王女ヴェリーナは孤独だった。継母たちからは冷たく扱われ、この国では醜いとされる自分の容姿も疎ましくてならない。彼女を慰めてくれるのは、植物たちだけだ。ある日、国同士の争いに敗れ、エヴェリーナは捕虜として敵国の城へ連れていかれてしまう。そこで待っていたのは、王太子ラレンツォ。エヴェリーナを強引に花嫁にすると言い出したラレンツォだが、彼には知られざる過去があるようで…。
母を亡くし、継母たちに虐げられているラティヤ。つらい日々の中で、心の支えは母の言葉と、踊りだけ。だがある日、ラティヤは奴隷として売り飛ばされてしまう。彼女を法外な値段で競り落としたのは、美しすぎる一人の男――。アルザークと名乗る男はラティヤを宮殿のような豪邸に連れていく。何をされるのかと怯えるラティヤを、彼は、「龍姫のふりをして」と優しく抱きしめて…? 彼は一体何者!?
銀麗は晟国の公主だ。母亡きあと、唯一自分に優しくしてくれた異母姉の病を治すため、後宮のすみで熱心に勉学に励む毎日。だがある日、張豺牙が率いる軍に攻めこまれ、国は滅び、異母姉も命を落とす。銀麗は激しく豺牙を憎むが、実は、豺牙にも、銀麗を憎むある理由があるのだ…。官婢(どれい)の身分に落とされた銀麗は夜伽を命じられる。強い媚薬を飲まされ犯されるが、苦痛だけではない感覚を覚えはじめて…?