完結したマンガの感想・レビュー16034件<<557558559560561>>お習字ではない「書道」の世界とめはねっ! 鈴里高校書道部 河合克敏たか主人公の設定が、「ガチャピンみたいな顔した大人しいカナダ育ちの帰国子女」ってそれだけでもう面白い。絵に描いたような文系少年と、柔道全国レベルの体育会系少女が出会う王道のボーイ・ミーツ・ガールが、書道というテーマがあることでいっそう面白みが増している。舞台が鎌倉なのも洒落てる。 「書道って読めないし、昔の詩を書いてるし難しそう…」と尻込みしてしまうが、海外育ちで全く書道の知識がない縁(ゆかり)が主人公のおかげで、初歩からすんなりと楽しみながら学ぶことができるのがいい! お習字の先にある書道という世界を垣間見たいなら読むべし!寡黙で粋な奥さん粋奥 日本橋ヨヲコ 木内亨starstarstarstarstarひさぴよ『G戦場ヘヴンズドア』連載終了後に月刊IKKIにて掲載された短編で、スーパーヒーローのような奥さんが活躍する話。 寡黙に淡々と家事・掃除をこなし、日常で巻き起こるトラブルを颯爽と片付けていく様にシビれます。作中ではほとんど何も語らない奥さんですが、その行動やしぐさだけで、夫や周囲の人への深い愛情がとてもよく伝わり、G戦場や少女ファイトのような力強いメッセージとはまた別のやさしさに満ちた作品になっています。後半には「日本橋メソッド」なる創作過程を丁寧に解説したコーナーが載っていて、漫画志望者にとって参考になると同時に、日本橋ヨヲコ先生の創作技法を知りたい方も必見の内容です。作者の姉フェチ×掃除汚物は消毒です 田口ケンジ名無し作者の姉へのこだわりを感じる作品。掃除の技術をわかりやすく説明すると同時に魅力的な姉も描いているのがすごいあらすじのせいで損している気がする京都札の辻下宿 どおくまんプロ どおくまんstarstarstarstarstar_borderマンガトリツカレ男あらすじはいかにも「どおくまん」っぽい表現になっているがこれは第一話のあらすじで2話以降は下宿の人間模様や辻本と鈴木の友情などいい話がばかりだった。 最初の方は辻本が主役で後半は鈴木の漫画を書くことメインになっていく。 インタビューとかを読んでから読むとちょっと自伝っぽい これは映像化が全く期待できないテロール教授の怪しい授業 カルロ・ゼン 石田点sogor25カルト対策の啓蒙的な話って往々にして「見ている世界を信じるな」という話に終始しがちで、この作品もベースは同じなんだけど、自身の考え方をどう持つべきかという観点が強めに語られるので新鮮さがあるし、その語り口に教授のキャラは合いすぎてる。 こうして客観的に創作物として見ると面白く読めるけど、カルトの勧誘とかを実際に体験してるかどうかで内容の理解度は大きく違いそうな気がする。実世界での経験値がないとそれこそこの作品を盲信してしまいそうな引力がある。 しかしお話もなかなかにヤバいんだけど、いろいろと実名をバンバン出してるのは大丈夫なの? 1巻まで読了。ちょっとだけ大人のときめき水の色 銀の月 吉田基已かしこ大学生活6年目の美大生とちっちゃくて可愛い少女のような女子高生が年の差恋愛をする関係を軸に、友人達の恋愛模様も描かれる。親友と元カノが付き合ったりするので相関図にしてみると結構フクザツかも。でもどれもいい話。 回を重ねるごとに絵が上手くなってく進化も楽しい。身体の関係もあるので高校生だけど割と大人の話なのに、ふと少女マンガの目になったりしてそれがまたドキッとする。やっぱり良かったメタモルフォーゼの縁側 鶴谷香央理櫻子前々から気になっていたものですが、このマンガがすごい2019オンナ編1位に選ばれ、面白さが保証されたので読みました() 想像してた通りの優しい話です。