43歳の母を妊娠させたのは私の夫でした

タイトルからしてヤバいし、そのまんまヤバかった

43歳の母を妊娠させたのは私の夫でした サレ妻くるみ きなりみや
さいろく
さいろく

マンバの「●●●●さんにおすすめ作品」で一番上に出てきてたのでついつい読んでしまった・・・ なんでこれを薦められたのかが気になる(笑) レディコミっぽい感じの内容で、マンガ読みならこれはファンタジーではないというのがわかるよね?という強制力が働く。 内容はもうドロドロとしか言いようがない。 凄まじい話だったが、現実でもこのぐらいのことはあり得るんだろうなぁ… 22歳の主人公はいわゆる若妻、旦那は37歳。母が43歳で父は海外?にいるはずなのに母が妊娠…それを22歳の主人公が無邪気に「弟かな?妹かな?」って言っててもう地獄だった。 が、基本的には主人公の頭の中ですごいスピードで整理されていき、ほぼ結論が出てるのに、言い訳できないような証拠となる場面に主人公が出会うまではずっと濁され続けてなんとかなっちゃってるあたりが逆にリアリティがある。 最後本当にこの後どうなっていくのか、10年後とかを見せてほしかったな… 全然ハッピーエンドじゃないのにハッピーな感じの背景で「完」って〆られててちょっと笑ってしまったが、冷静に考えたら凄い物語でした。

夫にキレる私をとめられない

これを描いたことがすごい

夫にキレる私をとめられない いくたはな
六文銭
六文銭

『夫を捨てたい』が非常に考えさせられる内容だったので、その著者さんということで本作も手にとりましたが、率直に言ってこれを描いたことがスゴいなと思いました。 出産後の女性はガルガル期なんていいますが、有り体に言うと、それをまさに描いた作品。 とにかく夫が何をしても、それこそ家事・育児をしていても、イラつく主人公の心情を吐露した内容。 これがホントすごい。 よくSNSなんかで夫婦仲が良いことってアピールする方達見たことあると思うんですよ。 いつも仲良し、みたいな。 素敵旦那様~、素敵お嫁さん~ みたいな。 あれ?ホントか?って思いません? 自分は思うんですよね。 芸能人もオシドリ夫婦とか言われながら、次の瞬間、離婚するし。 絶対、誰も彼もが、常に仲良しなわけないだろって、私は思うんですよ。 それに対して、どこかのサイトで 「不仲とか不満とかを言わないのは、周囲に自分の性格の悪さや、恥をさらしたくないだけ。自分が不幸だと認めたくないだけ。その勇気がないだけ。」 というようなコメントを読んだことがあり、こっちのほうがよっぽど真理だと思ったんですよね。 別にどこの家庭もうまくいっているわけではなくて、単純に問題を直視していないか、問題を解決するための衝突を避けているだけなんですよね。 んで、翻って、本作の著者がすごいのは、もうガンガン、自身のイヤなところをさらけ出しているところ。 ただ、ただ夫がむかつくというだけで夫に対してグサグサと嫌味なことを言う。 そして夫がもっと困ればいいと本気で思っている。 それをマンガとして公表している。 ホントすごいなと思います。上述のコメントになぞらえば、勇気がある証拠だと思う。 そして、著者がこの理不尽な感情をさらけだしてくれて、自分はようやく、(村上春樹風にいうと)女性特有の「怒りたいから怒る」現象を納得できました。 夫婦だからと言って、何を言っても許されるわけではないですが、逐一まに受けるのも違うことがよくわかりました。 出産後の女性の感情不安定さを理解したい人にはぜひおすすめします。 しかし、この著者なんやかんやで子供4人いるんですよね。 それもそれですごいな。。

お宅の夫をもらえませんか?

