あらすじ

愛する国を救う為、魔道具の力で自らを奴隷に堕とし靴磨きの少年レゾにその鎖を預けたエクレルトリカ姫。しかし魔道具には思わぬ力が備わっていた。「ご主人様、ご命令を」心をも操らせ『絶対服従』を強いる強力な魔法。しかし姫の気高さは揺るぎなく、その威光は輝きを増すのだった。笑顔と強制労働を強いられた娯楽の街・プレザントを訪れた姫とレゾは、元凶である支配人マイルスと対決することとなる。果たして戦いの行方は!?
奴隷姫(1)

一夜にして謎の奇術師により乗っ取られた王都リバレーディア。 乱心した王を、そして傀儡と化した愛する国を救う為、姫はありえない決断をする! 「私をあなたの奴隷にしてください」 地を這う少年の手には鞭。そして高貴な姫様の首には鎖。 これは不敬か敬愛か。熱く背徳的な救国の旅が幕を開ける! 『生徒会総占拠』『召喚ですか? ハッカドール』の新鋭作家・やつき、初の長編連載作品!

奴隷姫(2)

愛する国を救う為、魔道具の力で自らを奴隷に堕とし靴磨きの少年レゾにその鎖を預けたエクレルトリカ姫。しかし魔道具には思わぬ力が備わっていた。「ご主人様、ご命令を」心をも操らせ『絶対服従』を強いる強力な魔法。しかし姫の気高さは揺るぎなく、その威光は輝きを増すのだった。笑顔と強制労働を強いられた娯楽の街・プレザントを訪れた姫とレゾは、元凶である支配人マイルスと対決することとなる。果たして戦いの行方は!?

奴隷姫(3)

謎の奇術師サリバンに乗っ取られた王国を取り戻すべく対抗策を探す旅に出たエクレルトリカ姫とレゾ。癒やしの呪いをその身に宿すフィーラを仲間に加え旅は続く。「拙者が刀を抜くと…みんな死ぬでござる」封印された森で不穏なことを口走る獣人少女タギリと出会ったレゾたち。だが息つく間もなく彼らの元に、2人の強力な刺客が差し向けられる。姫の魔法は封殺され、戦力を失い窮地に陥るレゾ達。その危機的状況にタギリが動く!

奴隷姫(4)

奴隷使いサリバンの手に落ちた王都リバレーディア。エクレルトリカ姫は反逆者として国を追われ、靴磨きの少年レゾとともに王都奪還の旅に出る。『覇者の腕輪』の力でその身を奴隷にやつして。しかしサリバンの王都侵攻の狙いがまさしくその『覇者の腕輪』であった。「友達になろうよ」レゾにささやくサリバンの真意とは? 舞台は王都の玉座の間。最後の戦いがはじまる!

奴隷姫

読んで字のごとしの背徳的バトルファンタジー

奴隷姫 やつき
mampuku
mampuku

 エロかわな表紙ですが存外読み応えがあって好きな作品です。  ヒロインの姫さまがとにかく途方もなく高潔で慈愛と正義に満ちていて、そんな彼女と主人公の絆の物語を、あろうことか暴力的エロスの皮で包み込んでしまったという非常に挑戦的な作品です。読んだ瞬間ノーガードの頭を殴られ胸を撃たれましたね。半端な覚悟じゃ描けないストーリーなんじゃないかなと思いました。  私がこれを読んで好きだなぁ凄いなあと思った点は、本当の意味での「プライド」の高さというの描いているところですね。民を守り、友を救う。それが彼女のプライドであり、そのために鞭打たれ踏みつけられ傷つくことを受け入れるのに微塵の躊躇もありません。そんな人間離れした精神を、100%理解し寄り添うことのできる主人公もまた常軌を逸した存在でしょう。彼は読者一般人が持つモラルや常識、正義感と呼ばれる嫌悪感など、そういった概念に一切囚われることなく、姫さまだけを信じ抜くことができるのです。信頼関係や以心伝心、パートナーシップといった類のものの究極系とも言えそうです。  漫画やラノベに限らず映画なんかでも、「舞台は中世欧州風なのに社会通念やモラルなどは現代のそれなのが違和感」ってツッコミはよく目にしますが、この「奴隷姫」は狙ってか意図せずか結果的に読者の現代っぽい感覚を上手にくすぐってくるなって印象ですね