ビッグコミックスピリッツの感想・レビュー879件<<2122232425>>浦沢直樹によるデメキングあさドラ! 浦沢直樹名無し※ネタバレを含むクチコミです。圧倒的な画風で描かれるピンポンピンポン 松本大洋チョレイ非常に個性的な画風であることで有名な松本大洋さんですが、やはり一番を挙げるならばこのピンポンでしょう。電子書籍で見れるのでまた読み返したのですが、画風と迫力が段違いであり、ピンポンの熱いバトルが凄まじいと再確認しました。もちろん登場人物のペコやスマイル、その他のライバルたちも個性的でありながらも人間的なキャラとなっているのでまさに大作だと思います。賛否両論のラスト最終兵器彼女 高橋しん名無し最終兵器彼女は当時の連載環境を含めても、戦略も内容も非常にセンセーションなものでした。 まず高橋しん先生が作者でこのタイトルだから、あまったるいラブコメだと誰もがそう思っていたでしょう。 しかし、あの一話で読者はみんな度肝を抜かれたのです。世代も二周くらいしてしまいましたが、今で言う「まどマギ」くらいの衝撃がありました。カン違いだとカン違いしていたとカン違いさせる漫画?ぐりこカミングスーン 赤堀君名無しひーくん(恋人)は100年に一人の天才ロッカー! 将来は絶対に武道館を満員にする! いまは、ひーくんを支えるために私が稼がなきゃ! ・・ごめんね、ひーくん。 アナタのために私は悪魔に魂を売るわ。 アナタが「日本の音楽シーンを支配する悪魔だ」という その悪魔(アイドル)に今だけバイトでなるわ! 「ぐりこカミングスーン」は 間違いなくバカップルのカン違いコメディ物語なんだけれど、 才能があるのに気がつかないで苦労をしているという、 ある意味で贅沢なバカップルのお話だ。 「無能なこと、無意味なことに気がつけよ!」ではなく 「有能なこと、才能を無駄遣いしていることに気がつけよ!」 とツッコミたくなる物語だ。 なぜそこで、そうカン違いする! と思いつつ読んでいたのだが、 読んでいるうちに「アレ?」と思う部分が ダンダンと増えてくる。 カン違いロッカーのひーくん。 カン違いアイドルのぐり子。 ロックやアイドルそれそれを崇拝するファン。 スカウトマンやマネージャー、プロデューサーなど業界人。 それらの日本の音楽シーンの全部に対して、 「お前らみんなカン違いしてるよ」と ディスって笑いにしているような漫画だと思って読んでいったが、 実はそう思った自分こそカン違いをしていたのでは?と ジワジワと思わせてくる漫画だった。 ピザ屋でバイトした後に 「あの大空にピッツアをひろげ~」 と唄う、ひーくん。 それを見て 「ひーくん、かっこいいかも・・」 と思ってしまった。 それこそカン違いかもしれないけれども。 画力と繊細なトーンワークに裏打ちされた演出力恋は雨上がりのように 眉月じゅんTKD@マンガの虫表紙の目ヂカラに心を掴まれてジャケ買いし、内容を読んでさらに心を掴まれました。とにかく画力を活かした演出が抜群です。 キャラの作画はCLAMPの目ヂカラと矢沢あいのフェミニンな細身のシルエットを見事に融合させており奇跡的なバランスで成り立っています。 そして手の細かな演技や表情付けなどは週刊漫画とは思えないほど繊細に描写されており手の動きだけでキャラの悲痛な感情が伝わってきます。 背景に関しては繊細なトーンワークによる光の表現が特に素晴らしく、この現実感のあまりないキャラたちを違和感なく世界に溶け込ませています。 さらに、シリアスとギャグの配分が非常によく。80〜90年代のサンデーが好きだった人にはたまらない配分になっていると思います。店長がパトレイバーの後藤さんに似ていますがその辺りの感覚はパトレイバーに近いと思います。 ストーリーに関しても初めての挫折を経験した少女の鬱と中年の危機に差し掛かったおじさんの鬱という2種類の鬱を恋愛という誰にでもわかる主題を使いながら見事に描き切っています。 