非情な権力の弾圧と闘った映画人の生き方。第二次大戦後、東西冷戦の深刻化を背景に米国で吹き荒れた赤狩りの嵐。米国政府はハリウッドの著名な映画人たちを共産主義者であると告発していく。そのうち召喚や証言を拒否して議会侮辱罪で有罪判決を受けた主要な10人をハリウッド・テンと呼ぶ。彼らは権力の弾圧といかに格闘したのか!? 「芸術における不服従とは何だろう。あなたが不服従なら、片方にあなたを服従させようとする者がいる。しかし、あなたが勝利したらどうなる?」「あなたが服従させる側になり、相手は不服従を貫こうとする。」「権力と反権力もそう。」「反権力が勝利すれば、両者の立場が入れ替わるだけだ。」「実際に歴史はそのように動いてきた。」(本巻に収録の『チャーリー』より)。本書で描かれている映画人たちが受けた弾圧の歴史は我々日本人にとっても知るべき問題である。是非、本書を手にとって弾圧する側とされる側について、考えてみてください。
俺たちの映画の行方は何処へ!? 二大強国の冷戦が深刻化し、米国で吹き荒れる赤狩りの嵐。ソ連の力に脅威を感じた米国政府はハリウッドの著名な映画人を共産主義者であると告発していく。その内、召喚や証言を拒否した主要な10人“ハリウッド・テン”を有罪にした非米活動委員会。ハリウッド・テンの中心的存在ドルトン・トランボは他人の名前で脚本を書き、『ローマの休日』、『黒い牡牛』を脱稿。アカデミー賞を獲得。カーク・ダグラスは新作『スパルタカス』の脚本をトランボに依頼する。FBI・Aキビーは右派のコラムニスト・ヘッダホッパーと組んでトランボをこの作品の脚本から降ろそうと画策するが、作品は無事公開になる。新大統領のケネディーが作品を絶賛したことを機に、『スパルタカス』は 大ヒットする。赤狩りを台無しにされたキビーの怒りの矛先は…!?
※ネタバレを含むクチコミです。