完結したマンガの感想・レビュー16082件<<335336337338339>>中原裕の新連載! 30代となった高校バンドメンバーの再結集し…!?テルカンボーイズ 中原裕名無し※ネタバレを含むクチコミです。女子高生達の無人島サバイバルソウナンですか? 岡本健太郎 さがら梨々カナタ修学旅行中の女子高生四人組が乗っていた旅客機が墜落し、無人島でのサバイバルを強いられる、というお話。コメディやお色気要素も織り交ぜながら、 サバイバルの豆知識が楽しく学べる漫画です。 完全版じゃない方から読んでみるクリームソーダシティ 長尾謙一郎名無し「ここで終わったのか…」を味わってみたかったので、クリームソーダシティ 完全版ではなく普通の単行本の方を読んでみた。なるほど皇先輩がラフォーレの屋上から飛び降りて、TACO介がクリームソーダシティを思い出すところで終わるのか。偶然だと思うけど割とキリがいいところではある気がする。漫画ってぶつ切りみたいな終わり方がよくあるから、自分はこれで終わりですって言われたら受け入れちゃうかも。作者の方が消化不良だろうな。読んでて過激っぽいセリフがあるとハラハラしてしまって、我ながら不健全な楽しみ方だなと思った。やっぱり完全版の方がなんとなく安心して読めるから、そっちを読んだ方がいいね。内臓までエンターテイメントにできる天才腸よ鼻よ 島袋全優野愛世界一面白い闘病漫画ここにあり。 漫画家を目指すうら若き女の子に突然訪れた悲劇、なんだけど読んだら絶対笑う死ぬほど面白い漫画です。 漫画を描いては入院し手術し、退院して漫画を描いては入院し…という楽しくないはずの日常をひたすら楽しく見せてくれます。 クソな医者にあたったことも、駅のトイレ使っただけで感染症になったことも、成人式行けなかったことも全部全部笑いにするんだから全くん(お姉さんの呼び方で呼びたい)すげえな!かっけえな!ってなります。 全くんがストーマの袋たっぷんたっぷんにしながらプロレス観戦して一緒に写真撮ったスーパーマンタロウの中の人より元気に生きてるもんな。マンタロウの中の人は最近病んでてちょっと心配。嫁かわいいのにな。 いちばん笑ったエピソードは美容師にリーゼントにされて海に行った話なので病気あんまり関係ないですね。 腸があろうとなかろうとこの人は世に出ていただろうという面白さ。自分の内臓までエンターテイメントにできる人間なんてなかなかいないよ、天才としか言いようがない。 ガンマと言えば腸よ鼻よとはずネジが二大巨頭よね。異論は認めません! タイトルは直球だけど内容はかなり突飛学園恋愛者! 栗原まもるnyae恋愛禁止の女子校に入ったものの、コッソリ恋愛をしようとしてしまう主人公。バレた時にはもう大変。犯罪者扱いです。しかし、いずれ学園の横暴なやり方に反発し、校則をも変えてしまおうと、立ち向かうというストーリーです。 禁止されてるから燃え上がるのか、純粋な恋愛をしているのか。つい周りが見えなくなってしまう幼稚さもある10代の恋愛が、学園から受ける仕打ちによって冷静に俯瞰で見ることができるようになるという構図が面白く読めます。 なにより自分は栗原まもる先生のユーモアセンスと緩むことのない猛スピードなストーリー展開のファンで、この漫画もそれをこれでもかと味わうことができるので好きなんです。 また、脇役キャラとして出てくる松木さんというわりとボーイッシュな見た目の女子がいるんですが、その子の見た目が本当に好きで、大袈裟ではなく惚れます(正直、いちばん強く言いたいのはこれ)。あまり恋愛に関心が高くなさそうな松木さんが、違反者が入れられる反省棟で主人公と出会うのは、なぜなのか。そこには切ない理由があるんですけど、松木さんを主人公にしたスピンオフを描いて欲しいくらい良いんです。 ▼松木さん(右)どれを読んでもよしながふみ先生らしい作品だったソルフェージュ よしながふみ名無し表題作の「ソルフェージュ」は小学校の音楽教師の男と声楽家になりたい男子中学生の話なのですが、二人の関係のことで教師が悩んでいるたびに、そのことに気づいてくれる教え子の小学生の女の子の存在が印象に残りました。 他にも4本の読み切り(「本当に、やさしい。」「パンドラ」「昨日よりいつも違う日」「すこしだけ意地悪な告白」)が収録されていますが、ふと思い出すとしたら表題作よりもこちらの読み切りかもしれません。私は「すこしだけ意地悪な告白」が一番好きです。アイドルを好きになることのポジティブな効果おじさん、ドル活はじめました! シバタヒカリhysysk私もおじさんですが最初にK-POPを好きになったのは約10年前。KARAや少女時代、2NE1が活躍していた頃です。f(x)が初来日すると聞きつけて東京国際フォーラムにも行きました。めちゃくちゃ女性客が多くて、こんなに女性のファンがいるのか?と驚いたのですが、一緒に出演していたSHINee目当てだったことが判明(青春不敗というテレビ番組の記念イベントだったのだけど、そういう文脈を知らなかった)。女性ファンのお洒落さと、いい匂いに衝撃を受けました。 当時男性ファンが中心のアイドル現場に行くと、悪臭で不快な思いをするし、服装もだらしないので、正直周りから同類だと思われたくないという気持ちが強かったのですが、女性ファンには「好きな人に会いに行く」という意識を感じました(握手の前にお手拭きを使っている人もいた)。 前置きが長くなり過ぎました。 話自体はおっさんがアイドルを好きになることで、会社でも若者と打ち解け、家庭の絆も深まり、いいことづくめというご都合主義的なもの。でも、これ実際本当にいいことづくめなんですよ。アイドル達はダンス、歌、語学とあらゆる面で努力しており、その姿を公開しています。ファンはそれに刺激されて、自分も頑張ろうと思う。そういう熱量が描かれています。熱量だけでなく、節度(自分の振る舞いが周りにどう影響するか)についても。当初は3話の予定が7話になったとのことですが、もっと長く続けて、K-POP業界の仕組みや文化(カムバックとかトレーニングとかオーディション番組とか)も解説的に描いて欲しかったです。 私もNizi ProjectをきっかけにK-POP熱が再燃、TWICE、ITZY、BLACKPINKとはまっていき、挫折した韓国語の学習も再開し、ようやくハングルは読めるようになりました。早く歌詞や会話をダイレクトに理解できるようになりたい。そして踊れるようになりたい。。 祝実写化、というわけで振り返る夢中さ、きみに。 和山やまさいろく振り返って読んだが、これは確かに何回も読んでも良い作品だった。 2回目も十分に楽しめました。 私は小松くん(中3)と目高くんが好きです。 実写化では林が主役のようだけど、話ごとに〆がある作品だしどうするのかな?というのは気になる。 全部やるなら二階堂誰がやるんだろう。引退宣言ドカベン プロ野球編 水島新司名無し※ネタバレを含むクチコミです。今年最高峰のBL潮騒のふたり 遠浅よるべ兎来栄寿すっかり寒くなってきましたね。寒さには強い私もとうとう暖房を使うようになってきた今日この頃ですが、この『潮騒のふたり』は読んでいるだけでじっとりと汗をかく蒸し暑さを覚えるような、そして同時に胸を焦されるような、異様で夥しい熱量を放っています。 1994年、関西のとある中学を舞台に、不良新任教師・屋敷と8歳年上の人気教師・比奈岸の恋愛が描かれる物語です。 90年代半ばという時代設定を非常に丁寧に巧みに描いており、令和3年にもなろうという時期にこんなにエモいポケベルでのやり取りを見られるとは思っていませんでした。 絵も設定もディテールが丁寧で素晴らしい作品なのですが、特に好きなのはインモラルで奔放な屋敷が教師用の格安アパートを借りずにわざわざ自分で部屋を借りているその理由です。