女性マンガの感想・レビュー3218件<<8990919293>>旅を通じて家族と自分を知る物語グッドナイト、アイラブユー たらちねジョンANAGUMA母の遺言をきっかけにイギリスまで旅立つことになった大学生の大空(おおぞら)。着いたかと思えば母が遺した新たなミッションが託され、家族の過去と今を知るための欧州各地を巡る旅に出ることに…というロードムービーなあらすじ。 『アザミの城の魔女』で描かれる異国の表現にビビッときて、こちらも読みました。鮮やかなヨーロッパの雰囲気と、大空の心が揺れ動く旅情の描写が全コマ全ページ本当に美しい…。 旅は人を変えるといいますが、ヨーロッパ各地でさまざまな人に出会い、大空自身も気付いていなかった「自分」を発見していく過程が丁寧で心地良いです。 自分の気持ちを誰にも伝えられなかった大空が断絶状態だった家族と新たな関係を結ぼうとする。この一生懸命な姿に心が熱くなってしまいます。 読んだあと、どこか遠い場所に旅立ちたくなるような素敵な作品でした。少年漫画のアシ先で起こった衝撃的な話酒井美羽の少女まんが戦記 酒井美羽名無し酒井先生は女性向け作品の漫画家ですが、プロデビュー前に行った少年漫画のアシスタント先の話です。40年近く前の話だからこそ描ける内容でしたね。ゾッとする…(でも「Dプロ」ってダイナミック…うーん、、) 最近ベテラン少女漫画家の実録漫画が多いですね。もっと色んな人に描いてほしいです。好きだったゲイが“◯◯結婚“してました #1巻応援好きだったゲイが他の女性と結婚してました さいとう林子nyae※ネタバレを含むクチコミです。なんとなく読み始めたがよかったふいにたてなくなりました。おひとりさま漫画家、皮膚筋炎になる 山田雨月マンガトリツカレ男読みやすかったので最後まで読んでしまった。ある日突然体に力が入らなくなってしまった作者が病院にいくと自己免疫疾患である難病のひとつ「皮膚筋炎」にかかるという話だが、病気だけの話ではなく、治療による副作用や難病医療費助成制度への申請方法なども書いてあり参考になった。 そういや作中に登場するステロイドのプレドニゾロンはドーピングの禁止薬物に入っていたな アックスに載った短編も収録されているへび苺の缶詰 河内遙名無し表題作の「へび苺の缶詰」は死んじゃって幽霊になった男が生前ずっと片思いしていた男に会いに行く話。男同士なのでちょっとBLっぽさもあるんだけど何となく雰囲気は夏雪ランデブーにも似てるな〜と思いながら読んだ。片思いされてた側の男は他の短編にも登場していて、その「空の箱庭」という話がこの短編集のメインにもなってる。描き下ろしの後日談もこのメンバーのもの。でも個人的にはアックスに掲載された「あさにかえる」が好きかな。21、22歳の頃に描かれた超初期の作品だそうです。収録してくださってありがとうございます!!ちなみに「ウタカタダンス'96」という短編は扶桑社から出版されてた『マリカ』という雑誌に掲載されたそう。わずか半年で休刊になった女性向け漫画雑誌だそうですが、こんな雑誌があったとは初めて知りました。河内先生は色んなとこで描いてるなとは思っていましたが、かなり色々ですね!ゴシックホラーの傑作ヴァルダ―迷宮の貴婦人― 望月玲子名無し※ネタバレを含むクチコミです。こんな浪人生活ならしてみたい小倉アンのおいしい生活。 渡邉ポポ野愛こんなほんわかハッピーな浪人生活なら一生浪人していたい!! 秩父のでっかいお家で暮らす浪人生・小倉アンちゃんとその家族のほのぼの美味しい生活を描いた漫画です。 勉強の合間にハムを焼いたりお布団干したりねるねるねるね作ったり、いやむしろ勉強してなくない?と心配になるほどゆるゆる平和に過ごす姿に思わず心癒されます。 アンちゃんがゆるゆるなので他のキャラクターはしっかりしててもよさそうだけど、お母さんもほんわか無邪気なお嬢様だし、妹のノラちゃんはしっかりしてるけどアンちゃんと一緒に遊んだりお昼寝したりしてるし、家族みんなゆるゆるほのぼので可愛いんです。 何気にスタイル抜群のアンちゃんのサービスショットが随所に盛り込まれているんですが、セクシーっていうよりアンちゃんは無防備だなあという気持ちになるのでこれはこれでよいと思います。 