長者の一粒種として慈しまれる夜長姫.黄金をしぼらせ,したたる露で産湯をつかわせたので,姫の身体は光りかがやき,黄金の香りがすると言われていた.飛騨随一の匠の弟子で,大きな耳を持つ耳男は,姫が13歳の時,姫のために弥勒菩薩像を造るよう長者から命じられる.美しく,無邪気な姫の笑顔に魅入られた耳男は,次第に残酷な運命に巻き込まれていく.[カラー6頁]※この電子書籍は「固定レイアウト型」で作成されており,タブレットなど大きなディスプレイを備えた端末で読むことに適しています.また,文字だけを拡大すること,文字列のハイライト,検索,辞書の参照,引用などの機能は使用できません.
近藤ようこ先生の坂口安吾原作シリーズの第2弾。後書きによると原作は坂口安吾ファンに人気があるそうです。前作「夜長姫と耳男」と同じく残忍な美女に振り回される男の話なんですが、こっちの方がもっとグロテスクかも…。不気味だけどなぜか見惚れてしまうシーンの連続で、これは原作でどう表現されてるのか読み比べてみたくなりました。これから桜を見たらこの話を思い出しそうです。