女性マンガの感想・レビュー3218件<<114115116117118>>「調べ物」で市民の人生お手伝い!夜明けの図書館 埜納タオあうしぃ@カワイイマンガ図書館のレファレンス・サービス、それは利用者の「知りたい事」を探すお手伝い。新米司書の葵ひなこは、日々様々な要求に応えるべく奮闘する。見つけた先に、利用者の喜びが待っているから! ----- 図書館にある書籍・資料は、文学から実用、科学から法律、児童書から専門書と多岐に渡る。そのため、図書館には様々な知識を求める人々が集まり、そこでは日々、思いがけず沢山の人生の物語が紡がれる。 苦しみ、切なさ、懐かしさ……多種多様な物語がレファレンス・サービスによって解決する時の、優しい着地と利用者の喜びには、とても感動させられる。 その一方で、利用者から得られる少ない情報、あやふやな記憶を頼りに、膨大な分類をしらみつぶしに当たっていく「レファレンスの苦労」を共に見てきた私達は、そこを乗り越えた司書達の達成感を、一緒に味わえる。 物語の爽やかな終局に似つかわしくない、ギリギリのジタバタっぷりを見せる司書達のあがき。その落差によって最上の「舞台裏漫画」となっている。 巻が進むと、図書館の社会問題への参画も描かれ、図書館の存在意義について、前向きな提言となっている。 図書館と図書館司書を知り、応援する作品として、最高に面白い! 2000年代に華道の作品を描かれた埜納タオ先生。白場が美しい、独特の凜とした画面は、当時から一貫している。最近流行りのギッチリ描き込まれた漫画に慣れた身としては、一周回って新しい!甘酸っぱい幼馴染ラブが一冊に詰まっているあづさゆみ 釣巻和nyae※ネタバレを含むクチコミです。海外のオタクが日本に暮らしたら!シンガポールのオタク漫画家、日本をめざす フー・スウィ・チンぺそすこし前に海外エッセイ漫画と海外ウェブトゥーンにハマっていて、フランスはとにっきやモンプチ(フランスに偏ってますが)などを読み漁っていました。そのころにたまたま「海外のマンガ家さんが日本での生活を描いたエッセイ漫画」という興味ドンピシャのマンガがあると知って「絶対面白い…!」と思いながら読んだのがこれでした。 https://www.comic-essay.com/episode/68/ 絵がすごくかわいい!コミックエッセイらしさとお洒落さが絶妙なバランスの絵が素敵✨ クチコミを書くにあたりさっき冒頭を読み返してみたら ・アニメやマンガで買い物袋から突き出しているものが「ネギ」だと知って真似したくてスーパーで買う ・日本で人の家に招かれた際、「(※客間に)上がって上がって」の意味がわからなくて、3階まで上がって待っていた ・スーパーで売ってる下着が地味なのが不思議 …という面白エピソードがたくさん出てきて笑ってしまいました。 ちなみに私が好きなのは「あられの日に窓の外を見たら男の子がマンガみたいに屋根の上で空を見上げていた」という話。もし自分が海外出身のオタクでそんな光景を見たらエモすぎて一生忘れられないと思う…!! (↓このエピソードです。「第10話 あられで出会った少年2」) https://www.comic-essay.com/episode/read/747 20話以上がコミックエッセイ劇場で公開されているのでぜひ読んでみて下さい! (追記) 当時は知らなかったのですが、フー・スウィ・チン(FSc)さんは、日本でも著者を発表してる有名な作家さんなんですね。最近知ってすごく驚きました。 (画像は序文の挨拶のところ。優しい塗りと洗練された柔らかいデフォルメが素敵です。)ドロドロでもバチバチでもない幼馴染の友情晴れ間に三日月 イシデ電nyae中学生の一人息子・出海を連れて14年ぶりに地元へ戻ってきた主人公・月見には、忘れられない幼馴染・ひなたがいる。そのひなたの旦那は、出海の父親で…というあまりにも複雑な事情がふたりの間にはあった。 当のひなたはバンドマンの彼(現旦那)と海外移住をしているとおもっていたら、地元で酒屋を営んでいたため予定外の再会を果たすところから物語は始まる。 息子の父親を奪った憎き女が、いま目の前に。そしてうざったいくらいに何事もなかった顔をし、関わりを持とうとしてくるのでハラハラ。 そして、出海にはひなたの旦那が実父だなんて絶対に言えないという事態で、4人の複雑過ぎる関係性がドタバタとこじれたり、ほぐれたりする。 