言葉なのかもしれませんが、私もこんな風に漫画と向き合いたいと思わされる姿でした。いつか私の漫画を中原さんに読んでもらいたい。漫画で話したいです!面倒でもいつもと違うことをやるのは良いこと!ベイビーショック 村上香名無しネタに詰まった小説家が、妹の幼い子供を預かることに。慣れない子どもの世話などを通していつもだったら気づかなかった景色を知り、創作もいい方向に進み…という話。子どもがなぜサングラスを掛け続けているのかが謎すぎた。野球で話せ #推しを3行で推す野球で話せ 中原とほるstarstarstarstarstarマンガトリツカレ男・読んだ直後に思ったこと ※一番大事!※ 俺の大好きな中原とほるの新作じゃないか。ドクトル・ノンベはもちろん読んでるし、「鯨の夢・中原とほる初期短編集」も買ってる。スーパードクターKの監修もしていたのを知ってるし、能條純一の「Dr.汞」の協力しているのも知ってる。昔のモーニングやアフタヌーンに掲載されている雑誌も持ってるぐらい好きなんだよ。昔に比べたらかなり洗練されている絵になっていたのには驚いた。あと中原とほるのマンガの野球回は名作が多いね ・特に好きなところは? 本編も最高だが、球場の広告にドクトル・ノンベに登場した俺の大好きな「万葉の会」があったこと。これは中原とほるマニアにはたまらんものがあるね ・作品の応援や未読の方へオススメする一言! COMの時代から投稿し、ちばてつや賞に投稿し、令和になっても投稿している中原とほるはやはりすごいな 悩めるデリヘル妻サキュバスの妻 細野不二彦名無し※ネタバレを含むクチコミです。吸血しない系ヴァンパイアストイック・バンパイア 島本和彦名無しシリアスなのかコメディなのかわかりかねる内容だけど、おもしろい。後編にも期待。もしも、未来の子どもから電話がかかってきたら50 YEARS LATER 石塚真一 NUMBER8名無し※ネタバレを含むクチコミです。 桑田サンにも読んで欲しい #1巻応援サテンdeサザン 渋谷直角starstarstarstarstarかしこ主人公は流行りのオシャレな喫茶店を開くことが夢でしたが、叔父から譲り受けたのはBGMがサザンオールスターズのみの愛煙家が集まるボロくて汚い喫茶店だったのです。しかし常連客の情熱に負けて嫌々ながら営業を続けていくうちに、サザンと昔ながらの喫茶店のよさに主人公も気づいていきます。 前にユーミンがインタビューで「一曲でも多く人々の記憶に残り、DNAに組み込まれるぐらいのところまでいくため(に今も活動している)」と言っていて、国民的スターはそんなことを考えてるんだと衝撃を受けたんですが、ユーミンもそうだけどサザンもすでにその域に到達してますよね。日本人でサザンを聞いて何も思わない人っていないですよ…!!私もこの漫画を読む前は「サザン?別に?」な感じでしたが、気づいたらサザンを聴きまくってる毎日です。まるでこの漫画の主人公のようだと自分でも思います。今、雑誌で読んでて一番楽しい漫画です。更生を手伝う保護司の物語前科者 香川まさひと 月島冬二名無しなんとも暗そうなマンガだけど、、気になって読んでしまう、、心打たれる4ページWaltz for… 佐々木四太名無し同じ経験はないのに、こういうことってあるな…と不思議と共鳴してしまいました。良い読切でした。 アオアシ版、深夜食堂アオアシ ミッドナイト・ダイナー 小林有吾名無し中村平を主人公にしたサッカーをしないスピンオフ読切。 料理が得意な平が、深夜にひっそりと仲間のために夜食を作るという、心温まるお話である。 言ってしまえばアオアシ版の『深夜食堂』みたいなノリだが、それにしてもタイトルがカッコよすぎでは?笑 さすが『フェルマーの料理』を描いてるだけあって、サッカー漫画らしからぬ料理のディテールへのこだわりが見られる。 ザ・良い人な平が作るってのがまたいいんだろうな社長って大変、という話?ふぁいやまん 佐々木四太名無しこのくらいやらなきゃ社長なんてやってられねえよ!みたいな意思を感じたけどあの奇行がバレるのも時間の問題のような気もする青春漫画で話題沸騰中な作家の新作はサスペンスホラーだったホロウフィッシュ むつき潤starstarstarstarstarさいろくバジーノイズが映画化され話題沸騰中(古い?)のむつき潤センセーの新作。4巻が出ました。今から読むけど読む前に3巻までの感想で。。 学校の先生がこんな色気があったらたまらんやろ!っていう高校生らしい感情も持ちつつ、急展開すぎる悪夢が波のように押し寄せてくる不思議な物語。 悪夢の展開は急だけど、主人公の彼の判断もまた急で、そこがとても若くていいなって感じられる。決断を一瞬で出来るやつは強い。 