自分が生まれ育った「東東京」は、まだまだ知らないことばかり……。ムスリムの大学生・サラ、エチオピア人の両親を持つ小学生のセラム、不登校の中学生・春太。ルーツも年齢も区区(まちまち)な3人が東東京を歩き、新たな街の魅力を見つけ出す地元発見冒険譚!
用九商店
「だったら、オレが明かりをともそう。そう決めた」台北(タイペイ)市で一流の会社に勤める揚俊龍(ヤン・ジュンロン)。ある日、よろず屋「用九商店(ようきゅうしょうてん)」を営む祖父が倒れたという知らせが入る。店をたたむため数年ぶりに帰郷することにしたが・・・。思い出が詰まった「記憶の箱」を通して俊龍が見つけたものとは?---台湾で最も権威ある「金漫賞」受賞&実写ドラマ化!かつては「人々につながりを与える場所」であり、「心の拠り所」でもあったよろず屋本作は都市化が進み、台湾でも失くなりつつある商店を中心に、日常を懸命に生きる人々の交流、そして一人の青年の学びと成長を描く
母なる瞬間。それは静かな祈りのようで―― 喪失を抱えるふたりの母の心の葛藤を描いた表題作「mothers」。突然開けた新しい世界を前に揺れ動く少年とその姉を描いた「蝶になる日」。 親子、家族、人間関係の複雑さを優しさあふれる視点で真正面からとらえた珠玉の12編。 秘めた気持ちがあふれ出す、新鋭・草原うみの初短編集。
広い中国の、とある地方。小丹(シャオダン)はかつてこの村に越してきた友人・安(アン)と、いつものように真珠狩りに向かう。作業の合間、小丹が幼い頃に真珠を「人魚の涙」に見たてていた話から、安は遠い故郷のおとぎ話を語りはじめる……。 どこか懐かしく、どこか不穏——。海外を中心に活躍する新星が、日本初登場。
海に挟まれたこの地には、4つの国があった。人々はその土地ごとに、さまざまな暮らしを送っていた。北方の国レタイトの集落に住む少年・カンカンは最近、どうも納得がいかない。「自分の町の誰も買えないものを作るようなことは、なんかおかしい気がする」。生活に苦しむ人々や、町に漂う閉塞感を感じていたカンカンはある日ふと、外の世界に出てみよう、と考えたのだった。生きるための旅に出よう。力を持たざる者たちによる「居場所発見」ファンタジー!
「今日、私にはじめての恋人ができた。」荻野美穂は恋に憧れる高校一年生。入学を迎えた春、前後の席ゆえに起きたある出来事をきっかけに、サッカー部の村田くんとの距離がどんどん縮まっていき……。青春のきらめき、痛み、ときめき。恋人たちの日常の一コマを捉え、すくいとってきたイラストレーター・itoがフルカラーで描くのは、永遠に続くように思われたあおく瑞瑞しい日々。これは、かつてのはじめてを思い出す、“あなた”のラブストーリー。
ある日、突然姿を消してしまったシンガーソングライター・多野小夜子。ファンも友達も恋人も、彼女の行方を誰も知らない。多野小夜子が消えたことによって、僕たちの生活は少しずつ変化していくーー。彼女を知らない人にとっては取るに足らないことだけど、僕らにとって彼女は「かみさま」だったんだ。宮崎と東京を舞台に、6人の男女が織りなす淡く美しい群像劇。
海辺の町に住む高校三年生のナギ。高校最後の夏休みが始まるが、幼馴染のユータローは受験勉強が忙しくかまってくれない。周りがどんどん変わっていく中、ナギは漠然とした不満を抱えていた。そんな時、夢の中で宇宙人のプラテスと出会う。彼らとの交流がもたらすものとは!?
小学5年生のハルは、ある日のテスト返しで、クラスメイト「あゆま」の足が浮いていることに気づいて……。 イラストレーター・昼間の日本初作品集『THE VISUAL 昼間作品集 今日は他の日』の刊行を記念して、このたび特別読切を掲載!柔らかく素直な描線で描く、ささやかな友情の物語です。
三角兄弟
「今からちょうど100年後、巨大隕石で人類は滅亡する」 地球で暮らす宇宙人の野庭(のば)は、失われる文明を目にしようと地球へ観光に訪れる宇宙人たちのガイドをしていた。そんなある日、地球へ3つの三角形が許可なく侵入してきてーー。彼らは味方か敵か、そもそも何モノなのか? 『きつねとたぬきといいなずけ』(マッグガーデン)で「第25回文化庁メディア芸術祭」マンガ部門新人賞を受賞した俊英が描く、スペクタクルSFが開幕!
クロノスタシス
99.9%の確率で地球に巨大隕石が落下するまで、残り11時間。 いつも通り、適当に過ごして適当に死んでいくと思っていた売れないバンドマンの小森。そんな彼のもとに突然、大学の同級生・河野が訪れ……。 「ここには何もないのに、なんで君は来てくれたんだろう」
台北で地上げに従事していた青年が、台北から3時間離れた田舎のよろず屋を受け継ぐ物語。そこには「懐かしさ」と一括りにできない、老若男女たくさんの人の縁の物語が待っていた。 よろず屋「用九商店」で提供される品は、よく見ると日本人の私にはよく分からないものが多くて面白い。日常的なもののはずだが一体何に使うのか……。 近所の顔馴染みが集い、話し笑い合うお店の雰囲気も、町の様子も全く垢抜けない。しかし主人公を含めた人の歴史、変わらない廟、ゆっくりとした仕入れと時の流れ、ざらつく質感……店に結びつくそれらが一つひとつ丁寧に描かれると、そこで人生を大切に生きてきた人達の物語を肯定したくなる。 主人公の青年が、周囲の人々に助けられて創り出す新しい店の形も素敵だ。 古い物をただ否定するのではない、過去を大切にしたままで、新しい時代を迎える方法があるのではないかという、今までにない希望の様な物がそこにはある。 ここに住む人達の悲喜交々を、小さくても豊かな人生達をずっと見ていたい。生きる充実感でこちらも満たされる、少しずつ時の進む台湾の田舎の物語を、もう一度読み返したい。 (#1巻応援 としましたが、1・2巻同時発売なので2巻の内容まで含みます)