「心ゆくまで君を感じたい――」ルアディエは、獄中にいる兄ラフマンの命を盾にした総督アズドの求婚を受け入れ、彼の宮殿に滞在している。ただし彼は急な王命により戦へ出ているため、婚礼はまだ行われておらず、純潔も守られている。そんなある日、宮殿に吟遊詩人がやってくる。彼は、ルアディエの初恋の人――皇太子ザフィルにそっくりだった。それを知った彼はザフィルを名乗るようになる。孤独とさみしさを抱えたルアディエは、「僕は貴女のザフィルだ」と抱かれてしまい……?
王室御用達の仕立屋の娘・リリアナは、父の仕事の手伝いで王宮を訪れた際に会った青年に心惹かれる。そしてほどなく、リリアナが王妃に選ばれたという書簡が王宮から届く。彼女が王宮で会ったのは、若き国王アレクサンダーだったのだ。彼はリリアナを優しく迎えてくれたが、大臣たちから半年以内に語学とダンスをマスターしなければ王妃として認められないと言われてしまう。アレクサンダーに愛されながらレッスンに励むリリアナだが……?
「あなたの人生は私のものです」後宮でお針子として働く凛玲(りんれい)に、占いによって皇帝から夜伽の指名が! だが、いざ本番というときに、高齢の皇帝は頓死してしまう。一夜とはいえお手つきとなれば皇帝の墓に一緒に入ることになるのだが、生娘である凛玲に同情してくれた美形宦官の耀颯(ようそう)は、宦官の変装をすればかくまってくれると言う。ありがたく受け入れたものの実は耀颯こそ偽宦官で、凛玲に対してムラムラする気持ちをぶつけてくるのだが…!?
堅物な騎士・グウェンは王の命を受けて各地を放浪する旅の途中で、ひょんなことから美少女の幽霊・アンジェリーナと出会い、これまたひょんなことからキスをしてしまう。「一度でいいから恋がしたい」というアンジェリーナに懇願されて、彼女が昇天するまでの間、恋人ごっこをすることに。そして、天真爛漫なアンジェリーナはキス以上もグウェンに求めてきて……? 甘酸っぱい、もぎたてロマンス♪
敵対する隣国に両親を捕らえられた弱小貴族の娘アマリア。両親を助けようと隠れていたところを見つかってしまう。そして、王子トラヴィスに「お前が人質になれば親を解放する」と言われ、屋敷の下働きとなる。しかし、お嬢様育ちのアマリアは失敗ばかり。トラヴィスはそんな彼女を自分の世話係にする。そばにいるうち、民を思うトラヴィスの優しさに惹かれたアマリアは、彼に抱かれてしまい…?
アズラク王国の名家に生まれたナタリアは、同じくアズラク王国で広大な砂漠を領地とし、王家に次ぐ名門であるサッタール家の頭首ジャリルに求婚される。彼からと思われる真摯な恋文に心を奪われるナタリア。だが、輿入れする航海の途中、ナタリアは「俺こそが本当の頭首だ」というラヒムに連れ去られ、彼に抱かれてしまう。情熱的に自分を抱くラヒムとひたむきな恋文の内容がなぜだか重なって…?
【いきなり電子! 特典SS付き!!】社交界デビューの日、リリアナは完璧な紳士と評判の侯爵令息ヴィクトルに出会う。挨拶で手の甲へくちづけられる際、本来はふりだけなのに、緊張したリリアナが震えたせいで唇が触れ、優しくほほえむ彼が毒舌を吐くのを聞いてしまう。でも、それが聞こえたのは自分だけ。リリアナには、唇が肌に触れると相手の心を読む能力があったのだ。「本性を知られたからには生涯そばに置いておく」と強引に婚約させられ、戯れで身体中にキスされてしまい…?
求めなければ、裏切られることもない――そんな風にいろいろなものを諦めながら日々を過ごす王女アリーチェのもとへ、ある日、煌びやかな宝石箱と見まがうほど美しいショコラボックスとお茶会への招待状が届く。さらに謎の美青年から「贈り物は気に入ったか?」と尋ねられ、生まれて初めてのくちづけを奪われる。なにかに導かれるように、二人きりの秘密のお茶会に参加してしまうアリーチェだが…?
王女ヴェリーナは孤独だった。継母たちからは冷たく扱われ、この国では醜いとされる自分の容姿も疎ましくてならない。彼女を慰めてくれるのは、植物たちだけだ。ある日、国同士の争いに敗れ、エヴェリーナは捕虜として敵国の城へ連れていかれてしまう。そこで待っていたのは、王太子ラレンツォ。エヴェリーナを強引に花嫁にすると言い出したラレンツォだが、彼には知られざる過去があるようで…。
「妃になりたければ、俺に逆らうな」セシリアの無垢な身体は、残酷な王と噂されるフェリクスによって淫らに開花させられた。王宮の舞踏会で国王と知らないままにフェリクスと出会ったセシリアは、密かに想いを寄せていた。だが、強欲な叔父に脅され、国王に嫁ぐよう命令されてしまう。セシリアに裏切られたと憤ったフェリクスは、セシリアを王宮に連れ去り、夜毎貪るように身体を求めてきて……。
ある出来事がきっかけで寄宿学校に入れられたリネットは、無事卒業して五年ぶりに故郷へ戻る。だが、兄が継いだ屋敷は伯爵家のものになっていた。慌てて向かった伯爵の館で、兄は行方不明、祖母はこの館にいると知らされる。行くあてのないリネットも館に滞在することになるが、若く美しいジェリド伯爵から「滞在費代わりにキスをもらう」と言われ…? 企み系伯爵と無垢な令嬢のデリシャス・ラブ♪
貿易商の父が亡くなり、天涯孤独となったジュディ。父に莫大な借金があったため、着の身着のままで屋敷を追い出されかけたところを、父に恩があるという青年社長ルークに助けられる。無償で借金を返済してくれるという彼に働いて少しでも返すと告げたところ、取引先の信用を得るために花嫁役をやらないかと持ちかけられる。仕事のはずなのに、ルークに優しく抱かれ、ジュディの心は蕩けてしまい…?