細い線で優しく描かれたマンガ。BLと言ってもどぎついヤツをぶっこんでくるわけじゃなかったので、どなたでも楽しむことができます。「おばあちゃん」ってなんでこんなに好印象なんでしょうね。 力技の強い何でもアリなラブコメフラレガール 堤翔sogor25※ネタバレを含むクチコミです。「鬼に横道なし」!鬼カッコイイ復讐譚開幕鬼哭の童女 異聞大江山鬼退治 麻貴早人mampukuツイッターで公開されていた1話を読んで即購入。 源頼光麾下、渡辺綱擁する四天王に討伐された悪鬼・酒呑童子が主人公。おどろおどろしいタイトルに鬼気迫る少女の表情、そして帯文「源頼光、貴様を殺す!」。いざ中身を読んでみると、これらから受ける印象とはかなり違った主人公像が浮かび上がります。 とくに第2話で登場する「源頼光、貴様を殺す!」というセリフ、「そうきたか!!」と天を仰ぎました。めちゃくちゃエモいので必見です。 この悲痛な復讐譚はまだ始まったばかりですが、とにかく続きが楽しみです。読み終わるとプレイボーイになるマンガプレイボーイ侍 原克玄たかマンバの新刊で見つけてジャケ買いしたけど最高だったww 1巻読んだだけでかなり侍・天谷の思考に近づく…!! 小向がモテ本にオトされたように、自分もまた「プレイボーイ侍」というマンガにオトされちまった...! 【ジャケ買い成功】究極のガールズバトル漫画爆誕【画力フェチ必買】ヒロインズゲーム 緒里たばさmampuku「赤ずきん」「白雪姫」といった童話のヒロインたち13人が一堂に会し殺し合いをする話。ちなみに主人公の名前はアリス。武道館を埋める人気アイドルが一転挫折し傷ついた先でこの異世界に迷い込み、そこからは不思議の国も真っ青な怒涛の展開の連続。この先どうなるかストーリーの予測がまるでつきません。 絵に関してはほとんど満点と言ってよさそうな素晴らしい出来。アリスも可愛いし背景も素敵だしバトルも迫力あり。なのより濃いのに見やすい。バトルのあるファンタジーとしては文句なしトップクラスのクオリティなので、たとえジャケ買いしたとしても損はしません。少年少女の過ごすディストピア日常を描いた、傑作SF漫画地球の放課後 吉富昭仁にわか謎の現象ファントムによって人類のほとんどが消えてしまった世界で、少年一人と少女三人が過ごす日常を描いたSF漫画。 めっちゃ面白い。誰もいないことをいいことに楽しく日々を過ごす四人だがが、裏には不安や恐怖がある。一方で、何気ない描写の中には幾重にも張られた伏線が……。これだけ広げた大風呂敷を見事に畳む力は、さすが吉富先生!の一言。石黒正数の世界とかが好きだと合うかもしれない。最高なのでぜひ読んでみてほしい寂しい日の夜に読む漫画夜とコンクリート 町田洋にわかなんというか町田洋という作家が描く空間は、人の心象風景から紡がれた物語を描く作家という印象がある。ちょっと変わった世界なのに、そこに抵抗感を一切覚えない。むしろそういうものもあるんだと、するりと頭に入ってくる。建物が聞こえる男も、夏休みの街にいた男も、島と話していた少年もどこかにいる気がする。そう考えたとき、なんだか気持ちが落ち着く。 平坦な日常のリアリティーがすごいかよちゃんの荷物 新装版 雁須磨子かしこアラサー女子マンガとして変化球かも。主人公かよちゃんにとっては山あり谷ありなんだろうけど、無職になって激太りしてもダイエットに成功したり、町の雑貨屋に正社員としての再就職も決まるし、ちょっといいなと思ってたマイペースな若社長や、オカルトマニアの美容師とは、全員まとめて手作り餃子パーティー仲間に落ち着いたり、結局は丸く収まってるところに共感する。登場人物のキャラがみんな地味に濃いのも好きなポイントです。