最後は、予想外の終わり方だった。正直「え、なんで?」と思ったけど、そこは幼馴染という長く同じ時間を共有した関係性の結果なんだろうと、納得することにした。 イシデ電さんが珍しく女性誌で描いた漫画らしく、今までと違うのかと興味があって読んだけど、この一筋縄ではいかない感じ。「女の友情」とかひとことで片付けさせない感じ。やっぱり著者らしくて好きです。 皆んなが主人公。午前3時の危険地帯 ねむようこPom ※ネタバレを含むクチコミです。耳の聞こえない親友に届けたい音色水晶の響 斉藤倫兎来栄寿実在の脳性麻痺のバイオリニスト、式町水晶さんをモデルにした物語です。 この単行本1巻に収録されている短編「水晶の音」から始まったこの作品ですが、「水晶の音」は母親視点から見ると非常に心が苦しくなります。何らかの障害を覚悟しての出産。何とか産まれた後も、度々医師から告げられる他の子たちにはない困難。動かせない体、見えなくなるかもしれない目、尽きるかもしれない命。それでも、懸命に我が子の生きる道を作ろうと尽力する姿に心を打たれます。と、同時に自分がもし同じ立場に置かれたら、と考え込まずにはいられませんでした。 少年がバイオリンや素晴らしい奏者と出逢いその天性の才能を花開かせることはそれ自体素晴らしいですが、そこに至るまでに精神的にも大変な疲弊をしたであろう彼の親の愛と努力も同様に素晴らしいと思いました。 そして、連載版。少年が出逢ったのは、腎臓が悪く透析が必要で耳が聞こえない親友。彼に自分のバイオリンを聞かせたい、という純粋で切なる願いの尊さがまた響きました。 しかし、異質な物を排除しようとする人間の醜さにより、少年は差別・いじめという試練も受けます。子供特有の残酷さに人よりも生きるのが大変な心身を更に傷つけられる様子は見ていて心が痛くなります。 それでも、親友のために頑張ろうとする水晶のように美しい心を持った気高い少年を応援せずにはいられません。良い舞台の上で、少年のバイオリンで親友がその音色を聞きながら得意のダンスを踊れる日が訪れることを待望します。きのこの世界、踏み込んでみる?三枝教授のすばらしき菌類学教室 香日ゆらあうしぃ@カワイイマンガ農業大学で、「きのこ」等の菌類を研究する三枝教授の研究室に、何故か連れて来られた新入生の天谷。さあ、楽しいきのこ講座の始まりだ!……って、頼んでねぇよ! ----- 小学二年生の舞ちゃんにいざなわれて、素敵な紳士風の三枝教授から、半ば強引にきのこの知識をレクチャーされていく天谷。 教授と舞ちゃんのきのこ愛は熱烈で、天谷はとてもついていけない。でもそんな素人の彼が、細かく強烈なツッコミを入れることで、オタクのしょうもない拘りを笑いにしてくれるので、読んでいて飽きない。 同級生とのやりとりから、または生活の中から生まれた「きのこ」に対するよくある疑問が、三枝教授によって解説され、きのこの知識が増えるのも楽しい。 農大の描写は、例えば『もやしもん』(石川雅之先生)と同様に、普通の大学とは違う独自の文化が見られて、大学生活漫画としても今後、期待できるかも。 とかく分かりにくく、興味はあっても取っ掛かりのない「きのこ」の世界の入門書として、楽しく分かりやすく、何より「情報が正しい」、貴重な一冊となっている、と思う。 (1巻の感想。今後、野外で観察する回があることを望む!) ----- 最後に、一介のきのこ好きとして、参考文献の頻出人名を少しだけ紹介させて下さい。 ●伊沢正名…きのこ写真のパイオニア。古い図鑑は基本、この方の写真で構成されている。 ●大作晃一…白バックの、図鑑用きのこ写真撮影の技法を確立。近年の美しい図鑑はこの方の労力の賜物。 ●新井文彦…阿寒湖を中心に、きのこと、きのこのいる風景を撮影する写真家。ひたすらに美しい写真。 ●小宮山勝司…きのこ好きが集まるペンションを経営し、自身の名前で図鑑も出される程のきのこ通。 ●保坂健太郎…きのこが専門の、国立科学博物館の研究者。面白そうなきのこの本や企画には、この方がよく絡んでいる。 ●飯沢耕太郎…写真評論家として著名だが、きのこに関しては、きのこの文学や切手の蒐集家として有名。 ●堀博美…きのこライター。図鑑では得られないきのこ知識を網羅した『きのこる』は名著。 