隣の芝生は青いというけれど

お宅の夫をもらえませんか? いくたはな みこまる
六文銭
六文銭

マンバさんのレコメンドで出てきて、タイトルから興味しかなく、即読みました。 結論からいうと、中々の後味の悪さ。 この手のジャンルはこれくらいビターな結末なほうが、リアリティがあって好きなので、個人的には良かったです。 さてその内容ですが、農家の家に嫁いだ主人公。 義理の両親と同居し、農家の手伝いをするもひたすら嫌味を言われる日々。 夫は主人公に無関心。 むしろ自分が継がなかった農業だけでなく、家事や育児も主人公に押し付けるクズっぷり。 結果、家のどこにも居場所がないと感じる主人公。 そんな中、近所にスーパーが開店。 家から逃げるようにパートをはじめ、自分の価値を認めてくれる職場に本当の居場所を感じるようになる。 そして、普段から優しく接してくれた、職場の上司でもある店長と不倫をしてしまう。 しかも、彼は同じ保育園に通うママ友の夫で・・・という流れ。 みんな、自分以外は幸せそうに見えてしまうものです。 そんなわけないんですけどね。 気になったのが、店長の動機。 店長の奥さんはよくあるキツイ性格でもなく、むしろ支える系の奥さん。田舎に赴任することになっても、好きな仕事を辞めても、文句言う事なくて店長についてきたという尽くしっぷり。 後腐れなくカラッとした性格なのに、なぜ店長は主人公とそんな関係になったのか?がちょっと疑問でした。 完璧すぎて、店長として逆に窮屈だったってことでしょうか。 そこに主人公のちょっと抜けている感じと、境遇の不憫さに共感したという感じですかね。 なんとなくわかります。 1人で何でもできて、幸せそうな人だと、自分の存在価値ってなんだろう?ってなりますからね。 しかし、まぁ、店長の奥さん、あんなにいい奥さんっぽいのに、不倫がわかったときのガチギレ具合はちょっとしたホラーでしたね。そこも見どころです。 最終的に主人公は、どういう決断をするのか? ご堪能ください。

うちの子、誰の子? もしもわが子が取り違え子だったら

親子関係とは?血の繋がりとは?

うちの子、誰の子? もしもわが子が取り違え子だったら ママリ たけみゆき
六文銭
六文銭

自分も子供がいるので、色々考えさせられてしまった。 内容は、3歳になる娘が不妊治療時の手違いで、別の受精卵(つまり別の夫婦のもの)で産まれてきたことを知る。 そして、自身の受精卵も別の夫婦のもとで産まれて、いわゆる取り違え子のようなことが起き、交換して欲しいと訴えられる。 そんなことあるのか? というツッコミはさておき、自身の身におきたらどうなるだろうって考えてしまった。 特に、3歳まで育てた後、 実は、違う子でしたので返してください と言われて、その現実に受け入れられるだろうか? 絶対ムリだなと思った。 血の繋がりなんかよりも、一緒に苦楽をともにした時間と思い出を通して家族をつくってきたと思うので、今更なかったことになんかできないと。 本作の主人公は不妊治療までして授かった子供なので、なおのことそう思ったと思います。その悲壮感には共感しかない。 最初はそう思いました。 実際主人公たちも、それに近しい決断をします。 だけど、それは離れたくないという自分(親)のエゴなんじゃないか?と読んで少し経ってから思うようになりました。 子供としては、血の繋がらない親というのは遅かれ早かれ気づくはずです。 今は小さいけど、そのうち大きくなったら、容姿なども似てこなくなったり、特に相手の家族は血液型が違うようなので、なおのことその事実に気づきやすいはず。 そう思うと何が正しい決断なのかわからなくなってきました。 血の繋がりなんて関係ないと安易に思っていましたが、無慈悲で寄る辺もない世界なので、最後は血のつながりくらいしか拠り所がないと考えると無下にもできない。 作品内でもありましたが、自分も男なので、母親と違ってお腹を痛めたわけでもないから、より一層、子供の繋がりが血のつながりしか実感が湧かないのかもと。 家族のあり方、血縁関係について考え直させていただき、なんとも、ケーススタディのような気分で読んでしまいました。 (実際にツラすぎて、どの家庭でも絶対おきてほしくない事案ですが・・・)

マウンティング夫が地獄です

ホントに地獄だな

マウンティング夫が地獄です ふゆ
六文銭
六文銭

コレ系のエッセイ大好物なのですが、誤解していただきたくないのは、決して 人の不幸は蜜の味 と、その蜜の味をねぶり尽くしたいわけではなくて 反面教師 として、あつかっているんです。 自分も気づくと、知らない間にやっているんじゃないか?という恐怖感から、学ぶものがあれば知りたいという欲求なんです。 意外と同じようなことをやってたりして冷や汗かくケースもあるので。 本作は、他のレビュワーの方も書かれていましたが、マウンティングというかモラハラですね。 恐ろしいです。 定常的に無視したり、奥さんに暴言はいたり、子供ができてもDNA鑑定させようとしたり・・・ 毎度思うのですが、こういう人ってどうして結婚できるんだろ?って思いますね。 もっと優しくて思いやりがある男性なのに、(したくても)結婚できていない人いるのに・・・。 優しすぎてもつまらない、ちょっと悪いくらいがちょうど良いので、 結局、モラハラ気質に引っかかるのかな?とか考えちゃいます。 業が深いです。 大人になると性格も変えるのは難しいですが、それでも妥協点というか歩み寄りは大事ですよね。一緒に暮らすならなおのこと。 自分の気持ちばかり優先しちゃいかんですね。 子供ができて、自分よりも大事なものができて、夫よりも自分が変わろうと歩き出した主人公に、やはり母強いなと痛感しました。