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▼第1話/死神少年▼第2話/ブロンコ・ヒルの決闘▼第3話/黒マントの男▼第4話/▼第5話/悪人の小屋▼第6話/ふしぎな男▼第7話/ブル=バイチング ●登場人物/キム(死神少年。ピューマに育てられ獣語を解す。母親を捜している)。あたたかい闇のおふくろ(黒いピューマ。キムの育ての親)。●あらすじ/開拓時代の西部に、死神少年として恐れられていた少年がいた。彼の訪れた町は全滅してしまうともっぱらの噂だった。そんな中、熱風が吹きわたる広野を歩く赤ん坊連れの男と白人の女の姿があった。2人の愛は道ならぬものとして激怒され、女の父親に追われていた。疲れ果ててあきらめかけたところで、3人はキムに出会う(第1話)。▼母を捜してさまよっていたキムは、熊用の罠に足を挟まれてしまう。1週間後、手負いの銀行強盗の男が、キムのところにさまよいこんでくる。男は熊に襲われてひどいけがを負い、息を引き取る寸前にキムに銃と金を渡し、妻子のもとに届けてくれるように頼むのだった(第2話)。
1960年代初めに描かれた白土三平の貸本劇画です。 忍者漫画と思いきや、なんと舞台は西部開拓時代のアメリカ。キムはあくまで謎の人物という設定になっていますが、手裏剣を投げたり、土に潜ったり、どこからどう見ても日本の忍者!(笑) とはいえ、西部劇のガンマン達と「ニンジャ」が闘うなんて、テンションが上がらないわけがない。 キムは母を探すため西部をさすらい、行く先々で悪者をやっつけ、人々を助けていくという展開。白土漫画で一貫している、虐げられた者たちへの思い入れは、日本の農民と同じように、黒人やインディアンに対する差別に対しても発揮されています。未完という形で1巻で終わってますけど、大作を予感させる構想だと思いました。野生の動物たちの描写も見事。シートン動物記の要素がふんだんに入ってます。動物解説を見てるだけでも楽しい。 単行本化の際に、第一部完とするため12pの描き下ろしが加えられています。これがまたシブい雰囲気の引き方なんですよねえ…。こりゃあ子ども向け作品としては続かなかった理由の一つなのかなあと。