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ぱじ
あらすじ
お父さんがコロリと死んで、お母さんがポロリと死んで、ももちゃんはおじいちゃんと二人暮らしです。パパがわりのおじいちゃんなので、ももちゃんは「ぱじ」と呼んでいます。
両親がなくなり、残された幼い娘とおじいちゃんだけで暮らす・・・その生活を想像しただけで、私、秒で泣けます。
なんか読んでて、切ないんですよ。
もう先が長くないとわかっている老人が必死に子育てする姿とか。
幼い子どもが、両親が亡くなってシンドイながらも気丈に振る舞う姿とか。
一生懸命、ご飯食べている姿とか。
全て胸にくる。
作品自体、別に泣かせにきているわけでもないんです。
地域住民など二人に関わる人、全員が優しくて支援してくれて、ほっこりハートフルな世界に包まれているのです。
読んでて優しい気持ちになれます。
だけど、私は、どこか漂う二人の哀愁にページをめくるたびに涙腺が緩みっぱなしなんです。
えもいわれぬ不安感ーきっとこんな生活も長く続かないんだろうという考えが暗い影をおとして、病気とかひどい目にあうわけでもないのに、ただ物悲しいのです。
おじいちゃん子だった、自分の原体験に基づくのでしょうね。
最後も大方の予想通りなのですが、不思議とこれまでの悲しさはなく、充足感を得られるハッピーエンドだと思います。(詳しくは書きませんが…。)
家族を思うこと、優しく生きること、周囲との温かい絆をもつこと、思いやりに満ちた1冊です。
しかばなはなしたいこと
あらすじ
京都の大学1年生・紙戸屋川露(しとやがわ つゆ)は、交通事故により、2つ年上の恋人・擬宝珠(ぎぼし)みぞれを亡くしてしまう。絶望する露だったが、そんな中、みぞれからの謎の手紙を発見する。そこに書かれていたのは、自分の体を焼かないで見守ってくれれば、キセキが起こる、というものだった。露が、みぞれの言葉を信じ、みぞれの死体を安置していると、やがて信じられない出来事が…!? 鬼才が贈るダークファンタジー、衝撃の第1巻!
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しゃとるあいず
あらすじ
整体師の息子・鎹 項羽(かすがい こうう)は、人の体を見ることで動きの癖が分かる“目の良さ”を持っていた。自分がスポーツを本気でやったことがないことに悩む中、診察にバドミントン元五輪メダリストの辰巳義明が訪れ、同い年の世界ジュニアチャンピオン・四乃流星(しのりゅうせい)の試合を観に行くことに――!! 項羽は、その会場で衝撃の行動を――…!? 目が未来を掴む!! 男子高校生バドミントン青春譚――!!
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ぶるーふぉびあ
あらすじ
人体を藍に染める奇病、【藍病】。その病は患者の骨を蝕み、深海を閉じ込めたように美しく輝く【海鉱石】へと変え、その鉱石のもつ可能性は倫理観を失いし者どもを生んだ…。“ここにいてはいけない”【記憶を失った青年】と【藍病患者の少女】孤島脱出SFサスペンス、第一篇。