錬金術無人島サヴァイブ

サバイバルに錬金術が加わることでさらに面白く! #1巻応援

錬金術無人島サヴァイブ 保志レンジ 伊口紺
吉川きっちょむ(芸人)
吉川きっちょむ(芸人)

敵国の捕虜と、料理人と錬金術師が力を合わせて無人島サバイバル! https://comic-days.com/episode/3269632237329614255 軍の飛空艇が被弾し無人島に墜落。 生きていたのは、錬金術師と料理人、そして乗せていた敵国の捕虜の3人だけだった。 ここで料理人のジンは3人で協力して無人島をサバイバルすることを提案するが、錬金術師のニコは、敵国の兵士タクミと協力するのには抵抗感があり…。 「ファンタジー×サバイバル」という切り口ってたまにあることはあるんですが、焦点が違うところに定まってて、この漫画みたいなテーマではないんですよね。 よくあるものだと異世界ものが多いんですけど、結局魔法が使えたり、食材を簡単に用意できたりで、要はリアリティの線引きがかなりファンタジー側に寄ってるんですね。 それが悪いわけじゃなく、それはそれで気軽で楽しいです。 そして、この『錬金術無人島サヴァイブ』ですが、かなりリアル寄りのサバイバルの話で、そこにスパイスとして錬金術というファンタジーが乗っている。 さらに言えば、無人島でサバイバルの素人が生き抜くために「錬金術」という要素が生死を左右するポイントでもある、というのがポイント。 世界観は、「錬金術」がある以外は、食材や素材なども我々の現実と近いところにあるのでファンタジー要素は少なめです。 この作品でいう「錬金術」がどういったものかというと、すでにある素材の「分解」→成分の「抽出」→想定した物の「形成」という手順で実行される。 なので、無から有を生み出せるわけでもなく、素材に対する知識や形成するもののイメージがはっきりしていないと上手くいかない。 この作品内で上手いなというのが、それぞれの職業や関係性や能力の描き方。 例えば、錬金術師のニコは能力はあるけど、「形成」のイメージがあやふやで上手くいかない。 敵国の捕虜のタクミは、大工だったので設計図を書ける。 設計図を見て、明確なイメージがあれば、今まで上手くいかなかったニコの「形成」が上手くいく。 そして工具ができたらタクミによるDIYが炸裂する! でもニコとしては、非常事態とはいえ、自分の家族を爆撃で殺した敵国のパイロットと協力するなんて、という葛藤あるわけです。 そこを誰にでも平等な料理人のジンが二人を繋げたりしますし、食と医療が近いのもジンはかなり重要なポイントですよね。 錬金術もニコの能力による制限があって、ある程度より質量が大きいものは無理だったり、やはり何でもありじゃないのがいいんですよねー。 大きいものもできたら船作れちゃいますもんね。 そんな様々な事情が絡み合って、いろいろなものをDIYしながらサバイバルが進んでいくのです。 単純に面白い! これからも楽しみにしてます!

GS美神 極楽大作戦!!

あなたは時給250円で働けますか?

GS美神 極楽大作戦!! 椎名高志
名無し

あなたは時給250円で働けますか?  多くの人が無理だと言うでしょう。僕だって嫌です。しかし、『GS美神 極楽大作戦!!』の横島忠夫は、雇い主がもう辛坊たまらんいい女だったからという邪な理由だけで、この薄給バイトに命をかけます。かける事ができる男です。 『GS美神 極楽大作戦!!』は、美人で優秀で傲慢で強欲でボディコン(時代をうかがえる単語です)なゴーストスイーパー・美神玲子が笑いながら悪霊をしばき倒す、一言でいえばそんなマンガです。主人公は美神玲子ですが、主な読者であった中高生男子が感情移入していたのは、アルバイト・横島忠夫の方でした。 前述のように、横島君は労働基準法に真っ向から違反した驚異の時給250円(美神さん自身は大金持ち。大金持ちこそケチなものです)で赤貧生活を送っています。何度か「このままでは生活できない」と考えますが、美神さんの色香に迷ってやめることができない。下半身に非常に忠実です。そんな野獣のような横島君は、(人間として)汚い、いやしい、根性無し(エロは除く)の3拍子そろったダメ人間。プライドなんてものはとうになくし、もはや失うもののない彼は、それはもう、すがすがしいまでの本音を吐きだします。(師匠のようなものに、自分の力を信じろと言われて)「この世に自分ほど信じられんものがほかにあるかあああ」。(完全に追い詰められた状態で)「死ぬ前に一度全裸美女で満員の日本武道館でもみくちゃにされながら「ジョニー・B・グッド」を歌ってみたかったーーー」。中高生の心の底を代弁してくれた横島忠夫も、ゆっくりと成長していきます。ダメな部分があるからこそ、物語のだれよりも立派に成長する横島忠夫の姿に、“共感”から“憧れ”を感じるように変わっていくのです。