ROCA 吉川ロカ ストーリーライブ

色々な著名人のオススメで気になって購入した

ROCA 吉川ロカ ストーリーライブ いしいひさいち
さいろく
さいろく

フリースタイル 54号の「THE BEST MANGA 2023 このマンガを読め!」を読んでいて、本作は多くの選者がセレクトしていたのですごく気になっていたのだが、著者の自費出版しか存在していないというのが逆に面白くなってしまって通販購入させていただいた。 私はいしいひさいち先生を「となりの山田くん」と「ののちゃん」しか知らなかったが、特徴的な絵柄と抜群のデフォルメ力で「見りゃわかる絵」が描ける素晴らしい能力を持っていると思っている。 ROCAもその特徴的な絵で4コマで描かれている。 ただ、万人に理解できるようなギャグテイストは少し後ろに引っ込んでいて、冒頭に先生自身が書いていたとおりの物語だった。 「これは、ポルトガルの国民歌謡『ファド』の歌手を目指すどうでもよい女の子がどうでもよからざる能力を見い出されて花開く、というだけの都合のよいお話です。」 最後の最後でどう想像するのか、読者に委ねられるような形であるものの、とても読後感の良いものでした。 マンガを読みまくっているであろう猛者とも言える選者達がこぞってオススメする理由はわかった気がする。 例に漏れず、オススメしたい。

千歳ヲチコチ

主人公の名前はチコちゃん

千歳ヲチコチ D・キッサン
ゆゆゆ
ゆゆゆ

平安時代を舞台にした、日常系の漫画です。 平安時代なのに日常とは‥と書いていて思いましたが、ほのぼのまったりしています。 当時からするとちょっと変わった性格の女の子が、お友達あてに出した手紙が、お友達宛に届いていなかったところからストーリーは始まります。 届いてないからと言って大騒ぎするでもなく、「なくなっちゃったのかね、仕方ないね」くらいのノリなのがびっくりです。 他人の手紙を勝手に読んだ男が、「勝手に読んじゃってごめんね」と返事を書くことにもびっくりです。 物語はこの女性側と男性側で分かれて進んでいきます。 Amazonのレビューでは、歴史好きな方々が服装がちゃんとしていると褒めていたり。 ちらと出てきたカードゲームを調べてみたら「偏継」という詳細は不明となってしまった、当時の漢字当て?ゲームだったり。 お姫様は走ったりするのははしたなく思われており、膝立ちで歩いていた話が載っていたり。 勉強になるし、おもしろいし、いやはや凄いなぁと思ってしまいました。 歴史ものは、歴史の転換点など激動さが漫画になりやすいですが、本作のようにほのぼの系もいいですね。

ストラグリング・ガールズ~一発逆転の頭脳決戦~

カオスを味わう美少女デスゲーム #1巻応援

ストラグリング・ガールズ~一発逆転の頭脳決戦~ 青山広美 さくらうめ
兎来栄寿
兎来栄寿

『バード』や『GAMBLE FISH』の青山広美さん原作の美少女頭脳戦マンガということで、注目していた作品。いつだって私たちは『トーキョーゲーム』の幻影を追い求めているのです。 ところが、1話を読んだだけで「一発逆転の頭脳決戦」というサブタイトルから想像するよりも断然パワフルな作品だと理解しました。 ・「覇道学園」(通称「外道学園」「反吐学園」)というネーミング ・喧嘩十段で9人のタマを潰したという令嬢 ・その令嬢が上空1万mでドアの開け放たれた飛行機の中、生身で風圧に対抗してドアを閉める ・一列になったり二列になったりする機内 ・さくらうめさんの描く女の子は基本的にかわいいのに突然作画が適当になる ・クラスは20人のはずなのになぜか最初の投票は30人いる ・典型的な狂った富豪がいるのはまだしも数が多すぎる ・破骨島のアクセスや立地が悪すぎる上にあれだけの数の富豪たちが快適に生活できるライフラインや設備があるのか謎 などなどツッコミどころが多すぎて追いつきません。 その後も、カウントダウン残り1秒で開けたら1秒で全員脱出は無理なので不合格なのでは? 数学って聞いただけで恐ろしくて眠れなくなるとは? などなど常に疑問符が浮かび続けます。 ピアノが得意な美人の楓さんとの百合展開なども期待できそうな展開でしたが、完全にそれどころではありません。 破天荒さが目立ちますが、 「問答無用のエゴイスト! 掟破りのマキャベリスト!」 のような疾走感のある言い回しなどは癖になります。  『彼岸島』などを楽しめる方にお薦めしたい作品です。

限界ダンジョンの繁殖事情

ダンジョン復活のためにモンスターを増やす

限界ダンジョンの繁殖事情 文屋リヱ
ゆゆゆ
ゆゆゆ

まさか、ダンジョンのモンスターは生成ではなく、繁殖で増えていたなんて。 勇者たちに倒されすぎて、モンスターが減りすぎ、あっという間にボス居所へたどり着かれてしまうことになってしまった、ダンジョンの主エギン。 エギン自体は勇者たちをかるがるやっつけられるほどのパワーを持つようですが、ボスエリアに来た勇者たちを待ち構えるため、サービスで固い玉座に座って待つお仕事をしていたら、戦う気も起きないほど非常に困った腰痛に‥ 副官に叱咤され仕方なく、「モンスターを増やして、勇者たちをなかなかボスエリアまで来られなくし、ダンジョンを復活させよう(そして腰を癒そう)」という導入です。 繁殖が進まないモンスターたちのために、ダンジョンの主自ら、モンスターたちの不可思議な性癖や不満を解消してあげます。 モンスターを増やして腰も癒したい、それだけなのに一筋縄ではいきません。 第一話のスライムを繁殖させようとしている様子をみていると、こちらの世界で絶滅危惧種の動物を保護している施設での繁殖事情を聞いたときの気持ちを思い出しました。 増やすって、大変です。 その視点はなかったなあと思いながら、おもしろく読んでいます。