ある道化師の一日
1960年代に熱狂的信者を生み出した永島慎二の逝去から2年がたったのを機に編まれた遺稿集。単行本に集録されていない漫画、日記、エッセイ、童話などを集めたもので、故人の生涯をふり返るファン垂涎の作品集。※電子書籍版に『付録2』(追悼文・漫画)『元永島慎二病患者のいいわけ』は収録されていません。
宿り花
半世紀近く前に描かれた、四谷怪談を現代に甦らせた異色のスリラー作品。心理的な恐怖表現の頂点をめざした劇画タッチの長編で、これまで知られていなかった著者の新たな一面を明らかにする傑作を初めて完全復刻。※電子書籍版に『「宿り花」読本』(別冊付録インタビュー)は収録されていません。
ロマンスの神様
少女が道で拾った人形は、3つの願いをかなえてくれる不思議な力を持った「ロマンスの神様」だった。少女は意中の転校生への恋に悩んでいたが、家に下宿していた年上女性の恋煩いの深刻さを知り、最後の願いをどうするか思い悩む。意外な結論へと導く、青春ラブコメの傑作で、ギャグの楳図の原点といえる。※電子書籍版に『「ロマンスの神様」読本』(別冊解説)は収録されていません。
山びこ姉妹
著者の貸本時代、1962年から63年にかけて、「虹」38・39・40・41・44・46集(金園社)に連載された『狐つき少女』を原本から初集成。貸本時代の著者が得意としたふるさと・奈良の自然にはぐくまれた民話調の奇譚。人気を博した「やまびこ姉妹」はシリーズ化され、佐藤プロ「花」では名作『へびおばさん』を産むが、その前触れとなった重要作。カラーもふんだんに再現。※電子書籍版に『「山びこ姉妹」読本』(巻末解説・インタビュー)は収録されていません。
へびおばさん
1964年に貸本短編誌に7回連載された長編少女スリラーで、のちに雑誌にリメークされ、大ヒットをよんだ著者の初期代表作をオリジナルバージョンで初めて復刻。これまでのリメーク版にはなかった扉や4色カラーもふんだんに収録した完全版。「かんな」と「さつき」名姉妹コンビが奈良の山深い里山を舞台に繰り広げる民話調の恐怖譚で「山びこ」シリーズの第二弾です。ある日、おかねが渕で巨大なうわばみの姿となった女性に姉妹が遭遇するが、その女性は友人の少女の家に新しく迎えた継母だった…。週刊少女漫画誌デビュー直前の作者が放った、その後の少女ホラーブームを巻き起こす傑作をオリジナルで!※電子書籍版に「『へびおばさん』読本」(巻末インタビュー・解説)は収録されていません。
猫面
貸本出版社から1963年に刊行された単行本の完全復刻。著者自身が「残酷表現を極めた」といういわく付きの作品で、凄まじい描写がこれでもかと展開されている。物語は、猫嫌いの城主の一子・秀信が猫そっくりに生まれたことから始り、心が醜くゆがんで成長し、残虐な仕打を繰り返してゆく。この作品で著者は、人の心に潜む残酷さ、非情を描いたといわれている。※電子書籍版に『「猫面」読本』は収録されていません。
紅グモ
1966年に刊行された単行本の復刻の前編。クモをテーマにした少女ホラーで、「少女フレンド」に16回に渡って連載された著者の代表作の一つ。カラーページも含めての完全復刻。※電子書籍版に「『紅グモ(前編)』読本」(別冊解説・インタビュー)は収録されていません。
1960年に貸本短編誌「虹」で発表された「おみっちゃんが今夜もやってくる」と「奇妙な手紙シリーズ」をまとめた作品集。特に表題作は、その後の「へび少女」などで開花する楳図ホラーの出発点となった恐怖少女漫画の代表作で、後に「少女フレンド」で描き直され、多くの読者を獲得した名作。※電子書籍版に「『おみっちゃんが今夜もやってくる』読本」(巻末インタビュー・解説)は収録されていません。
俺の右手
貸本漫画雑誌『街』に連載されたハードボイルド調のホラー作品で、これまで一度も復刻されたことのない幻の名作。本作のほかに「イボのある男」「人を呪わば」「くも妄想狂」など楳図ファン垂涎の希少作品を収録。※電子書籍版に『「俺の右手」読本』(巻末解説)は収録されていません。
ミイラ先生
1967年に刊行された単行本を復刻。女学生の憧れの美しい先生が、祈りの最中にそこに安置されていたミイラと入れ替わることから、学園中が恐怖にまきこまれてしまう。待望のオリジナル版!!※電子書籍版に『ミイラ先生読本』(別冊解説)は収録されていません。