少女漫画が好きな人、そして少年漫画が好きな人、もちろん青年漫画が好きな人、どの層の人にもお勧めできる恋愛マンガです!精神科のナースが家に…こころのナース夜野さん 水谷緑 山登敬之大トロ精神科のナースが家に行くことがあるのは初めて知りました。やはり普通の病院と違って、精神科については初めて知ることが多いです。ためになるし考えさせられる漫画なので、もっと読みたいです!得体の知れない恐怖伝染(うつ)るんです。 吉田戦車名無しジャンルはギャグ漫画ですが「あはは!」という感じではなく「フフ…(片方の口角がちょっと上がる)」という類の笑いです。初見は自宅にあった父のコミックスでした。表紙のかわうそが可愛かったのでページを開きましたが、小学生の自分には全く理解できず頭が「???」となりました。昔の漫画なので若干バイオレンスな描写もあり、得体の知れない恐怖を味わいました。大人になって再読したところ、いまだにオチが理解できない部分もありましたが、人間の気持ちの機敏や動きが絶妙に表現されていて、味わい深いなぁ…と思いました。あえて食べ物でたとえるなら「ホヤ」とか「かにみそ」的な作品だと思います。 知らない世界を知ることができた!こころのナース夜野さん 水谷緑 山登敬之starstarstarstarstar干し芋※ネタバレを含むクチコミです。斬新で面白い!!武士スタント逢坂くん! ヨコヤマノブオ名無し逢坂くんの現代への登場シーンの斬新さからハマる! 裸に縄をかけられた姿のまま正座で、一時間皆で様子をうかがいあって、膠着状態。 これから、どうなっていくのかワクワク♪ 逢坂くん、江戸から令和って混乱しまくりだろうけど、現代の生活スタイルに馴染みすぎないでいて欲しい。 逢坂くんの真っ直ぐな一生懸命なキャラが好き!!フフッとなる新感覚ラブ悲劇(トラジェディー)ありふれた男女の物語 松岡昴明名無し※ネタバレを含むクチコミです。 「こころのナース夜野さん」を読んだこころのナース夜野さん 水谷緑 山登敬之starstarstarstarstar_borderマンガトリツカレ男これ読んだけどなぜか知らんがすごい東村アキコっぽさがあった。 内容の感じは全然違うがなぜそう思ったかは説明はできない。 内容は好きかな 最高だなミンゴ イタリア人がみんなモテると思うなよ ペッペやむちゃイタリア好き女にとって至高の漫画だなこれ みんなモテると思うなよって言いつつちゃんとイケメンじゃねぇか…イタリア人ってあんまりハズレな顔がいないんすよね。 イケてないミンゴもイケてるアレクスも、イタリア人の生態自体が興味深いからもっと読みたくなる嘘でしょ⁈と思いながらどんどんページをめくってしまう #1巻応援パパがも一度恋をした 阿部潤karinめちゃくちゃ面白い! ストーリー自体はファンタジーでありえないことがたくさん起こりますが、それに対するツッコミよりも、面白さが勝って目が離せなくなります。 それぞれのキャラクターに個性があって、可愛くて愛着がわきます。続きが楽しみ! ドラマ化!! 亡くな…パパがも一度恋をした 阿部潤猫あるくドラマ化!! 亡くなった人が他の人になって生き返るって設定は良くありますが、最愛の妻がハゲおっさんになって返ってくるってこういう設定の中でもかなりのハードコースじゃないかと笑 インパクトが強くて難しい設定だけれど、ただの出落ちギャグ漫画ではなく、ちゃんと切なさや家族の温かさもしっかり描き込まれているし、おっさん×おっさんなのにほんわりラブストーリーも成立させているので上手過ぎるとしか言いようがない!阿部潤先生の絵もすごく好きだし、ドラマ版を見る前に一読することおすすめします。独特な世界観伝染(うつ)るんです。 