ディティールがぬるかった。。美術学生イトウの青春 未熟な研究者たちのひたむきな日常 イトウハジメhysysk美術も数学もステレオタイプを補強するものでしかなく、現役の大学院生のリアルな生活の描写というよりは世間の欲望を具現化した感じで私の読みたいものとは違った。 芸術の答えがひとつじゃない、数学の答えがひとつなんてのは大学院レベルでは単純すぎる考え方だし、美術系の人間が使う感覚的な言葉は単なるオノマトペではない。 業界内で使われている言葉そのままだと一般の人には理解不能になるから分かりやすくした、ということなのかも知れないけど、ディティールのぬるさが気になって没入できなかった。学生時代を淡く美化しつつ思い出すにはいい作品だと思う。名作だなぁと思ってる脂肪と言う名の服を着て [完全版] 安野モヨコやむちゃ安野モヨコさんの漫画って根底に親との確執とかAC的要素(愛のわからなさみたいな)が多くて、理解してる人には刺さるし、無意識で読んでても共感させる力があると思う。 特にデブとかブスとかっていうテーマはわかりやすくて良いですよね。愛されたくて縋ってしまう彼女と自信がなくて劣った女に安心する彼。一見良い相性なのがまたつらいところですが、本当に少しずつ彼女の心が動いていくのが救いでもあります。 水族館のお仕事とは水族館で働くことになりました 日高トモキチマンガトリツカレ男水族館で行う仕事がなんとなくわかるマンガ。最初に書いてある通り、「事実に基づくフィクション」で水族館をであった出来事をマンガに落とし込んでいる。 水族館の仕事内容にも興味が出たが一番気になったのはドルフィントレーナーの授業を受けられる専門学校があること。 水族館みたいな外から見るのは多いけど内部のことがよくわからないマンガは定期的に読んでしまう 天才が生まれた一瞬の輝きを閉じ込めた一冊少女ケニヤ かわかみじゅんこTKD@マンガの虫まず、度肝を抜かれるのが巻頭にフルカラーで収録されている「おなもみ」です。 遠くに引っ越してしまう幼なじみの少女に対する未練を少年の視点から極限にまで削ぎ落とされた台詞と洗練された演出、メタファーを使うことでわずか8ページで描写しきった傑作です。初めて読んだのは何年も前ですが今だにその時の衝撃が忘れられません。特に見開きの一枚絵の構図と吹き出しの位置はこれまでの自分漫画体験には全くないもので「こんな漫画の見せ方があったのか!?」とパニック状態になりました。 また、色彩センスも抜群で少女漫画らしい水彩メインのパステルカラーで実在感がありながらもどこか幻想的な空間を描き切っています。 かわかみ先生の作品、特にこの本に収録されている作品には、女性作家でありながら男性目線のモノローグで男性が女性に対して密かに抱いている感情を暴き出しています。一見すると男性に対して厳しい目線が向けられているように見えますが、逆にそこまで理解してくれた上でこのような作品を書いて世間の男性に対して接しているのだと考えると非常に慈愛に満ちた作品として捉えることができる作品が多いです。 なので、女性はもちろんですが、男性にも読んでいただきたい一冊です。うどんが繋ぐ恋。うどんの女 えすとえむPom 学食で働くワケアリ女性(村田さん)と学生(キノ)の「あ、うどんの」からはじまる恋物語。何だろう。登場人物も少数だし、シュールだなーが感想。 皆、発する言葉も少ないが一言一言に重みがあって、胸に響く。 上品で終わり美しい恋愛ストーリー。くらもちふさこの良さをギュッと凝縮したような短編百年の恋も覚めてしまう くらもちふさこかしこちょっと誤解しがちなタイトルだと思うんですけど「百年の恋も覚めてしまう」なので「冷めてしまう」話とはちょっと違います。けれどもストーリーとしては主人公の笙子が小学生〜大人になるまでの成長物語で、その時々で好きになった片想いの相手に何度も「冷める」からダブルミーニングでもあるのですが。そういうところもくらもちふさこらしくて面白いです。 小学生の時は魚屋さんちの新田君が好きだった笙子ですが、ママから「あの子目と目が離れてておもしろい顔してるわよねー」と言われて急に新田君のことが嫌いになってしまいます。中学生の時に好きだった広瀬君は声変わりする瞬間を聞いて嫌いになってしまいました。