お家で朝食バイキングはめちゃくちゃ楽しそうなのでいつかやってみたい! タヌキに頼まれ!? 小学生の夏休み四国一周の旅!みかんはまだ青い 朋ぺそ※ネタバレを含むクチコミです。ステゴロ系悪役令嬢スカッと爆誕!!最後にひとつだけお願いしてもよろしいでしょうか ほおのきソラ 鳳ナナ異世界スキー当方悪役令嬢モノなるジャンルは完全素人だったのですがなるほどコレはいいものだ。キラキラの銀髪よりも光り輝いているグローブ(※指抜き)の鋲に目を奪われて一瞬で購入してしまいました。最高ですよこの表紙は。 最初は主人公のスカーレットがちょい暴力的すぎる…と思っちゃうかもですが、敵対する悪徳貴族はマジで分かりやすく“悪”なので「ガンガン世直ししていけ!」という気持ちになります。いつの間にか彼女のイケメンすぎる心意気に惚れ込み「全員殴って然るべき」というスタンスになっていることでしょう。顔面とパワーがすごい水戸黄門みたいな感じですね。 第二王子カイルがウザすぎて辟易しちゃう人もそんなに気にしなくて大丈夫です。ただの噛ませなので。雑魚。 電子書籍もそのうち出るのかな?まだまだ人気が出そうで楽しみです! ▽試し読みも置いときます(真に魅力が発揮されるのは個人的には4話以降…) https://www.alphapolis.co.jp/manga/official/665000279『Bread&Butter』番外編!Bread&Coffee&cats 芦原妃名子まるまるこれ単体でもすごく面白かったので、未読だったBread&Butterを1巻から最終話まで読んでしまいました。(最終10巻は12/24発売予定とのこと) やっぱり人と人の距離感を描くのが抜群に上手いんですね…この読切みたいに「美味しいもの」が繋いでくれる関係性って尊いなと。箱根板橋に行ったらBread&Butterがあればいいのに…!!!!!! 鏡のように退屈なスケーターと超一流バレエダンサーの出会いアクトアウト 冬房承たか※ネタバレを含むクチコミです。道草ができる人生がいい #1巻応援まにまに道草 大町テラスnyae子育てが一段落した母親の複雑な心情がじんわり伝わってきました。面倒くさいけど愛おしくてしょうがない存在のために使ってきた時間が、いきなり自分のものになってしまう。だからといってスッパリ娘離れが出来るわけでもなく、やりたかったことに突き進むわけでもなく。 こういうとき、夫が育児に非協力的だったり、二人暮らしになったことでストレスが発生しがちだと思ってしまう(漫画の読みすぎかも)けど、この漫画の夫婦はすごく理想的な関係。なんかアラフィフ夫婦のやり取りとは思えない幸福感があります。だからこそ、ハルコは生活のバランスを崩さずにマイペースにまたあるき始めることが出来るんだな、と。 ちょっと娘に依存して鬱陶しがられるリアルな母親らしさと、推しを見つけようとしたり流行を追う好奇心が同居している描写がものすごく上手いです。ハルコと今の自分は何もかもが違うけど、ハルコの気持ちに共鳴してグッと来るときがあった。そのくらいの年齢になっても、ときには流されたり寄り道したりできるやわらかい生き方ができたら良いなと思いました。富山・逃避の果・仮初の安息さらば、佳き日 茜田千あうしぃ@カワイイマンガ不倫にしろ逃亡犯にしろ、逃避行と〈北〉はよく似合う。後ろめたさを抱える身には、人目のない北の冬はうってつけ、という事だろうか。 『さらば、佳き日』の兄妹は、二人で共に在る事を選び、住み慣れた故郷を捨て、親と友を捨て、雪の降る北陸へと向かう。 故郷が湘南地域であることは、6巻ではっきりする(江ノ島タワーが描かれている等)。きらきら明るい海沿いの道の描写は1巻から印象的だが、同じ様に美しい海が、北陸に来てからの描写にも出てくる。 5巻に出てくる「天晴」は絵から恐らく、雨晴(あまはらし)海岸。富山県高岡市にある、岩の景観が印象的な海岸。他にも古い日本家屋や庄川の花火大会などから、ここは富山県だと分かる。 意外と穏やかで明るい雨晴海岸にて、妹の晃は、自分と不可分な海を想う。まるで隣の兄・桂一の事を想うように。 ここでは冬の厳しい富山を、暗く扱うことはない。