あらすじ

2つの異種格闘技戦の同日開催という興行合戦が勃発した格闘技界。その一翼・プロレス団体FAWのリング上にて拳を交錯させるは、空手を纏いし二人の男だった! 丹波文七VS堤城平、激突!!
餓狼伝 1巻

空手家、プロレスラー、武人…あらゆる格闘技の強者を相手に、抑えきれぬ闘争本能を…抽出に抽出を重ねた格闘成分を…全てその拳に乗せ、叩きつける男がいた!!! 男の名は、丹波文七。「最強」の頂を欲してやまぬ男の生き様をここに記す。不滅の格闘神話、新書判で刊行!! カバーイラストは全巻新たに描き下ろし!!

餓狼伝 2巻

FAWのリングに乱入し、かつて敗れた梶原に再戦を挑む丹波。その様子を見ていた北辰館館長・松尾象山までもが丹波との立ち合いを渇望し始め…!?

餓狼伝 3巻

闇討ちの犯人として関係者に囲まれた丹波。そんな彼の前に突如現れた一人の男。「竹宮流・藤巻十三、立ち合いが望みだ」。想像を絶する闘いが、今幕をあける!!

餓狼伝 4巻

他流派混合トーナメントの開催を発表した北辰館館長・松尾象山。現役復帰への試し切りと称し、藤巻十三と向かい合うが…!?

餓狼伝 5巻

北辰館館長・松尾象山。その武者修行時代を知る男に丹波文七が接触。空手界に君臨する男は、いかにして作られたのか……。そして、プロレス団体FAWを率いるカリスマ・グレート巽も、静かに動き始めた……!!

餓狼伝 6巻

プロレス団体FAWを率いるカリスマ・グレート巽を語る上で、避けることの出来ない過去が在る。若きグレート巽=巽真の実力を買い、スターに押し上げた男とは…一体!?

餓狼伝 7巻

グレート巽VSクライベイビー・サクラ戦が開戦! 盲目の最強戦士・サクラが辰巳の戦力を分析する最中、強烈な先制攻撃をお見舞いするが…!?

餓狼伝 8巻

ルール無用の地下プロレスのリングに君臨する盲目の王者・サクラ!! つけいるスキのない絶対王者を前に若き巽マコトがとった策とは…!? クライベイビー・サクラ編、衝撃の結末がここに!!

餓狼伝 9巻

2つの異種格闘技戦が同日開催!! ともに格闘技界のカリスマ率いる団体同士、互いのプライドをかけた興業合戦が勃発!! 文七を軸に格闘技界が大きく動き始めた!!!

餓狼伝 10巻

北辰館トーナメント開幕直前! 参加予定の猛者たちがにわかに動き出す中、プロレス団体FAWも大規模な異種格闘技戦を開催し…!?

餓狼伝 11巻

2つの異種格闘技戦の同日開催という興行合戦が勃発した格闘技界。その一翼・プロレス団体FAWのリング上にて拳を交錯させるは、空手を纏いし二人の男だった! 丹波文七VS堤城平、激突!!

餓狼伝 12巻

格闘技界の覇権をかけ、同日開催される2つの異種格闘技戦興行。FAWの社長・グレート巽は自身の秘蔵っ子・鞍馬彦一を対抗興行である北辰館トーナメントに送り込むことを目論むが、興行当日、FAWのリング上で鞍馬は…!?

餓狼伝 13巻

FAW主催の異種格闘技戦イベントにて、北辰館の雄、堤城平VS丹波文七の闘いが開幕!! いきなり、トップギアでぶつかり合う2人は…!?

餓狼伝 14巻

北辰館会館主催、全日本空手道オープントーナメントが開幕! 顔面パンチが解禁され、参加32名中実に16名が他流派で占められる異例の幕開けとなったが…!?

餓狼伝 15巻

空手界初のノールールトーナメントとして開幕した、全日本空手道オープントーナメント!! 波乱含みの一回戦が続く中、優勝候補に名を連ねし男達が真の「最強」への道を駆け上がる!!

餓狼伝 16巻

前代未聞のノールール開催となった全日本空手道オープントーナメント一回戦! 組み手で相手を殴らないが故、寸止め空手と揶揄され続けた伝統派空手。その象徴と言われる男・神山徹がついに他流試合の舞台に立つッッ!!

餓狼伝 17巻

トーナメントは、二回戦へと勝ち上がった強者の約半数が空手以外の格闘家という、前代未聞の展開に。その二回戦、第1試合のカードは柔道金メダリスト・井上康生VSプロレスラー・長田弘! はたして……ッッ!?

餓狼伝 18巻

ノールール開催となった全日本空手道トーナメント二回戦! プロレスリングVSキックボクシング、空手VS古武道、日本拳法VSレスリング、伝統派空手VSボクシング、混沌の渦は、深まってゆく……!!

餓狼伝 19巻

全日本空手道オープントーナメントに、何かが起きているッッ!!! 空手の大会の枠を大きく超えた闘いはついに激動の準々決勝へ…!!! そして客席にて静観していた藤巻十三が……!?

