聖剣伝説 レジェンドオブマナ 新装版

ゲームをプレイした方に怒られること間違いなしの内容でお届け!(作者談)

聖剣伝説 レジェンドオブマナ 新装版 天野シロ
サミアド
サミアド

TVゲーム『聖剣伝説 レジェンドオブマナ』のコミカライズ。今は無きファミ通ブロスで連載していました。 作者はキングダムハーツのコミカライズでおなじみ天野シロ先生。 単行本5冊で綺麗に完結後、修正・描き下ろしモリモリの新装版2冊が発売。 続編が多くて全体のストーリーを把握するのが大変なキングダムハーツに比べると読み易いです。 最初から雰囲気やテンポが原作ゲームと大違いでギャグも多かったのですが、途中からストーリー自体が大幅に改変され最早スピンオフの別作品。お怒りの原作ファンが多数いらっしゃるのもよくわかります。 ただ、作品やキャラに対するリスペクトが感じられ天野先生の作風とも合っていて個人的にオリジナル展開は正解だったと思っています。長文は最低限で漫画らしく絵や間でキャラの感情やストーリーを伝えています。ゲームとは違った魅力があり『これはこれで!』が素直な感想です。 ファミ通ブロス休刊の影響で終盤が駆け足になったと言われていて 本来の形で読みたかった気持ちもありますが、ゲームとは全く違うこの作品らしいラストがとても好きです。 画像は新装版に収録されたカラーイラストです。猫耳ダナエ好きです。

末期ガンでも元気です 38歳エロ漫画家、大腸ガンになる

末期がんBL漫画家、ひるなまさんのガチ闘病

末期ガンでも元気です 38歳エロ漫画家、大腸ガンになる ひるなま
さいろく
さいろく

自分は幸いにもまだガンではない。と思う。 それでも本著を読んで色々心配になったし、励まされた気持ちにもなったし、終活が流行ってきている昨今ではこれは教本としても良いなと思った。 すごくライトにサラッと描いてくれてるけど、今もご健在だと良いなぁ。 自分の死を真剣に考えたこともなかった私からは何もかも新しく見えたし、参考になった。 頼むから長生きしてほしい。 ここからは余談ですが、先日うちの愛犬(12才・♀)もガン告知を受け、どうするべきか考えているところです。 人と犬は全然違うんだけど、うちの子の場合は元々心臓病があり、歳なのもあって麻酔がかけられないんで手術がそもそも出来ない状況。 在るのがわかってても切れないので、今後それが育ってしまうスピードもわからないし、育ったらいつヤバい状態になって急に逝ってしまってもおかしくはない。 告知を受けた後は正直どうしたらいいかとか、まだ実感もできていないけど、愛犬が幸せに過ごせるように頑張るしかないなと思っています。 めっちゃ話飛んだけど、色々思うところがいっぱいあった本著で、自分もいつそうなるかわからない、愛犬は最後まで私に色々と教えてくれているなぁと思ったのでした。 余談でした。

火の鳥

「ヤマト編」の感想です!

火の鳥 手塚治虫
酒チャビン
酒チャビン

黎明編に引き続き、ヤマト編を読みました。 時代としては手塚治虫公式サイトによると、4世紀頃とのこと。物語としては、ヤマトタケルインスパイア(オリジナルの方を知らないのでどれくらい下敷きになってるのかわわかりませんが)です。 黎明編の最後で崖を登って旅立ったタケルが出てくるのですが、それが80年前とのことなので、前作は3世紀の設定ですかね。黎明編には卑弥呼が出てきて、卑弥呼は242〜248年ころ没とのことなので、大体そんな感じかもしれません。 黎明編のタケルが外界に出て作った国の名が「クマソ」なのですが、これはタケルのお母さんが生まれ育った国の名と同じで、黎明編で滅ぼされてしまっているのですが、同じ名前をつけているところがすごくジーンときました。 長さ自体は結構短く、1時間もあれば読み終わってしまうのですが、体感としてはかなり内容が濃く、読み終わった後の充実感がありました。 印象に残った一コマは、オグナがかなりサイケデリックな背景の中、火の鳥に笛を聞かせているシーンです。P-FUNK系の曲調だったのでしょうか。 作品のメッセージ自体は「生きる幸せとは」といったかなり壮大なものですが、作風がかなり砕けており、すごくわかりやすく読みやすいので、お子様にも安心してオススメすることができると思います。 次回は、作中の時系列で読み進めるということだと、「太陽編」の半分くらいが7世紀なのですが、もう半分が21世紀なので、前編8世紀頃の「鳳凰編」とどちらに進むか迷います・・

火の鳥

「黎明編」の感想です!