光ある穏やかな地で、優しい人々に受け入れられる「夫婦」は幸せそうだ……受け入れられる筈もない二人の秘密を、どこまでも抱えたまま。 (6巻の書誌情報で「富山」とはっきり書かれているので、間違い無いと思います。4巻で桂一が「福井……だったかな」と言うのは、彼のいい加減さのエピソードになっていますね) 売野らしさ満載♬売野機子短篇劇場 売野機子名無しこの短編集は、充実のラインナップ。 売野作品は、心の隙間にスッと入り込んで、『それでいいんだよ。』って言ってくれているよう。 “運命とか信じるきみだから”すごく好き。 せわしない世の中、待つことって・・・。 自分の人生を改めて考えさせられた。一人と孤独は少し違うおひとり様物語 谷川史子ナベテツ一人でいる時に感じる孤独より、群衆の中で感じる孤独の方が真の孤独だ、といった言葉を以前何かのエッセイで読んだ記憶があります。 一人でも誰かと繋がっていることは多分あるんじゃないかと思いますし、誰かが側にいても孤立することも多分あり得ます。ただ、一人でいることも、そんなに悪いことじゃないと教えてくれる作品も世の中にはあって、谷川先生は一人でいるあなたの背中を押してくれるんじゃないかと思います。 作品に登場する男女はみな、なにがしかの事情で一人です。でも、彼ら彼女らは決して孤独ではないし、あなたも多分そうでしょう。 孤独であることに心が挫けそうな時、一人でいることも満更でもないと、心を軽くしてくれる物語です。人生を考える。桜は君に3度舞う 炊田鳩子starstarstarstarstar干し芋子供なのに大人でなきゃならない、そして、大人の世界は、複雑で子供のままでは理解できないことが多すぎて、心が無茶苦茶になりそう。 そんな中でも純粋に生きられる加藤は、良い家族に恵まれ、唯一心を許すことのできる折原に再会できて病気でがあるものの恵まれた環境で生活できていることは何より。 しかし、きっとこれから色んな試練が襲ってくるであろう。 そして、人生の折返し時点と言われどう生きていくのか? 自分の人生を若い心のまま考え、老いていく体でどう受け止めるのか? 普通であることの幸せを考えさせられる。 これもう好き同士でしょ(憤慨)氷属性男子とクールな同僚女子 殿ヶ谷美由記六文銭と、言いたくなるような話でした。 雪女の末裔の氷室くんとクールな同僚冬月さんのオフィスいちゃラブコメ的な内容です。 当人同士はそんな風に思っていないかもだが、ハタからみるとそうとしか思えない、いや、絶対そうだ!と断言できる内容です。 ここまでイチャつくやりとりしていて、なんで付き合っていないのかが、逆に不思議になる感じ。 また、雪女の末裔・・・ということで、緊張したり、嬉しくなったりすると周辺が吹雪いたり、雪だるまが出たりするという、なんともわかりやすい感じなのだが、それでも氷室くんの気持ちに冬月さんは気づきません・・・え、どんだけ鈍感なの?というツッコミは、まぁ野暮として、暑いと小さくなる「ちび氷室くん」は可愛いので、この設定にもいささかの妙味があります。 また、小さくなると、急におねショタ要素も出てくるので一粒で2つ美味しい感じが良い。 (しかし、まだ1回しか出ていないので、もっと出て欲しいっ!と願ってやみません) 他にも「妖狐」や「フェニックス」の末裔など徐々に出てきて、物語を愉快にしてくれます。 ただ、その設定よりも、一体どういう職場なんだ?という疑問が強くなってきますが…そういう人が集まりやすい職場なのだろうか? 3巻まで刊行されていますが、付き合うどころか告白もしておりません! もうGOALはみえているというか、むしろGOALはガラ空きな状況なので、ここまでくると、どうやってオチつくのか逆に気になってきました。早ければ早い方がいいけど伝わらないやつカネなしアラサー、おふたりさまぐらし~健康で文化的な老後のための資産形成物語~ おののぶし 村田憲昭hysysk年上の人からアドバイスされてもあんまりピンとこないお金の話。まぁ現状そこまで困ってる訳でもないし、健康だし何とかなるっしょ、と思う。若いうちは。 ある日気付くと以前ほど集中力が続かなかったり、起きていられなかったり、粘れなくなったりしてくる。