高校生の時は友達に紹介された宇佐美君のことを出会った瞬間から「もう会わないだろうな」と思ってたけど、笙子の本心に気づきながら優しくしてくれた宇佐美君の気持ちを知って切なくなったりしました。大人になった笙子は編集者になり漫画家のおつかいで昔住んでいた町の商店街に行きます。そこには新田君ちの魚屋があって二人は再会します。 ほとんどネタバレしてしまいましたが、あらすじを知っていても心に響く作品なのでぜひ読んでください。こんなに少女の気持ちに寄り添って描けるってすごいです。あんなに好きだったのに些細なことで嫌いになったり、自分の不誠実さに反省したり、誰もが経験したことあると思う。そういうことを大げさじゃないエピソードで語れる素晴らしさもある。現実の人生って細やかなことの積み重ねだから、そこを汲み取ってくれることがとても嬉しいんです。 この短編の為に作られたような一冊ですが、その判断はめちゃくちゃ正しいと思います。 写真って素晴らしい。明日を綴る写真館 あるた梨沙Pom 写真はその人の、人生の一コマを切り取る。 そしてそのコマを撮る写真家さんの仕事も五十嵐くん、鮫島写真館を通じて素晴らしいと感じさせてくれた。 写真をたくさん撮っていつか見返した時に、あの時こんな時って想いだす時は幸せな気持ちになれるんだろうな。友人との幼少期をを省みて光とともに… 戸部けいこ名無し学校の図書館にあり、幼いながら読んだのをよく覚えています。人との関わり合いや環境づくりについて深く学べます。当人の苦労や努力が報われた安らぎだけでなく、取り巻く周囲の人間の気遣いや言葉の暴力など、みんながみんな優しくなればいいのにと思うことばかりです。ショートショート漫画といえばいいのか一万十秒物語 倉多江美starstarstarstarstarマンガトリツカレ男シリアスな話だったりギャグだったりといろんな種類のすごい短い短編がまとまっていてる作品集。正直よくわからない内容もあるけどまあこれはこれでいいなと思いながら読めて面白い。寝る前に読むのが最高だな 稲垣足穂の一千一秒物語がタイトルの元になっているのかな 永田カビさんの新刊!現実逃避してたらボロボロになった話 永田カビ名無しこの人最近どうしてるのかなと思っていたらまた本出されてたので読みました。 自分のこと赤裸々に書かれてるんだけどそれが数割マシで面白い! アル中なんとかしろよとは思いますが、膵臓は人それぞれでアルコールに負けちゃう体質の人もいるのでそんなに飲まれてない気もします。(適当に憶測ですが) こうなってくるとボロボロになればなるほど面白いですね…適度に健康体でいてほしくはありますが、また次のノンフィクションエッセイ楽しみだなとも思ってしまい…! 人間としてダメダメなのに好きでたまりません…インドってすごいインドな日々 流水りんこマウナケアなにかイスラムな漫画はないものかと探して行きついたのがこの作品です。ちょっと違うかもしれませんが…。これはサッシーというインド人と結婚した女性漫画家のインドでの体験をつづったルポ漫画。で、この作品、絵も内容も密度が非常に濃い。ヒジラというインドのオカマが子供の生まれた家で踊り狂う鬼気迫るシーンや、ガンガーを流れる水死体を見世物にするおじいさんの描写など、とにかく人物の表情が豊か。さらに話題も幅広くて、衣食住はもとより政治風習、動物、観光客、買い物、遭難、怪談、結婚式となんでもあり。作者がインドをふらふらしていた十年以上前の経験が中心で、情報としては少し古いかもしれませんが、それでも行かなくてはわからないインドの何たるかは十分伝わってきます。だから糞便の話がやたら多いくてリアルなのも許します。タイトルに惹かれて31歳、処女捨てます あぎじゅんこ名無しアラサー女性の私からしたら、タイトルから大いに興味を注がれる「31歳、処女捨てます」。少し古い時代の作品だが、登場する女性たちの悩みには共感できる点がたくさんあった。初体験の年齢で悩む女性、なかなかプロポーズしてくれない彼にやきもきする女性など・・・良い短編を読めて良かった。 本作の続きについて(2020.6.22追記あり)年下の先輩ちゃんには負けたくない なめたけあうしぃ@カワイイマンガどうやら昨年(2018年)、続きが、著者のなめたけ先生による自費出版で出版された、ということのようです。 『歳下の先輩ちゃん2』というタイトルです。 