絵にサバゲの楽しさが溢れかえってるサバゲっぱなし 坂崎ふれでぃ名無しスリルを求めてたハイテンションの女の子がサバゲ沼にドップリと漬かる話。オタク特有の仲間をどう自分たちの好きなものにハメるか、みたいな思考がちゃんと描かれていて、楽しい。さらにそういう目論見の斜め上に行くくらいドップリ主人公がハマっていくのが最高。サバゲの楽しさがブワーッと伝わってくる。正真正銘の「悪女」隣の悪女 玉木ヴァネッサ千尋にわかこの話は本当に「悪女」なところが面白い。それもキャラクター的な「悪」じゃなくて、人間的に悍ましい邪悪。エゴによって人を蹴落とし、処分し、自分のものにする。あまりにも上手く行き過ぎてるとこが少しリアリティに欠けるが、なかなか良い。どうも本誌での連載は終わり、アプリ「ヤンジャン」に移籍される様子。まぁたしかにWeb向きといえばそうだなぁ。 JKのモノローグの変化がじわじわ刺さる墜落JKと廃人教師 sorasogor25最初は教師のほうがガンガンアプローチを掛けてきてて、それをJKが受け流し気味だったのが徐々に気持ちが移っていく、でもJKはそれをモノローグでしか語らなくて基本お互いローテンションで進む、というのが新鮮な組み合わせ。ラブもコメディもちゃんと両取りしてる。 3巻まで読了。小規模デザイン会社のリアル鴨の水かき 空木哲生hysysk「山を渡る」が面白かったので読んでみたら、大好物のデザイン業界の話だった。デザインの大変さと難しさ、でもそこが楽しい!という部分がすごく活き活きと描かれてる。この作者は好きなことに打ち込む人の話がめちゃくちゃ上手いと思う。 正解があるようでない感じ、癖のあるクライアント、クライアントの会社の人間関係や政治、気合いの入ったプレゼン、自分が作ったものを思いがけず目にするなど、あの苦労と快感を味わった人なら確実に「これ、あるわ〜」となるはず。 でかい会社じゃなくて、個人が立ち上げた小規模なデザイン事務所が舞台なとこも良くて、近所づきあいとか、ランチの様子とか、普通の生活にデザインが入ってくるところが好き。リアルな部分とマンガ的な演出が絶妙で、もっと続いて欲しかった。回想する主人公の語りがエモいナナシ ~ナくしたナにかのさがシかた~ 片山愁 藤野晴海たかネットで読める1話だけ読んだけど、カラーの色遣いがきれい! そして最後のページが、枠線から木の葉が飛び出している立体的な画面になっているのが好き 今のところ3話(2019年1月号)まで出てるけど、主人公2人の関係、見えない幽霊、タイトルの「ナナシ」が一体何なのか続きが気になる http://www.shonengahosha.co.jp/tachiyomi/ScrollView_pt0005bad8f41ce99b/ 黄金の精神をもった女児秘密のチャイハロ 鈴木おさむ 桜倉メグたかコンビニコミックにありそうな「本当にあった嫁姑」みたいなエグい展開と、小学生女子向けの絵柄のギャップが新鮮な作品で、人の悪意に決して屈しない主人公が熱い! 原作は脚本家の鈴木おさむが書いているため、ストーリーのクオリティについては安心して読めるし、作画もとても丁寧で少女漫画らしいところがいい。 主人公・愛は女手一つで育ててくれる母を助けるため、エゲツない依頼を受けて金を稼ぐことを決意する。 しかし金を稼いでも、金の出どころであるチャイハロのことは言うことができないため、住まわせてもらってる屋敷の女主人やクラスの女子から痛くもない腹を探られる。 大人でも参ってしまう過酷な状況でも、愛は決して折れない。悪には立ち向かい、弱者に手を差し伸べる。何度貶められ陥れられようと目の光を失わない。ものすごくタフで、黄金の精神の持ち主なのが清々しい。 学校の華嵐先生がいい人なのが唯一の癒しだけど、だからこそ裏切られたらと考えると今から不安...