まるで呪いのようなこの波、大人になると理解しないと前に進みづらいところだけど若者らしく感情に従ってぶち当たっていくところが読んでいて応援したくなる。 この愚かさと表裏一体な真っ直ぐさは、前作バジーノイズがストレートで眩しかったあの感じと少し近い。 スピード感のあるコマ展開・テンポを見せておきながらも、急に直面する悪夢のような現実が読み手の時を止めてくる。 「あ、これホラーだ」って思わされるのがとても良い。 3巻のラスト、すごい真っすぐで良かったけど悪い結果が見えてくるとこでもあったので4巻めっちゃ気になるところ。今から読みます。 静かな気迫を感じます。東京ヒゴロ 松本大洋alankマンガから訣別した人、マンガが上手く描けなくなった人、自分のマンガが認められない人。それぞれ事情はあるものの、皆命懸けでマンガと対峙していました。作り手にとってのマンガの魔力のようなものを感じる作品です。これからマンガを読むときの姿勢にも影響しそうな。余韻がすごいです。名作MASTERキートン 完全版 デジタルVer. 長崎尚志 勝鹿北星 浦沢直樹starstarstarstarstarパイナップル頭フル回転で読まないと、いやフル回転でも謎が残ったくらいなので、面白いけどもう一度読むのは勘弁…な矛盾した気持ちになる漫画笑進まないたーたん 西炯子名無し敦が鈴にいつカミングアウトするのか、このマンガの核はこの一点で、それがいつ訪れるのかを楽しみにしながら読んでいる。 当然、そう簡単にその時は訪れない。このカミングアウトに向けて物語を補完する作業が延々と行われている。 それはそれで構わない。登場人物たちの人間性が回を重ねていくごとに深みを増していくのは良いことだ。 だが、月イチ連載がゆえに進むペースが遅い。 もうそろそろ物語が急展開してもいい気がするが、なかなかそうはならないのだろう。 これは我慢比べのマンガだ。 マンガで泣いたの初めてかも岳 石塚真一starstarstarstarstaralank社会人なりたてでちょうど登山を趣味にし始めた頃に読みました。山の怖さと優しさを教わった気がします。 お父さんを山の事故て失くした少年との話は、マンガで初めて泣いたかも知れません。 山中でタバコ吸うおじいさんの話も好きでした。楽しみ方は自由なんだ、と。 救助要請した登山者にも、家族を失くして山を嫌う人にも、必ず「また山においでよ」と声をかける主人公はとても強く優しく、憧れます。 三歩が山頂アタック前に、コーヒー淹れてサーモスに注ぐシーンを見て、似たようなボトル買ったこと思い出しました。 おすすめのマンガです。今年の高橋留美子劇場は「パパ活女子」理想の娘 高橋留美子名無し年に一度の高橋留美子劇場。今年はビッグコミックオリジナル50周年記念号に掲載です。あまりにも男っ気のない娘の将来に嘆きながら、娘よりも若い女の子に貢いでしまう父親。しかしパパ活女子には秘密があって…という話。読んでいてある程度オチは見えるんだけど、やっぱり高橋留美子が描くと面白いなー!と思う。流石です。病気の妻から伝授された"鬼"レシピ424日、奇跡の鬼レシピ 佐藤智一 門脇正法 藤井玲子 藤井満名無し朝日新聞デジタルで連載されていた実話のコミカライズ。 https://www.asahi.com/special/matome/gannotsuma/ 病気でなくなった妻が遺したレシピ帳で料理を作る夫。原作によると、病気が発覚してからひとりでも家事ができるように妻から指導を受けたようです。コミカライズではどんなふうに描かれるのか楽しみです。 『危険なふたり』感想危険なふたり 魚戸おさむ名無し暴力はいかなる場合も良くないというのは前提として、自分の大事な人が誰かの悪意によって傷ついたとき、自分はなにが出来るだろうかということを考えさせられる話でした。あと観光地でご当地限定のソフトクリームがあったら絶対食べますね。ひげさんとパンダの日常マンガひげとパンダ チャンキー松本名無しひげさんがめちゃくちゃマッチョなのがおもしろい<<12345>>
押見修造先生の最新作。新たな代表作である「血の轍」も出身地の群馬県が舞台になっていて実体験がベースにあるような気がしましたが、今作「ひろみ」はよりそれを感じました。ペンタッチがいい意味で力が抜けているのも、頭の中の朧げな記憶をそのまま描き表したい意図があるように思えました。すでに「血の轍」の時点で、研ぎ澄まされた心理描写は誰も真似できない地点にありましたが、押見先生の表現がこれから更に進化することを予感させられますね。物語の展開としてもちろん後編が気になりますが、その前に子供である主人公に罪悪感を植え付けた女教師はマジ許すまじ…!