43歳、子供部屋おばさんだって愛されたい

闇と言えるのか、これが当たり前なのか

43歳、子供部屋おばさんだって愛されたい 丘邑やち代 松浦すみえ
六文銭
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子供部屋おじさんという、いつまでも実家にいる妙齢男性のことを指す言葉があるように、当然、子供部屋おばさんだってある。 考えればわかることだ。 本作の主人公は、まさにこれ。 正社員ではなくパート勤務なこともあり、自立するだけの経済的ゆとりがないので母親と一緒に暮らす主人公が、マッチングアプリを通して男性と出会い、結婚を狙うという話。 齢は43歳。 色々思うことはグッとこらえるのだが、それでもマジかよと声をもらしたのが、この年齢で結構軽薄なところ。 つまり、マッチングアプリを通して出会う男性と、体だけの関係だけでも求めてしまうところ。 20代ならまだしも、40代でこの境地なのが、たまげた。 漫画の脚色なのかもしれないが、全部が嘘とも思えないほどリアリティを感じるので、コレが令和の時代の現実なのかもと考えなおすと読んでいてなんともいえない気持ちになった。 何事も自分のことは客観視しにくいから、明らかに間違ったことをしていても気づかないもんだし。 案外、こういう人が多いのかもしれないと納得してしまった。 最後どうなるのかわからないけど、安易に、結婚ENDにしないでほしいとか思ってしまう。

限界夫婦 コミックス版

なかなかの限界っぷりな夫婦

限界夫婦 コミックス版 きづきあきら サトウナンキ
六文銭
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某所の広告につられて読んだが、なかなかの限界っぷり。 一見普通の夫婦っぽいが、中は子育てやレスなど色々不満があって、そんな時にお隣に引っ越してきた夫婦の、旦那側とアレな関係になるという典型的な不倫もの。 だけど、広告映えというのか、読者を煽ってくる思考や言葉の数々が秀逸で、特に添付画像にある、 不倫は味変 ってのは、なかなかのクズっぷりで良かった。 胸糞悪いと感じる方もいるかもだが、自分は、なんとも斬新な考えに面白くなった感じ。 まぁ、こういう人と一緒になってはいけないのかもだが、 人間のように脳みそが発達した生き物にとって、夫婦という同じ人間と関係を続けていくこと自体難しい と、どこかの本で読んだことがあって、それに近しい意見で妙に納得してしまった。 要は、結婚して夫婦になること自体、合理的な判断ではないってことらしいが、その分人間には理性があり、感情があるのでなんとかしていることだと思う。 また、この手の話は、奥さん側が我慢することが多いのだが、結構きついことを旦那に言ってしまうところも良い。 最後の最後まで、結構救われない感じなのだけど、それも含めて夫婦の形を考えてしまう内容でした。

酒と恋には酔って然るべき【電子単行本】

飲みたくなる!粋な日本酒と恋のマンガ

酒と恋には酔って然るべき 美波はるこ はるこ 江口まゆみ
nyae
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酒(主に日本酒)オタクのアラサー女子が主人公で、恋と酒どちらにも酔い“過ぎない”のがこの作品のいいところ。 主人公の松子は頭の回転が早くユーモアもあって明るいしっかり者。人に媚びたりもせず、いつでも等身大で、友だちになりたいタイプ。 わりと冒頭から後輩社員(男)と2人で家飲みする展開がありますが、とくに何も起こらず、それに対してもモヤモヤしたりはしない。 日本酒愛に対して恋愛パートは薄味かと思いきや、2巻が終わるまでに展開も早く大きく動きます。 友達から紹介されたイケメンの「ウイスキーが好きだから度数は40が基準」というマウンティングに対しても、思ったことがそのまま口から出ちゃうところ(※画像参照)で松子のことが大好きになりました。 季節や行事、その時の気分や会う人によって何をどう飲むかを心から楽しんでいる様子が羨ましくて、こんな楽しく飲めたらいいなと思いました。カップ酒=おっさん、というイメージもガラッと変わります。 中に出てくるお酒と用語の解説も各話の後ろについてるので知識が欲しい人も必読! あとツイッターでもし実写化したらのキャスト予想がたくさんつぶやかれてますが、確かにドラマ化したら面白そう。