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何があっても笑わないと囁かれている写真部部長の佐々木つぐみ。新入生の河島まもるは、彼女の笑顔を卒業アルバムに残すことを頼まれる。そんな彼がファインダー越しに見たのは、つぐみの隣で微笑みを浮かべる“もうひとりの”つぐみの姿だった。想い人が棲むカメラを手に、少年の全力片想いが幕を開ける―――。
何があっても笑わないと囁かれている写真部部長の佐々木つぐみ。新入生の河島まもるは、彼女の笑顔を卒業アルバムに残すことを頼まれる。そんな彼がファインダー越しに見たのは、つぐみの隣で微笑みを浮かべる“もうひとりの”つぐみの姿だった。想い人が棲むカメラを手に、少年の全力片想いが幕を開ける―――。
カメラ漫画で、絞りを開放にした柔らかい光の描写が出てくると、もうそれだけでその作品は「勝ち」という気がします(例えば『ルミナス=ブルー』『彼女とカメラと彼女の季節』など)。そういう点ではこの『恋の撮り方』も、サイコーに「勝ち」の部類です。 写真部に入った男子は、笑わない三年の先輩に恋をする。そんな彼の秘密は、彼のカメラの中には先輩がいて、ファインダーの彼女はいつも笑顔という事。 明るい笑顔の先輩が見たくて、撮影に熱が入る男子。しかしその像は、現実の先輩ではない。更に同じ先輩に恋する二年の女子、そして先輩自身の、それぞれの不器用な恋心が綴られます。各人の撮影スタイルが、それぞれの恋の形と対応している、というのが興味深いです。そういう意味では、写真に心は映るのですね。 気難しい先輩に対して、屈託のないカメラの中の先輩は愛らしいけれども、彼女も一筋縄でいかない様子。虚実二人の先輩の複雑さを解いて、笑顔のポートレートを撮る為に奮闘する半年の物語は〈非現実的〉撮影ドキュメンタリー、という感じでしょうか。