普段の彼の姿からは想像もできないロマンチシズムの発露とそのギャップは、人を好きになるのに値する良いエピソードでした。 屋敷の刺々しくも内にある柔らかなもの、比奈岸の順風満帆に思える人生の向こう側にあるもの、その二人の交わりによって生まれる化学反応、そして変化に胸の奥が疼きます。 こうした描写の積み重ねによりキャラクターにも肉感が与えられているからこそ、まだBLという言葉が浸透していなかった頃の、男性同士での恋愛の禁忌性が今より遥かに強かった時代設定が輝いています。また、今よりも更に厳格さが求められまだ体罰などもあった時代の、規範たるべき教師としての葛藤も美味しいです。 オタクという言葉がまだ平仮名で書かれていた時代の不登校のおたくである女子生徒が長野まゆみ、銀色夏生、栗本薫が大好きというシーンがあるのですが、90年代にその辺りを読み漁っていた人間として非常に強い共感を覚えると共に懐かしさに浸りました。 50ページ以上の描き下ろしがあり、webで読んだ方もこの結末は必見です。 BL作品でそれなりに交合するシーンも描かれはするのですが、それでもこれは男性と男性でありながら人間と人間の普遍的で切なく狂おしくも愛しい物語であり青年マンガ的な側面も強いので、普段はBLは読まないという男性にも、『コオリオニ』位なら大丈夫というマンガ好きの方にもお薦めしたい作品です。 様々な部分で好みは分かれる作品であることは間違いないですが、それでも今年のBLの中でも個人的にはトップクラスです。 ポエミー忍のメタギャグ漫画!伊賀ずきん たなかのかあうしぃ@カワイイマンガ私はこの作品を、同じたなかのか先生の『タビと道づれ』『すみっこの空さん』の後に読んだので、最初ずいぶん単純化された画面に驚きました。しかし本作がギャグ作品であると分かり、読み進めていくと、このタッチがまあ笑わせてくれること。 本作は戦国時代の忍びのお話ですが、服部半蔵と名のつく人を、こんなにもテキトーに描いていいのか……と愕然。割と時代設定はきちんとしているのに、すぐに現代ネタを繰り出してみたり、マンガである事をネタにしたり(画像参照、3巻より)、枠組みをずらすメタな笑いが次々と。 物語は忍びでありながら冷徹になれず、心を捨てられないくノ一・伊賀ずきんの葛藤を軸に、美しさ・愛らしさ・友達・自己規定といった事柄について詩的に哲学的に考察しており、デビュー作にして既に「たな節」炸裂!ギャグ漫画にも関わらず読み応えがあります。 くノ一として適性がなさそうな主人公のドタバタコメディとポエミーな台詞のコンビネーションに、思わず吹き出したら負けです。いや勝ちか。地図にない場所感想#1巻応援地図にない場所 安藤ゆき名無しネタバレでもなんでもないこと言うとこの作中で主人公が「俺より終わってそうなやつが見たい」独白するんですよ。 こんなの共感しかないと思いませんか。 流石に中学生の「もう終わった」は共感できないし人生ナメてんのかと思ってしまいますがどの年齢でも自分より最低なやつをみてホッとしたいと思うのはもはや人間の本能か何かだと思います。 まだ一巻ですが簡単に言うと「落ちた人間」と「落ちたと思ってる人間」の話かと。 真逆な、いや、似ている境遇の人間が出会った時にどう言う化学変化が起きるのか。 面白いなと思ったので一巻応援です。 テセウスの船、東元俊哉の新連載…プラタナスの実 東元俊也 東元俊哉名無し壮絶なストーリーでありながら家族の繋がりみたいな物を書かせたら一番な方だと思っています。 小児科医モノは多々あれど、なぜかスッと頭に入ってくる気がします。 症状からあらゆる可能性を考え出してしかもそれをつなぎ合わせて一つの病名に結論づける。 どの医者もそういうことをやっているのだとは思いますが、小児科医とはなかなか言葉で説明してもらえないぶん難しそう…。 主人公の人柄が一話の段階で垣間見えるのがいいですね。 どっちかっていうと子供を見る大人というより子供と一緒の目線になって看る大人。 