吉田戦車名無し最初読んだときは、シュールすぎて、面白いのか面白くないのか、よくわかりませんでした。でも、読んでいくうちに、妙にハマっている自分がいまして・・。なんなんでしょうね、あの何とも言えない世界観。万人受けする作品ではありませんが、コアなファンを作り出す要素満載です。絵のタッチははっきり言って雑ですし、なんかちょっとホラー要素も入ってます。内容に関しても、え?どいうこと?みたいなのが続出です。でもそれが、いいんです!間違いなく、4コマ漫画界のエース、いや、ジョーカー的な存在です。めぞん一刻のいいとこ…めぞん一刻 〔新装版〕 高橋留美子大トロめぞん一刻のいいところってやっぱり、響子さんがめちゃくちゃめんどくさい女なところだと思います。 わりと最初の方の、一刻館のみんなで伊香保温泉みたいなところに行く回が好きです。あと朱美さんが失恋(?)する回。 タイトル素晴らしい南無阿弥だいすき 横槍メンゴ名無しバンドマンのユーゴは、自分の言うことを何でも聞き、何をしても怒らない・歯向かわない彼女・キサに不満を募らせる一方、キサは彼を妄信的に愛し続ける。そんなふたりの哀しいすれ違いを描いた読切。素晴らしい。報われるとか報われないとかの次元ではないというか、キサちゃんの生き方に何も文句言えねぇ。。ポルトガルの女性によって日本の良さを再認識できるくーねるまるた 高尾じんぐ名無し主人公はポルトガル人の女性・マルタさん。彼女は日本のアパートで一人暮らしをしていて、日本の生活を満喫しています。 食べることが大好きで、母国ポルトガル料理や日本の料理など、和洋問わずいろいろな料理を自炊する料理漫画なのですが、お金をあまり持っていないので、ちょっと貧乏飯になってしまう部分もあります。でも、マルタさんの性格が太陽のように明るいので、絶対に暗い雰囲気にはならないんです。周囲の人々との触れ合いによって、食べ物を分けてもらったりしながら、創意工夫で様々な料理を作っていくのが見ていて本当に心が安らぎます。 また、ボルトガルの人から見た日本文化を描くことによって、改めて日本の良さを再認識することができます。日本の文化と文法に精通しすぎたイタリア人のマンガミンゴ イタリア人がみんなモテると思うなよ ペッペ兎来栄寿初めてトニー・ヴァレントさんの『ラディアン』を読んだ時、「絵のみならず日本の少年マンガの文法をここまで取り入れた作品をヨーロッパの作家が描く時代かー!」と驚愕しました。 最近は海外のマンガも沢山読めるようになってきましたが、当然ながらその国のテイストが強く出ている作品が基本的に多いです。その上で、完全に日本マンガナイズされていた『ラディアン』は衝撃的でした。 そして、この『ミンゴ』に関しては同様のことが今度は日本の青年マンガの文脈をしっかりと汲み取った上で為されていることに感嘆しました。 主人公のちょっと残念で、でも一念発起して頑張ろうとする姿に苦笑しつつ憎めず応援したくなる感じや、友人の無茶苦茶な振る舞い、ヒロインの絶妙なかわいくなさは正に『アフロ田中』などを読んでいる時の感覚そのもの。 絵はもっと上手くなると思いますが、今くらいの画力が平成前半位の青年マンガ感を生み出すのに一役買っていて丁度良い気もします。 テラスハウス出演のイケメンイタリア人が描くマンガの内容がこれ、というのもまた物語として面白いです。本人が主人公で実写化するなどしたらまた話題になって面白そうですけどね。 「本当のその人」を取り戻すささやかで優しいお手伝いこころのナース夜野さん 水谷緑 山登敬之兎来栄寿『精神科ナースになったわけ』、『大切な人が死ぬとき ~私の後悔を緩和ケアナースに相談してみた~』など、医療系エッセイマンガを著してきた水谷緑さんが5年間の取材を通して描き出す、新たなる精神科ナースの物語です。 絵柄はとてもかわいらしいのですが、描かれている内容はとてもシリアスで重みのあるもの。