火の鳥 手塚治虫
酒チャビン
酒チャビン

https://manba.co.jp/free_spaces/39031?page=1 こちらで火の鳥が話題になっていたので、何度目かの再読を始めました。 読む順番については、今回は作品中の年代順(発表順ではなく)で読んでいこうと思います! まずは黎明編を読みました! まずはなんと言ってもストーリーが最高にいいですね!どこがというより、単純におはなしとして面白い!色々な意見があるとは思いますが、僕は何よりも「おはなしが面白い」ことを求めてマンガを読んでいるので、やっぱり何度も読んでしまいますね。 絵に関しては、特にめちゃ精緻な描き込みがされてるとかではないですが、所々で出てくるページ内で左右のコマ割りをせずに4コマみたいな感じで見せるところや、大きいコマを使ったりや、なんか眩しい感じであんまりよく見えない感じでの描写とか(上手く説明できないんですが、わかりますかね・・・)、現代の作家さんでもやってないような斬新な見せ方がすごく効果的で、ストーリーの面白さも相まってグイグイ惹きつけられます! (全然マンガの技法や絵の技術などについて詳しくはないのですが、素人意見で失礼しました・・) ちなみに一番印象に残ったシーンは、ナギが猿田彦の鼻をチューチューするシーンです! これは「こういうジャンルが好きな方にオススメ!」とか「〇〇が好きな方にオススメ!」とかではなく、読んだことがない方全員に自信を持ってもってオススメすることができるので、読んだことのない方はぜひ試し読みからでも読んでみてください!Z世代の方でも全然面白いと思います!!!

スイートモラトリアム

キラキラ眩しい地獄のような日々

スイートモラトリアム たまいずみ
野愛
野愛

地獄のようだけど、キラキラの青春のようにも見える。それが若さだよと言われたら苛立ってしまうけど、そうかもしれないなと思えるようになってきた。 モラトリアムを過ぎてしまった大人には、眩しいような恥ずかしいような作品だった。 彼女も友達もいて穏やかな日々を過ごしていた大学生・心の前に、元カノ・りんごちゃんが現れる。 何不自由なく真っ直ぐ育った真面目な今カノ・小夜ちゃんと、依存体質で破滅的な恋愛をする元カノ・りんごちゃん。 小夜ちゃんのことは好きだけど、りんごちゃんを放っておけない……2人の間で心は揺れ動いてしまう。 優柔不断で己の愚かさに酔う心も、不器用すぎるほどに正しい小夜ちゃんも、自分の感情で周囲を掻き乱すメンヘラりんごちゃんも、身勝手でダメで情けなくて嫌なやつで愛おしい。 これ以上最低だったら愛せないけど、これ以上善人だったらリアルじゃないし面白くない。可愛げのなさが絶妙で可愛い。 身を滅ぼすほどの恋愛をした覚えはないけれど、若かりし頃の愚かな自分を見せられているような瞬間があって、痛がゆいような気持ちになった。 今まさにこの日々を過ごしている人が読んだら、胸が張り裂けるほど切ないかもしれない。とっくの昔に過ぎ去って忘れてしまった人には、何も響かないかもしれない。 でも、みんなちょっとくらいは青春の痛みを思い出すんじゃないかなと思った。

べらん名医 ~スポーツドクター東奔西走記~ (石井さだよし短編集)

スポーツドクター漫画にハズレなし

べらん名医 ~スポーツドクター東奔西走記~ (石井さだよし短編集) 石井さだよし 二枚矢コウ
ひさぴよ
ひさぴよ

表紙とタイトルで、飲んだくれの医者のように勘違いしていたが全然そんなことはなく、ちょっとガサツだけど患者の気持ちに寄り添う心温まるスポーツドクターの物語だ。作画は『解体屋ゲン』でおなじみ石井さだよし先生で、大昔の初期作品を収録した短編集となる。初出は書かれてなかったけど、まんがSeekで調べたらビッグコミックオリジナルで1974、1989、1990年と不定期に載っていた作品とのこと。 https://mangaseek.net/work/18278.html 人情ドラマであると同時に、スポーツと医学の関係についてもしっかりと描かれていて、最後の方にはブラインドサッカーらしき選手が登場するなど、現代から見るとかなり時代を先取っていた作品だったのではないか。作画についても1コマ1コマがきっちりと描かれていて、この時代のアナログで描かれた漫画の手仕事って本当に素晴らしいなあと思う。同時収録の「ウドの達人」はやや時代を感じてしまう内容で、好みは別れるところかも。 スポーツドクター漫画で言うと、『ドクターメシア』『ドクターゼロス』『ママはスポーツドクター』など読んできたが、作品数は多くないけど、いずれもハズレなしの面白い作品の多いジャンルだと思った。