目つき悪い子かわいい子

これは恋なのか?

目つき悪い子かわいい子 ハミタ
六文銭
六文銭

三白眼、ジト目、メカクレ、などなど目にまつわるキャラクター描写は数あれど、どれも自分は好きだったりします。 特に三白眼や、猫目とかジト目なんかは、ツボだったりします。 総じて、目つきが悪いキャラが好きなんですが、本作はマンマ自分の性癖を刺激して最高でした。 そして、そういう目つきの悪いキャラって、基本、性格が良くて。キツくみえるけど実は優しかったりするもんじゃないですか? でも、本作は、意外と性格もキツいというから、まずココが面白い。 最初は、そのままヤンキー路線にいくかと思ったら、実はタダのアホの子だったようで、一周回って新しい感じになってます。 強気にこられても、ちょっと注意すると 「え?そうなの?」 みたいな感じで、誰もが知っていることをただ知らなかっただけ、みたいなアホの子な感じ。嫌いじゃないです。 性格がキツくなる背景なども、少しずつにじませてきて、結局、目つき悪くても良い子へと戻るかな?という感じで進んでいきます。 主人公もストレートに告白をするなど、こっちも大概変わっていて面白い。 本当に好きなのか?不明な感じが、恋なのか何なのか気になります。 なんにせよ、目にまつわる新しいキャラクターとして、私の中で刻まれるのでした。 この関係も見逃せません。

人間不信の冒険者たちが世界を救うようです

正直ラノベ版の方が好きだが

人間不信の冒険者たちが世界を救うようです 川上真樹 富士伸太 黒井ススム
ピサ朗
ピサ朗

美麗な絵が付くとやはり読みやすいし、短くされているとはいえ冒険者たちのダメダメな表情が実に愛おしい。 ストーリーを言うと中堅どころの冒険者PTに所属していたニックだが、細々とした裏方仕事をウザがられて追放されて…といういわゆるなろうの「追放物」のテンプレっぽく、実際なろう版も存在するのだが この作品の実に面白い所は、そうして身を堕としたダメ人間描写が一々説得力と生命力にあふれまくっている所。 メンバーが落ち込んだ時に出会ってしまった趣味がアイドルオタク、キャバクラ好き、賭博好き、食い歩きなのだが、小説版ではここがまあ実に生き生きとしたダメな趣味に出会ったダメ人間を軽妙な筆致で描いていて、感心した物。 漫画版ではこの部分が、主人公ニックのアイドルオタクになる部分しか描かれていないが、実に残念。 とはいえ人間不信なりに仲間との絆を作っていく姿、その為のルール作りなどは所謂ぼっちの人には中々共感できそうな部分も有り、何だかんだ仕事と生活が充実して、現実から逃げるようにハマったダメな趣味が、健やかに自分の生きがいとなる健全な趣味になっていく様なども中々読ませてくれる。 戦闘部分は小説版ではそれ程しっかり読んでいなかったのだが、作画担当の絵が上手いのでここも楽しめる物になっていて、コレは漫画版ならではの利点と言える。 タイトルからするとこの後は大きなヤマにぶち当たるのだろうが、なろう版を読んでも世界を救うのはだいぶ先になりそうである。

筋トレ社長

筋肉はこの世の99%の問題を解決する

筋トレ社長 たむらあやこ Testosterone
六文銭
六文銭

タイトルは、本作に登場する社長が放った言葉。 ホントにそう思う。 とにかく筋肉があれば、体力がつくだけでなく、スタイルもよくなるし、何より強さを手にすれば余裕が生まれる。 そう余裕。 本作の言葉を借りれば「狩る側」の余裕だ。 イヤな職場の上司に罵詈雑言をうけても、筋肉があれば 「ゆーて、こいつワンパンだしな」 と思えて、小言もさえずりに聞こえる。 おやじ狩りの心配もない。 本作は、そんな筋肉の素晴らしさ、そのための筋トレの仕方を教えてくれる名著である。 それだけでなく、筋トレを通した人生哲学的な金言に溢れているので、筋トレにとって一番の課題であるモチベーションの維持にも役立つから最高である。 自分も今謎に筋トレにハマっている(2年ぶり110回目)ので本作がとても有効になりました。 筋トレを始めたい、体を鍛えたいという方はぜひ! 余談ですが、 なんで筋トレやるの? という質問についても、本作の中では画像のような回答をしていて、首がもげるほど共感しました。 ホントに、わからない・・・でもやらねばならない使命感がわく感じ、きっとわかってくれるはず。