pixivの先生のページで詳細を見ていただきたいのですが、 内容は……いいですよ〜! 彼ららしい着地で、いい終わり。 https://www.pixiv.net/member.php?id=22154672 (2020.6.22追記) Amazon kindleにて発売が始まったと、なめたけ先生からアナウンスがありました!やったぜ! https://twitter.com/nametakesantaro/status/1271098355771301888恋愛って・・・?ハッピー・マニア 安野モヨコ名無しシゲタカヨコは、恋愛体質。 いいと思ったら見境なくすぐに、Hしちゃってるけど。 自分を安売りし過ぎな感じが・・・。 そして、自分を本当に大切にしてくれる人が側にいるのに。 疲れる恋愛は、上手く行かないよ~。 頑張れ!シゲカヨ!!夫婦の行き違いを描く実はセンシティブな物語こちらから入れましょうか?…アレを 松田環sogor251話掲載の段階で結構話題になっていた作品。1話を読むとかなり突飛な設定のエロコメディに見えるけど、その実もっとセンシティブなテーマを扱ってる作品、のように見える。 夫・敦が「入れられなく」なった理由。それはひょんなことから妻の優の過去を知ってしまったことに起因する。夫婦だって当然今までの過去の全てを共有してるわけではないから優のほうに落ち度はなく、落ち度がないからこそ自身の現状に対して負い目を感じてしまっている。 一方の妻・優は「こちらから入れる」という方法でなんとか目的を達成しようとするのだが、以前よりは幾分かマシになったものの満たされたかと言われるとそんなことはない。そして自身の知られたくない過去をよく知る男の登場により、彼と夫との間で板挟みの状態になってしまう。 それぞれがやや特殊な秘密を抱えた夫婦だけど、この作品の1番のポイントはその秘密をお互いが相手に打ち明けることなく悩み続けているという点にあると思う。生きていれば誰にだってある"秘密"を極大まで強烈なものとして描いているけど、程度の差こそあれ相手のことを思うためにその秘密を打ち明けられず苦悩する様子には誰もが共感できるはず。むしろ、悩み自体にインパクトがあるからこそ、夫婦の両方に共感できる物語になってるような気がする。 夫婦2人の内面の描写も丁寧だし、内容的には少女マンガと言っても全然差し支えない。そう、アレさえなければね。 1話まで読了 はなちゃん。花のズボラ飯 久住昌之 水沢悦子Pom 花ちゃんのご飯を美味しそうに食べる姿がとにかく可愛くて、ダイエット意識してるけどすぐ諦めちゃうところとか、愛おしく思える。ダンナのゴローさんはいつ出てくるのかな。。?こうゆうことあるある!いつかティファニーで朝食を マキヒロチPom 4人のアラサー女子の生きざまが忠実に描かれていて、共感できる箇所多数あり、とても読みやすかった。 <<114115116117118>>
図書館のレファレンス・サービス、それは利用者の「知りたい事」を探すお手伝い。新米司書の葵ひなこは、日々様々な要求に応えるべく奮闘する。見つけた先に、利用者の喜びが待っているから! ----- 図書館にある書籍・資料は、文学から実用、科学から法律、児童書から専門書と多岐に渡る。そのため、図書館には様々な知識を求める人々が集まり、そこでは日々、思いがけず沢山の人生の物語が紡がれる。 苦しみ、切なさ、懐かしさ……多種多様な物語がレファレンス・サービスによって解決する時の、優しい着地と利用者の喜びには、とても感動させられる。 その一方で、利用者から得られる少ない情報、あやふやな記憶を頼りに、膨大な分類をしらみつぶしに当たっていく「レファレンスの苦労」を共に見てきた私達は、そこを乗り越えた司書達の達成感を、一緒に味わえる。 物語の爽やかな終局に似つかわしくない、ギリギリのジタバタっぷりを見せる司書達のあがき。その落差によって最上の「舞台裏漫画」となっている。 巻が進むと、図書館の社会問題への参画も描かれ、図書館の存在意義について、前向きな提言となっている。 図書館と図書館司書を知り、応援する作品として、最高に面白い! 2000年代に華道の作品を描かれた埜納タオ先生。白場が美しい、独特の凜とした画面は、当時から一貫している。最近流行りのギッチリ描き込まれた漫画に慣れた身としては、一周回って新しい!