その時に初めて、右肩上がりの収入も、維持できる健康もないのだという現実に気付く。 フリーランスになると、直接口座に入ってくる金額は増えるので、稼いでるような気分になるが、確定申告でそれは錯覚だと気付く。厚生年金を払ってない分、老後資金を前もって使ってしまっているという認識がない。会社員って本当に守られていたんだなぁ(嫌なこともあったけど)。 この漫画では働き方の異なる2人が、健康上のリスクなども考慮しながらライフプランを立てているので、色んな視点も確保されていて、最初の一冊としてはかなり参考になると思った(いきなりそこまで稼げる訳ないので証券口座の特定口座は源泉徴収なしでいいだろと思ったが)。あとはこの話をどれだけ切実に感じられるかどうか。。 せっかくマイナンバーカード作ったのなら、証券口座開いてインデックスファンドに月々3000円でも入れてみたらいいと思う。SNSでいいね!もらうより楽しいと思いますよ。売野機子のエッセンスが凝縮された短篇集売野機子短篇劇場 売野機子兎来栄寿売野機子さんは長編ももちろん面白いのですが、改めてこの短篇集に収録されたエッジの利いた短篇たちを読んで、やはり格別だなぁとしみじみ思いました。 最初と最後こそ、連載したかったものの企画をどこにも受け入れられなかったことでコミティアで本にすることとなったという外連味溢れるSF「ロボットシティ・オーフェンズ」でスカッと楽しいです。しかし、その間に挟まれた作品、とりわけ「痴者の街で」や「成人式」などはビターな味わいで、順風満帆でない環境で躓いてしまった人にこそ刺さるであろう作品です。 物語を楽しむ必要がないほど現実が充実している人は幸せです。そのまま、世界に笑顔を増やしていって欲しいと思います。しかし、そうでない、笑えなくなってしまった人。そういう人に寄り添うのがこうした作品であり、その意義だと感じます。 売野さんには、人生や社会の理不尽に翻弄されて傷を抱えた少女を、その少女が傷を歯を食いしばって堪えたり痛みに喘いだり、克服したり圧倒されたりしながら生きていく時の生々しい息衝きをこれからも作品に宿して欲しいです。 なお、後書きで「〜しか勝たん」という表現を売野さんが使うようになっていたところもまたエモさを感じたところです。 同級生の教師と生徒という不思議な関係性桜は君に3度舞う 炊田鳩子兎来栄寿炊田鳩子さんの初単行本。どこかで描いてた方なのかな? と思うほどに絵もネームも非常に読み易いです。ちなみに、一瞬吹田かと思ってよく見たら炊田(たけた)さんでした。作者名にルビが振ってあるのはありがたいといつも思います。 1年で3歳分歳を取る特異体質を持つ加藤が、かつて同級生だった友人折原と生徒と教師という立場で再会するところから物語は始まります。 この根幹にある設定が、さまざまに作用して妙味を生み出します。先生としては子供っぽいと周囲から見られている加藤。しかしその実は……というところが描かれていきます。20年生きると60歳分加齢されるとしたら、自分はどのように生きただろうと思わず考えさせられました。 第7話で病院で出逢うおばあさんとの、病気に対する向き合い方にまつわる会話のシーンはこの作品でも特に好きなところです。この病気が実在しなかったとしても、人間が自分の力ではどうにも立ち行かなくなってしまった時にいかに生きていかに周りの人間と関わって行くかというテーマは普遍です。 人間の価値は、自分の最期を悲しんでくれる人がどれだけいるかで決まると教えてくれた中学時代の先生の言葉を思い出しました。物語の行く末は寂しい結末を予感させますが、加藤が迎える終わりを見届けたいです。 余談ですが小深田先生や国頭先生など、ショートカットの女性がやたらと魅力的に感じられました。私はロング派なんですが。ユルく切れ味鋭く #完結応援むか~しむかしの 子供に読ませなくてもいいお話集 柘植文starstarstarstarstarひさぴよ童話や昔話をモチーフにして新しい解釈を加えたショートストーリー集。柘植文先生の絵のタッチがテーマによくハマってます。 こういう風に、昔話をサンプリングっぽく再構築するやつ大好きですね。 