自分も子供がいるので、色々考えさせられてしまった。

内容は、3歳になる娘が不妊治療時の手違いで、別の受精卵(つまり別の夫婦のもの)で産まれてきたことを知る。
そして、自身の受精卵も別の夫婦のもとで産まれて、いわゆる取り違え子のようなことが起き、交換して欲しいと訴えられる。

そんなことあるのか?
というツッコミはさておき、自身の身におきたらどうなるだろうって考えてしまった。

特に、3歳まで育てた後、
実は、違う子でしたので返してください
と言われて、その現実に受け入れられるだろうか?

絶対ムリだなと思った。
血の繋がりなんかよりも、一緒に苦楽をともにした時間と思い出を通して家族をつくってきたと思うので、今更なかったことになんかできないと。
本作の主人公は不妊治療までして授かった子供なので、なおのことそう思ったと思います。その悲壮感には共感しかない。

最初はそう思いました。
実際主人公たちも、それに近しい決断をします。

だけど、それは離れたくないという自分(親)のエゴなんじゃないか?と読んで少し経ってから思うようになりました。

子供としては、血の繋がらない親というのは遅かれ早かれ気づくはずです。
今は小さいけど、そのうち大きくなったら、容姿なども似てこなくなったり、特に相手の家族は血液型が違うようなので、なおのことその事実に気づきやすいはず。

そう思うと何が正しい決断なのかわからなくなってきました。

血の繋がりなんて関係ないと安易に思っていましたが、無慈悲で寄る辺もない世界なので、最後は血のつながりくらいしか拠り所がないと考えると無下にもできない。
作品内でもありましたが、自分も男なので、母親と違ってお腹を痛めたわけでもないから、より一層、子供の繋がりが血のつながりしか実感が湧かないのかもと。

家族のあり方、血縁関係について考え直させていただき、なんとも、ケーススタディのような気分で読んでしまいました。
(実際にツラすぎて、どの家庭でも絶対おきてほしくない事案ですが・・・)

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ザシス

ザシスの意味とは

ザシス
六文銭
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「ろくでなしBLUES」から「べしゃり暮らし」まで、一通り読んでいる作家さんだけに本作も当然手に取りました。 1話読んで、サスペンスであること、その世界観にひきこまれ これは完結してからイッキに読もう と思い、完結を楽しみにしてましたが(変な話ではありますが)まさか3巻でおわってしまうとは。 一気読みした最初の感想としては、ギャク色の強い作風の作家さんなのに、この手のストーリーもイケるのかと唸った。 誰が犯人なのかはもちろん、主要な登場人物の誰もが、実は後ろ暗い過去をもっているびっくり展開は、良い意味で緊張感があって、最後どう転ぶのか気になり読んでてあっという間だった。 ミステリでありがちな、くどい説明とかもなく、絵だけで魅せてくるのも読みやすかったし、不気味なタイトルが結局何なのか気になりながら最後につながるのも良かった。 総じて、面白かったという月並の感想なんだけど、3巻でキレイにまとまっている作品だと思います。 この手の作品で、個人的に重要だと思っている、読者に結論を委ねる部分もしっかりあって、そういう意味でも読後感は良かったてす。 3巻完結なので、イッキに読んでザシスの意味を噛み締めて欲しい。
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