オタクばあちゃん

イベント最前で心を燃やす85歳のおばあちゃんが素敵

オタクばあちゃん 伊達しのぶ
兎来栄寿
兎来栄寿

自分が何歳まで生きるかは定かではないですが、年齢を重ねてもこのバイタリティを保ちたい。随所で笑いながら楽しませてもらったのが、こちらの作品です。 85歳のおばあちゃん・チヨとその孫の孝が主人公ですが、チヨさんはただのおばあちゃんではありません。スマホPCタブレット4台で特典を巡る予約合戦をガチり、イベントでは最前に並び、同担拒否し、自担を貶す輩には10分間の説得で推し変させるほどのガチオタクとなってしまったおばあちゃんなのです。 彼女とオタ友になるホストや、孝のクラスメイトの女子など、さまざまなオタクが登場します。 本誌で脇役の推しが登場しない期間の飢餓感、推しの命が危機にさらされることで自分の命脈にも連動するさま、はたまた推し活が報われて爆発する瞬間などは推しがいる人は強く共感できるところでしょう。 基本的にはギャグなのですが、孝のクラスで孤立するオタクの沼田に対して、 「あのね オタクになれるってだけで人類最強なんだよ  オタクになれるのはものすごい熱量を持った限られた人間だけなんだから!!」 という言葉は、悩めるオタクへの最高のエールだと思いました。 個人的にはばあちゃんが『H2』でバッティングセンターに通ってバッティング技術を得て、『YAWARA』で柔道教室に通い技を習得したところや、 「黙れ小僧」 「肉食系女子にもなりきれぬあわれな娘だ」 の件も好きです。 また、巻末の描き下ろし「チヨの初恋」は純粋に上質な少女マンガとして楽しめるお話で大変良きでした。

クロスバーストハニーハニー

大丈夫、杉谷庄吾さんのお嬢様eスポーツだよ。 #1巻応援

クロスバーストハニーハニー 杉谷庄吾(プロダクション・グッドブック)
兎来栄寿
兎来栄寿

『映画大好きポンポさん』シリーズでお馴染みの、杉谷庄吾さんが描くお嬢様学校を舞台にしたeスポーツマンガが爆誕しました。 『ゲーミングお嬢様』や『対ありでした。 ~お嬢さまは格闘ゲームなんてしない~』がますます盛り上がり、そして期待の新星Vtuberとして壱百満天原サロメ嬢がバズりにバズっているこのタイミングで、杉谷さんによるお嬢様eスポーツ。こんな鉄板な作品があるでしょうか。 ゲーム部の施設が整った朝日星学園。 ゲーム初心者でありながら、とあるゲーム向けの能力が異常に研ぎ澄まされている冨永ヒマワリと、とプロゲーマーを夢見る迅御(はやお)ルナが出逢い、寮も同室であると判明するところから物語は始まります。 「ゲームは遊びじゃない!」と豪語するルナに「ゲームは遊びでは?」と返すヒマワリに対しての 「命を削って磨き上げた技術と知識!!  これほどまでに自分の人生における信念と努力と時間を賭けてしまったからには  もう誰にも負けられないという不退転の執念が結晶化された譲れないプライド!!  ……本気でゲームで戦うっていうのは  プレイヤー同士がお互いの胸に輝くプライドという名の  存在証明を潰しあうって事なのよ  だから勝ったら飛び上がるほど嬉しいし  負けたら死ぬほど悔しい」 というルナの語りは、対人ゲームにおける本質を見事に捉え言語化しているもので、序盤から「流石杉谷さんッ! そこにシビれる憧れるゥ!」という気持ちでテンションを高めて読み進めました。 そんな二人がメインにプレイしていく、タイトルそのままの作中作「クロスバーストハニーハニー」は、対人要素もあるMMOで、RPGをプレイして強敵を倒しレベルアップしながらレアアイテムを手に入れていく喜びが表現されています。 そして、仲間であるクナイや、立ちはだかる強豪である鐡のアスラ、福音のスイレンなど魅力的なキャラクターも目白押し。 作劇のツボをしっかり押さえていて、面白くないはずのない物語に仕上がっておりこれから先の展開も純粋に楽しみで仕方ありません。