幻覚が見える人、幻聴が聴こえる人、リストカットする女の子………… なるほど、こういう場合はそういう風に対応するのか、得心するところもあります。もし自分が担当医だったらどうするだろう、突然のショッキングな事態にこんなに上手く立ち回れる自信はないな、と考えてしまうようなエピソードも多々描かれます。 でも、世の中には確実にこういったことで苦しんでいる人が今この瞬間にもおり、そしてこのように尽力している精神科の方々がいるのだろうと考えさせられました。 「本来のその人になっていく。私たちはそのささやかなお手伝いをする仕事だ」 という節が心に残ります。 誰しもが心のバランスを崩して、本来のその人でなくなってしまうことがある世界。その中で、無言でそっと抱きしめてくれるような優しさがここにあります。その優しさの存在に、ただ本を読んだ身ではありますが感謝せずにはいられないのでした。サッカー漫画の新風アオアシ 小林有吾 上野直彦名無しユースに注目するというのが、今までにない切口を生み出した理由。 部活中心のスポーツ漫画が多い中で、ユースをフォーカスする先進性は面白い。 また、主人公を取り巻くキャラの立ち具合もまた魅力的。いざ、メカメカしい妄想の世界へ映像研には手を出すな! 大童澄瞳さいろくアニメ化の話題でもちきりだけどアニメ見てないのであった。 なぜなら私の家のHDDレコーダは多重録画が出来ず、その時間帯にはドロヘドロを先にセットしてしまっていたのである。無念。 そんなことよりまずは漫画を読んでもらいたい。 ジブリ(のメカ)が好き。 ガイナックス(というかエヴァでいい)が好き。 iPhone11をボトムズと呼ぶ。 そんな人はきっと現実世界での生活の中で妄想の世界が現実の上からフィルムを貼るように被さってくることがよくある、またはあったはず。 この作品は「それ」を上手く再現してくれていて、何より自分では出来ない「それ」は自分の中でも表現しきれないぐらいクオリティが高いものなのだが(妄想だから)その高いクオリティまでも再現するどころか上回って来てしまう。 そしてそういうシーンだけしかなかったら今敏のようなショートフィルムにはなるものの漫画として続かないので、もちろんちゃんと物語がある。 そこもまたとてもほっこりして良い。好き。 ともかく、漫画は「最初めっちゃ絵下手やんと思ったけど全然そんなことなかった、むしろ脳内で勝手にアニメーションするわ」ぐらい素晴らしいのでぜひ読んで欲しい。アニメを見るだけでは作者に続きを描いてもらうスタミナ回復に至らないのだ、多分。 そしてなんで今さらこれ書いてるかっていうと今週木曜(20年1月30日)に5巻が出るからです! 買って読む=蔵書に加えるという、自らが認めた証を作品に与えているという行為。皆様も認めた蔵書を増やす楽しみとそれを振り返る悦びを堪能しましょう。 動物代表、チキン・ジョージ14歳 楳図かずおstarstarstarstarstarさいろく人類vs.鶏!と思いきやそんなちっぽけなスケールではない(文字通り)天才マンガ家楳図かずお先生の超名作。 本作を知る人と知らない人とでは大きく人として異なる、14歳を読んだ者と読んでいない者だ。 人類の存亡をかけたサバイバルと息をつく暇もない怒涛の展開は圧巻(よく聞くフレーズ)で、不気味な生物チキン・ジョージの魅力もさながら、作中で滲み出る「アメリカ」という自由の国への羨望のようなものが時代を物語る本作を大人になったのに未読なのであればそれは羨ましい。読み返すだけでもこんなに凄いんだから。天才的才能を持つ主人…アオアシ 小林有吾 上野直彦名無し天才的才能を持つ主人公龍がユースで活躍する話。自分よりうまい人に会い最初は面食らうが、徐々にサッカー観が変わっていく。最高に面白い一冊。<<2122232425>>
※ネタバレを含むクチコミです。