餓狼伝 20巻

準々決勝第2戦!! 因縁深き空手家とプロレスラーの対戦となった片岡輝夫VS鞍馬彦一の一戦は、鞍馬の不可解な発言が波紋を呼び、大きなうねりとなって武道館の空気を包んでいった…!!

餓狼伝 21巻

全日本空手道オープントーナメント準々決勝最終試合!!! 当てずに勝つ。寸止め空手の真髄をみせてきた神山がここにきて一転、「当てる」と言い放つ! その拳は、美しき空手家・姫川の顔面を如何にしてとらえるか。

餓狼伝 22巻

全日本空手道オープントーナメント準決勝。プロレスラー同士、先輩後輩の意地がぶつかる。長田弘vs鞍馬彦一の対戦は驚愕の決着を迎える――!!

餓狼伝 23巻

空手、柔道、テコンドー、プロレス、ムエタイ、キックボクシング、サンボ、古武道、日本拳法、柔術、レスリング、グローブ空手、伝統派空手、ボクシング……。あらゆるジャンルの格闘家が結集した異色空手大会の頂点が、ついに決定する……!!!

餓狼伝 24巻

あらゆるジャンルの格闘家が結集した異色空手大会の優勝者・姫川勉と殺人容疑で指名手配中の竹宮流・藤巻十三。互いの誇りをかけた“果たし合い”、その結末は…!?

餓狼伝 25巻

「殺るか殺られるかで生きてんだよ」。丹波文七の道に、格闘家としての表舞台は必要なかった。ゴングもリングもレフェリーもない。喧嘩に次ぐ喧嘩…命の削り合いへと身を投じた文七が辿りついた境地とは…!?

餓狼伝 26巻

泉宗一、松尾象山、堤城平、次々と名のある武道家たちに立ち合いを挑む男・村瀬豪三! 純なる闘いを追求する男の足は、やがて「最強」の頂を欲してやまぬ男へと……!!

餓狼伝

リアル感とドリーミイ感を共存させている格闘漫画

餓狼伝 板垣恵介 夢枕獏
名無し

最強の男は誰か、最強の格闘技は何か、を追求するなら 個々人の資質やセンスや体格や体力や修練度を 最高レベルで均一化したうえで、 打・投・極の全てをいかんなく発揮できるルールを作り、 身分や立場や金銭的なメリットデメリットなどのしがらみを 無くして平均化して、 多数が同時に心身ともにベストコンディションで 戦える場に選手一同を終結さけなければならない。 そんなことは現実には不可能だ。 だからこそ古今東西、漫画・小説・TV・映画という 夢を現実化できる世界で、数え切れないほどに テーマにされて作品化されている。 だがそれでいて、いまだに これが最高、これが究極、これこそがリアルだと 万人を納得させる作品は出現していない。 リアルとドリーミイのバランス取りが難しすぎるのだろう。 ある意味で作品化、描写が不可能レベルな難題で 「最強論漫画」は永遠の夢なのかもしれない。 その最強論漫画への挑戦・証明のための手法として、 リアリティとドリーミイをいい感じにミックスして 凄くいい感じに魅せてくれているのが 原作・夢枕獏、作画・板垣恵介の「餓狼伝」だと思う。 矛盾した言い方になるがリアリティとドリーミイが それぞれに充分に共存した漫画になっている。 空手・柔術・プロレス・ボクシングなどの 各種格闘技の(前記した条件を満たした)精鋭が 一同に会して闘うという 「現実にはありえんだろ」という世界を 小説(原作)や漫画だからドリーミイをある程度まで 魅せてくれている作品は他にも少なからずある。 「餓狼伝」もそういった、漫画だからこそ成立している ドリーミイな面はあるし、その面での描き方も凄く面白いのだが、 それだけではない板垣先生ならではの上手い描き方が 「餓狼伝」では、なされていると思う。 添付画像は第三巻からの抜粋だが、 夜の公園で闘っている二人の攻防のポイントを 的確に判りやすくコマ割りして絵にしている。 そしてそれだけでなく、 「電灯が揺れる」 シーンを間に挿入している。 たった一つのコマではあるが、 普通に格闘場面を描き、そこにリアリティを強調しようと だけ考えたら、なかなか揺れる電灯のコマなんて この流れの中に挿入出来ない、描かない。 だがこの一見、たいした意味のなさそうな一コマで 単純に技に入り決める動作を連続写真的に 絵にするだけの漫画よりも、 投げ、電灯、絶息、手のクラッチという流れにすることで リアルとドリーミイが判りやすく漫画として成立している。 こんな感じの、ただリアルを追求するだけの 絵やコマ割りだけではない、漫画手法としての ドリーミイがあちこちに描かれている。 それはもともとの夢枕獏先生の原作にそれだけの 要素が詰まっていたのだろうけれど それをまた板垣先生が上手く漫画化したんだな、 と感じている。