ビーストリングス

エンタメ性&現代性全開ファンタジー

ビーストリングス 山本四角
兎来栄寿
兎来栄寿

ファンタジーと現代文明が融合した世界設定や、獣人やモンスター系も入り混じった多種のキャラクター設定が綿密に作り込まれており、それを非常に高い画力で全編カラフルに描いて現出させている読むテーマパークのような作品です。 幕間やカバー下にも詳細設定が掲載されていますが、こういったものを読み込んで世界に浸るのが好きな人にとっては堪らないでしょう。 魔法、ダンジョン、エルフにドライアド、忍者に吟遊詩人といったファンタジー要素がある一方で、スマホ、SNS、動画配信など現代性を感じさせるものが同居している世界観の中で、様々なキャラクターが群像劇的に描かれてそれぞれの物語が展開します。 筋肉で何でも解決しがちな市長や、BL妄想の激しい秘書サキュバスなど個性溢れるキャラたちも非常に魅力的。異種族間の恋愛要素もあり、好きな方には深く刺さるかもしれません。 また、画面の密度が濃い上に作劇のテンポも非常に良く、また構成も非常に良くて(影響を受けた作品にも解る解るとニヤリとします)、並の1冊のマンガを読んだだけでは得られない満足感が生まれます。 シンプルに絵もマンガも上手いので、今後のご活躍もとっても楽しみです。

シロとくじら

これはいい年の差マンガだ #1巻応援

シロとくじら tunral
nyae
nyae

ショタくんとおじさんでおなじみtunralさんの新作。これまたかわいいショタボーイ・くじらくんと、髪の毛が真っ白な青年・シロくんの日常を描いてます。シロくんは最初、外界との接触を拒む引きこもりかと思ったのですが、家族とのやりとりや突然現れた幼児への対応力などを見て、あ違うんんだとすぐに気づきます。今のところはただの無職らしい。 普通は家にいきなり元気100倍の幼児が来たらてんやわんやの生活が始まりそうなところですが、くじらくんとシロくんの相性が抜群なのか、ずっと続いてほしいと思える平和な光景が続きます。世話をするというか、年の差がある友達って感じです。ただくじらくんは前に通っていた幼稚園で起こった問題?によって転園を余儀なくされて急遽シロくんの家へ来たっぽい。 見え隠れする色んな要素に注目すれば、キャラクターそれぞれに平坦ではなかった過去があるんだろうと想像できますし、それによって物語が上っ面だけじゃないものなってると感じました。 こういうテンションのマンガって多分他にもあるけど、いくらでもあってくれと思えるくらい好きですね。いくらでもあってほしいし、永遠に続いてほしい。

トカゲ爆発しろ

『種族の垣根を超えた学園コメディ』(ニコニコ漫画トップ画像より)

トカゲ爆発しろ okamura
サミアド
サミアド

多くの種族が共存する世界で学校に通うリザードマン「里佐土リド」が不可抗力で色んな女の子の胸を触ったりする漫画です(超訳)。 お色気要素は多いのですが作風のためかカラッとしていて健全な(?)サービスシーンという感じです。 リザド君はバカで貧乏で粗野でバカですが、強く優しく 頼り甲斐があって素直で 意外と責任感があってバカなので、トカゲですが皆に人気があります。結構モテます。存在がボケですが、時にはツッコミもこなします。 ヒロインレースは1巻表紙の眼鏡エルフで決まりですが、他のキャラも個性的で面白いです。少数ですが男キャラも出ます。 「トカゲが毎回災難と役得に見舞われる」コンセプトですが、そもそもリザドは性格的にもトカゲ的にもラッキースケベが役得にならないんですよね。読者目線では羨ましいかもですが… 体が金になってクラスメイト女子の換金用アイテムになったりと、災難は普通に降りかかります。 「スピーシーズドメイン」などと比べると恋愛ドラマは極少で、ヒロインの好意や嫉妬がギャグのネタとして使われる程度です。 「恋愛要素は絶対許せん!」という人でなければギャグコメディとして楽しめます。 キャラは可愛いので萌え需要もあると思います。 画像は立ち退き拒否して勝手に図書館の蔵書を護る炎の守護者と、図書委員のダークエルフです。