しかもそれが嫌味たらしくなく、自然とできる。 本職の小児科医はどんな方が多いのかわかりませんがこんな小児科医が多かったらいいだろうな…。 というか自分が子供で腹痛だった時に診て欲しいw まだ7話そこらですがもう10巻ぐらいのコミックスで読んでみたさあります。 数ある少女漫画の中でも間違いなくベストカップル!!イタズラなKiss 多田かおる名無し子※ネタバレを含むクチコミです。さすがに可愛いうちのトイプーがアイドルすぎる。 道雪葵野愛トイプードルが可愛いなんて何を当たり前のことを、と思うけどトイプーさん可愛すぎる。 道行く女性には懐くのに犬同士では仲良くなれなかったり、こたつでぬくぬくしたり、すぐ疲れたり、表現はおかしいけどとても人間味があって可愛いのです。というか愛おしいのです。 お家帰ってこんな可愛いトイプーさんがいたら幸せだよなあ。一緒にこたつ入りたい。やっぱ別マガすげぇ…!!利き手を怪我した少年が再起する衝撃のテニス物語神様はラケットを振らない 志田ゆうすけ 丸山りんたか※ネタバレを含むクチコミです。 2052年、人型アンドロイドと人間の関係を描いたSF! #完結応援アンドロイドタイプワン YASHIMAたか※ネタバレを含むクチコミです。明日のない町で、貴方を探すタビと道づれ たなかのかあうしぃ@カワイイマンガ五年ぶりに帰った町で、女子高生のタビは途方に暮れる。そこは「今日」を繰り返す町になっていた。大切な人に会いに行きたいのに、町の中に入る事も出来なくて……。 ▲▲▲▲▲ タビは降車駅を起点に、不思議な事態に気付いた家出青年と警官と共に、町を調べる事になる。 町に入るには、特定の路を自由に操る能力が必要。流れ星が与えたその能力の謎、能力者達の思惑や能力の授受を巡り、複雑で繊細な、ハラハラする物語が展開される。 タビは酷く内向的な子。彼女と関わる人々も「夢が叶わない」「思いが届かない」という重さを抱え、終始切ない。迷える人の内面みたいに複雑な「緒道」の路地。懐古調の風景はどこか未来を拒む様で、懐かしくて少し重い。 己を否定し闇に消えたがる人を救うのは、握手し・何かを分け合い・引っ張る手。他人と手を繋ぎ・星が星座になったら・時はぐるぐると動き出す……という感じの壮大な優しさの物語は、「緒道」の光景と共に私の孤独を癒してくれる。小説を書くためにヒロインとの出会いを待ち続ける男江波くんは生きるのがつらい 藤田阿登ANAGUMA小説家志望の江波くんは理想の処女作を書き上げるため、実生活で運命のヒロインと出会いを待ち続けているという思い込み激しい系の陰キャ大学生です。 しょっちゅうカワイイ女の子との遭遇イベントを発生させてるのですが、なんだかんだ理由をつけて「ドラマチックじゃない!不採用!」とすべてのフラグを叩き折り、自らの殻に篭もろうとするありさま。読んでる側としては「十分ドラマチックだから!」とキレそうになること間違いなし。えっ…選り好むな…! 情けない態度ではありますが実のところ「これくらいのドラマではいい小説を書けないかもしれない」という執筆へのプレッシャーからきているものなのです。単純なロマンチストというわけではなく、江波くんの場合は女性との距離と創作への怯えが密接に結びついていて、これが面白いところですね。 そんな彼のイカれた生態に目をつけたのが同級生の清澄さんで、この女もヤバい。江波くんの自我が苦しむさまを見ることに快楽を覚える愉悦系ヒロインで、彼の周囲をかき乱し続けます。江波くんVS清澄さんの自我バトルが衝撃の形で決着する最終回、見届けてほしい。 江波くんの生き様を通じ、創作と自意識が孕む闇が炸裂しながらも面白かわいく描かれています。身に積まされながら楽しく読めました。江波くんのデビュー作読んでみたいですね。 あらゐけいいち先生の…日常 あらゐけいいち大トロあらゐけいいち先生のギャグのセンスは本当の意味で唯一無二だと思います。 