彼女のそれにやられてる

健康的な、あまりに健康的な #1巻応援

彼女のそれにやられてる 大海たび
兎来栄寿
兎来栄寿

とても健康的な作品です。 表紙が何よりも雄弁にこの作品の魅力を語っていますね。 実に健康的な、陸上女子の隆々たる腹筋。 日々の弛まぬ厳しいトレーニングを経て、少しずつ形作られていった山脈。 その美しさの輝きたるや、ピレネーやマッターホルンもかくやというものでしょう。 文芸部にちょくちょくサボりにくるようになった健康的極まりない陸上部エースの先輩シホに、標準的な男子高校生である田宮が悩まされ続ける健康的ラブコメです。 健康的な10代男子が、こんな姿を見せつけられて無反応でいられるわけはありません。元々、そんな趣味嗜好がなかったとしても新たな扉を破城槌で大開放されてしまうのは無理なきことです。 シホも、こんな健康的な姿を晒し続けていながらも気質的には初心であり恥じらいもあるというのもまた健康増進ポイントです。田宮の友人である園谷や、シホの妹、田宮の姉など脇役も噛むほど味がしそうなので今後の活躍に期待が持たれます。 健康的なものに惹かれる方、表紙に言葉でなく心で理解をしてしまった方、この健康への扉を開いてみましょう。

限界ダンジョンの繁殖事情

ダンジョン復活のためにモンスターを増やす

限界ダンジョンの繁殖事情 文屋リヱ
ゆゆゆ
ゆゆゆ

まさか、ダンジョンのモンスターは生成ではなく、繁殖で増えていたなんて。 勇者たちに倒されすぎて、モンスターが減りすぎ、あっという間にボス居所へたどり着かれてしまうことになってしまった、ダンジョンの主エギン。 エギン自体は勇者たちをかるがるやっつけられるほどのパワーを持つようですが、ボスエリアに来た勇者たちを待ち構えるため、サービスで固い玉座に座って待つお仕事をしていたら、戦う気も起きないほど非常に困った腰痛に‥ 副官に叱咤され仕方なく、「モンスターを増やして、勇者たちをなかなかボスエリアまで来られなくし、ダンジョンを復活させよう(そして腰を癒そう)」という導入です。 繁殖が進まないモンスターたちのために、ダンジョンの主自ら、モンスターたちの不可思議な性癖や不満を解消してあげます。 モンスターを増やして腰も癒したい、それだけなのに一筋縄ではいきません。 第一話のスライムを繁殖させようとしている様子をみていると、こちらの世界で絶滅危惧種の動物を保護している施設での繁殖事情を聞いたときの気持ちを思い出しました。 増やすって、大変です。 その視点はなかったなあと思いながら、おもしろく読んでいます。

あまえんぼーZ

スーパー豪華な作者が送る甘えん坊なロボット漫画

あまえんぼーZ 三条陸 木村貴宏 戸橋ことみ
サミアド
サミアド

角川のドラゴンJr. に連載されていた漫画です。 ①原作 三条陸 (ダイの大冒険などの原作者) ②ビジュアライザー 木村貴宏 (勇者王ガオガイガー・コードギアス などで有名な超アニメーター) ③作画 戸橋ことみ (イラストやキャラデザでも有名) 豪華過ぎるやろ! 最強スーパーロボット英雄・バレンの『息子』ゼットが主人公。超強大な力を持つ甘ったれクソガキをメイド兼教育係のエメロールさんや友人達が絆を深めながら矯正するドタバタコメディ。 甘やかしまくりダメ保護者のスパロボ達もゼットを想う気持ちは本物。弱い人間であるエメロールさんを見下す事なく信頼して暖かい家庭を築いています。クソガキ主人公もイザとゆう時は家族や友人の為に超パワーで大活躍。本作の見せ場となっています。でも1番の売りはエメロールさんの健全サービスシーンかな… 漫画の方向性はお色気とセリフを減らしまくって対象年齢を下げてほっこりエピソードを増やした「仮面のメイドガイ」みたいな印象。 別名義の「ウルトラマン超闘士激伝 完全版」などと比べても三条陸テイストはあまり感じません(大戦の回想シーンとか時々それっぽい場面はあります)が、各エピソードは綺麗にまとまっていてキャラクターも魅力的。安定しています。 しかしドラゴンjr廃刊の影響か日常回で唐突に終了。「え…これで終わり?」が正直な感想でした。もっと続きを読んでみたかったです。