オシャレなSFロボ・サピエンス前史 島田虎之介名無し絵のテイストは手塚治虫で、コマ割りは現代。 キャラクターのやわらかな曲線と、大きな文字の描かれた建物のシュッとした直線。 画面が白と黒、直線と曲線で構成されている統一感が美しい。 ストーリーはとてもSFらしく、主人公の語りが雰囲気を出してる。 1話のコバヤシ(ロボット)との会話の「ヘイ、Siri」感が好き http://morning.moae.jp/lineup/1044 https://comic-days.com/episode/10834108156677473461良い読切だよもっと描いてくれ!その才能分けてくれ! オノデラユズカオ名無しマンバの本日発売で見てジャケ買いした(¥108) イラストレーターでもあるマンガ家さんが描いたマンガらしく、ザラザラした太い線の温かい感じが良かった。 31Pの中でテーマがちゃんと描かれててユーモアも入ってるのが見事! 教育実習生の先生が高校生小説家の先生の才能に憧れ、徹底的に平伏しているのが好き。わかる...自分が敬愛する天才の方を前にしたらそうなる。 ストーリーの「素晴らしい才能に価値を感じず能力を活かさない天才に、凡人がなんとか才能を発揮させようとする」パートは、天才側からしてみれば望んでないことを押しつけられているわけで、読んでる間は少し主人公側の言動に諸手を挙げて賛成はできなかった。 ...が! 物語の結びで主人公の行動のおかげで天才高校生小説家先生が助けられ、主人公も自分の憧れに携わる仕事をしていることで、キチンと劇中の行いが報われてたので読んでいて気持ちよかった。 「天才には才能を発揮する義務があるんだっ!!」というセリフが熱い。 全世界の天才に届け クロス・マネジのKAITO最新作青のフラッグ KAITO地獄の田中※ネタバレを含むクチコミです。この新連載はいいぞ!メイコの遊び場 岡田索雲starstarstarstarstar吉川きっちょむ(芸人)舞台は1973年の大阪、常に眼帯をしていて普通の遊びすら知らない不思議な目を持つ少女の話。 特別な力を持つ少女メイコは、夜は謎のおじいさんに連れられ裏稼業をしているが、昼は一人公園でぼーっとしている。 そこへ、近所の子どもたちが声をかけ一緒に遊んだりする。 昼に覚えたアナログな遊びで、夜に人を壊す。 その中に、一人、つげ義春の「ねじ式」の主人公そっくりの子がいて、名前がヨシハルだった小ネタに笑った。 が、果たしてそれが小ネタなのか。 ねじ式は、眼医者ばかりの道を通るときに不気味な「目」の看板がたくさんあり、悪夢のような歪さと支離滅裂な言動、突飛な展開が続く。 このメイコの精神世界こそがまさに「ねじ式」のようであった。 そしてあの目である。 「ねじ式」が描かれたのが1968年だから舞台設定とも近い。 何かアイデアのモチーフになっているのかもしれない。 これからどんどんいろんなアナログな子供の遊びと、その遊びで壊すことを考えるとワクワクする。 楽しみだ~!<<557558559560561>>
主人公の設定が、「ガチャピンみたいな顔した大人しいカナダ育ちの帰国子女」ってそれだけでもう面白い。絵に描いたような文系少年と、柔道全国レベルの体育会系少女が出会う王道のボーイ・ミーツ・ガールが、書道というテーマがあることでいっそう面白みが増している。舞台が鎌倉なのも洒落てる。 「書道って読めないし、昔の詩を書いてるし難しそう…」と尻込みしてしまうが、海外育ちで全く書道の知識がない縁(ゆかり)が主人公のおかげで、初歩からすんなりと楽しみながら学ぶことができるのがいい! お習字の先にある書道という世界を垣間見たいなら読むべし!