悩みがあるときに日常読むとすべてどうでもよくなって、とりあえず散歩でもするかという気分になります美術館でのお仕事わくわくライフ!美術館のなかのひとたち 黒田いずまANAGUMAそういえば美術館の学芸員が活躍するマンガって『ギャラリーフェイク』くらいしか読んだこと無いかも…と探していたら発見しました。 新人学芸員の近江さん、解説担当・森さん、展示担当・八斗島さん、監視担当・山之井さん(+謎の館長)を通じて、美術館のひとってこういう仕事をしているんだというのがわかりやすく描かれます。絵柄はとってもかわいいんですがこの4人の掛け合いがスピード感あって切れ味鋭いのが好き。 毎回力を合わせて展示を作り上げていくようすが「学園祭のノリだ!」って何度か作中でも表現されてましたが本当に楽しそうで、実際あったら行ってみたくなるような素敵な展示が次々出てきます。 端々に仕込まれた「あるある」は美術館の内情に詳しいひとや学芸員資格を持ってるようなひとが読んでもきっと面白いと思います。(胃が痛くなることもあるかもですが…) 「芸術ってゆるく楽しんでもオッケーだよね、いっちょ美術館行ってみっか!」という気持ちになる、にぎやかなマンガです!Finderの中でだけ笑う貴女は虚像?恋の撮り方 たなかのかあうしぃ@カワイイマンガカメラ漫画で、絞りを開放にした柔らかい光の描写が出てくると、もうそれだけでその作品は「勝ち」という気がします(例えば『ルミナス=ブルー』『彼女とカメラと彼女の季節』など)。そういう点ではこの『恋の撮り方』も、サイコーに「勝ち」の部類です。 写真部に入った男子は、笑わない三年の先輩に恋をする。そんな彼の秘密は、彼のカメラの中には先輩がいて、ファインダーの彼女はいつも笑顔という事。 明るい笑顔の先輩が見たくて、撮影に熱が入る男子。しかしその像は、現実の先輩ではない。更に同じ先輩に恋する二年の女子、そして先輩自身の、それぞれの不器用な恋心が綴られます。各人の撮影スタイルが、それぞれの恋の形と対応している、というのが興味深いです。そういう意味では、写真に心は映るのですね。 気難しい先輩に対して、屈託のないカメラの中の先輩は愛らしいけれども、彼女も一筋縄でいかない様子。虚実二人の先輩の複雑さを解いて、笑顔のポートレートを撮る為に奮闘する半年の物語は〈非現実的〉撮影ドキュメンタリー、という感じでしょうか。 定時制高校に通う人々の胸打つドラマ高校生を、もう一度 浦部はいむ兎来栄寿『あ、夜が明けるよ。』や『僕だけに優しい君に』で去年話題となった浦部はいむさんの新作です。端的にとても素晴らしかったです。 定時制高校へ実際に通っていたという作者によって、定時制高校の日常の悲喜交交が解像度高く描かれます。 主人公は、昼間は工場で働きながら夜は定時制高校に通う21歳の女性。周りより少し歳が上であることに引目を感じ、体育の時間にペアになる相手も見つからないというところから始まります。 それ以外にも、沢山の大なり小なり訳ありのキャラクターが登場し、群像劇が織り成されます。 真っ直ぐ一番人が多い通りを歩むだけではなく、脇道に逸れたところに咲いた花やそこでしか見られない景色に出会いながら、自分のペースで進んでいっても良いし、むしろその方が他の人が経験できなかった素晴らしい体験を得ることができるかもしれないのが人の生きる道です。 色々な人に出逢って、良いことも悪いこともあって、気づいたら前より人に優しくできるようになっていて、それが切っ掛けで人生が少しずつ良い方向へと回っていく。その様に、静かでありながら大きく胸を打つ感動を貰いました。 一冊を読んだ時の満足度は今年読んだ中でも上位で、ぜひお薦めしたい作品です。イタKiss以前の多田かおる先生の短編はるるよ!恋 多田かおる名無し※ネタバレを含むクチコミです。<<335336337338339>>
※ネタバレを含むクチコミです。