あらすじ少女たちは繭の中で繰り返し透明になり、その恋は儚く消える。髪で作られた制服が伝統の星宮女学園という箱庭。“学園の王子様”と“寮組の女王様”は、ある日突然姿を消した“繭の君”に囚われ続ける。繭の君がいなくなった空の部屋で、逢瀬を重ねるふたりは……。かりそめの愛と真実の恋を描く、ガールズ・ラブ。5巻&最終6巻、2冊同時刊行。■原百合子ビームコミックス既刊■『熱海の宇宙人』『女神たちと』原作:河井克夫■[コミックビーム]公式Twitter■@COMIC_BEAM
百合といわれれば、そうなのかもだけど、その言葉でくくってしまっては表現しきれないものが沢山ある。 本作は、そんな作品。 舞台は、代々卒業生の「髪」で縫い上げた制服を着るという伝統がある、女子校。そこで過ごす女学生の群像劇。 卒業生の「髪」で制服をつくる…若干ホラー臭がしますが、そんなことはありません。 むしろ、その女学生の髪の毛、女性の命ともいえる髪が1本1本美しく、それこそ生きているかのような描写に息を呑みます。 恐怖よりも、そっちが強いです。 そして全体的に漂う、どこか儚い雰囲気が、この伝統とよくマッチしてて、物語に惹き込まれてしまいます。 随所に散りばめられた繊細で詩的な表現が、また良いのです。 百合か~と避けていた人、百合は少し苦手~という人にこそ、おすすめしたい作品です。 美しさの中に、少しの狂気を孕んだ展開にゾクゾクして続刊が気になりますよ。