みずかの~water girls in sparkle~

絵は綺麗

みずかの~water girls in sparkle~ 伸びた髪 生瓶鵜義
名無し

絵"は"綺麗。 ヒロインと主人公を絡ませる過程に無理がある。 そもそもシンクロは、きちんと基礎が出来てて初めて両者の競技が噛み合って成り立つのに、根暗メガネ(主人公)が自己満足的な正義感振り翳して介入してきただけなのに、「ペア組みます!」って覚悟決めただけでいきなり競技のスタートラインに立てるのは無理がありすぎる。 水泳競技を舐めないで欲しい。 後、スポ根と恋愛のどっちに振りたいかがいまいち分かりづらい。 本来主軸をどちらに置くかを明確にしてストーリーを組み立てるべきだと思うのに、どちらに主眼を置いて読んで欲しいのか、「おそらく恋愛かな?」程度にしか主人公とヒロイン双方の魅力(特に主人公)が伝わってこない。 恐らく根暗草食系男子を読者層のターゲットにした弊害なのであろう(読者層のマーケティングのズレによって、水泳競技に共感出来る層との認識のズレによる共感性の獲得失敗、ストーリーだけを楽しむ層に対するストーリーの甘さによる取り込みの失敗、と双方で失敗している事で、どの層をマーケティングの対象にしているか不明)。 そして、スポ根にしては、先述の通り主人公は天賦の才でもあったのかと善意解釈が必要で、全国クラスの優秀選手に立ち向かって行く無謀な勇気だけはお情けで評価してあげてもいいのかもしれない…。

特別じゃない、君が特別。

主人公になれない主人公 #1巻応援

特別じゃない、君が特別。 あむ
兎来栄寿
兎来栄寿

先月完結巻の2巻が発売した『私が15歳ではなくなっても。』で、その異才を遺憾なく発揮していたあむさん、やはり好いです。 『うちのアイドルが可愛いすぎる! アンソロジーコミック』に収録されている、あむさんの「特別じゃない、君が特別。」。こちらを単話で買って読むこともできます。シーモア先行配信で1ヶ月前に発売していましたが、今日から他の電子書店でも展開されているようです。 まず、表紙絵の引きが強いですよね。今をときめく『【推しの子】』にも負けていないと感じます。そして、その画力がかわいい部分だけでなくエグい部分にも用いられているのが良いです。 アイドルアンソロ収録作品ということでアイドルを題材にしており、『私が15歳ではなくなっても。』ほどまではダークではないのですが、輝くスターたちの裏で燻って儚く消失していく地下アイドルの、現実にもあるであろう無数の物語のひとつが描かれます。それはまるで、小さな星の輝きを太陽がまるごと飲み込んで巨大な力で宇宙から消失させてしまうかのように。 自分のマイナスの立ち位置を正しく認識して、すべき努力を言語化して、少しずつでも前に進もうとするその先に待ち構えるもの。短編だからこそ描ける特別ではないから特別で、主人公ではない主人公。 「夢を追う時」から始まるモノローグは蓋し名言です。 あむさんの描くマンガをもっともっと読みたいと思わせてくれる、24Pです。

葬儀屋タケコ~あなたの最期、叶えます【電子単行本版】

理想の葬儀を叶えてもらえるとしたら #1巻応援

葬儀屋タケコ~あなたの最期、叶えます【電子単行本版】 高山繭
兎来栄寿
兎来栄寿

あなたは、自分の葬儀をどのように執り行って欲しいですか? 私はとりあえず吉野山に灰を撒いてもらえればそれ以上望むことはないのですが、高校生の時はMALICE MIZERの「虚無の中での遊戯」を葬式のBGMにして欲しいな〜などと思っていました。 35歳の主人公の健子は、結婚を考えていた恋人が実は妻帯者で、別れた後に自分も妊娠していたことを流産した後に知り、敗血症になり3週間入院して、会社を辞めて実家に帰るという過酷なスタート。 再会した幼馴染から仏具屋さんが葬儀屋さんになることも結構ある、特別な資格の取得なども必要なく本人のやる気次第という話を聞いて「ご本人様プロデュース葬」を行う葬儀屋を開業する準備を進めていきます。 葬儀とはいっても、死後のことばかりではなく生前葬という選択肢もあり、しかも多様化の現代にあってはもし望むならいろいろな形が可能になるのだなと考えさせられました。 恋愛関係に発展することを匂わせる良いメンターや、 「商売はアイディアとご縁!」 と、勇気づけてくれる顧客との出逢いもあり、周囲の温かい協力も得ながら少しずつ社会復帰を進めて行く様が良いです。誰かに喜んでもらえる仕事ができることで、自分自身も再び笑顔になることができる。人の世の素敵なサイクルに、読んでいるこちらも温かい気持ちになります。 しかし、葬儀に際しては人間の醜い部分を見ざるを得ないこともあり一筋縄では行かないだろうなということも強く感じさせます。時には失敗もしながら、それでも失敗した時こそチャンスでもあるということもエピソードで描いていきます。 男性ふたりと三角関係になる部分も見所のひとつでありつつ、少し変わっていながら誰にとってもいつか関わる仕事マンガとしても、一度大きな挫折をしてしまった人が人生を立て直す普遍的に誰かを勇気付けられる物語としても味わえる作品です。