あーとかうーしか言えない

素晴らしい漫画家マンガがまた一つ

あーとかうーしか言えない 近藤笑真
兎来栄寿
兎来栄寿

一読してすぐ引き込まれ、一気に既存の読める分を読破。そうして得られた満足感は正にマンガ読みの幸福そのものでした。 端的に、社会人として普通に生きて行くには難しいレベルでコミュニケーション能力が不足している人間であっても多くの見た人の心を揺り動かす作品を創ることができるというのは美しい様態です。たとえそれがエロマンガであったとしても。 実用性を重視されるエロマンガの中にも素晴らしい作品があることは重々知っていますし、そうした作品を葛藤や困難を乗り越えながら作って行こうとする彼女たちのことは自然と応援したくなります。 ある有名な編集者が「互いのすべてを曝け出し魂で殴り合って作品を創る作家と編集の関係は家族の絆より濃い」と言いました。その意味では、同棲して作品創りに励む彼女たちは超特濃の百合でもあります。 キャラクターの強さがまずあり、その上で王道的な面白さや先の読み難い展開、エロマンガ業界の創作論があいまって面白さを加速させています。今後も非常に続きが楽しみです。 作者の近藤笑真さんはTwitterでも数々のマンガをアップしており、そちらも面白いのでぜひ読んでみて下さい。 https://twitter.com/sotincat/status/1118022855046750208 https://twitter.com/sotincat/status/1119030050932682752 https://twitter.com/sotincat/status/1119393789540356096 Twitterで発表されたプロトタイプ版も良かったら併せてどうぞ。 https://twitter.com/sotincat/status/982179621402624002

灼熱カバディ

灼熱カバディは面白い

灼熱カバディ 武蔵野創
のれん雛
のれん雛

マイナースポーツ「カバディ」を取り扱う王道スポーツ漫画。 スポーツ漫画の醍醐味が詰まってます。 ネタスポーツとして認知されていた『カバディ』という題材が凄く面白いスポーツだと、灼熱カバディを読んで初めて驚かされました! 『カバディ』は、チーム戦でもあり、個人戦でもあり、パワーもスピードも身体能力も精神力が、有利にも不利にも働くのは『カバディ』ならではです。 ルールは「カバディなんて知らねェ」と馬鹿にしていた主人公視点で進むのでルールが分かりやすく、頭の中に入ってきます。 とても熱く、どの巻も面白く、読むのをやめられません。毎話、熱量が凄く、いわゆる微妙な回やヒキ回が無いのが凄い! 登場人物の成長だけではなく作者や作品自身の成長が読み取れる程、作中が進むたびに実感し、連載を読めて私は幸せです! 思わず涙を流すほど愛おしい話もあり、どのキャラクターも愛おしいです。 スポーツ未経験者でも思わず深く共感し、絵や演出が直接胸に刺さるのも魅力的です! 灼熱カバディが理由で、現実の競技カバディをする人やサークルが増え、現実に影響を与えていく姿は登場人物達と同じくらい、とても面白いです!

KILLING ME / KILLING YOU

ハードな世界観をポップなシナリオと美しい絵柄で紡ぐファンタジー

KILLING ME / KILLING YOU 成田芋虫
sogor25
sogor25

成田芋虫さんの作品は前作「It’s MY LIFE」から拝読してますが、まず表紙の絵の鮮やかさに目を引かれ、そして本編のマンガが表紙や扉絵のカラーイラストとの相違を全く感じさせない絵柄で描かれていることに驚かされます。 今作「KILLING ME / KILLING YOU」は1話から割とハードな設定が提示されますが、シナリオ自体はコメディ調になっており、重くなりすぎず読み進めやすいテイストに仕上がっています。それでいて盛り上がる所、物語を引き締める所では絵の力で読者を引き戻してくれます。 「IT'S MY LIFE」が好きだった方はもちろん、絵柄もテーマ性も全然違いますが、例えば「少女終末旅行」や「狼と香辛料」のような、相棒と旅をしながら様々な人、ものに出会う作品が好きな方には気に入って頂けるような気がします。 ちなみに、「IT'S MY LIFE」とは世界観を共有してる他、スターシステムとはちょっと違う形でキャラの共有をしており、興味がある方は前作にも手を出してみることをオススメします。 (一応違う出版社の作品なんですが、作品のリンクどころか1巻発売時にはそれぞれの公式でお互いの作品の試し読みが配信されるという大盤振る舞いっぷり。今後ももしかしたら同様のコラボがあるかもしれませんね) 1巻まで読了