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クズはクズでも、自覚のないクズほど最悪なものはない。それが主人公にとって、ひとりではなく複数で、しかも長い時間をかけて心を破壊してくる…
こういう時「でも暴力振るうよりはマシでしょ」とかいう意見が出がちだけど、物理的なものだけが暴力ではないんですよね。途中で何回も脱落しそうになるほど読むのしんどかったけど、最終的に主人公は辛いときに自分がしてもらったことを、同じように苦しんでいる人にしてあげたいというところから、実際に浮気探偵になるという展開がアツい。
離婚したら終わりじゃないところがきついですね。長引く調停。すり減り続ける心。そしてそこに純朴な子供も巻き込まれてゆく様が!なによりもきつい!でも結局、父親がクズだったおかげで子供も自分の頭で考えて母親と暮らすことを選べたという流れが素晴らしかった。
ギャフンと言わせてスッキリ!というわけにはいかなかったけど(なにせ自覚のないクズなので)、読後感は良かったです。