シニカルな笑いと変なオチばかりなので、タイトルの通り「子供に読ませなくてもいい」漫画なのは間違いないですが大人に限らず、おませちゃんな子供が読んでもいいと思いますね。 昔話のおかしな点をツッコんだり、現代人の生活に置き換えたりと話のバリエーションがとても豊かです。ただ、各原作のオチを意識しながら読まないと、漫画のオチの意味がわからなくなる回があったり…。その場合は最後の、”このお話のポイント”を読めば「ああ、そういうことか」となるので安心。 2巻の最後には、おまけ昔話「桃太郎と犬」が収録されていて、これがまた秀逸なお話なのでした。表紙をよ〜く見ると怪しいことしてる(笑)はてなの花 河内遙名無し結婚3年目でセックスレスになったことを悩んでる専業主婦のヨーコさんの元に子供の頃に大好きだった漫画のキャラクター「なのかちゃん」が現れます。懐かしくなって使わずにとっておいた雑誌の付録を探しているうちに旦那さんが隠していたSMグッズを発見してしまいます。帰宅した旦那さんを問い詰めると忘年会の後に付き合いでそういう店に行ってからハマってしまったらしく、ショックを受けながらもそういうプレイをやってみようとヨーコさんが奮闘するお話です。 半年ぶりに見た旦那さんの身体にはピアスがあったりなかなかのどハマりっぷりだと思いますが、それでも奥さんのことは愛してるんだな…と感じるシーンはあるので嫌いにはならなかったです。慣れないSMプレイをするヨーコさんの姿が子供が遊んでるみたいで悲しいし笑っちゃうし可愛いしで好きでした。旦那さんが通っている店の女王様も登場して三角関係になっていくのも面白かったです。河内遙先生のちょっとアブノーマルな話が好きなので大満足でした! クライマーズ・メンタル三者三様ストロベリー・キャニオン 朔田浩美あうしぃ@カワイイマンガ主人公・みよは豆腐メンタル。幼馴染のケイタはガンガン進んで周囲をかき乱す。もう一人の幼馴染・鉄はそんな二人に振り回されてペースを乱す……本作はオリンピックを目指す三人の関係性を中心に、クライミング競技者の「メンタル」を描きます。 家族の応援のプレッシャー、恋とパフォーマンスの因果関係の分からなさ、ライバルの存在と力み……競技者の心は難しい。 繊細に描かれる心模様と、それに苦しむ姿にはシビアな現実感があり、読んでいてもどかしく苦しい。しかしクライミングと向き合い、心を定めて高みを目指す彼女達を追う高揚感は、物凄い! 舞台の宇都宮の風物、クライミングジムや岩場までリアルに描かれ、講師のトップ選手も実在の選手がモデルになっている様です。 舞台から心理までリアルに描き、派手さはないけれど真剣な物語。4巻以降、みよの試練が示唆されますが、例え苦しくても、切実な心情を追うのを止められなさそうです。何度読んでも素敵な妖精と人間の仕立て屋さんのお話妖精のおきゃくさま 脇田茜ぺそTwitterで読んだときから好きだった『妖精のおきゃくさま』。くらげバンチでの短期連載を経てwebアクションに移籍(?)して再連載スタートということで、あらためて0話と1話を読みましたが本当に何度読んでも素敵ですね。優しいお話と絵に癒やされます…! https://comic-action.com/episode/13933686331723879878<<8990919293>>
母の遺言をきっかけにイギリスまで旅立つことになった大学生の大空(おおぞら)。着いたかと思えば母が遺した新たなミッションが託され、家族の過去と今を知るための欧州各地を巡る旅に出ることに…というロードムービーなあらすじ。 『アザミの城の魔女』で描かれる異国の表現にビビッときて、こちらも読みました。鮮やかなヨーロッパの雰囲気と、大空の心が揺れ動く旅情の描写が全コマ全ページ本当に美しい…。 旅は人を変えるといいますが、ヨーロッパ各地でさまざまな人に出会い、大空自身も気付いていなかった「自分」を発見していく過程が丁寧で心地良いです。 自分の気持ちを誰にも伝えられなかった大空が断絶状態だった家族と新たな関係を結ぼうとする。この一生懸命な姿に心が熱くなってしまいます。 読んだあと、どこか遠い場所に旅立ちたくなるような素敵な作品でした。